JPH0353706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はエアゾール製品のキヤツプに関する。
さらに詳しくは、複数本の軽量で細長いエアゾー
ル製品を連結するための連結手段を備えたキヤツ
プに関する。

［従来の技術］ 従来のエアゾール製品においては、エアゾール
製品同士をたがいに連結しうる連結手段を備えた
ものは知られておらない。またエアゾール製品の
キヤツプとしては、押ボタンが誤つて押されない
ように、あるいは噴口などが汚れないように、エ
アゾール製品の上端に嵌着される有底筒状のもの
しか知られておらない。

［考案が解決しようとする問題点］ 近時、エアゾール製品の携帯性、使用性を高め
ることを目的として、小形軽量で細長いエアゾー
ル製品（たとえば第７図に示されるエアゾール製
品E₃など）が用いられている。

かかる形状のエアゾール製品を垂直に立ててお
くときわめて倒れやすいという問題がある。また
横に寝かせておくとしても、ころがりやすく、し
かも噴口近辺やエアゾール製品を載置している台
などが汚れやすいため好ましくない。

一方、前記小形軽量のエアゾール製品は、噴霧
やフオームなどの吐出物の色や香りなどについて
多種のものを組み合わせ、シリーズ化した製品と
して販売したり使用するばあいがある。そのばあ
い一連のシリーズをまとめて配列することができ
れば都合がよい。

本考案はとくに小形軽量で細長いエアゾール製
品を複数本たがいに連結させ、それにより垂直状
態に安定に立てておくことができ、かつ前記シリ
ーズ化の要請にも応じうる簡単な構造の連結手段
をエアゾール製品に対して付加することを目的と
している。

［問題点を解決するための手段］ 本考案のエアゾール製品のキヤツプは、一端が
天板で閉鎖されている筒状の本体と、該本体の側
面の前記一端近辺から横方向に突出する係合部材
とを有し、前記天板の外周近辺に前記係合部材と
嵌合しうる大きさの係合凹部が形成されているこ
とを構成上の特徴としている。

なお実用新案登録請求の範囲にいうキヤツプと
は、押ボタンに被せるもののほか、エアゾール製
品の底部に嵌着させるものも含み、天板とはその
ばあいの底板をも含む概念である。また孔とは貫
通しいおらない穴をも含む概念である。

［作用］ 本考案のキヤツプは、エアゾール製品の頂部ま
たは底部に嵌着され、複数のエアゾール製品を連
結保持するために用いられる。エアゾール製品を
複数本連結することにより、とくにＬ字状、十字
状またはコ字状などに連結することにより、細長
い小容量のエアゾール製品であつても倒れにくく
なる。さらにシリーズ化された複数のエアゾール
製品をまとめた状態で配列することができる。な
お本考案のキヤツプの天板の面積をエアゾール製
品の断面積より大きくしておき、このものをエア
ゾール製品の底部に嵌着させるときは、１本のエ
アゾール製品であつてもたおれにくくなる効果が
奏される。

［実施例］ つぎに図面を参照しながら本考案のキヤツプを
説明する。

第１〜２図はそれぞれ本考案のキヤツプの一実
施例を示す斜視図および一部切欠平面図、第３図
は第１図に示すキヤツプをエアゾール製品に取り
つけた状態を示す断面図、第４図は第１〜２図に
示すキヤツプの連結途中の状態を示す斜視図、第
５〜６図はそれぞれ第１〜２図に示すキヤツプの
連結状態の一例を示す斜視図、第７図は本考案の
キヤツプの他の実施例のエアゾール製品への取り
つけ状態を示す一部断面側面図である。

第１〜２図に示されるキヤツプＡは上端に天板
１を有し、下端が開口している円筒状の本体２
と、その本体２の側面上端に取りつけられている
係合部材を構成するクリツプ３とから構成されて
いる。クリツプ３は前記天板１から横方向に伸び
る横部材４と、横部材４の先端から本体２の軸心
と平行に下方に伸びる縦部材５とからなり、通常
は本体１と一体に形成される。前記天板１の外周
縁にはたがいに90°ずつの角度で配列された３個
の切り欠き段部６が形成されており、それにより
キヤツプＡの内部空間７と連通する孔８が形成さ
れている。前記切り欠き段部６はクリツプ３の横
部材４と密に嵌合する大きさであり、孔８はクリ
ツプ３の縦部材５を挿入しうる大きさである。な
おクリツプ３の縦部材５の外側の面９は切り欠き
段部６の内側の垂直面９ａと、縦部材５の内側の
面１０はキヤツプＡの内周面１１とそれぞれ嵌合
する形状であるのが好ましいが、そのばあいに限
定されるものではない。すなわちキヤツプＡ同士
の連結、したがつてエアゾール製品同士の連結
は、係合部材を構成するクリツプ３と孔８や切り
欠き段部６などの嵌合凹部との弾性的な嵌合に基
づく摩擦力によつて維持される。そのためそれぞ
れの嵌合部は連結の着脱がスムーズでしかも自然
に抜けないような適切なかたさで弾性的に嵌合し
ているのが好ましい。そのような嵌合のために
は、たとえばクリツプ３の横幅ａまたは前後幅ｂ
を孔８や切り欠き段部６の横幅ｃや孔８の前後幅
ｄよりもいくらか大きくしたり、あるいはクリツ
プ３と本体２の外周面と隙間ｅをキヤツプの本体
２の肉厚ｆよりもいくらか小さくするなどの構成
を採用しうる。

さらに第３図に示されるようにクリツプ３の先
端内面に嵌合突起１２を設け、キヤツプＡの内周
面１１で係合突起１２が当接する部位に係止凹部
または溝１３を形成しておいてもよい。

また第３図に示されるように、キヤツプＡの内
周面１１の下端近辺には、エアゾール容器１４の
上端外周に形成される溝１５と係合しうる係合突
起１６が適切な個数だけ形成されているのが好ま
しい。

叙上のごとく構成されるキヤツプＡは、たとえ
ば第３図または第４図に示されるようにエアゾー
ル製品、とくに小形軽量で細長いエアゾール製品
Ｅ、E₁、E₂の上端に着脱自在に嵌着されて用い
られる。

本考案のキヤツプＡが嵌着された複数本のエア
ゾール製品は、第４図に示されるように一方のエ
アゾール製品E₁のキヤツプA₁の孔８に他方のエ
アゾール製品E₂のキヤツプA₂のクリツプ３を挿
し込むことにより、たがいに連結される。

第５〜６図はそのようにたがいに連結されたキ
ヤツプＡの例が示されている。第４〜５図のよう
に多数のキヤツプＡ同士を順次連結することによ
り、第３図に示すような細長いエアゾール製品
E₁、E₂であつても安定した状態で立てておくこ
とができる。さらに色や香りが異なる一連のシリ
ーズとなるように構成された複数本のエアゾール
製品を一列状態で、または１つのまとまつた状態
で配列しておくことができるため、商品として陳
列するばあいや、美容院などで業務用に用いるば
あいなどに好ましいデイスプレイ効果がえられ
る。

第７図に示されるエアゾール製品E₃において
は、上端のほか底部２３にも嵌着させうるキヤツ
プＢが用いられている。

そのようなキヤツプＢの底部２３との嵌合は、
とくに着脱容易である必要はない。また少なくと
もキヤツプＢの天板を構成する底板２４の面積を
エアゾール製品E₃の底部２３の面積より大きく
しておくと、あるいは比較的重い材料、たとえば
タルクを混入させた合成樹脂などで形成すると、
一本のエアゾール製品を立てておくばあいでも、
エアゾール製品₃が倒れにくくなるという効果を
奏する。

かかる見地から、第７図に示すキヤツプＢはほ
ぼ円錐台状の外観を呈するように形成されてい
る。

一方、エアゾール製品E₃の底部２３に嵌着さ
せるタイプのキヤツプＢにおいては、他のキヤツ
プのクリツプ３を挿入するための空間（第３図の
ばあいのＳ）がないため、前記形状を利用してク
リツプ３を挿入するための孔２４（貫通しておら
なくてもよい）を形成するのが好ましい。なおた
とえば扇状の横部材のみからなる係合部材を採用
するときは、とくに孔を形成する必要はない。

第７図に示すキヤツプＢにおいても、第１図の
キヤツプＡのばあいと同じく、想像線で示すよう
に多数個連結することにより、エアゾール製品
E₃が一層倒れにくくなり、シリーズもののエア
ゾール製品のデイスプレイ効果が高くなる効果を
奏する。

第７図に示されるキヤツプＢは、通常はエアゾ
ール製品E₃の頂部側に嵌着させておき、立てて
おくときだけ底部に嵌着させるものであるが、底
部のみに嵌着させうるものであつてもよい。なお
本考案のキヤツプは、その形状がとくに限定され
るものではなく、前述の円筒状、円錐台状のもの
のほか、たとえば角柱状（四柱状、六柱状など）
や角錐台状のものなども同じ効果を奏しうる。

さらに係合部材の形状や本数（通常は１〜２
個）、係合凹部の形状や個数（通常は２〜７個）
も、前述のキヤツプ同士の連結機能を損なわない
範囲で任意に設定しうる。たとえばクリツプのば
あい、縦部材と横部材の連結部は通常は直角に折
れ曲がつた形状にされるが、丸く湾曲して連続し
ているものであつてもよい。さらに横部材のみか
ら構成され、横方向から、あるいは上方から係合
凹部に嵌着させうる係合部材を採用することもで
きる。

［考案の効果］ 本考案のキヤツプをエアゾール製品に用いて複
数のエアゾール製品をたがいに連結することによ
り、細長いエアゾール製品を安定して立てておく
ことができ、しかも一連のシリーズをまとめて配
列しうる利点がある。さらに天板の面積を大きく
してエアゾール製品の底部に嵌着させるときは、
一本のエアゾール製品であつても倒れにくくなる
効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図はそれぞれ本考案のキヤツプの一実
施例を示す斜視図および一部切欠平面図、第３図
は第１図に示すキヤツプをエアゾール製品に取り
つけた状態を示す断面図、第４図は第１〜２図に
示すキヤツプの連結途中の状態を示す斜視図、第
５〜６図はそれぞれ第１〜２図に示すキヤツプの
連結状態の一例を示す斜視図、第７図は本考案の
キヤツプの他の実施例のエアゾール製品への取り
つけ状態を示す一部断面側面図である。 図面の主要符号、 Ａ、Ｂ……キヤツプ、１……天板、２……本
体、３……クリツプ、４……横部材、５……縦部
材、６……切り欠き段部、８……孔、２４……底
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端が天板で閉鎖されている筒状の本体と、
   該本体の側面の前記一端近辺から横方向に突出
   する係合部材とを有し、前記天板の外周近辺に
   係合部材と嵌合しうる大きさの係合凹部が形成
   されてなるエアゾール製品のキヤツプ。 ２ 前記係合部材が横方向に伸びる横部材と、該
   横部材の先端から本体の開口部側に伸びる縦部
   材とから構成されており、前記係合凹部が切り
   欠き段部と、該切り欠き段部と連通し、前記縦
   部材を挿通しうる大きさの孔とから構成されて
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載のキヤ
   ツプ。 ３ 前記本体の側面が本体の軸心と平行であり、
   かつ係合部材の縦部材と本体の側面との間隔が
   本体の側壁の厚さと実質的に等しい実用新案登
   録請求の範囲第２項記載のキヤツプ。 ４ 前記天板の面積がエアゾール製品の底部の面
   積より大きくされており、しかもエアゾール製
   品の底部に嵌着しうるように構成されてなる実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のキヤツプ。