JPH035370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は穴あけ旋盤に関するもので、特に刃物
台のガイド構造に係るものである。

〈従来の技術〉 穴あけ旋盤は、第４〜５図に示すように機台１
の上部に摺動面２を設け、ここに刃物台３を摺動
面２の長さ方向に摺動自在に配設し、刃物台３の
前面に複数の刃物４を装着した割出し盤５を回転
自在に設ける。機台１の他側にはワークを保持す
るパワーチヤツク６を有する主軸台７を立設す
る。そしてパワーチヤツク６に対応して穴あけ加
工に入る刃物４は通常割出し盤５に複数本装着さ
れている刃物のうち最上位置にあるものとなつて
いる。

このように従来装置では、穴あけ加工する刃物
４が摺動面２から大きく離れた上方にあり、且つ
刃物台３は左右に移動する。このため機台１、摺
動面２、刃物台３をいかに堅固に構成しても、重
切削時には大きな応力がかかるため、この応力に
よつて刃物台３、主軸台７に撓みが生ずる。一方
刃物４として最近は超硬ドリルを使うが、これは
硬いが粘りに乏しいため、上記従来装置のように
刃物台３及び主軸台７が撓むと、刃物がチツピン
グしやすい欠点がある。

〈考案が解決しようとする問題点とそのための手
段〉 本考案は、上記の欠点を解消して超硬ドリルを
使つて重切削しても、ドリルがチツピングしない
穴あけ旋盤を提案することを目的とし、この目的
達成のため以下のように構成する。

すなわち機台上の一側に支持台を、他側にワー
クを保持して回転する保持爪を有する主軸台を立
設し、両台間に３本のガイド軸を架設固定すると
共に、これら３本のガイド軸を側面視三角形状に
配置し、このガイド軸に刃物台を軸の長さ方向に
摺動自在に装着し、該刃物台の前面に複数の刃物
を取付けた割出し盤を回転自在に設け、該複数の
刃物のうち加工に入る刃物の作業位置と保持爪が
３本のガイド軸から等距離にあるように設定し、
且つ刃物台を左右へ移動させる移動用シリンダを
刃物の作業位置と保持爪とを結ぶ線上としてなる
穴あけ用旋盤である。

〈作用〉 このように構成して、刃物の作業位置とワーク
の保持爪が３本のガイド軸から等距離の位置に設
定し、且つ移動用シリンダを刃物の作業位置と保
持爪を結ぶ線上としたので、重切削によつて大き
な応力が刃物台及主軸台に掛つても、刃物台及び
主軸台に撓みが生じない。このため刃物として硬
いが粘りが乏しい超硬ドリルを使つても刃物がチ
ツピングしない。

〈実施例〉 以下に本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。機台１１上の一側に支持台１２を、他側に主
軸台１３を立設する。主軸台１３には主軸１４を
貫通し、その内端にワークＷを保持する保持爪と
して公知のパワーチヤツク１５を装着し、外端に
はプーリ１６を取付け、プーリ１６と駆動用モー
タ１７のプーリ１８間をベルト１９で接続する。

支持台１２と主軸台１３間に３本のガイド軸２
０を架設固定すると共に、これら３本のガイド軸
２０を側面視三角形状に配置する（第３図参照）。
このガイド軸２０に刃物台２１を軸の長さ方向に
摺動自在に装着する。刃物台２１内には移動用の
油圧シリンダ２２を内装し、該シリンダ２２のピ
ストンロツド２３の外端を支持台１２に固着し、
油圧シリンダ２２内への油の注入によつて、刃物
台２１をガイド軸２０に沿つて左右へ移動させ
る。２４はピストンである。

刃物台１３の前面には円盤状の割出し盤２５を
回転自在に設け、その前面に６本の刃物２６を交
換自在に装着する。割出し盤２５の背面には円盤
状のギヤ２７を設け、該ギヤ２７にラツク２８を
噛合し、該ラツク２８の昇降によつてギヤ２７、
割出し盤２５を回転させる。この回転によつて複
数の刃物２６のうち任意の１本を作業位置アすな
わちパワーチヤツク１５と同心に位置させる。こ
の作業位置アは、３本のガイド軸２０から等距離
にあるように設定する。また前記の油圧シリンダ
２２を、この作業位置アとパワーチヤツク１５を
結ぶ線上におく。

つぎに上記装置の動作について説明するが、こ
れは従来装置と同様であるから簡単に行う。まず
パワーチヤツク１５によつてワークＷを保持し、
刃物２６のうち使用する刃物２６１をパワーチヤ
ツク１５と同心の作業位置アにおく。これはラツ
ク２８の昇降により、割出し盤２５の背面にある
ギヤ２７を回転させて行う。つぎに駆動用モータ
１７を駆動し、主軸１４によりワークＷを回転さ
せると共に、油圧シリンダ２２へ注油（ピストン
２４の左側へ）し、左方へ前進させて穴あけ作業
に入る。所定寸法の穴あけが終つたら、つぎはピ
ストン２４の右側へ注油し、刃物台２１を右方へ
後退させて、スタート位置に戻す。割出し盤２５
を回わして、つぎに使用する刃物２６を作業位置
アに入れる。以下の動作は、前記のそれと同様の
ことを繰り返す。

〈考案の効果〉 本考案は上記説明したように構成して、側面視
三角形状に配置した３本のガイド軸へ刃物台を摺
動自在に装着し、且つ刃物の位置と保持爪とを、
上記３本のガイド軸より等距離とした。このた
め、重切削時に大きな応力が刃物台と主軸台に掛
つても、本装置は安定性が大きくて、両台に撓み
が生じない。この結果、硬いが粘りが乏しい超硬
ドリルを刃物として使つても、刃物がチツピング
しないという優れた効果が生じた。

また、刃物台を移動させる移動用シリンダを刃
物の作業位置と保持爪とを結ぶ線上としたので、
刃物台を効率よく円滑に移動できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の穴あけ旋盤を示す平面図、第
２図は同正面図、第３図は第２図における−
断面図、第４図は従来の穴あけ旋盤を示す正面
図、第５図は第４図の−断面図である。 １１−機台、１２−支持台、１３−主軸台、１
５−パワーチヤツク、２０−ガイド軸、２１−刃
物台、２２−油圧シリンダ、２５−割出し盤、Ｗ
−ワーク、ア−作業位置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上の一側に支持台を、他側にワークを保持
   して回転する保持爪を有する主軸台を立設し、両
   台間に３本のガイド軸を架設固定すると共に、こ
   れら３本のガイド軸を側面視三角形状に配置し、
   このガイド軸に刃物台を軸の長さ方向に摺動自在
   に装着し、該刃物台の前面に複数の刃物を取付け
   た割出し盤を回転自在に設け、該複数の刃物のう
   ち加工に入る刃物の作業位置と保持爪が３本のガ
   イド軸から等距離にあるように設定し、且つ刃物
   台を左右へ移動させる移動用シリンダを刃物の作
   業位置と保持爪とを結ぶ線上としてなる穴あけ用
   旋盤。