JPH0354733Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、おむつカバーの改良に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来、一般に使用されている毛（本ネル）等の
比較的伸縮性の少ない材料を使用したおむつカバ
ーにおいては、腹廻り部分にゴムを使用したり、
スナツプを数箇所か取り付けたり或いは面フアス
ナーを幅広く取り付けるなどの方法でその大きさ
を調節可能としたものがある。また、股上の長さ
を調節するための面フアスナーを設けたものが存
在する。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、従来のおむつカバーは、腹周りの長さ
及び股上長さを同時に調節可能としたものではな
く、被装着者に確実にフイツトさせる機能を有し
たものはなかつた。

さらに、これらのおむつカバーでは、足廻りを
独自に調節することが不可能であり、精々股上長
さの調節に付随して調節されるものでしかなかつ
た。このため、被装着者の体型に応じて任意に調
節したり、或いは足廻りを一定にして腹廻りや股
上長さを調節することが不可能であつた。

従つて、特に生後僅か１年の間に約３倍も体重
が増える乳児の場合においては、その成長が著し
く早いため２〜３箇月程度でおむつカバーを順次
取り替える必要があり、経済的にも大変不便なも
のであつた。

この他、伸縮性に優れた合成繊維の生地を使用
したり、織り方や編み方によつて伸縮性を強化し
てフリーサイズとしておむつカバーや、Ｔ字型に
形成し股廻りにゴムを入れて股上長さを調節でき
るようにしたものがある。しかしながら、先に述
べたように特に成長の著しい乳児においては、単
に伸縮性が大であつたり股廻りをゴムで調節する
だけでは、その大きさに容易に対応できるものと
は言えず、長時間の使用にはかなりの無理があつ
た。さらに、合成繊維を使用することからして、
通気性が悪く内部が蒸れやすくなるという難点が
あつた。

［課題を解決するための手段］ そこで本考案者は上記諸点に鑑み鋭意研究の結
果、布地の伸縮性の有無にかかわらず腹廻りと股
上の長さ、さらには足廻りをも適宜調節可能とし
たおむつカバーを開発するに至つた。

つまり、本考案に係るおむつカバーは、被装着
者の体型に容易に、且つ確実にフイツトさせるこ
とを目的としたものであり、その特徴とするとこ
ろは、本体背部両側表面に側部係止片を、本体に
連接した折り返し片の下端裏面に前部係止片をそ
れぞれ設けた本体と、該側部係止片に係止する腹
側部係止片及び該前部係止片を係止する腹部係止
片を設けた腹当部より成るものであつて、該腹当
部の両側下縁部が本体の股ぐり部と共に足廻り部
を形成することにある。

上記のように構成したおむつカバーは、おむつ
の上の着けるものであつて、本体を被装着者の背
に当ておむつを着けてから、おむつの上に腹当部
を乗せ本体の両方の側部係止片にそれぞれ腹当部
の腹側部係止片を係止し、折り返し片を被装着者
の股下から回して腹当部の腹部係止片に前部係止
片を係合させて使用する。

従つて、腹廻りは側部係止片と腹側部係止片と
の止め具合によつて適切な状態に止め着けること
ができ、股上は腹当部の腹部係止片と本体の前部
係止片との止め具合によつて適切な状態に止め着
けることができることになる。さらに、足廻りの
調節については、腹当部を上下動させて適当な位
置で係止することにより、該腹当部の両側下縁部
を被装着者の足廻りに沿わせるようにする。この
足廻りの調節は、腹廻りや股上長さの調節にかか
わらず、独自に行なうことができる。

［実施例］ 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案に係るおむつカバーを構成する
本体１の一実施例を示すものである。この本体１
は、防水加工を施した布又は内部に防水被膜を形
成した布などにより１〜３重に形成されている。
本体背部２はゴム編みまたはゴムを入れるなどし
て被装着者の体にフイツトさせると共に、おむつ
が動かないように形成し、バンド３を本体１の両
端部に縫着させるか帯状に延長させ、上腹部１１
の両側に帯状に形成する。なおバンド３はゴムあ
るいはゴム状の伸縮性の大なるものを用いても、
間にそれを介在させてもよい。

また、本体１の背部２にバンド３を付けずに、
第２図に示す腹当部６の上腹部１１の両側に帯状
のバンドを設けるようにしてもよい。このバンド
は、上記のようにゴム状のものを用いたり、ゴム
状のものを介在させるようにしてもよい。

股ぐり部４は、ゴム編み、あるいは二重股や立
体縫製などにより被装着者の股間部に添うように
配慮し、折り返し片５が腹部上までくるように形
成する。

第３図はおむつカバーの一実施例を示すもので
あり、先ずバンド３の側部係止片７，７と、腹当
部６の両側の腹側部係止片９，９を止着する。こ
の場合、係止片としてはホツクを１ないし数個設
けても、面フアスナーを用いても、腹廻りの調節
が可能なものであればよい。

次に、折り返し片５に付けた前部係止片８を腹
当部６に設けた腹部係止片１０に止着する。

この腹部係止片１０は、ある程度縦と横の幅を
広くとつて股上の調節を可能にする。

このように構成した結果、腹廻りの調節は側部
係止片７と腹側部係止片９の止着位置により、股
上長さの調節は前部係止片８と腹部係止片１０と
の止着位置により、夫々独自に行なうことができ
る。又足廻りの調節は、腹当部６の両側下縁部が
股ぐり部４と共に足廻り部を形成するようにして
いるため、この腹当部６を上下動させることによ
つて、足廻り径を変化させることにより行なう。
この足廻り部の調節も腹廻りや股上長さの調節に
かかわらず単独で行なうことができる。

尚、腹当部６の上腹部１１をゴム編みとした
り、立体的に形成すれば、おむつで厚みを増した
場合でも前部が浮かび上がることがなくなり、漏
れを防止し、おむつの取り替えもしやすくなる。

［考案の効果］ 以上のように本考案に係るおむつカバーは、被
装着者の体型やおむつの数により、バンドの両側
の側部係止片と腹当部の両側の腹側部係止片を止
着して一度調節した後は、腹当部の腹部係止片と
折り返し片の前部係止片を開閉するだけで、おむ
つの取り替えができ、被着用者が多少動いても、
寝させたままで楽におむつの取り替えができる。

特に、乳児を立たせたままで股下からおむつを
取り外しても、簡単迅速に、かつ容易におむつの
取り替えができるので、外出先などでも便利であ
ると共に、トレーニングパンツのようにも使用す
ることができる。

また、腹廻り・股上・足廻りの調節が夫々独自
に調節することが可能であるから、特に発育の早
い乳児でも長期間使用でき、おむつの種類や枚数
が異なつても、夫々の箇所を任意に調節して装着
できるので、被装着者の体型に確実にフイツトし
おむつずれも少なくなる。しかも、各サイズのも
のを用意しなくて済み経済的であると共に防漏効
果も高くなる。

さらに、本案おむつカバーは、伸縮によつて被
装着者の体に合わせるのでないから、通気性の優
れたウールのような生地で作ることができ、皮膚
の弱い乳児にも好適であるなど、非常に合理性と
経済性を兼ね備えた、極めて有益な効果を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るおむつカバーの本体の正
面図、第２図は腹当部の正面図、第３図は本考案
のおむつカバーの斜視図である。 １……本体、２……本体背部、３……バンド、
４……股ぐり部、５……折り返し片、６……腹当
部、７……側部係止片、８……前部係止片、９…
…腹側部係止片、１０……腹部係止片、１１……
上腹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体背部２両側表面に側部係止片７，７を、本
   体に連接した折り返し片５の下端裏面に前部係止
   片８をそれぞれ設けた本体１と、該側部係止片
   ７，７に係止する腹側部係止片９，９及び該前部
   係止片８を係止する腹部係止片１０を設けた腹当
   部６より成るものであつて、該腹当部６の両側下
   縁部が本体１の股ぐり部４と共に足廻り部を形成
   することを特徴とするおむつカバー。