JPH0365480B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はロツクボルトに係るものである。

（従来の技術） 本発明者は襲に特願昭59−257626号（昭和59年
12月７日付出願、発明の名称：ロツクボルト工
法）において、外周面に多数の透孔１が突設され
た鋼管製外筒Ａと、同外筒Ａに嵌装された外周壁
に多数の突起２を有する内筒Ｂと、同内筒Ｂに嵌
挿され、先端部には同内筒Ｂの先端部内に楔入す
る拡大錐状部３が設けられ、基端部にはねじ部４
を有する長尺のボルトＣと、同ボルトＣの基端部
に楔入する楔Ｄとよりなるロツクボルトを提案
し、外筒Ａに内筒Ｂを嵌装するとともに、同内筒
Ｂ内に前記ボルトＣをその先端の拡大錐状部３の
傾斜面が内筒Ｂの先端縁に衝接するように貫挿
し、前記内外両筒Ａ，Ｂ及びボルトＣを地山の掘
削孔に挿入するとともに、（第５図参照）ボルト
Ｃの基端ねじ部４に截頭円錐部を先端に有する座
金Ｄを内筒Ｂに嵌合するように嵌装し、前記ねじ
部４にナツトＥを螺着緊締し、前記ボルトＤの錐
状部３と座金Ｄとを内筒Ｂの先端部及び基端部内
に楔入せしめ、同内筒Ｂを前記錐状部３及び座金
Ｄを支点として拡径せしめ、内筒Ｂの外周面の突
起２を外筒Ａの透孔１を介して地山内に突入せし
め、地山に圧縮力を作用せしめるとともに、地山
との摩擦力を増大せしめ、ロツクボルトと地山と
の碇着性を増大し、碇着用充填剤を不要ならしめ
るようにした。（第６図参照） （発明が解決しようとする問題点） しかしながら前記ロツクボルトにおいては地山
が硬岩より構成されている場合、外筒より外周地
山内に突出すべき内筒Ｂの突起２が地圧の影響で
突出できなくなるという問題がある。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提
案されたものであつて、外周壁に多数の透孔が孔
が穿設された外筒、同外筒に嵌装された外周壁に
多数の突起を有する内筒、同内筒に貫挿され、先
端には内筒の先端部内に楔入する錐状部を、基端
部にはねじ部を有する長尺のボルト、及び同ボル
トの基端部内に楔入する座金よりなるロツクボル
トにおいて、前記ボルトを、先端部に放射状に拡
開する複数の掴持爪片が突設された基端側ボルト
と、基端部に前記爪片によつて掴持される円錐状
継手片を有する先端側ボルトとより構成してなる
ことを特徴とするロツクボルトに係るものであ
る。

（作用）及び（発明の効果） 本発明に係るロツクボルトにおいては前記した
ように、長ボルトが分割され、基端側のボルトの
先端部には放射状に拡開する爪片が突設され、先
端側のボルトの基端部には円錐状継手片が設けら
れているので、前記基端側ボルトの先端掴持爪片
で前記先端側ボルトの基端円錐状継手片を掴持せ
しめて前記両ボルトを連結してこれを内筒に貫挿
し、同内筒及び同内筒が嵌装された外筒を地山の
掘削孔に挿入し、前記基端側ボルトの基端ねじ部
にナツトを螺着緊締すると、前記基端側及び先端
側両ボルトが互いに引寄せられ、これに伴つて基
端側ボルトの複数の爪片が先端側ボルトの円錐状
継手片の外周テーパ面によつて内側より押圧さ
れ、径方向に放射状に拡開されて内筒の中間部内
周面を支持し、同内筒の中間部における地圧によ
る撓曲を防止し、同内筒を全長に亘つて均一に拡
径せしめ、その外周に突設された突起を外筒の透
孔を通つて地山に突入せしめ、地山が硬岩より構
成されている場合においても、ロツクボルトの機
能を十分に発揮せしめるものである。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

C₁，C₂は前記従来のロツクボルトにおけるボ
ルトＣを２分割してなる先端側ボルト及び基端側
ボルトで、先端部に拡大錐状部１１を有する先端
側ボルトC₁の基端部には円錐状継手片１２及び
円筒状突出片１３が設けられている。

また基端部にねじ部（図示せず）を有する基端
側ボルトC₂の先端には、外周に雄ねじを有する
小径部１４が設けられ、同小径部１４に後述の継
手片１５の内周雌ねじ部１６が螺着される。

前記継手片１５には雌ねじ部１６を具えた筒体
の先端に截頭円錐状部が連設され、同截頭円錐状
部と筒体の前半部とに亘つて母線方向に延びるス
リツト１７が設けられ、同スリツト１７による遊
離片が、先端部に鉤部１８ａを具えた掴持爪片１
８に形成されている。

而して前記先端側ボルトC₁の円筒状突出片１
３を、基端側ボルトC₂の継手片１５における截
頭円錐部内に嵌入して掴持爪片１８を放射状に拡
開して、同各爪片１８の鉤部１８ａによつて先端
側ボルトC₁の円錐状継手片１２に係合せしめる
ことによつて前記両ボルトC₁，C₂を連結して長
尺のボルトを構成し、同ボルトを従来のロツクボ
ルトと同様に外筒Ａに嵌装された内筒Ｂに貫挿
し、地山の掘削孔に挿入するとともに、前記基端
側ボルトC₂に截頭円錐部を先端に有する座金
（図示せず）を嵌装し、同ボルトC₂の基端ねじ部
にナツト（図示せず）を螺着緊締して前記両ボル
トC₁，C₂を引寄せ、前記座金及び拡大円錐状部
１１を内筒Ｂの両端部に楔入して同内筒Ｂを拡径
せしめる場合、前記両ボルトが引寄せられるのに
伴つて基端側ボルトC₂の先端の掴持爪片１８が、
先端側ボルトC₁の円錐状継手片１２の外周テー
パ面によつて内側から押圧されて放射状に拡開し
て内筒Ｂの中間部を支持する。

従つて地山が硬岩より構成され、前記従来のロ
ツクボルトでは内筒Ｂの突起２が外筒Ａの透孔よ
り突出できないような場合、内筒Ｂの中間部内側
が前記掴持爪片１８によつて押圧、支持されるこ
とによつて内筒Ｂの中間部の撓曲が防止され、同
内筒外周面に突設された突起２が外筒Ａの透孔１
を介して地山に突入し、ロツクボルトとしての機
能を十分に発揮しうるものである。

以上本発明を実施例について説明したが、本発
明は勿論このような実施例にだけ局限されるもの
ではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で
種々の設計を改変を施しうるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るロツクボルトの一実施例
の要部縦断側面図、第２図はそのボルト連結前の
状態を示す縦断側面図、第３図及び第４図は夫々
基端側ボルトにおける先端継手片の掴持爪片の閉
縮時並に拡開時の状態を示す斜視図、第５図及び
第６図は夫々従来のロツクボルトの使用状態を示
す縦断面図で、第５図は内筒拡径前の状態を、第
６図は内筒拡径時の状態を示す。第７図は第５図
の矢視−図、第８図は第６図の矢視−
図、第９図及び第１０図は従来のロツクボルトの
斜面図で第９図は内筒拡径前の状態を示し、第１
０図は内筒拡径時の状態を示す。 Ａ……外筒、Ｂ……内筒、C₁……先端側ボル
ト、C₂……基端側ボルト、１……透孔、２……
突起、１１……拡大錐状部、１２……円錐状継手
片、１５……継手片、１８……掴持爪片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外周壁に多数の透孔が穿設された外筒、同外
   筒に嵌装された外周壁に多数の突起を有する内
   筒、同内筒に貫挿され、先端には内筒の先端部内
   に楔入する錐状部を、基端部にはねじ部を有する
   長尺のボルト、及び同ボルトの基端部内に楔入す
   る座金よりなるロツクボルトにおいて、前記ボル
   トを、先端部に放射状に拡開する複数の掴持爪片
   が突設された基端側ボルトと、基端部に前記爪片
   によつて掴持される円錐状継手片を有する先端側
   ボルトとより構成してなることを特徴とするロツ
   クボルト。