JPH0358566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はガラス繊維入りポリウレタンフオー
ムの製造方法に関し、特に比較的厚みのあるスケ
ア状のガラス繊維入りポリウレタンフオームを連
続的に成形する方法に関する。

（発明の背景） 例えばLNG船の保冷タンクの構造材として、
断熱性、比重、温度特性ならびに難燃性等の観点
からガラス繊維入りポリウレタンフオームが注目
されている。

上の構造材としてのガラス繊維入りポリウレタ
ンフオームの一例を挙げると、ガラス繊維含有量
８〜15％（重量比）、全体比重0.08〜0.15のもの
が極めて有用で、この製品の品質特性としては、
ガラス繊維がポリウレタンフオーム中に均一に分
散されていること、フオームのセルが均一でエア
ボイド、クラツク、ピンホールのないこと、ガラ
ス繊維とウレタンフオームの接着性がよいことな
どが求められている。

しかも、この種の構造材としてのフオーム製品
には、いわゆる通常の板状のパネル材と異なつて
15ないし20cm以上という比較的厚みのあるものが
得られる。

（発明が解決しようとする課題） そこで、この発明は、上に述べたようなガラス
繊維入りポリウレタンフオームを製造する方法、
特には比較的厚みのあるスケア状のガラス繊維入
りポリウレタンフオームを効率よくしかも確実に
成形することができる方法を提供することを目的
とするものである。

また、殊に、この発明は、ポリウレタンフオー
ムとガラス繊維が完全に一体化、複合化されガラ
ス繊維入り発泡製品を得ることを目的とする。

さらに、この発明は、発泡製品内部においてガ
ラス繊維を無方向に湾曲および交差して全方向に
配向することによつて、発泡製品全体としてすぐ
れた性能を有するのみならず、部分的あるいは局
所的に性能上の弱点が存在しない、極めてすぐれ
た品質特性を備えた発泡製品を提供することを目
的とする。

（課題を解決しようとする手段） すなわち、この発明は、ボトムシート上に得よ
うとする発泡製品とほぼ等しい大きさを有しかつ
ガラス長繊維束を無方向に湾曲および交差させた
三次元立体網状物よりなるかさ高なガラス繊維束
集合体を形成し、この集合体上部からポリウレタ
ン樹脂原液を散布するとともに、この上面をトツ
プシートで被覆するとともに、これらの上面から
突状部を備えたロールによつてこれら全体を圧迫
して前記ポリウレタン樹脂原液を前記ガラス繊維
層に含浸せしめた後、前記ポリウレタン樹脂原液
を所定高さに発泡せしめてガラス繊維を一体に混
入した発泡製品を得ることを特徴とするガラス繊
維入りポリウレタンフオームの製造方法に係る。

（作用） 上に述べた発明の作用について次に記す。

まず、本発明においては、多量のガラス繊維を
ポリウレタンフオーム内に均一に混入させるため
に、発泡製品とほぼ等しい大きさを有する、ガラ
ス繊維束を無方向に湾曲および交差させた三次元
網状物よりなるかさ高なガラス繊維束集合体が使
用される。

次に、ポリウレタン樹脂原液は、前記ガラス繊
維との均一性ならびに接着性を高めるために、前
記ガラス繊維束集合体の上に散布される。

次いで、前記ガラス繊維束集合体にポリウレタ
ン樹脂原液を十分に含浸せしめるために、突状部
を備えたロールによつて発泡前の前記材料が圧迫
される。

最後に、ガラス繊維束集合体とポリウレタン樹
脂原液は、所定の厚みの発泡製品とするために、
所定高さまでスケア状に発泡成形される。

（実施例） 次に、この発明の実施例を添付の図面とともに
説明する。

添付した図面の第１図はこの発明方法の一例を
示すガラス繊維入りポリウレタンフオームの成形
装置の全体斜視図、第２図は第１図の２−２線に
おける製品の断面図、第３図は第１図の３−３線
における製品の断面図、第４図は第１図の４−４
線における製品の断面図である。

第１図の装置において、符号１０は一連のコン
ベアライン全体を指称し、１２はトラバーサと呼
ばれるポリウレタン樹脂注入機、１３は突状部を
備えたピンローラ、１５はフロートコンベアであ
る。

まず、コンベアライン１０上にクラフトペーパ
からなるボトムシート２１が供給され、該ボトム
シート２１上にガラス繊維束集合体４１が敷設さ
れる。

この発明においては、前にも述べたように、フ
オーム内に多量のガラス繊維（実施例では全体重
量の８〜15％）を効率良くかつ均一に混入させる
ために、得ようとする発泡製品とほぼ等しい大き
さを有するかさ高なガラス繊維束集合体が使用さ
れる。このガラス繊維束集合体は、長繊維束、望
ましくは長さを異にする多数のガラス長繊維束を
無方向に湾曲および交差させた三次元立体網状物
より構成される。

このような三次元立体網状物４１は、あらかじ
め三次元方向に形作られたガラス繊維を主体とす
る織物状構造物を使用するほか、例えば市販のロ
ール状に巻装されたいわゆるコンテイニユアス、
ストランド、マツトと称されるものを多数のピン
を備えた開繊装置（図示せず）によつて幅方向お
よび長さ方向に開繊して必要ならばこれを層方向
に結合して形成したものを用いることができる。

ガラス繊維束集合体４１は、求めようとするポ
リウレタンフオーム製品の厚さとほぼ同じ厚みを
もつて形成される。実施例では約15cm程度の厚さ
のものが用いられている。

このガラス繊維束集合体４１上に第１図のポリ
ウレタン樹脂注入機１２よりポリウレタン樹脂原
液３１が散布される。この注入機１２は一般にト
ラバーサと呼ばれるものでコンベアの幅方向に往
復動してポリウレタン樹脂原液３１を、第２図に
図示したように、ガラス繊維束集合体４１に均一
に散布する。

ポリウレタン樹脂原液３１の散布後該ウレタン
原液の発泡前に（クリーム時または発泡初期ま
で）、前記樹脂液が注入されたガラス繊維束集合
体４１上面にポリエチレンシートまたはクラフト
ペーパ等のトツプシート２５が被覆される。

次に、かさ高に形成されたガラス繊維束集合体
４１にポリウレタン樹脂原液３１を十分に含浸せ
しめるために、第３図に図示したような突状部１
４を多数備えたピンローラ１３によつて発泡前の
前記材料を圧迫する。ピンローラ１４は必要に応
じて一本または複数本設けられ、第３図の断面図
から理解されるように圧迫によつてポリウレタン
樹脂原液３１をガラス繊維束およびその集合体内
部に効率よく含浸せしめる。

次いで、前記ポリウレタン樹脂原液が含浸され
たガラス繊維束集合体４１はフロートコンベア１
５に導かれる。そして、ここで、ポリウレタン発
泡原液の高分子反応と発泡反応の開始によつて、
該ポリウレタン発泡原液はガラス繊維を濡らしつ
つガラス繊維束集合体の空所を埋めながら、かつ
該フロートコンベア１５によつて上面の発泡高さ
に規制されながら高分子化と発泡反応が進行し
て、第４図に図示したように、ガラス繊維４０の
ポリウレタンフオーム全体にかつ均一に分散した
所定の厚みのスケア状発泡製品３０に成形され
る。

上のスケア状ガラス繊維入りポリウレタンフオ
ーム３０は連続的に成形され、必要により切断機
（図示せず）等によつて所定長さに切断される。

（効果） 以上図示し説明したように、この発明によれ
ば、比較的厚みのあるスケア状のガラス繊維入り
ポリウレタンフオームを効率よくしかも確実に成
形することができる方法を提供することができる
ようになつた。

特に、この発明方法は、得ようとする発泡製品
とほぼ等しい大きさ（厚さ）を有するかさ高なガ
ラス繊維束集合体を形成し、これにポリウレタン
樹脂原液を一旦含浸、収容させ、次いで当該発泡
原液の高分子化および発泡反応を開始させ、発泡
がガラス繊維を包接しつつかつガラス繊維束集合
体の空隙を充填しながら所定寸法のスケアブロツ
クに成形するものであるから、ポリウレタンフオ
ームとガラス繊維が完全に一体化、複合化され
る。また、この発明方法によれば、ガラス繊維は
上記発泡工程を通じてウレタンフオーム内で無方
向に湾曲および交差して全方向に配向されるの
で、発泡製品全体としてすぐれた性能を有するの
みならず、部分的あるいは局所的に性能上の弱点
が存在しないという点で、極めてすぐれた品質特
性を備えた発泡製品を提供することができる。こ
のように、この発明はこの種発泡製品の製造に多
大な利益をもたららし、産業上の利用価値は極め
て大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明方法の一例を示すガラス繊維
入りポリウレタンフオームの成形装置の全体斜視
図、第２図は第１図の２−２線における製品の断
面図、第３図は第１図の３−３線における製品の
断面図、第４図は第１図の４−４線における製品
の断面図である。 １０…コンベアライン、１２…ポリウレタン樹
脂注入機、１３…ピンローラ、１５…フロートコ
ンベア、２１…ボトムシート、２５…トツプシー
ト、３０…ポリウレタンフオーム、３１…ポリウ
レタン樹脂原液、４０…ガラス繊維、４１…ガラ
ス繊維束集合体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ボトムシート上に得ようとする発泡製品とほ
   ぼ等しい大きさを有しかつガラス長繊維束を無方
   向に湾曲および交差させた三次元立体網状物より
   なるかさ高なガラス繊維束集合体を形成し、この
   集合体上部からポリウレタン樹脂原液を散布する
   とともに、この上面をトツプシートで被覆すると
   ともに、これらの上面から突状部を備えたロール
   によつてこれら全体を圧迫して前記ポリウレタン
   樹脂原液を前記ガラス繊維層に含浸せしめた後、
   前記ポリウレタン樹脂原液を所定高さに発泡せし
   めてガラス繊維を一体に混入した発泡製品を得る
   ことを特徴とするガラス繊維入りポリウレタンフ
   オームの製造方法。