JPH03718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は圧電素子に歪を与え、その時発生した
高電圧により蛍光灯を点灯する蛍光灯点灯装置に
関する。

従来例の構成とその問題点 従来この種の点灯装置の場合、手動によるヒー
ター予熱スイツチと、圧電素子に衝撃を与える機
構とを連動させたものや、ソレノイドを用いて圧
電素子に衝撃を加えて高電圧を発生させており、
何れも圧電素子に直接衝撃を加える為、蛍光灯を
点灯させる際に大きな衝撃音が発生するといつた
欠点があつた。

考案の目的 本考案は、電磁石の磁力により圧電素子ユニツ
トの端部に取り付けた鉄片または永久磁石を吸引
して圧電素子に歪を与えて、衝撃音を発すること
なく圧電素子から高電圧を発生させ、蛍光灯を点
灯させることを目的とする。

考案の構成 本考案の蛍光灯点灯装置は、短冊状圧電素子の
長さ方向両端部に電極を設け、この圧電素子を同
じく短冊状の弾性絶縁板に貼り合わせ、前記弾性
絶縁板の一端部を固定して片持ち状態とし、他端
部には鉄片または永久磁石を取り付けて成る圧電
素子ユニツトを、蛍光灯の非電源側フイラメント
間にダイオードとスイツチング素子（SSS等）と
を直列に接続した電磁石により駆動させて圧電素
子に歪を与えて高電圧を発生させて蛍光灯を点灯
するようにしたところに特徴がある。

実施例の説明 本考案の一実施例および実施態様について第１
図から第６図を参照して説明する。

第１図は本考案の蛍光灯点灯装置の斜視図を示
し、両端部に電極１，２を設け、矢印Ａ方向に分
極を行なつた短冊状の圧電素子３を同じく短冊状
の弾性絶縁板４に貼り合わせて弾性絶縁板４の一
端部５を支持体Ｋに固定して片持ち状態とし、ま
た他端部６には鉄片７を取り付けて成る圧電素子
ユニツト８の斜視図で、電極１，２には出力電圧
取り出しの為のリード線９，１０が接続されてい
る。第２図は、本考案の一実施態様を示すもので
第１図の鉄片７の代りに永久磁石１１が取り付け
られている以外の構造は第１図と同一である。ま
た各部の符号番号も対応している。第３図は第１
図に示す構造の圧電素子ユニツト８と電磁石１４
を蛍光灯器具に組み込んだ状態を示す回路図であ
る。

本考案の蛍光灯点灯装置の動作を説明する。

今、回路中のスイツチ１６をONにすると安定
器１５を介して蛍光灯２０の両端のフイラメント
１９の非電源側に直列に接続されたダイオード１
２、スイツチング素子１３、電磁石１４を通して
予熱電流が流れ、フイラメント１９を予熱する。
この時の予熱電流はダイオード１２により半波整
流されており、第４図に示すような脈流波形の電
流が流れる。予熱電流が流れている状態において
は電磁石１４は励磁され磁界が発生する。電磁石
１４の発生磁界内に圧電素子ユニツト８の鉄片７
を配することにより第５図に示すように鉄片７は
吸引され圧電素子３は歪み高電圧パルスを得るこ
とができる。この高電圧パルスは圧電素子３の両
端に設けた電極１，２にリード線９，１０を接続
して取り出し、一方のリード線１０を蛍光管２０
の外周側面に設けた近接導体２１に接続して印加
する。またもう一方のリード線９はフイラメント
１９の非電源側の何れか一方に接続されている。
以上のような回路構成により、蛍光灯２０の両端
のフイラメント１９は予熱されながら、同時に蛍
光灯２０の外周側面に設けた近接導体２１に高電
圧パルスを印加するため、放電を誘起されて点灯
に至る。その後蛍光灯２０の点灯によりランプ電
圧（両フイラメント間の電圧）は放電維持電圧
Vtに押えられるので、スイツチング素子１３の
ブレークオーバー電圧V_BOを電源電圧のピーク値
Vpeakとした時に、Vpeak＞V_BO＞Vtとなるよう
に選ぶことにより、蛍光灯２０が点灯した後はス
イツチング素子１３は導通状態には至らず蛍光灯
２０を安定した状態で点灯せしめる。第３図にお
いて、１７は入力端子、１８は雑音防止用コンデ
ンサ、を示す。第６図は電磁石に流れる脈流が
OFF状態（第４図で示すt₁の範囲）を示す。

考案の効果 以上のように本考案では蛍光灯の放電点灯を誘
起させるため、高電圧パルス電圧を半永久的な寿
命を持つ圧電素子から得ており、また圧電素子の
形状を短冊状にして弾力性を持たせ、電磁石から
の磁界により圧電素子を湾曲状にたわませて高電
圧パルスを発生させているため、衝撃音もなく、
さらに予熱を加えながら電磁石により圧電素子を
連続的に歪ませて高電圧パルスを蛍光灯に印加し
ており、より早い点灯始動が可能となるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の圧電素子ユニツト
の斜視図、第２図は本考案の一実施態様の圧電素
子ユニツトの斜視図、第３図は点灯装置を蛍光灯
器具に組み込んだ状態を示す回路図、第４図は予
熱電流の脈流波形図、第５図は電磁石に脈流電流
が流れ、鉄片が吸引されて圧電素子がたわんだ状
態図、第６図は電磁石に流れる脈流がOFF状態
（第４図で示すt₁の範囲）図、を示す。 １，２……電極、３……圧電素子、４……弾性
絶縁板、５……弾性絶縁板の端部、６……弾性絶
縁板の他端部、７……鉄片、８……圧電素子ユニ
ツト、９，１０……リード線、１１……永久磁
石、１２……ダイオード、１３……スイツチング
素子（SSS等）、１４……電磁石、１５……安定
器、１６……スイツチ、１７……入力端子
（AC）、１８……雑防用コンデンサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 圧電素子に歪を与え、その時発生した高電圧
   により蛍光灯を点灯せしめる蛍光灯点灯装置に
   おいて、前記圧電素子の形状を短冊状にし、そ
   の長さ方向の両端部に電極を設け、この圧電素
   子を短冊状の弾性絶縁板に貼り合わせ、前記弾
   性絶縁板の一端部を固定して片持ち状態とし、
   他端部には鉄片を取り付けて圧電素子ユニツト
   を構成し、蛍光灯の非電源側フイラメント間に
   ダイオードとスイツチング素子と直列に接続し
   た電磁石よりなる電磁石回路を設け、前記電極
   の一方を前記蛍光灯のフイラメントに接続し、
   他方の電極を蛍光灯の外周側面の近接導体に接
   続し、前記電磁石により前記圧電素子ユニツト
   の鉄片を吸引して圧電素子に歪を与えて高電圧
   を発生させ、蛍光灯を点灯させる蛍光灯点灯装
   置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項記載の蛍光灯
   点灯装置において、圧電素子ユニツトの他端部
   に取付けた鉄片の代りに永久磁石としたもの。