JPH0366720A - 有機強磁性前駆体と有機強磁性体並びにこれらの製造方法 - Google Patents

有機強磁性前駆体と有機強磁性体並びにこれらの製造方法

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JPH0366720A
JPH0366720A JP1203691A JP20369189A JPH0366720A JP H0366720 A JPH0366720 A JP H0366720A JP 1203691 A JP1203691 A JP 1203691A JP 20369189 A JP20369189 A JP 20369189A JP H0366720 A JPH0366720 A JP H0366720A
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organic ferromagnetic
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organic
aromatic
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JP1203691A
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Hiroya Kakegawa
宏弥 掛川
Sugiro Otani
大谷 杉郎
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/42Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of organic or organo-metallic materials, e.g. graphene

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁気記録材料や光磁気効果を利用した素子材
料等として使用できると共に、成形性及び軽量性を有し
、金属を含有しない有機強磁性体及びその製造方法に関
する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題]近年、無
機磁性材料に代えて、加工性等の点で優れる有機磁性材
料が種々報告されている。例えば、1.4−ビス(2,
2’ 、6.6’ −テトラメチル−1オキシル)ブタ
インを加熱又は紫外線照射すると、強磁性を示す黒色粉
末状ポリマーが得られること(Nature、 328
.370 (1987) ) 、ポリカルベンが強磁性
を示すこと(日本化学会誌、1987、 No、4.5
95 )や、1,3.5−)リアミノベンゼンをヨウ素
を用いて重合した黒色不溶性ポリマーが強磁性を示すこ
と(5ynth、 Metal 、 19゜709 (
1987))が報告されている。しかしながら、これら
の有機磁性材料は、反応が複雑であるため、合成が困難
であり、再現性に乏しい。
一方、日本化学会第57秋季年会講演予稿集。
1988.681−683頁には、ピレンと、ベンズア
ルデヒド等とを酸性触媒の存在下で縮合反応させ、トリ
アリールメタン構造を有する初期縮合物やトリアリール
メタン型ポリマーを得た後、ベンゾキノン等の光増感剤
を添加し、紫外線を照射すると、磁性が発現することが
開示されている。この方法は、光増感剤による光励起と
、トリアリールメタン構造単位のメチン炭素部位の水素
原子を引抜き、ラジカルを生成させる水素引抜き反応と
を利用しているものの、生成したラジカルが、遊離のキ
ノン類で攻撃される。従って、光増感剤と生成するラジ
カル濃度との間には平衡関係が成立し、平衡濃度以上に
ラジカルを生成させるのが困難である。
本発明の目的は、容易かつ再現性よく合成できると共に
、安定したラジカルを効率よく生成させることができる
有機強磁性前駆体を提供することにある。
また本発明の他の目的は、ラジカル濃度が高く、強磁性
を発現する有機強磁性体を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、上記有機強磁性前駆体及び
有機強磁性体を容易に製造できる有機強磁性前駆体の製
造方法、及び有機強磁性体の製造方法を提供することに
ある。
[発明の構成] 本発明者は、鋭意研究の結果、分子内脱水素反応を利用
して、メチン炭素部位の水素原子を引抜き、ラジカル化
させると、ラジカル濃度が高く、強い磁性が発現する有
機強磁性体が得られることを見いだし、本発明を完成し
た。すなわち、本発明は、少なくとも1個のオキソ基又
はチオキソ基を有する芳香族化合物が、メチン結合によ
り架橋している有機強磁性前駆体により、上記課題を解
決するものである。
また本発明は、上記有機強磁性前駆体のうち少なくとも
メチン炭素部位が、分子内脱水素反応によりラジカル化
し、かつラジカル濃度が10”/g以上である有機強磁
性体により、上記課題を解決するものである。
さらには、本発明は、(1)少なくともヒドロキシ基、
メルカブト基、ジアルキルアミノ基及びメトキシ基から
なる群から選ばれた基を1個以上宥する芳香族化合物と
、少なくとも1個のホルミル基を有する芳香族アルデヒ
ド化合物とを、酸触媒の存在下で縮合し、生成したトリ
アリールメタン型ポリマーを酸化し、オキソ基又はチオ
キソ基を導入する有機強磁性前駆体の製造方法や、(2
)少なくともヒドロキシ基、メルカブト基、ジアルキル
アミノ基及びメトキシ基からなる群から選ばれた1個以
上の基と、少なくとも1個のホルミル基とを有する芳香
族化合物と、置換基を有していてもよい芳香族化合物と
を、酸触媒の存在下で縮合し、生成したトリアリールメ
タン型ポリマーを酸化し、オキソ基又はチオキソ基を導
入する有機強磁性前駆体の製造方法により、上記課題を
解決するものである。
また本発明は、上記の製造方法でオキソ基又はチオキソ
基を導入したトリアリールメタン型ポリマーを、メチン
部位の水素原子を引抜く脱水素反応に供する有機強磁性
体の製造方法により、上記課題を解決するものである。
本発明の有機強磁性前駆体は、下記−数式(1)で表さ
れる。
(式中、Arl は置換基で置換されていてもよい二価
の芳香族基、A r 2は置換基で置換されていてもよ
い一価の芳香族基を示し、A r H及びAr2のうち
いずれか一方の芳香族基は少なくとも1つのオキソ基又
はチオキソ基を有し、nは3以上の整数を示す) すなわち、本発明の有機強磁性前駆体は、オキソ基又は
チオキソ基を有する芳香族化合物が、メチン結合により
架橋している。上記オキソ基又はチオキソ基は、芳香族
基に少なくとも1個置換していればよいが、2個以上置
換しているのが好ましい。特に上記オキソ基又はチオキ
ソ基は、芳香族基の共役位置に置換した一対のキノイド
構造を採るのが好ましい。キノイド構造は、特にオキソ
基からなる0−キノイド又はp−キノイド構造であるの
が好ましい。
上記芳香族基を構成する芳香族化合物としては、ベンゼ
ン、ナフタレン、アズレン、インダセン、アセナフチレ
ン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、
ピレン、クリセン、ナフタセン、ベンゾフェナントレン
、ペリレン、ベンゾピレン、ヘキサセン、ヘプタセン等
の単環又は縮合多環式炭化水素、イソキノリン、キノリ
ン、カルバゾール、アクリジン、フェナジン等のように
窒素原子、硫黄原子や酸素原子などをヘテロ原子として
含むヘテロ環を有する芳香族炭化水素等が例示される。
上記一般式(1)で表される構造単位において芳香族基
Arl とArcは同−又は異なっていてもよい。
また芳香族基Arl の置換基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル基等の低級アルキル基;ヒ
ドロキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等の低
級アルコキシ基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子
;カルボキシ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル基等の低級アルコキシカルボニル基等が例示される
。これらの置換基は、芳香族基の種類に応じて1個以上
置換できる。これらの置換基のうち電子供与性基、例え
ば低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基等
が好ましい。該電子供与性基は、メチン基と結合した芳
香族基の部位から数えて少なくとも2の位置に置換して
いるのが好ましい。またキノイド構造を有する構造単位
にあっては、上記電子供与性基は、通常、メチン基と結
合した芳香族基の部位の隣設位置に置換しているのが好
ましい。
また芳香族基Ar2の置換基としては、上記例示の置換
基の他、例えば、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等が例
示される。これらの置換基は芳香族基Ar2に1個以上
置換できる。
上記一般式(1)で表される構造単位を有する有機強磁
性前駆体は、適宜の分子量を有していればよいが、通常
n−3以上である。n−3〜10程度であると、初期縮
合物であるB−ステージのポリマーとなる。このB−ス
テージのポリマーは、通常、軟化点30〜120℃を示
す。また有機強磁性前駆体は、初期縮合物であるB−ス
テージのポリマーであってもよく、B−ステージのポリ
マーを100〜200℃程度の温度で加熱硬化させた硬
化物であってもよい。また一般式(1)で表される構造
単位を有する有機強磁性前駆体は、熱可塑性ポリマーで
あってもよい。
本発明の有機強磁性体は、前記一般式(I)で表される
構造単位において、メチン炭素部位の水素原子がオキソ
基又はチオキソ基により分子内で引抜かれ、ヒドロキシ
基又はメルカブト基となり、メチン炭素部位がラジカル
化している。なお、分子内脱水素反応により生成するラ
ジカルは、少なくともメチン炭素部位に存在すればよく
、構造単位のうち共鳴構造を採りうる部位がラジカル化
していてもよい。この構造単位を有する有機強磁性体は
、トリアリールメタン構造を有しているので、メチン炭
素部位の水素原子を脱離させ、メチン炭素部位や共鳴構
造を採りうる部位にラジカルを生成しても、該ラジカル
は安定に存在する。従って、安定なラジカルに起因して
、磁性が長期に亘り発現する。
有機強磁性体は、磁性を発現させる上で必要な範囲で適
宜のラジカル濃度を有していればよいが、ラジカル濃度
は、通常、107/g以上、好ましくは10竺/g以上
である。
なお、本発明の有機強磁性体は、鉄、コバルト、ニッケ
ル等の金属と複合化していてもよい。
本発明の有機強磁性体は、熱可塑性又は熱硬化性である
ため、成形品、フィルムや繊維等に容易に成形加工する
ことができると共に、有機溶媒溶液として使用すること
により、容易に薄膜を形成できる。
本発明の有機強磁性体の磁性は、次のようにして確認す
ることができる。簡便な方法としては、有機強磁性体を
粉砕し、水を注入したシャーレの下部に磁石を配すると
共に、水面上に樹脂粉末を浮べ、放置する方法が挙げら
れる。この方法では、水面上の樹脂粉末が、磁石のうち
磁束密度の大きな部位に移動し、磁石の周囲に集合する
。また他の方法としては、磁化特性測定機を用いて、有
機強磁性体の磁気特性を測定できる。
なお、前記有機強磁性前駆体や有機強磁性体のトリアリ
ールメタン構造や、有機強磁性体のヒドロキシ基、メル
カブト基の生成は、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴
スペクトルで確認することができ、有機強磁性体のラジ
カルは、ESRて確認できる。
本発明の有機強磁性前駆体及び有機強磁性体は、以下の
方法で製造できる。
(1)有機強磁性前駆体は、少なくともヒドロキシ基、
メルカブト基、ジアルキルアミノ基及びメトキシ基から
なる群から選ばれた基を1個以上有する芳香族化合物と
、少なくとも1個のホルミル基を有する芳香族アルデヒ
ド化合物とを、酸触媒の存在下で縮合する縮合工程と、
生成したトリアリールメタン型ポリマーを酸化し、オキ
ソ基又はチオキソ基を導入する酸化工程とを含む工程で
製造できる。また有機強磁性体は、上記有機強磁性前駆
体を脱水素反応に供することにより製造できる。この方
法で得られた初期縮合物は軟化点を有する。
上記芳香族化合物のジアルキルアミノ基とじては、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基
等が例示される。
なお、ヒドロキシ基、メルカブト基、ジアルキルアミノ
基及びメトキシ基は、上記酸化工程で容易にオキソ基又
はチオキソ基に変換できる。従って、ヒドロキシ基、メ
ルカブト基、ジアルキルアミノ基及びメトキシ基の置換
数は、所望するオキソ基又はチオキソ基の数に応じて適
宜選択できる。
例えば、キノイド構造に変換するには、上記ヒドロキシ
基等は芳香族化合物の少なくとも互いにオルト又はパラ
位に置換しているのが好ましい。
上記芳香族化合物及び芳香族アルデヒド化合物は、置換
基を有していてもよい。香族化合物及び芳香族アルデヒ
ド化合物の置換基としては、前記例示の置換基が挙げら
れ、電子供与性基が好ましい。
上記芳香族化合物としては、ヒドロキシ基、メルカブト
基、メトキシ基、ジアルキルアミノ基が置換した単環又
は縮合多環式炭化水素やヘテロ環を有する芳香族炭化水
素、例えば、フェノール、チオフェノール、メトキシベ
ンゼン、ジメチルアミノベンゼン、ヒドロキノン、レゾ
ルシノール、ピロガロール、4−メトキシフェノール、
4−ジメチルアミノフェノール、4−ヒドロキシ−2゜
6−シメチルフエノール、ナフトール等が例示される。
こ、れらの芳香族化合物は少なくとも一種使用できる。
また芳香族アルデヒド化合物としては、例えば、ベンズ
アルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデ
ヒド、2.5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2.5
−ジメトキシベンズアルデヒド等が例示される。これら
の芳香族アルデヒド化合物は少なくとも一種使用できる
理解を容易にするため、単環式芳香族化合物とベンズア
ルデヒド誘導体とを用いて、p−キノイド構造を有する
有機強磁性前駆体を製造する方法について、反応式を示
すと次の通りである。
(以下、余白) (Il          ([[1 QV)               (Vl(式中、
又はヒドロキシ基、メルカブト基、ジアルキルアミノ基
及びメトキシ基からなる群から選ばれた基を示し、Yは
酸素原子又は硫黄原子を示す。R1及びR2は、それぞ
れ同−又は異なる前記置換基を示し、lは0〜2の整数
、mは0〜5の整数を示す。) 一般式(1)で表される化合物と一数式圓で表される化
合物との反応は、酸性触媒の存在下で行なうことができ
る。該反応は、有機溶媒の存在下で行なってもよいが、
通常無溶媒の条件で行なわれる。
−数式圓で表される化合物は一般式(I[]で表される
化合物1モルに対して少なくとも当モル、好ましくは1
.25〜1.5モル程度使用される。酸性触媒としては
、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸
、フルオロメタンスルホン酸等の有機酸等が例示される
。酸性触媒の量は、出発原料により大きく異なるが、通
常一般式(幻で表される化合物と一数式圓で表される化
合物との総量に対して、通常、0.001〜10重量%
である。なお、電子供与性基を有する出発原料を用いる
と、酸性触媒量が少なくて済む。
一般式(I)で表される化合物と一数式圓で表される化
合物との反応は、通常、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性雰囲気中で、室温〜150℃程6度の温度で10
分〜12時間程度行なわれる。なお、反応時間を短時間
、例えば10分〜1時間程度とすると、B−ステージの
初期縮合物を得ることができる。
このようにして得られた初期縮合物やポリマーは、分離
精製してもよい。分離精製法としては、溶媒抽出法、溶
媒沈澱法、カラムクロマトグラフィー等の慣用の方法が
採用できる。
酸化工程では、一般式Nで表される構造単位を有するト
リアリールメタン型ポリマーの置換基Xをオキソ基又は
チオキソ基に変換し、一般式Mで表される構造単位、す
なわちキノイド構造を導入する。
酸化反応には、酸化剤、例えば、硝酸、硫酸、重クロム
酸塩、塩化第一鉄、二酸化マンガンのうち一種又は二種
以上の酸化剤で酸化する方法、五酸化バナジウムの存在
下、塩素酸ナトリウムと希硫酸で酸化する方法、脱水用
無水硫酸ナトリウムの存在下で酸化銀で酸化する方法、
Premy塩による酸化方法、電解酸化法等、従来、慣
用の方法が採用できる。これらの酸化剤は、−数式制で
表される構造単位当り0.3〜1モル、好ましくは0゜
5モル程度使用される。酸化反応は、通常、酢酸等の有
機酸、ジクロロメタン、トリクロロメタン等のハロゲン
化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類等の有機溶媒の存在下で、穏やかな条件下、例えば
、−20℃〜50℃程度の温度で行なうことができる。
酸化反応に供した後、初期縮合物又はポリマーは、通常
溶剤沈澱法等により濾別し精製される。
また他の方法では、前記(1)の方法の縮合工程に代え
て、(2〉少なくともヒドロキシ基、メルカブト基、ジ
アルキルアミノ基及びメトキシ基からなる群から選ばれ
た1個以上の基と、少なくとも1個のホルミル基とを有
する芳香族化合物と、置換基を有していてもよい芳香族
化合物とを、酸触媒の存在下で縮合する。この方法で得
られた初期縮合物、すなわち、B−ステージの樹脂は、
熱硬化性を示す。
上記芳香族化合物は、ヒドロキシ基、メルカブト基、ジ
アルキルアミノ基及びメトキシ基からなる群から選ばれ
た1個以上の基と、少なくとも1個のホルミル基とを有
する単環又は縮1合多環式炭化水素やヘテロ環を有する
芳香族炭化水素化合物であれば特に制限されない。該芳
香族化合物としては、2,5−ジヒドロキシベンズアル
デヒド、2.3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,
5−ジメルカブトベンズアルデヒド、2,5−ジメトキ
シベンズアルデヒド、2.5−ビス(N、 N−ジメチ
ルアミノ)ベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−5−メ
トキシベンズアルデヒド等が例示される。これらの化合
物は少なくとも一種使用できる。
置換基を有していてもよい芳香族化合物としては、例え
ば、前記単環又は縮合多環式炭化水素やヘテロ環を有す
る芳香族炭化水素が例示される。
理解を容易にするため、単環式芳香族化合物とベンズア
ルデヒド誘導体とを用いて、p−キノイド構造を有する
有機強磁性前駆体を製造する方法について、反応式を示
すと次の通りである。
Ml           (資) 劃                 ■(式中、X5
YSR1及びR2は前記に同じ。0は0〜4の整数、p
は0〜3の整数を示す。)一般式岡で表される化合物と
一般式師で表される化合物との反応は、前記一般式(n
)で表される化合物と前記一般式圓で表される化合物と
の反応と同様に行なうことができる。一般式□□□で表
される化合物は一般式■で表される化合物に対して少な
くとも当モル、好ましくは1.25〜1.5モル程度使
用される。また一般式側で表される構造単位から一般式
代で表される構造単位を導−く酸化反応は、前記反応と
同様に行なうことができる。
このようにしてオキソ基又はチオキソ基を導入されたト
リアリールメタン型ポリマー、すなわち一般式M又は1
IXlで表される構造単位を有するポリマーのメチン部
位の水素原子を引抜く脱水素反応に供することにより、
本発明の有機強磁性体が得られる。該脱水素反応は、メ
チン部位の水素原子を分子内で引抜き、少なくともメチ
ン炭素部位をラジカル化できる反応であれば、特に制限
されない。該脱水素反応は、放電処理であってもよいが
、例えば、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ
などで発生する紫外線、電子線、X線、γ線等の活性エ
ネルギー光線を照射するのが好ましい。
活性エネルギー光線の照射により、前記オキソ基又はチ
オキソ基が励起し、メチン炭素原子に結合した水素原子
が分子内で引抜かれるものと推測される。従って、活性
エネルギー光線は、前記オキソ基又はチオキソ基を励起
しうる波長、例えば、約450n11以下の波長を有す
るのが好ましい。活性エネルギー光線は、通常トリアリ
ールメタン型ポリマーの有機溶媒溶液に照射するのが好
ましい。
有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、トリ
クロロメタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類等やこれらの混合溶媒が例示される
。活性エネルギー光線の照射時間は、所望するラジカル
濃度に応じて適宜設定できるが、通常30分〜24時間
程度である。なお、酸化剤、例えば、酸素、オゾンや過
酸化水素等の共存下で脱水素反応を行なうことも効果的
である。
酸化剤の非存在下又は存在下での、前記一般式M及び一
般式■で表される構造単位を有する有機強磁性前駆体か
ら、下記一般式[1−1]〜[■−4]で表される構造
単位を有する有機強磁性体を導く脱水素反応の推定反応
式を示すと次の通りである。
[I−1コ (以下、余白) M [1−2a] ■ [1−4a] +1/2H20 [I−2] ■ [1−3] +1/2H20 [1−4] 上記脱水素反応の後、溶媒抽出法、溶媒沈澱法、カラム
クロマトグラフィー等の慣用の分離精製手段で未反応物
を除去するのが好ましい。未反応物の除去により、有機
強磁性体が得られる。
なお、上記製造方法における縮合反応、脱水素反応やポ
リマーの硬化等を磁場中で行なうと、強い磁性を示すポ
リマーが得られる(日本化学会第58春季年会講演予稿
集I1.1989.1099頁参照)。
上記のようにして得られた有機強磁性前駆体や有機強磁
性体は、熱可塑性又は熱硬化性を示すので、種々の形状
に成形加工することができる。また磁場を作用させた状
態で成形加工すると、磁性が大きくなる。
[発明の効果] 以上のように、本発明の有機強磁性前駆体は、少なくと
も1個のオキソ基又はチオキソ基を有する芳香族化合物
が、メチン結合により架橋しているので、光照射等によ
り、容易かつ再現性よく安定したラジカルを効率よく生
成する。
また本発明の有機強磁性体は、上記有機強磁性前駆体の
うち少なくともメチン炭素部位がラジカル化しており、
ラジカル濃度が高く強磁性を発現する。
さらには、本発明の有機強磁性前駆体の製造方法によれ
ば、ヒドロキシ基、メルカブト基等を有するトリアリー
ルメタン型ポリマーを酸化し、オキソ基又はチオキソ基
を導入するので、上記有機強磁性前駆体を容易に製造で
きる。
また本発明の有機強磁性体の製造方法によれば、有機強
磁性前駆体を、光増感剤等を用いることなく分子内脱水
素反応に供するので、ラジカル濃度が高く、強磁性を発
現する有機強磁性体を容易に製造できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する
実施例1 ピロガロールとベンズアルデヒドとを1:1゜5のモル
比で混合し、該混合物に対して1重量%のp−トルエン
スルホン酸を添加し、アルゴン雰囲気中、温度80℃で
30分間撹拌し、反応させた。反応終了後、テトラヒド
ロフランを添加して反応生成物を溶解し、大容量のベン
ゼン中に注ぎ、沈澱物を濾別、精製し、B−ステージの
ポリマーを得た。このB−ステージのポリマーを所定量
秤量し、酢酸に溶解した後、温度20℃で撹拌しながら
、下記構造単位当り0.5モルの濃硝酸を滴下し、酸化
した。
酸化処理した後、酢酸溶液を大容量の蒸留水中に注入し
、沈澱物を濾別し、洗浄し前駆体を得た。
該前駆体をエタノールに溶解して石英製フラスコに入れ
、超高圧水銀灯(ウシオ電機側製、500W)を用いて
紫外線を2時間照射した。照射した後、エタノール溶液
を大容量のn−へキサンに注入し、沈澱物を濾別、洗浄
し、目的物を得た。
そして、目的物を減圧乾燥した後、微粉砕し、シャーレ
の水面上に浮かべ、該シャーレを永久磁石上に載置した
ところ、約10分間で全ての浮遊粒子が磁石の上に集合
した。
実施例2 ヒドロキノンとベンズアルデヒドとを1=1゜25のモ
ル比で混合し、該混合物に対して5重量%のp−)ルエ
ンスルホン酸を添加し、アルゴン雰囲気中、温度120
℃で15分間撹拌し、反応させた。反応終了後、酢酸を
添加して反応生成物を溶解し、大容量のベンゼン中に注
ぎ、沈澱物を濾別、洗浄し、B−ステージのポリマーを
精製した。このB−ステージのポリマーを実施例1と同
様にして酸化し、前駆体を得た。なお、このB−ステー
ジのポリマーを下記構造単位を含んでいた。
酸化処理した後、前駆体をジクロロメタンに溶解し、実
施例1と同様の条件で紫外線を照射した後、溶液を大容
量のれ−へキサンに注入し、沈澱物を濾別、洗浄し、目
的物を得た。
そして、目的物を減圧乾燥した後、微粉砕し、実施例1
と同様にして、永久磁石上に載置したシャーレの水面上
に浮かべたところ、約25分間で全ての浮遊粒子が磁石
の上に集合した。
なお、上記実施例1及び実施例2の最終目的物を、濃硫
酸と過酸化水素水とを用いて分A’7 した後、ICP
発光分光分析器(セイコー電子側製、5PS1100)
で含有金属を分析したところ、表に示す結果が得られた
。なお、単位は99回である。
表 このB−ステージのポリマーを実施例1と同様にして酸
化し、前駆体を得た。なお、このB−ステージのポリマ
ーを下記構造単位を含んでいた。
この表から明らかなように、金属含有量が検出限界に近
い微量である。従って、含有金属元素ではなくポリマー
によって磁性が発現しているものと判断される。
実施例3 m−ジメトキシベンゼンと2,5−ジヒドロキシベンズ
アルデヒドとを1:1.250モル比で混合し、該混合
物に対して1重量%のp−)ルエンスルホン酸を添加し
、アルゴン雰囲気中、温度120℃で10分間撹拌し、
反応させた。反応終了後、アセトンを添加して反応生成
物を溶解し、大容量のn−ヘキサン中に注ぎ、沈澱物を
濾別、洗浄し、B−ステージのポリマーを精製した。
酸化処理した後、前駆体をジクロロメタンに溶解し、実
施例1と同様の条件で紫外線を照射した後、溶液を大容
量のn−ヘキサンに注入し、沈澱物を濾別、洗浄し、目
的物を得た。
そして、目的物を減圧乾燥した後、微粉砕し、実施例1
と同様にして、永久磁石上に載置したシャーレの水面上
に浮かべたところ、約5分間で全ての浮遊粒子が磁石の
上に集合した。
比較例 レゾルシノールとベンズアルデヒドとを1=1゜5のモ
ル比で混合し、該混合物に対して1重量%のp−トルエ
ンスルホン酸を添加し、アルゴン雰囲気中、温度30℃
で5分間撹拌し、反応させた。
反応終了後、テトラヒドロフランを添加して可溶分を濾
別し、可溶分を大容量のn−へキサン中に注ぎ、沈澱物
を濾別、洗浄し、B−ステージのポリマーを精製した。
このB−ステージのポリマーは下記構造単位を有してい
た。
B−ステージのポリマーの下記構造単位当り1モルのベ
ンゾキノンを添加し、テトラヒドロフランに溶解した後
、実施例1と同様の条件で紫外線を照射した。次いで、
溶液を大容量のn−ヘキサンに注入し、沈澱物を濾別、
洗浄し、目的物を得た。そして、目的物を減圧乾燥した
後、微粉砕し、実施例1と同様にして、永久磁石上に載
置したシャーレの水面上に浮かべたところ、約60分間
で全ての浮遊粒子が磁石の上に集合した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 1. 少なくとも1個のオキソ基又はチオキソ基を有す
    る芳香族化合物が、メチン結合により架橋していること
    を特徴とする有機強磁性前駆体。
  2. 2. 請求項1記載の有機強磁性前駆体のうち少なくと
    もメチン炭素部位が、分子内脱水素反応によりラジカル
    化し、かつラジカル濃度が10^1^7/g以上である
    ことを特徴とする有機強磁性体。
  3. 3. 少なくともヒドロキシ基、メルカブト基、ジアル
    キルアミノ基及びメトキシ基からなる群から選ばれた基
    を1個以上有する芳香族化合物と、少なくとも1個のホ
    ルミル基を有する芳香族アルデヒド化合物とを、酸触媒
    の存在下で縮合し、生成したトリアリールメタン型ポリ
    マーを酸化し、オキソ基又はチオキソ基を導入すること
    を特徴とする有機強磁性前駆体の製造方法。
  4. 4. 少なくともヒドロキシ基、メルカブト基、ジアル
    キルアミノ基及びメトキシ基からなる群から選ばれた1
    個以上の基と、少なくとも1個のホルミル基とを有する
    芳香族化合物と、置換基を有していてもよい芳香族化合
    物とを、酸触媒の存在下で縮合し、生成したトリアリー
    ルメタン型ポリマーを酸化し、オキソ基又はチオキソ基
    を導入することを特徴とする有機強磁性前駆体の製造方
    法。
  5. 5. 請求項3又は請求項4記載の方法でオキソ基又は
    チオキソ基を導入したトリアリールメタン型ポリマーを
    、メチン炭素部位の水素原子を引抜く脱水素反応に供す
    ることを特徴とする有機強磁性体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03241704A (ja) * 1989-08-23 1991-10-28 Agency Of Ind Science & Technol 有機強磁性体及びその製造方法

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JPH03241704A (ja) * 1989-08-23 1991-10-28 Agency Of Ind Science & Technol 有機強磁性体及びその製造方法

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