JPH0357474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として段ボール印刷機の印刷ロール
と送りロールとの間に段ボールシートを受け渡し
する案内装置に関する。

（従来技術） 段ボール印刷機は基本的には第４図に示す如く
２台の印刷ユニツト１，１ａを隣設して構成さ
れ、各ユニツトは印刷ロール２、送りロール３及
び両ロール２，３の下方に受けロール４，５が配
備され、受けロール４，５間にシートＳを受け渡
す案内板９が設けられている。各受けロール４，
５は夫々独立して上下方向に位置決め可能に配備
され、シートの厚みに応じて相手ローラとの間の
隙間を最適値に調節して運転する様になつてい
る。

（本考案が解決しようとする問題点） 案内板９は印刷すべきシートの許容最大厚に合
わせて高さ位置を決めてフレーム１１に固定され
ている。そのため薄手のシートを印刷する際に受
ロール４，５の高さを調節すると受けロール４，
５の上面の高さが案内板９よりも少し高位置にな
る。

このため印刷ローラ２と送りローラ３との間で
シートＳに撓みが生じて上下に揺れながらシート
が走行することになり、第１ユニツト１ａと第２
ユニツト１での印刷にずれが生じる問題があつ
た。

（問題を解決する手段） 上下方向に位置決め可能な受けロール４，５の
両端に跨がつて一対の昇降板７を配備し、受けロ
ール４，５の両端部を一対の昇降板７の間に回転
自由に嵌め該昇降板７に案内板９を取り付けた。

（作用及び効果） 受けロールの高さ調節を行なうと昇降板も該ロ
ールの上下動に追従し、従つて昇降板に取り付け
た案内板９は受けロールの高さ位置に常に揃つて
シートの厚みに最適な高さに自動的にセツトされ
ることになり、シートを撓ませることなく真直に
案内することが出来、印刷ずれのない鮮明な印刷
が可能となる。

（実施例） 第１図はダンボール印刷機の印刷ユニツト１の
要部拡大縦断面図であり、第２図は同上の一部破
断した平面図である。図面では印刷ユニツトの片
側のフレーム１１部分しか表われていないが、該
フレーム１１に対向して同じフレームが存在す
る。

上記フレーム間に印刷ロール２、該印刷ロール
２の下流側に送りロール３が夫々下面の高さを揃
えて回転自由に配備される。

上記２つのロール２，３の下方に該ロール２対
向して受けロール４，５が配備され、各受けロー
ル４，５の両端はフレーム１１に配備備した支持
部材６を含む高さ位置調節置６８によつて高さ位
置調節可能に配備されている。

支持部材６はフレーム１１に開設した円孔１２
に回転自由に嵌まる短筒部６１、該短筒部６１の
内端に短筒部６１よりも大径のギヤ部６２を有
し、短筒部６１の偏心位置に偏心貫通孔６３を開
設し、該孔６３にベアリング６５を介して受けロ
ール４，５の端部を軸承している。各受けロール
４，５の一端は従前と同様にしてオールダムジヨ
イント、歯車伝達装置（何れも図示せず）を介し
て相手印刷ロール２及び送りロール３に連繋さ
れ、印刷ロール２及び送りロール３と周速を一致
させて同期回転する。支持部材６はギヤ部６２の
端面に貫通孔６３と同心に環状部６４を突設して
いる。

両フレーム１１には各支持部材６のギヤ部６２
に噛合する駆動ギヤ６０，６０ａが配備され、上
流側の駆動ギヤ６０ａ，６０ａどうし及び下流側
の駆動ギヤ６０，６０どうしはシヤフト６６，６
６にて連結され、各シヤフト６６は別個の回転装
置６７，６７に連繋されている。

各回転装置６７，６７によつて駆動ギヤ６０，
６０ａ及び支持部材６，６を回転させることによ
り、該回転角度に応じて支持部材６の偏心貫通孔
６３の中心の高さ位置が変化し、従つて該貫通孔
６３に軸承された受けロール４，５の高さ位置も
変る。

上記２つの回転装置６７，６７は別個に操作出
来、各受けローラ４，５は独立して高さ位置を決
めることが出来る。

両フレーム１１の内側に前記受けローラ４，５
の先端間に跨がつて一対の昇降板７が配備され、
該昇降板７に開設された前後に長い長孔７１，７
１に前記各支持部材６の環状部６４が回転可能に
嵌まつている。

上記長孔７１の縦長さ、即ち短径は環状部６４
の外径に対応しており、支持部材６に対して昇降
板７は上下方向にはガタつかない。

昇降板７の略中央部に縦長のガイド孔７２が開
設され、該孔７２にフレーム１１の内面から突出
したガイド軸７０を摺動可能に嵌めている。昇降
板７の上流端及び２つの受けローラ４，５の間に
高さ位置調節可能に受け台８，８ａが配備され
る。受け台８は縦方向に平行長孔８４，８４を開
設した板体８１の上端に支え片８２、下端に当り
片８３を夫々内向きに突設して形成され、長孔８
４，８４に挿通したボルト８５を昇降板７に螺合
して固定される。

昇降板７には受け台８の下方に内向きに突出片
７３を設け、該突出片７３に調節ボルト７４を螺
合して該ボルト７４の先端を受け台８の突出片８
３に当てている。両昇降板７の上流端の受け台８
ａどうしの間、及び受けロール４，５間の受け台
８，８どうしの間にアングル材９２にて連結し、
アングル材９２上に上流側端縁が下向きに傾斜し
た案内板９，９ａを取付ける。

然して、両受けロール４，５の上面間を通る仮
想平面に両案内板９，９ａの上面が揃う様に受け
台８，８ａの高さ調節を行なう。

次にシートの厚みに合わせて印刷ロール２と受
けロール４との間、及び送りロール３と受けロー
ル５との間の隙間L₁，L₂を調節する。

この調節作業は前述の如く、回転装置６７，６
７を操作して支持部材６，６を回転させ、支持部
材６，６の偏心位置に軸承した受けロール４，５
の高さ位置を変えるのであるが、このとき該支持
部材６の貫通孔６３と同心に突設した環状部６４
も受けロール４，５と同様に偏心運動する。従つ
て該環状部６４を回転自由に嵌めた昇降板７の高
さも受けロール４，５に同調して変化する。環状
部６４が嵌まつた昇降板７の長孔７１は前後方向
に長く、環状部６４の偏心運動による振れは該長
孔７１にて吸収出来、又、長孔７１の上下方向の
寸法は環状部６４の外径に対応しているため、昇
降板７の上下方向のガタつきはない。

更に、昇降板７に開設された縦ガイド７２には
フレーム１１に突設したガイド軸７０が嵌まつて
昇降板７の前後方向の動きも阻止させているた
め、昇降板７は恰かも両受けローラ４，５に固定
された様にガタなくセツトされるのである。

案内板９，９ａは上記昇降板７に取付けられて
いるため、昇降板の高さ位置に無関係に、常に２
つの受けロール４，５の上面を通る平面に一致し
ており、シートＳを撓ませることなく、真直に案
内することが出来る。

尚、印刷ロール２と受けロール３との隙間L₁
Ｌよりも送りロール３と受けロール５との隙間
L₂を僅か狭く調節するのが常であり、このとき
昇降板７はガイド軸７０を中心に下流側が高くな
る様に僅か傾斜するが、この場合も昇降板７、受
けローラ４，５及び案内板９，９ａの互いの相対
位置は変わらず印刷ロール２から送りローラ３へ
真直にシートを案内出来る。

尚、本考案の実施に際し、昇降板７の上下位置
決めは支持部材６の偏心環状部６４の動きを利用
することに限定することはなく、要は受けロール
４，５に昇降板７を回転自由に嵌め、受けロール
と一体的に昇降板７を上下方向に調節出来る様に
すれば可い。

又、実施例では昇降板７の上流端にも案内板９
ａを設けたが、該案内板９ａは複数の印刷ユニツ
トを連結する際には上流側のユニツトの昇降板の
下流端に設けることが出来る。

又、実施例では印刷ロール２の下流側に送りロ
ール３を設けたが、これとは逆に送りロールの下
流側に印刷ロールを配備してユニツトを構成する
ことも可能であり、実用新案登録請求の範囲内で
種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は印刷ユニツトの要部拡大縦断面図、第
２図は一部破断した同上の平面図、第３図は第１
図−線に沿う断面図、第４図は従来装置の説
明図である。 ２……印刷ロール、３……送りロール、４，５
……受けロール、７……昇降板、９……案内板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷ロール２と送りロール３の夫々下方に各ロ
   ール２，３に対向して受けロール４，５を配備
   し、受けロール４，５間に印刷すべきシートＳを
   受け渡す案内板９を設け、該シートの厚みに対応
   して受けロール４，５の高さ位置を調節し、印刷
   ロール２及び送りロール３と各受けロール４，５
   との隙間を調節できる印刷機に於て、各受けロー
   ル４，５には高さ位置調節装置６８を連繋し、各
   受けロール４，５の端部に跨がつて一対の昇降板
   ７を配備して受けロール４，５の両端部を昇降板
   ７に回転自由に嵌め、昇降板７上に上下方向に位
   置決め可能な受け台８を介して案内板９を配備
   し、該案内板と昇降板７を一体に上下動させるこ
   とを特徴とする印刷機に於けるシートの案内装
   置。