JPH0365154B2 - - Google Patents

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JPH0365154B2
JPH0365154B2 JP60193078A JP19307885A JPH0365154B2 JP H0365154 B2 JPH0365154 B2 JP H0365154B2 JP 60193078 A JP60193078 A JP 60193078A JP 19307885 A JP19307885 A JP 19307885A JP H0365154 B2 JPH0365154 B2 JP H0365154B2
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、微生物を用いるポリ−β−ヒドロキ
シ酪酸の製造方法に関するもので、より詳細に
は、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸を高濃度で含有す
る菌体を、短時間の培養時間でしかも高菌体濃度
で製造する方法に関する。 (従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点) ポリ−β−ヒドロキシ酪酸(以下PHBと略記
することがある)は、微生物が作るバイオポリマ
ーの1種であり、種々の細菌が細胞内に炭素源あ
るいはエネルギー源として蓄積する貯蔵物質であ
り、生成分解可能な熱可塑性樹脂として、医薬や
農薬類の配合剤や医療材料等の多方面での応用が
期待されている。 従来、比較的安価な炭素源としてメタノールを
用いるPHBの微生物学的製法も多数提案されて
おり、例えば英国特許1370892号明細書には、ハ
イフオミクロビウム・ヴアリアビレ及びシユード
モナス・ロゼア種の内の特定の菌株がメタノール
を炭素源として培養するとPHBを蓄積すること
が記載されている。また、ジヤーナル・オブ・ゼ
ネラル・マイクロバイオロジー(J.General
Microbiology)1977、98、265−272には、メチ
ロバクテリウム・オルガノフイラム及びシユード
モナスAM−1が夫々メタノールからPHBを製
造することが記載されている。更に、特開昭56−
117793号公報には、メチロバクテリウム・オルガ
ノフイラムの或る特定の菌株がメタノールを資化
して高分子量のPHBを蓄積することが記載され
ている。しかしながら、これらの方法では最終的
に得られる菌体濃度が低く、また菌体中のPHB
の蓄積濃度も低く、PHBの工業的製法としては
未だ十分に満足し得るものでない。 本発明者等は先に、ジユードモナスsp.Kの流
加培養により、菌体濃度を十分に高めた後、窒素
源の供給を停止し、窒素飢餓にすることにより
PHBを高濃度で生産することを提案した(日本
発酵工学会昭和59年度大会講演要旨集第115頁)。 この方法は、従来認められない高濃度での
PHBの生産を可能としたものではあるが、第二
工程でのPHBの生産速度が著しく低下し、生産
に長時間を要するという点で未だ十分満足し得る
ものではない。 (発明の骨子及び目的) 本発明者等は、メタノール資化性及びPHB蓄
積性を有する或る種の細菌を流加培養して菌体濃
度を高めた後、この第一工程よりは少ない量のア
ンモニアをメタノールと共に供給して流加培養を
続行することにより、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸
を高濃度で含有する菌体を、短時間の培養時間で
しかも高菌体濃度で製造し得ることを見出した。 即ち、本発明の目的は、従来のポリ−β−ヒド
ロキシ酪酸の微生物的製造方法における前記欠点
が解消された方法を提供するにある。 本発明の他の目的は、PHBが高濃度で蓄積さ
れた菌体を、比較的短時間の培養でしかも高菌体
濃度で生産し得る方法を提供するにある。 本発明の更に他の目的は、細菌のPHB合成の
酵素活性の低下を抑制することによつて、PHB
の生産速度を向上させることが可能な方法を提供
するにある。 (発明の構成) 本発明によれば、メタノール資化性とポリ−β
−ヒドロキシ酪酸の菌体内蓄積能力とを有するプ
ロトモナス属に属する菌を、菌体濃度が30乃至
200g/となる迄、メタノールを炭素源及びア
ンモニアを窒素源として流加培養する第一工程
と、この培養液に引続きメタノール及びアンモニ
アを、炭素/窒素の供給比が第一工程におけるよ
りも大きな比率となり且つポリ−β−ヒドロキシ
酪酸合成経路の酵素活性が実質上高く維持される
ように供給して、流加培養を行う第二工程とから
成ることを特徴とする微生物によるポリ−β−ヒ
ドロキシ酪酸の製造方法が提供される。 本発明を以下に詳細に説明する。 (発明の好適実施態様の説明) 使用菌株 現在のところ、メタノール資化性菌の分類は流
動的であり、種々の種名に属する特定の菌株につ
いてポリ−β−ヒドロキシ酪酸(PHB)の菌体
内生産に関する報告があることは既に詳述したと
ころであるが、本発明においては、メタノール資
化性とポリ−β−ヒドロキシ酪酸の菌体内蓄積能
力とを有するプロトモナス(Protomonas)属の
細菌を使用する。 インターナシヨナル・ジヤーナル・オブ・シス
テマテイツク・バクテリオロジー第34巻第2号第
188〜201頁(1984年4月)、著者浦上及び駒形両
氏によれば、上記プロトモナス属とは、極鞭毛を
有し、グラム陰性、非胞子形成性、桿菌であり単
独又は対で存在する。細胞中にカロテノイド色素
及びバクテリオクロロフイルガ形成される。デオ
キシリボ核酸の塩基組成は、グアニン及びシトシ
ンの両含有率が65乃至67モル%である。菌体内脂
肪酸は大量のC18:1(炭素数18個および二重結合
1個を有していることを示す。以下同様)直鎖不
飽和脂肪酸及び少量のC16:1直鎖不飽和脂肪酸、
C19:0シクロプロパン酸並びに3−OH−C14:0
ヒドロキシ酸から成る。主なユビキノンはQ−10
であり、ユビキノンQ−8、Q−9及びQ−11が
少量成分として存在する。 プロトモナス属とメチロバクテリウム属とは、
メタノール資化性とPHB蓄積能力とを有する点
では共通しているが、メチロバクテリニウム属は
メタン資化性を有する(特開昭56−117793号公報
参照)のに対して、プロトモナス属はメタノール
資化性を有しない点で両者は全く相違する。 本発明の目的に好適に使用されるプロトモナ
ス・エクストルクエンスK(Protomonas
extorquensK、微工研菌寄第8395号)は、詳細に
は下記の菌学的特性を有する。 1 顕微鏡的形態 メタノール含有液体培地およびメタノール含
有寒天培地にて30℃で2日間培養した。 細胞の形および大きさ 直桿状0.9〜1.2μ×1.5〜4.0μ 集団、単細胞あるいは双細胞になる。 運動性…あり。極鞭毛を有する。 胞子の有無…生産されない。 グラム染色…陰性 抗酸性…陰性 PHB(ポリ−β−ヒドロキシ酪酸)の生成
…陽性 2 各培地における生育状態 肉汁寒天平板培養 30℃で3日間培養 コロニーの形態および性状 外形…円形、大きさ…2〜3mm、隆起…半
球形、構造…均質、表面…平滑、辺縁…平滑
で全縁、色…赤色乃至ピンク色、透明度…不
透明、硬度…バター質 メタノール寒天平板培養 30℃で3日間培養 肉汁寒天平板培養と同じ 肉汁寒天斜面培養 30℃で3日間培養 接種線に一様に旺盛に生育する。 隆起…中程度、表面…平滑、辺縁…平滑、
色…赤色あるいはピンク色、透明度…不透
明、硬度…バター質 メタノール寒天斜面培養 30℃で3日間培養 肉汁寒天斜面培養と同じ 肉汁液体培養 30℃で3日間培養 全体に生育する。沈澱あり。菌環を形成し
ない。 ペプトン水液体培養 30℃で3日間培養 全体に生育する。沈澱あり。菌環を形成し
ない。 メタノール含有液体培養 30℃で3日間培養 全体に生育する。沈澱あり。菌環を形成し
ない。 肉汁寒天穿刺培養 30℃で3日間培養 小乳頭状に一様に生育する。培地表面では
直径2〜4mmぐらいの円状に生育する。 メタノール含有穿刺培養 30℃で3日間培養 小乳頭状に一様に生育する。培地表面では
直径2〜4mmぐらいの円状に生育する。 肉汁ゼラチン高層培養 20℃で10日間培養 菌の生育はみられるが、ゼラチンは液化さ
れない。 リトマスミルク 30℃で4週間培養 生育はみられるが、アルカリは生産されな
い。 3 生理学的性質 硝酸塩の還元 硝酸塩を亜硝酸に還元する。 脱窒反応…陰性 MRテスト…陰性 VPテスト…陰性 インドールの生成…陰性 硫化水素の生成…陰性 デンプンの加水分解…陰性 クエン酸の利用(コーザーKoser培地とク
リステンセン(Christensen培地を併用)弱
く利用する。 窒素源の利用 アンモニウム塩、硝酸塩、尿素およびペプ
トンを窒素源としてそれぞれ利用する。 色素の生成 赤色の非水溶性色素を菌体中に生成する。 ウレアーゼ…陽性 オキシダーゼ…陽性 カタラーゼ…陽性 アンモニアの生成…陰性 生育の範囲 ●PH5〜9の範囲で生育する。PH6〜8が好
ましい。 ●温度15〜40℃で生育する。25〜35℃が好ま
しい。 酸素に対する態度…好気性 O−Fテスト(ヒユーライフソン Hugh
Leifson法による) 糖を酸化的に分解するが、醗酵的に分解し
ない。 糖類の資化性ならびに酸の生成
【表】 メタノールの資化性 旺盛に資化する。 メタンの資化性 資化しない バクテリオクロロフイルの生成 生成する 分離源 土壌 本発明者は、上記プロトモナス・エクストルク
エンスKに対してさきの講演要旨集にシユードモ
ナスK種(Pseudomonas sp.K)の名称を用いて
いた。しかしながら、バージイズ・マニユアル・
オブ・デターミネイテイブ・バクテリオロジー
(Bergey′s Manual of Determinative
Bacteriology)第8版〔編集者ブツキヤナン
(Buchanan)、ギボンス(Gibbons)、コワン
(Cowan)、ホルト(Holt)、リストン(Liston)、
ムレー(Murry)、ニイヴン(Niven)、ラビン
(Ravin)及びスタニイア(Stainier)、ウイリア
ムズアンドウイルキンス社(Williams and
Wilkins)〕およびバージイズ・マニユアル・オ
ブ・システマテイツク・バクテリオロジー
(Bergey′s Manual of Systematic
Bacteriology)第1版〔編集者クリグ(Krieg)
およびホルト(Holt):ウイリアムズアンドウイ
ルキンス社(Williams and Wilkins)〕には、こ
れらの菌株に相当する菌種はみあたらない。 むしろ、前述した浦上及び駒形両氏の文献によ
り提案されているプロトモナス・エクストルクエ
ンスと菌学的性質が一致することから、この菌株
は前記菌種に属するものと同定された。 勿論、本発明は上記した特定の菌株に限定され
ることなく、同属或いは単に同種の菌であれば何
れをも使用することができる。 高菌体濃度培養 本発明によれば先ず、上記菌を、菌体濃度が30
乃至200g/となる迄、メタノールを炭素源及
びアンモニアを窒素源として流加培養する。 微生物の培養法は、回分式培養法、流加培養
法、連続培養法の3種に大別される。回分方式で
は、培養槽中に培地を仕込み、種菌を接種した後
は適当な通気撹拌を行うほかには培養終了時まで
栄養源の補給や、培養液のPHや培養温度などの因
子以外の環境因子の制御等をほとんど行わないた
め操作泳い装置等が簡単であるが、培養経過に伴
う環境因子の変動には著しいものがあると共に、
最終生成物濃度は原料の仕込量により決定され、
あまり高濃度に生産することは期待できない。何
故なら、原料濃度を高くした場合には、メタノー
ル資化性菌などにおける基質阻害を起すなど、炭
素源の仕込量には限界があり、また窒素源として
使用されるアンモニウムイオンも高濃度において
は毒性を示すからである。 一方、連続培養法は、連続的に栄養源を補給す
ると同時に、連続的に培養液を抜き出す方法であ
り、培養の終了ごとに菌体の回収や装置の洗浄な
どを行う必要はなく、生産性も高いという利点が
あるが、培養の長期化に伴い雑菌汚染や菌株の変
異が起り易いために、必ずしも工業的に有利な方
法とは言いがたい。 これに対し、流加培養法とは、培養開始時の各
栄養源濃度を低くしておき、微生物による消費量
に応じて必要量を補強し、培養終了により培養液
を抜き取る方法であり、この方法によれば、通常
培養液のPHはたとえばアンモニア水または硫酸な
どの添加により一定に維持され、他の栄養源は不
足を生じないように少量ずつ添加され、培養全期
間を通して栄養源の濃度を最適値に維持すること
ができるため、回分方式に比して生産性が著しく
向上し、また連続培養法よりも培養を安定に行な
うことができるという利点がある。本発明方法で
は、かかる見地から流加培養法を採用するもので
ある。 培地栄養源としては、NH4 +、PO4 3-、K+
Na+、SO4 2-等の他に、マグネシウム、鉄、カル
シウム、亜鉛、マンガン、コバルト、銅、モリブ
デン等の金属塩が挙げられる。また、必要に応じ
有機栄養源、例えばチアミン、リボフラビン、パ
ントテン酸塩、ビオチン、ニコチン酸等のビタミ
ン類や、大豆蛋白加水分解液、廃糖蜜、酵母エキ
ス等を添加することができる。 上記成分の内でも、NH4 +は菌体の増殖に多量
に必要であり、菌体による消費速度が最も速い成
分である。ただNH4 +濃度が1g/以上になる
と阻害効果が認められ、約0.2g/において最
も増殖が良好であつた。培養液におけるNH4 +
度を0.05乃至0.5g/の範囲とすることが望ま
しい。アンモニウム塩としてはNH4Clまたは
(NH42SO4が優れている。PO4 3-及びK+も菌体
増殖に不可欠の成分であり、Ca2+、Zn2+及び
Na+が欠乏すると増殖が鈍る現像が認められる。 炭素源としてのメタノール濃度は、培養液中で
比増殖速度からみて、0.05乃至5g/、特に
0.3乃至0.7g/の範囲内にあることが望まし
く、0.5g/の濃度が至適である。培養PHは、
5乃至9、特に6.5乃至7.5の範囲が比増殖速度か
らみて好ましく、7が至適である。また、培養温
度は25乃至37℃、特に29乃至31℃が比増殖速度か
らみて好ましく、30℃が至適である。 メタノール濃度の制御は、培養液中のメタノー
ル濃度をセンサー等で検出し、メタノールの流加
流量を制御することにより行われる。メタノール
濃度の制御は、これに限定されるものではない
が、微孔性テフロンチユービングセンサーとガス
クロマトグラフとを使用し、マイクロコンピユー
タを装備したプロセスコントローラー(例えば三
幸電子、プロセスコントローラーST−6001)に
よる定値制御で行い得る。制御のプログラムには
PD方式(比例要素と微分要素とからなる自動フ
イードバツク制御方式)とステツプワイズ方式を
用いることができ、排気中のCO2濃度を赤外線ガ
ス分析計を用いて測定し、量論的に計算すること
により自動変換する。計算されたメタノール供給
量に基づき、メタノール供給用のステツピングモ
ーターの回転数をプロセスコントローラーの出力
に応じて自動調節し、定値制御を良好に行うこと
ができる。 アンモニアの供給は、培養液のPH調節を兼ねて
アンモニア水を供給することにより行われる。ア
ンモニア水としては例えば濃度が25乃至35wt%
のアンモニア水を用いることができ、一般にはメ
タノールと同時に供給することが望ましい。アン
モニア水の供給を同時に行う場合には、両者の供
給割合いは、量論的に計算される値に基づいて行
うのがよく、一般に炭素/窒素の供給比は5乃至
15、特に7乃至10の範囲とするのが望ましい。培
地又は培養液のPH調節の目的のために、アンモニ
ア水とは別個にアルカリ性溶液(例えば5.2N
KOHと0.2N NaOHの混液)を用意し、必要に
応じアンモニア水以外にアルカリ性溶液をPH調節
の目的で滴下し得る。このPH調節はPH計からの検
出信号によりアルカリ性溶液の流量を制御するこ
とにより容易に行われる。 培養液の溶存酸素濃度を1乃至7ppmに維持す
ることが好ましく、このために空気、酸素或いは
これらの混合ガスを培養液中または培養槽空隙に
供給する。また、培養液を撹拌羽根等で撹拌して
酸素が培養液中に溶解するようにする。培養液中
の溶存酸素濃度を、それ自体公知の酸素検出機
構、例えばポーラログラス式酸素センサとフイー
ルドラブ溶存酸素分析計を用いて測定し、測定値
をプロセスコントローラに入力し、メタノール濃
度の制御と同様に、供給ガスの酸素分圧や撹拌羽
根の回転速度を自動調節することができる。 菌体増殖に必要な無機成分は、メタノール供給
と同時に補給できる。プロトモナス・エクストル
クエンスKの乾燥菌体の化学組成の一例を第1表
に、初発培地及び無機物供給液の組成の代表例を
第2表に示す。
【表】
【表】
【表】 添付図面第1図は、本発明方法の実施に好適に
使用される流加培養の制御系統を示すブロツクダ
イヤグラムであり、1は培養槽、2は培養液、3
は撹拌羽根、4はモーターを示し、一重枠の部材
は対応する内溶物の貯槽を示し、二重枠の部材は
分析機器及び/又は制御機構を示す。図中DOと
あるは溶存酸素の検出機構を示す。 本発明によれば、このようにして溶培液中の菌
体濃度が30乃至200g/、特に60乃至120g/
となる迄菌体増殖を行わせる。即ち、菌体濃度が
上記範囲よりも低い場合には、PHBの生産性の
点で不利であり、一方、菌体濃度を上記範囲より
も高くすることは、溶存酸素不足等による菌体増
殖の阻害因子が表われるので、本発明の目的に不
利である。本発明は、何等かの環境因子により菌
体の増殖が律速されたり、或いは阻害されたりす
る直前迄菌体濃度を高めておき、次いで第一工程
よりは少ないが、PHB合成経路の酵素活性が高
いレベルに維持されるように流加培養を続行する
ことにより、PHBを高生産速度で効率良く製造
し得るものである。 PHB生産培養 本発明方法の第二工程では、菌体を高濃度で含
む培養液に、メタノール及びアンモニアを、炭
素/窒素の供給比が第一工程におけるよりも大き
な比率となり且つPHB合成経路の酵素活性が実
質上高いレベルに維持されるように供給して流加
培養を続行する。 細胞内に蓄積物質がある場合には、菌体は生産
物とそれ以外の菌体成分とから成り立つており、
培養開始後t時間における菌体、生産物、生産物
を除いた菌体成分の濃度をそれぞれXt、Xp、Xr
とすると、式 Xt=Xp+Xr ……(1) で表わされる。また培養液量をVtとすると、流
加培養法ではVtも経時的に変化するため、培養
槽全体では式 VtXt=VtXp+VtXr ……(2) となる。ところで、PHBの生合成に関する酵素
は全てXrに含まれており、実際にXrは60〜70%
がタンパク質で占められている。今、PHB合成
系の酵素活性を求める場合には、Xr当りのXp
生成速度を考える必要がある。そこで培養槽全体
における単位Xr当りのPHB(Xp)の生産速度を
νpとすると、式 νp=1/VtXr・d(VtXp)/dt……(3−1
) =1/Vt(Xt−Xp)・d(VtXp)/dt ……(3−2) となり、νpは菌体のもつPHB合成能を示すもの
である。 ところで、既に指摘した通り、流加培養により
菌体濃度を十分に高めた後、窒素源の供給を停止
して、窒素飢餓にすることによりPHBを生産す
る方法では、培地中のNH4 +が消費されてしま
い、窒素欠乏状態になるとPHB生産能が次第に
減少する。第2図は、PHB生産期において窒素
源の供給を停止した場合について、窒素源の供給
を停止した時点からの時間を横軸、PHBの生産
速度νpを縦軸としてプロツトした結果を示し、第
2図中のNoは窒素欠乏になつた時点を示す。第
2図の結果から、培養液中のNH4 +濃度が減少し
ている間は、PHB生産能が高く、またやや上昇
しているが、培養液中のNH4 +が消費されてしま
い、窒素欠乏状態になると、PHB生産能が次第
に減少し、その経時的変化は一次活性低下曲線に
従うことがわかる。即ち、PHB合成系酵素欠乏
により徐々に活性低下していくことがわかる。 これに対して、本発明によれば、PHB合成期
においても完全に窒素飢餓するのではなく、酵素
活性を維持できる程度の少量の窒素源を連続的に
供給することにより、速やかにしかも高濃度で
PHBを蓄積させることに成功したものである。 本発明において、メタノール及びアンモニアの
供給比率は、上述した条件が満足されるものであ
ればよいが、一般には炭素/窒素の供給モル比
(C/N比)が8乃至40、特に20乃至30の範囲内
となるようにするのがよい。C/N比が上記範囲
よりも小さい場合、即ちアンモニアの供給比が上
記範囲よりも大きくなると、菌体の生理活性が減
少し、アンモニアの消費速度も低下するために、
培養液中にNH4 +が蓄積し始め、PHB濃度も比較
的低い濃度で飽和するようになる。一方、C/N
比が上記範囲よりも大きい場合、即ちアンモニア
の供給比が上記範囲よりも低い場合には、PHB
合成経路での酵素の活性低下により、PHBの生
産速度が低下する傾向がある。事実、本発明によ
れば、PHB生産期に窒素源の供給を停止する場
合に比して、約半分の時間でPHB含有率が50乃
至70%の高濃度となるような生産を行うことがで
きる。 本発明のPHB生産工程において、低いC/N
比はPHB含有率が低い時点での活性を維持する
効果があり、一方高いC/N比はPHB含有率が
増大してからのPHB生産能の活性低下防止に有
効であることがわかつた。以上の結果から、
PHB合成期においても、アンモニアを少量ずつ
供給し、その流量は、PHBの細胞内含有率の増
加に従つて徐々に減少させることが望ましい。 第3図は、各C/N比について培養開始時から
C/N比を一定に保つたまま、メタノール/アン
モニアを供給した場合のC/N比とPHB含有率
(XpXtパーセント)との関係を示す。第3図の結
果から、PHBの含有率はC/Nの供給モル比が
大きい程大きくなり、PHB含有率はC/N供給
モル比によりコントロールされることがわかる。 PHB合成期におけるC/Nモル比は、PHB含
有率に影響をもたらすが、それと同時にPHB合
成能の活性低下速度をも支配する。今、培養時間
t1、t2におけるPHB合成能をνp1、νp2と表わす
と、比活性低下速度(−kd)を次式のように定
義することができる。 −kd=1/t2−t1lnνp2/νp1〔hr-1〕 ……(4) PHB合成期におけるC/N比を変化させ、上
記式(4)の定義に基づいてkdを算出した結果を第
4図の線Aに示す。この結果から、PHB合成能
の活性低下速度はC/Nの供給モル比に従うこと
が明らかである。窒素源の供給を完全に停止した
場合には、第2図からkd=0.032hr-1と計算され
るので、第4図からC/N比が最終段階で29〜30
である場合に、PHB含有量が最大値に近い状態
で定常状態に達するものと思われる。 また、第3図に示す結果をC/N比の対数に対
して表わすと、第4図の線Bに示す通り、PHB
含有率(Xp/Xt、%)とC/N比との関係が明
瞭となり、下記式 Xp/Xt=42×ln(C/N)−77 ……(5) または C/N=exp(Xp/Xt+77/42) ……(6) が成り立つ。かくして、PHB合成期に式(7)に従
つて、Xp/Xtの増加に伴い、C/N比を決定し、
これに基づいてメタノールの供給速度に対し、窒
素源の供給速度を調節することにより、PHB合
成能の活性低下速度を最小限に抑制しながら、短
時間の内にPHB生産を行い得ることが明らかと
なろう。 後処理及び生成PHBの特性 本発明によれば、一般にPHB含有量が55乃至
70重量%の範囲内にある菌体を、150乃至250g/
という高濃度で生産することができる。しか
も、高菌体濃度増殖に要する時間は、濃度によつ
ても相違するが一般に30乃至70時間であり、
PHB生産培養に要する時間は、PHB含有量によ
つても相違するが、50乃至120時間の範囲内であ
る。 PHBは菌体内に顆粒として生成するので、培
養液から先ず菌体を分離し、次いでそれ自体公知
の菌体破壊処理に賦し、次いでPHBを公知の手
段で分離する。菌体の分離は、過、遠心分離等
の固−液分離操作で行うことができ、菌体の破壊
は、ホモジナイザー、ミリング等の剪断処理や超
音波照射、凍結乾燥等により行うことができる。
PHBの分離は、破壊された菌体を、クロロホル
ム、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素で抽出し、この抽出液を蒸発乾固、非溶媒と
の混合による凝固沈澱等に賦し、必要により精製
処理に付することにより、単離することができ
る。 得られるPHBの融点は175℃以上であり、高度
に純粋なものであり、その分子量は103乃至107
範囲にわたることが認められた。 (発明の作用効果) 本発明によれば、以上詳述した通り、メタノー
ル資化性とポリ−β−ヒドロキシ酪酸の菌体内蓄
積能力とを有するプロトモナス属菌を、メタノー
ルを炭素源、アンモニアを窒素源として高菌体濃
度となる迄流加培養により増殖させた後、PHB
生産期においてもアンモニアの供給を停止するこ
となく、炭素/窒素の供給のモル比が第一工程の
それよりも大となるように供給して流加培養を続
行することにより、PHB合成経路の酵素活性を
高く維持でき、PHBが高濃度で蓄積された菌体
を高菌体濃度でしかも高生産速度で製造すること
が可能となる。特にPHB生産期において、PHB
菌体含有量の増加に伴なつてC/N供給モル比を
増大させることにより、最も有効にPHB含有量
を高めながら、しかも生産速度を高め得ることが
できる。 (実施例) 本発明を次の実施例で説明する。 以下の実施例において、各種の測定及び分析は
次の方法によつた。 (1) 菌体濃度の測定方法 菌体濃度の測定には培養液を0.9wt%NaCl水
溶液で適度に稀釈した後570nmにて濁度を測
定した。(島津スペクトロニツク20) プロトモナス・エクストルクエンスKに対す
る濁度(OD570)と菌体濃度(X)との関係は
X=OD570×0.49であつた。各菌株に対する濁
度と菌体濃度の関係は、培養終了後、各菌体を
遠心分離して集め、再蒸溜水で2回洗浄した後
に乾燥し重量を求めた。 (2) PHBの定量方法 細胞内のPHBの定量方法は、G.Brauneggら
の方法に従つて、ガスクロマトグラフにて分析
を行なつた。操作方法は凍結乾燥菌体約50mgを
秤量後、スクリユーキヤツプ付10ml試験管に入
れ、クロロホルム2mlと、硫酸を3%含むメタ
ノール2mlを加え、栓をして110℃にて3.5時間
反応させた。反応終了後、水1mlを加え激しく
10分間振とうした後に下層のクロロホルム層を
抜き取り、生成したヒドロキシ酪酸メチルを定
量した。内部標準試薬として安息香酸を1
(mg/mlメタノール)の濃度で硫酸メタノール
に溶解しておき、同様に反応後、生成した安息
香酸メチルのピークとヒドロキシ酪酸メチルの
ピーク面積比からPHB量を計算した。カラム
は2mステンレスカラム(内径3mm)を用い
て、充填剤としてReoplex400−Chromosorb
GAW−DMCS60/80メツシユを使用した。分
析に先立ち検量線を求めるために、菌体を含ま
ない安息香酸のみ反応させたクロロホルム−メ
タノール混液にヒドロキシ酪酸メチルの特級試
薬を秤量した後溶解させ、水1mlを加え抽出
し、下層のクロロホルム層を分析に用いた。そ
の結果、ピークの面積比と濃度の関係は次のよ
うに表わさせることがわかつた。 Ca=5.6×Sa/Sb×Cb Ca:ヒドロキシ酪酸メチルの濃度(mg/ml) Cb:安息香酸メチルの濃度(mg/ml) Sa:ヒドロキシ酪酸メチルのピークの面積 Sb:安息香酸メチルのピークの面積 検量線として、PHBの標品を用意して同様
の定量操作を行つた場合にも、上記式に合うこ
とが判明した。なお、PHBの標品は、G.
Brauneggらの方法に従つて、プロトモナス・
エクストルクエンスKのアセトン乾燥菌体から
クロロホルムで抽出した後、残渣を過して除
き、液をアセトン中に滴下しPHBを沈澱さ
せ、得られたPHBをアセトンとジエチルエー
テルでそれぞれ2回ずつ洗浄しPHB標品とし
た。 (3) NH4 +の分析方法 培養液を経時的に約10ml抜き取り、遠心分離
(10000G×15min、4℃)した後、上澄液中の
NH4 +濃度をベルセロツト反応で測定した。こ
の反応操作は次の通りである。 フエノール(10g/) ナトリウム・ニトロプル シド(10mg/) A液 2ml + Na2HPO4・12H2O(90g/) NaOH(6g/) NaCl(10ml/) B液 2ml + 試 料 0.1ml 4.1ml すなわち、A液、B液を各2mlと試料0.1mlを
混合し、37℃で30分反応後630nmの吸光度を測
定した。 (4) 培養液量の測定方法 培養中一時的に通気と撹拌を止め静置してジ
ヤーフアーメンター壁面の目盛で測定し、さら
に培養終了後、全量をメスシリンダーで測定し
た。 (5) PHBの抽出方法 プロトモナス・エクストルエンスKの菌体内
の全PHBを抽出するには前節で述べた方法で
は不完全なため、さらに抽出条件を厳しくし超
音波処理を行うことにより抽出する方法をとつ
た。すなわち5gのアセトン乾燥菌体に対しク
ロロホルム100mlで12時間60℃で抽出した後、
過して残渣を集め、残渣に再び100mlのクロ
ロホルムを加え40℃にて最大条件で超音波処理
を30min行ない液を合わせ、3倍容のヘキサ
ン中に混入しPHBを沈澱させた。このPHBを
アセトン及びジエチルエーテル各50mlで2回づ
つ洗浄した。 (6) PHBの特性試験方法 抽出したPHBは、IR分析、 13C−NMR及
1H−NMR分析により構造を標品と比較し、
また、融点及び分子量分布を調べた。 (7) 電子顕微鏡サンプル調製方法 培養前期、中期、後期の菌体を遠心分離して
集めた後、グルタルアルデヒドと四酸化オスミ
ウムの二重固定をし、アルコールで脱水した後
樹脂へ包埋した。そして超薄切片に切断したサ
ンプルを酢酸ウランとクエン酸鉛で二重染色し
検鏡した。 実施例 1 () 使用菌株 プロトモナス・エクストルエンスK(微工研
菌寄第8395号)を用いた。 () 使用培地及び培養方法 第2表に示す初発培地を使用し、前培養液は
500ml容坂口フラスコ10本に、各100mlのこの培
地を用意し、メタノール1%を炭素源とし、一
白金耳を保存用スラントから植菌した後、30℃
にて3日間振とう培養した。菌体が増殖後、滅
菌済みの栓付遠沈管を用いて雑菌汚染しないよ
うに遠心分離した。この菌体を新鮮な第2表の
培地100mlに再懸濁し、ジヤーフアーメンター
(2容Iwashiya Co.type MB)に用意した
650mlのC培地と合わせ、750mlにて培養を開始
した。 () 培養条件の制御 培養条件の制御は、第1図に示す制御系統を
使用し、且つ明細書本分に説明した方式により
行つた。即ち、予備試験の結果から、温度、PH
及びメタノールの濃度を夫々30℃、PH=7.0及
び0.5g/に低値制御した場合に比増殖速度
の最大値が得られることがわかつたので、温度
=30±0.5℃、PH=7.0±0.1、メタノール濃度
0.5±0.2g/に制御して培養を行つた。 アンモニア水(濃度33wt%)及び第2表に
示す無機物供給液はメタノールに対して一定の
割合いで供給する方法を採用した。アンモニア
水の供給割合いは、物質収支を考慮して高菌体
濃度増殖期にはMeOH:NH4 +の供給モル比を
1:8とした。 培地内の溶存酸素濃度は、空気と純酸素を混
合して供給し、撹拌羽根の回転数を500乃至
1400rpmとすることにより、菌体増殖期だけで
なく、PHB生産期にも、2〜3ppmに維持し
た。 () 菌体増殖 上記条件下で菌体増殖を行つたところ、
NH4 +濃度は菌体増殖期においても0.2g/以
下に抑制されており、高NH4 +濃度(例えば
NH4 +1.4g/)の場合にみられる増殖の停滞
期は認められず、75時間後には菌体濃度(Xt
は約150g/に達した。 この時点で、通気ガスの酸素分圧は100%、
及び撹拌羽根の回転数は1400rpmに達してお
り、これ以上溶存酸素濃度レベルの維持が困難
であることから、PHB生産期への切換えを行
つた。 () PHB生産 PHB生産期においては、エタノールとアン
モニアとの供給モル比を25:1に維持して、メ
タノールとアンモニア水とを同時に供給した。 増殖期終段において、PHBが菌体内に約18
%蓄積されていたが、C/N供給モル比の切替
によりPHB含有量が急激に増加した。 最終的に160時間の培養でPHB濃度137g/
と非常に高濃度迄生産することができた。こ
の時全菌体量は217g/に達しており、PHB
含有率は63%であつた。また、全消費メタノー
ルに対するPHBの総生産量の収率は0.19g/
gであつた。 () PHBの特性 凍結乾燥菌体から抽出したPHBの赤外吸収
スペクトル(IR)を第5図に示す。IR分析、
13C−NMR及び 1H−NMRの各スペクトルは
いずれもPHBの構造の特徴を示すものであつ
た。また、融点は176℃であつた。得られた
PHBの分子量分布を第6図に示す。分子量分
布の測定結果では、10万程度のものが最も多く
存在しているが、100万以上に及ぶものもあり
広範な分布を示した。なお、平均分子量は3.0
×105であつた。 PHBの電子顕微鏡写真によると、培養前期
の菌体増殖期にはPHBがほとんどできていな
い細胞や1個または2〜3個の小さな顆粒が存
在しているものが認められる。 PHB生産期において、PHBの顆粒は巨大化
しており、最終的には細胞内のかなりの部分を
PHBが占めていることがわかつた。 実施例 2 使用菌株、培地及び培養方法は何れも実施例1
と同様に行つた。 ただし培養液中の菌体濃度が60g/に達した
時点で、アンモニア水(33wt%)の流量を、0
(ゼロ)、0.06、0.26、0.78及び1.6ml/時間の各条
件に設定し、アンモニア水の定流量流加培養を行
つた。尚、菌体の増殖期におけるアンモニアの供
給速度は約3ml/時間であつた。上記アンモニア
水の供給量は、C/Nモル比で夫々、無限大、
350、80、27及び13に相当する。 各アンモニア供給速度での菌体濃度(Xt)、
PHB濃度(g/)及び菌体内PHB濃度(Xp
Xt、%)を、第7図、第8図及び第9図に示す。 第9図の結果から、PHB生産期におけるアン
モニアの供給量をゼロではなく、適量供給するこ
とにより、菌体内PHB濃度が60%の場合、所要
時間を約半分に節約し得ることがわかる。 実施例 3 使用菌株、培地及び培養方法は何れも実施例1
と同様であるが、培養液菌体濃度が80g/にな
る迄増殖を行つた後、前記式(6)に従い、初期の
C/N比を9とし、終期のC/N比を35として、
PHB生産を行つた。 最終的に、135時間の培養でPHB濃度144g/
で、全菌体濃度225g/で、PHB含有量64%
の結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施に好適に使用される
流加培養の制御系統を示すブロツクダイヤグラム
であり、第2図はPHB生産期において窒素源を
供給した時点からの時間を横軸、PHBの生産速
度を縦軸としてプロツトした結果を示す線図であ
り、第3図は、メタノール−アンモニアを供給し
た場合のC/N比とPHB含有率との関係を示す
線図であり、第4図は、C/N比と活性低下速度
及びPHB含有率との関係を示す線図であり、第
5図は実施例1で生産されるPHBの赤外吸収ス
ペクトルを示す線図であり、第6図は実施例1で
生産されるPHBの分子量分布を示す線図であり、
第7図、第8図及び第9図は、実施例において
PHB生産期のアンモニア供給速度を変化させた
場合における夫々菌体濃度、PHB濃度及び菌体
内PHB濃度を示す線図である。 第1図において、1は培養槽、2は培養液、3
は撹拌羽根、4はモーターを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 メタノール資化性とポリ−β−ヒドロキシ酪
    酸の菌体内蓄積能力とを有するプロトモナス属に
    属する菌を、菌体濃度が30乃至200g/となる
    迄、メタノールを炭素源及びアンモニアを窒素源
    として流加培養する第一工程と、この培養液に引
    続きメタノール及びアンモニアを、炭素/窒素の
    供給比が第一工程におけるよりも大きな比率とな
    り且つポリ−β−ヒドロキシ酪酸合成経路の酵素
    活性が実質上高く維持されるように供給して、流
    加培養を行う第二工程とから成ることを特徴とす
    る微生物によるポリ−β−ヒドロキシ酪酸の製造
    方法。 2 第二工程における炭素/窒素の供給比が8乃
    至40の範囲内にある特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 3 前記菌がプロトモナス・エクストルクエンス
    である特許請求の範囲第1項記載の方法。 4 培養液中のメタノール濃度を0.05乃至5g/
    に維持する特許請求の範囲第1項記載の方法。
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