JPH0370800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はコンテナ用の取外し式密閉装置とその
方法に関するもので、このコンテナは、放射能源
と熱源とを同時に持つ核燃料の運搬に用いられ
る。

核燃料を閉じ込めているキヤニングが破れる
と、コンテナの内部に過加圧が生じ得る。それ故
閉鎖装置はこの過加圧に耐えねばならぬ。

コンテナ用の取外し式密閉装置は数多く存在す
るが、これはコンテナの開口部を形成する部分
と、この開口部に取付けられる栓とから構成され
る。密閉性は栓と開口部との間に圧力パツキンを
用いて与えられる。パツキンの圧縮力は、装置を
構成する様々な部品の相対的移動によつて得られ
ることが多く、機械加工された傾斜縁、ネジ機
構、その他を介して各々の部品が協働する。

高度の密閉性を望む場合には、閉鎖時に比較的
大きな圧縮力をシールパツキンに与え得るような
栓が設計される。

また、密閉装置は高温を受けるから、シールパ
ツキンは金属製でなければならず、しかも金属製
パツキンは、かなり大きな圧縮力を受けた場合に
のみ、密閉性が大きくなる。

高温下でのこのような絶対的密閉基準は、放射
能源と熱源とを同時に持つ核燃料を閉じ込めるコ
ンテナのそれである。

このような条件を満たすことのできる既存の栓
は、精密な機械加工を必要とする複雑な構造を持
ち、その取付けも微妙である。他方、このような
栓が放射線にさらされると、その表面は汚染され
ておうとつ、溝穴もしくはくぼみを生じ、安全ま
たは検査上支障をきたす。

本発明はこのような欠点の除去を目的とした照
射済み核燃料用コンテナの取外し式密閉方法であ
つて、コンテナ開口部と協同する栓を用いるもの
である。即ち、開口部は少なくともその上部の内
側面が円筒形であり、栓の少なくとも外側面は円
筒形で、栓の外側面の直径は開口部内側面の直径
よりやや大きく、栓の取付けが開口部上部の急速
な加熱によつて行われ、開口部が瞬間的に膨張し
て栓を挿入することができ、開口部の内側面は、
加熱の停止による熱的均衡の回復後、栓の外側面
で強力に支承されるようになり、栓の取外しも同
じように開口部上部を急速に加熱して行われる。

開口部急速加熱する手段は好ましくは電磁コイ
ルから構成され、これに交流電源に接続する。

本発明の一実施例によれば、栓の円筒形外側面
に同心状の溝穴を設け、有効な接触区域を増大
し、これにより栓を取付けた時密閉性が高められ
る。

本発明のかかる密閉装置で注目すべきことは、
装置を構成する部品が単純な回転体となるから、
その機械加工は非常に簡単である。

本発明に固有なその他の長所は、以下の実施例
に関する詳細な説明および添付図面によつて明ら
かになるであろう。

第１図を参照しながら本発明による密閉装置の
作動原理を説明する。

コンテナ（図示せず）には通常程度の円筒形の
開口部１がある。この開口部１には他にくらべ非
常に厚い上方縁部２があり、その内面はかなり厳
格な円筒形である。通常温度の円筒形の栓４は、
その外面がかなり厳格な円筒形である。栓４は開
口部１に入り込み、円筒面３および５は互いに押
合ねて密閉を行う。栓を所定の位置に入れ込むた
め、開口部の上方縁部２の周りに電磁コイル６を
取付け、この電磁コイルに交流を供給して、既知
の方法により部分２を直ちに加熱する。その結果
膨張が生じ、上記上方縁部の内面３の直径がＤ１
の値にされる。加熱されない栓の直径Ｄ２は、直
径Ｄ１より幾分小さいから、栓の挿入に困難はな
い。この挿入が行われると、コイルを取出すか或
いはその電源を切ると冷却されるから、上方縁部
２および栓４の間に熱的均衡が得られる。面３は
冷えた際にＤ２より小さい直径Ｄ３を持つから、
上方縁部２および栓４は焼き嵌め状態になり、面
３および５は相互に押し合うようにされる。この
ように構成された組立体が後で例えば内部に収容
された材料の放射線によつて加熱されたとして
も、栓と開口部とが同時に膨張し、このため上記
２つの部分の焼き嵌め状態はさほど変化しないか
ら、そのまま効果的な密閉性が維持される。

コンテナを開口するには、コイルを元に戻し、
上方縁部２の周囲で給電すればよい。急速かつ表
面的作用の加熱が行われるから、実際上、上方縁
部２だけが加熱され、栓は冷たいままに置かれ
る。

このような加熱が行われると、上方縁部２は充
分に膨張するので、表面３および５の間には間隙
が形成され、このため力を加えることなく栓を引
き出すことができる。

注目すべきことは、部品の形状が単純であるか
ら、このような閉鎖を行うことができるというこ
とである。更に、栓の挿入と引出し動作には力を
要しないから、誤動作の可能性がなくなる。面３
および５が相互に押合う力は、両部分の寸法と材
質のみに関係し、かつ動作とは無関係であるか
ら、これによつて密閉性の信頼度が高められる。

第２図および第３図は本発明による閉鎖装置の
特定実施例を示す。円筒面３および５は、接触に
よつて密閉を与えるようになつた２つの面であ
る。面３のあちらこちらには、円形突出部７とこ
れに続く円形凹部９があり、面５のあちこちに
は、円形の凹部８とこれに続く円形突出部１０と
がある。熱的均衡に対応する閉鎖位置（第３図）
では、面３および５は相互に押合い、突出部７，
１０および凹部８，９は、全体として、開口部２
および栓４の間に僅かなスペース１１を残すよう
に配設され、このスペース１１の直径は、接触し
ている面３および５の直径よりもコンテナの下方
に向かつて順次小さく次いで大きくなる。このよ
うな配設によつて、栓の軸方向移動を効果的に妨
げる。この種の軸方向移動は、例えば、外部から
の衝撃または内部の過加圧によつて生じうる。

上記突出部および凹部を交互に多数設けること
によつて、面３および５のあちらこちらに迷路を
作ることができる。

このような側面の突出部は、衝撃や線状疵から
面３および５を保護する長所があり、こうした疵
の無いことが密閉性を得るのに重要なのである。

栓の挿入または引出し時（第２図）、部分２は、
突出部７の直径Ｄ５が突出部１０の直径Ｄ４より
大きくなるように膨張されなければならない。

第２および第３図に対応する実施例では、栓４
の外側面５には同心の円形溝２３が設けられ、密
閉性を高めるのに用いられている。微少な形状的
な欠陥が面３または５の少なくとも一つに生じた
場合、或いは栓が開口部の軸心に正確に置かれな
い場合、面３および５の接触が稜部の近辺だけに
なる恐れがある。溝２３の存在することにより栓
の表面剛性が小さくなり、面３および５の接触区
域が増大する。

第４図には本発明による閉鎖装置の別な実施例
が示されている。この図のコンテナの開口部１に
は上方縁部２があり、そこには同心の２つの円筒
形内側面１２および１３が設けられ、外側に近い
面１３の直径は、面１２のそれより大きい。栓は
基本的に言つて同心の円筒形部分１４および１５
から構成され、両者はジヤバラを構成する弾性体
のバツクル１６，１７および１８によつて密閉的
に結合される。栓が開口部に挿入されると、この
開口部の内側肩部１９に上記栓が支承される。そ
れ故この位置付けは強固である。

部分１４および１５はその外側面２０および２
１を持ち、各々面１２および１３に対応して、熱
的均衡時には同時に焼き嵌めされる。それ故この
装置内で密閉は二重になる。弾性体の結合部材１
６，１７および１８によつて、温度変動時に生ず
る部分１４および１５の軸心に沿う移動が吸収さ
れるから、密閉性を与える様々な接触面間にスリ
ツプの生ずるのを妨ぐ。孔２２が部分１５に設け
られるから、栓を掴むことができ、この場合衝撃
にさらされる虞れのあるような突起物を栓に設け
る必要はない。

本発明によるすべての実施例において、密閉性
を与えるため接触するようになる円筒形面に、金
属製の被覆を設けることは有益であり、その硬度
は栓と開口部とを構成する材料の硬度より小さ
い。この被覆を化学的なニツケルで作ることもで
きる。

本発明による閉鎖装置はその他にも長所があつ
て、放射性物質を入れるコンテナにこれを用いる
場合、汚染され得る表面を大巾に限定し、しかも
起伏もへこみもない滑らかな表面を得ることがで
きる。

細部の変型種および改良ならびに同等な手段の
使用も、本発明の要旨に含まれることは言うまで
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による密閉装置の図式的な断面
図である。第２図および第３図は本発明による密
閉装置の実施例を示す部分的断面図である。第２
図は栓の取付けまたは取出し操作時における開口
部と栓の相対的位置を示す。第３図は栓が取付け
られた時における開口部と栓の位置を示す。第４
図は本発明による密閉装置の別の実施例を示す断
面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 照射済み核燃料用コンテナの取外し式密閉方
   法であつて、上記コンテナの開口部と協働する栓
   を用いた上記密閉方法において、上記開口部は少
   なくともその上部において内側面が円筒形であ
   り、栓の外側面も円筒形であり、栓の外側面の直
   径が開口部内側面の直径よりやや大きく、栓の取
   付けが開口部の上部の急速な加熱によつて行わ
   れ、その膨張によつて栓の挿入が行われ、開口部
   の内側面は、加熱の停止による熱的均衡の回復
   後、栓の外側面で強力に支承されるようになり、
   栓の取外しも同じように開口部の上部を急速に加
   熱して行われることを特徴とする密閉方法。 ２ 照射済み核燃料用コンテナの取外し式密閉装
   置において、上記装置が円筒形の外側面５，２
   ０，２１を少なくとも持つた栓４から構成され、
   この栓が円筒形の内側面３，１２，１３を少なく
   とも持つコンテナ開口部２の上部に嵌め込まれ、
   栓の外側面５の直径が開口部２の対応する内側面
   ３の直径よりやや大きく、上記装置は、栓４の取
   付けと取出しのために、開口部２の上部を加熱す
   るため、開口部の上部を取り囲み、交流電流が供
   給される電磁コイル６を含むことを特徴とする密
   閉装置。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の密閉装置にお
   いて、栓４には弾力性のあるシールバツクル１
   ６，１７，１８で結合された２つの部分１４，１
   ５が形成され、前記２つの部分１４，１５は対応
   する円筒形の内側面１２，１３を介して開口部２
   の２つの異なる同心ハウジング内に各々嵌込まれ
   る円筒形の外側面２０，２１を有し、外部に近い
   栓の部分１５に、バツクル１６の区域に通じしか
   も栓を掴むのに用いる内部孔２２が設けられてい
   ることを特徴とする密閉装置。 ４ 特許請求の範囲第２項又は第３項に記載の密
   閉装置において、外側面５と開口部の対応する内
   側面３との接触を改善するように栓の円筒形外側
   面５に少なくとも１つの同心の溝２３が設けられ
   ていることを特徴とする密閉装置。 ５ 特許請求の範囲第２項乃至第４項いずれか１
   項に記載の密閉装置において、開口部の内側面３
   と栓の外側面５とに、これらの面と同心の一連の
   円形突出部７および凹部８が設けられ、該開口部
   と栓の一方の突出部が他方の部分の凹部の真向い
   にあり、或いは凹部が突出部の真向いにあつて、
   開口部に対する栓の軸方向移動が密閉性を与える
   接触面の各側で妨げられるようになつていること
   を特徴とする密閉装置。 ６ 特許請求の範囲第２項乃至第５項いずれか１
   項に記載の密閉装置において、密閉性を与える接
   触面が金属層で被覆され、その硬度が栓と開口部
   の硬度よりも小さいことを特徴とする密閉装置。