JPH0351883Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、２輪車用鉛密閉蓄電池等に適する蓄
電池に関する。

従来、此種の蓄電池は、電槽の内部を仕切壁に
より複数個のセル室に区劃され、その各セル室に
収容した極板群の陰陽極板群を夫々接続する上面
左右に配置の陰極ストラツプ及び陽極ストラツプ
を仕切壁に設けた貫通孔を挿通するセル間ストラ
ツプを介しその１側に並ぶ相隣るセル室内の陰陽
極ストラツプを相互に接続し、該電槽の上面に筐
状の蓋を施し電槽の周縁とその仕切壁の上端とを
夫々蓋の周側壁下端とその内部に設けた仕切壁の
下端とを熱融着して密閉蓄電池としたものである
が、この蓄電池において、その運搬、使用中など
に、振動、衝撃により内部の極板群が異動するこ
とを防止する耐振電池とするため、蓋の裏面に予
めこれから下垂突出する群押え用杆を設けてお
き、その施蓋において、その群押え杆の下端を極
板群の陰極ストラツプ又は陽極ストラツプの上面
に当接押圧し極板群を固定する式のものが公知で
あるが、その押え個所は点状であるため、極板群
に対し充分な押圧固定力を与えることが出来ず、
衝撃により極板群が動揺する嫌いがある。

また、蓋内面に電槽内の極板群を上方から押圧
固定する極板群押え部材を一体に設けたものが知
られているが、蓋にガス排気のための安全弁等を
設けたりすると該押え部材を設ける場所がとれな
かつたり、あるいは蓋内面構造が複雑となる等の
欠点がある。

また、電槽の各セル室内にそれぞれ極板群を上
方から押圧固定する極板群押え部材を配設し、こ
れと電池蓋体とを互いに熱融着したものも知られ
ているが、前記押え部材の載置作業が面倒である
という欠点を有する。

本考案は、かかる従来の欠点を除去し、その耐
振性を向上した蓄電池を提供するもので、電槽１
の内部を仕切壁２により少くとも２個のセル室３
に区劃され、これらセル室３に夫々収容した極板
群４の夫々の上面左右両側において整列した陰極
板耳群５と陽極板耳群６を接続する陰極ストラツ
プ７と陽極ストラツプ８を設けると共に仕切壁２
に設けた上面を開放した貫通孔９を介してセル間
ストラツプ１０によりその隣接セル室３内の互に
異極性のストラツプ７，８を相互に接続して電池
を構成すると共に、該電槽１の周側壁１ａに対応
する周側壁１５ａと、裏面に、電槽１の仕切壁２
に対応する仕切壁１５ｂを突設した蓋１５を電槽
１上面に施し、該電槽１の周側壁１ａとその仕切
壁２の上端とを該蓋１５の周側壁１５ａと該仕切
壁１５ｂの下端とに相互に圧接熱融着して成る蓄
電池において、少なくとも２個のセル室３，３内
の各極板群４の両側の陰極ストラツプ７及び陽極
ストラツプ８の上面に夫々載置される長手の極板
群押え部材１３，１３をその幅方向の連結部材１
４により互いに連結し且つ電槽１の仕切壁２の貫
通孔９の両側に並ぶ極板群押え部材１３，１３を
貫通孔９を挿通するセル間ストラツプ１０上面に
延びる中間連結部１３ｃで相互に連結して電槽１
を構成するセル室２，２内の全ての極板群４，４
を同時に押える極板群押え部材１３，１３…群の
連結枠体Ａ、A′に構成し、極板群押え部材１３，
１３に設けた垂直方向の当接片１３ｂ，１３ｂの
上縁と電槽１に施された蓋１５の仕切壁１５ｂの
下端を押圧熱融着して成る。

次に本考案の実施例を添付図面に基き説明す
る。図面で１は電槽、２は電槽１内を多数のセル
室３に区劃する仕切壁、４はこれらセル室３，３
…内に収容した極板群を示し、これら極板群は、
その上面両側左右に突出する陰極板耳群５と陽極
板耳群６とはその各相隣るセル室３，３の関係に
おいて左右交互に配設されるように収容されて居
り、その夫々の耳群５，６は夫々陰極ストラツプ
７及び陽極ストラツプ８で接続されている。９は
各仕切壁２に貫通した上面を開放する貫通孔を示
す。該貫通孔９は各相隣るセル室３内の左右各側
に並ぶ陰極板ストラツプ７と陽極板ストラツプ８
を交互に接続するセル間ストラツプ１０を挿通し
て有し、かくして、全ての極板群４，４…は直列
に電気的に接続された図面では６セルのモノブロ
ツク電池を構成している。１１，１２は夫々陽極
端子及び陰極端子を示す。

上記の極板群を組み込んだ電槽１は従来と変り
がない。本考案によれば、これら極板群の各陰陽
極ストラツプ７，８の夫々の上面に載置されこれ
らストラツプの全長に亘り載置される載置部材１
３ａと仕切壁２の上端と同じ高さを有し仕切壁２
の少くとも１側面に近接して及び或は貫通孔９内
に位置せしめられる当接片１３ｂとから成る長手
の極板群押え部材１３の多数を各別に或は１つの
連結枠体として用意し、これを例えば第２図示の
如く各セル室３内の極板群４の左右の陰陽極スト
ラツプ７，８の上面に載せ、その当接片１３ｂ，
１３ｂを各仕切壁２の両側にこれに近接して位置
せしめ、その貫通孔９のある側では該貫通孔９内
に仕切壁２と一線に並ぶように位置せしめる。
尚、第２図示の例では、これら全ての極板群押え
部材１３，１３…は、１つの１体成形による連結
型の枠状体Ａとしその載置作業を１度に行なえる
ようにした。即ち、各左右の対向する長手の板状
の極板群押え部材１３，１３は幅方向に延びる相
互連結部材１４で相互に連結する１方貫通孔９を
介しその両側の極板群押え部材１３，１３はその
セル間ストラツプ１０の上面に於てその中間連結
部１３ｃで互に連結されたものとし、その貫通孔
９内には該中間連結部１３ｃに設けた比較的肉厚
の当接片１３ｂを存せしめるようにし、該当接片
１３ｂと反対側には仕切壁２を挿通する間隙１６
を存して夫々の当接片１３ｂ，１３ｂが対向して
存するものに構成した。

このように、極板群押え部材１３，１３…群の
一連の枠体Ａとするときは、全てのこれら極板群
４，４…の各ストラツプ７，８上への載置作業が
便利である。かゝる載置状態において、第３図示
の筐状蓋１５を電槽１の上面に常法により熱融着
して施す。蓋１５は、電槽１の周縁１ａと熱融着
する周側壁１５ａとその内部裏面に電槽１の各仕
切壁２の上端と熱融着するこれに対応する各仕切
壁１５ｂとを有する点では従来と異ならないが、
その各仕切壁１５ｂの厚さは、電槽１の仕切壁２
に加えその両側に位置する当接片１３ｂ，１３ｂ
とも当接熱融着するに足る肉厚とする構成で特異
である。図面ではその仕切壁１５ｂはその幅方向
全長に亘りかかる肉厚としたが、電槽１の該仕切
壁２とその両側の当接片１３ｂ，１３ｂに対応す
る個所のみを肉厚とし、他は電槽１の仕切壁２と
同じ厚さに構成しても差支えない。尚、間隙１６
を存して対向する当接片１３ｂ，１３ｂの該間隙
１６を仕切壁２の厚さよりやや小さく形成して該
当接片１３ｂ，１３ｂで仕切壁２を押圧するよう
にすれば、熱融着時において熱板を離脱させる時
の該押え部材１３の同時離脱を確実に防止でき
る。

かくして、該蓋１５を電槽１に押圧熱融着した
状態では、第４図の如く、その蓋１５のこれら仕
切壁１５ｂ，１５ｂ…は、各該長手の極板群押え
部材１３の両端の当接片１３ｂ，１３ｂに押圧熱
融着するので、各極板群押え部材１３の下面の各
ストラツプ７，８はその全長に亘りその上面から
押圧力を受けその結果各極板群４に対し極めて大
きい押圧固定を行なうことができる。

尚、極板群押え部材１３の変形例として、第５
図に明示の如くその長さ方向の所定個所に、
夫々、左右１対の下向きの係合用突起１７，１７
を耳５，５又は６，６間の間隙内に挿入しストラ
ツプ７又は８の下面に係合するときは、安定した
載置状態が得られる。

第６図は、他の実施例を示し、多数個の極板群
押え部材を一連に梯状の枠体A′に構成した。即
ち左右に、電槽１内の全てのセル室２，２…内の
極板群４，４…の左右の陰陽極ストラツプ７，
８、７，８…の全長に亘り延び載置される載置部
材１３ａと各仕切壁２の１側に近接して延び該左
右の載置部材１３ａ，１３ａ間を相互に連結する
幅方向の当接片１３ｂの等間隔の配設とから成る
１体成形の梯状の枠状体A′から成る。而してこ
れを収容する電槽１は、その各仕切壁２，２…に
交互に設けたセル間ストラツプ挿通用の上面を開
放した貫通孔９，９…に加え、その反対側に交互
にその側の貫通孔９，９と同一線上に、前記の左
右の載置部材１３ａ，１３ａを挿入する上面を開
放した貫通孔１８，１８…を設け、これに上記の
枠状体A′を挿入し全極板群の夫々左右のストラ
ツプ上に１度に載置するようにしたものである。
この場合の蓋１５の各仕切壁１５ｂの厚みは、電
槽１の仕切壁２とその１側の当接片１３ｂに当接
する厚さであればよい。

尚、この場合においても、熱融着時の熱板離脱
時の押え部材１３の同時離脱を確実に防止するに
は、例えば貫通孔９の幅より載置部材１３ａの厚
さをやゝ大きくすることや載置部材１３ａを貫通
孔９内に挟持することなどで達成される。このよ
うに本考案によるときは、少なくとも２個のセル
室３，３内の各極板群４の両側の陰極ストラツプ
７及び陽極ストラツプ８の上面に夫々載置される
長手の極板群押え部材１３，１３をその幅方向の
連結部材１４により互に連結し且つ電槽１の仕切
壁２の貫通孔９の両側に並ぶ極板群押え部材１
３，１３を貫通孔９を挿通するセル間ストラツプ
１０上面に延びる中間連結部１３ｃで相互に連結
して電槽１を構成するセル室２，２内の全ての極
板群４，４を同時に押える極板群押え部材１３，
１３…群の連結枠体Ａ，A′に構成し、蓋１５の
裏面に設けた仕切壁１５ｂを電槽１の仕切壁２と
仕切壁２の１側面又は両側面に近傍して位置させ
た当接片１３ｂ又は１３ｂ，１３ｂと貫通孔９内
の当接片１３ｂとに圧接熱融着せしめたので、各
該極板群押え部材１３，１３…によりその全長に
おいてその下面の各極板群４，４…を押圧固定
し、従来の点圧接に比し著しく大きい耐振性を有
する密閉蓄電池を得られる効果を有すると共に極
板群押え部材の極板群への載置作業が簡単で、短
時間に行なえ、また蓋の内面が極板群押え部材の
ために複雑な構造にならないので、ガス排気のた
めの安全弁等を設けるのに支障を生じない等の効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は直列接続した極板群を内蔵した電槽の
斜面図、第２図は極板群押え部材群の斜面図、第
３図は蓋の斜面図、第４図は本考案電池の長さ方
向で截断した１部の側面図、第５図はその横断方
向で截断した１部の側面図、第６図は、他の実施
例の電槽と極板群押え部材群の分解斜視図を示
す。 １…電槽、１ａ…周側壁、２…仕切壁、３…セ
ル室、４…極板群、５…陰極板耳群、６…陽極板
耳群、７…陰極ストラツプ、８…陽極ストラツ
プ、９…貫通孔、１０…セル間ストラツプ、１３
…極板群押え部材、１３ａ…載置部材、１３ｂ…
当接片、１３ｃ…中間連結部、１５…蓋、１５ａ
…周側壁、１５ｂ…仕切壁、Ａ，A′…極板群押
え部材群連結枠体、１８…貫通孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 電槽１の内部を仕切壁２により少くとも２個
   のセル室３に区劃され、これらセル室３に夫々
   収容した極板群４の夫々の上面左右両側におい
   て整列した陰極板耳群５と陽極板耳群６を接続
   する陰極ストラツプ７と陽極ストラツプ８を設
   けると共に仕切壁２に設けた上面を開放した貫
   通孔９を介してセル間ストラツプ１０によりそ
   の隣接セル室３内の互に異極性のストラツプ
   ７，８を相互に接続して電池を構成すると共
   に、該電槽１の周側壁１ａに対応する周側壁１
   ５ａと、裏面に、電槽１の仕切壁２に対応する
   仕切壁１５ｂを突設した蓋１５を電槽１上面に
   施し、該電槽１の周側壁１ａとその仕切壁２の
   上端とを該蓋１５の周側壁１５ａと該仕切壁１
   ５ｂの下端とに相互に圧接熱融着して成る蓄電
   池において、少なくとも２個のセル室３，３内
   の各極板群４の両側の陰極ストラツプ７及び陽
   極ストラツプ８の上面に夫々載置される長手の
   極板群押え部材１３，１３をその幅方向の連結
   部材１４により互に連結し且つ電槽１の仕切壁
   ２の貫通孔９の両側に並ぶ極板群押え部材１
   ３，１３を貫通孔９を挿通するセル間ストラツ
   プ１０上面に延びる中間連結部１３ｃで相互に
   連結して電槽１を構成するセル室２，２内の全
   ての極板群４，４を同時に押える極板群押え部
   材１３，１３…群の連結枠体Ａ、A′に構成し、
   極板群押え部材１３，１３に設けた垂直方向の
   当接片１３ｂ，１３ｂの上縁と電槽１に施され
   た蓋１５の仕切壁１５ｂの下端を押圧熱融着し
   て成る蓄電池。 ２ 複数個のセル室３，３内の各極板群４の両側
   の陰陽極ストラツプ７，８上面に載置される長
   手の極板群押え部材１３，１３はその中間でそ
   の幅方向の連結部材１４により互に連結され、
   且つ電槽１の仕切壁２の貫通孔９の両側に並ぶ
   極板群押え部材１３，１３は、貫通孔９を挿通
   するセル間ストラツプ１０上面に延びる中間連
   結部１３ｃで相互に連結され、該中間連結部１
   ３ｃに貫通孔９内に位置する当接片１３ｂを設
   ける１方、仕切壁２を介してその両側に一線に
   配列される長手の極板群押え部材１３，１３の
   対向する端部は仕切壁２を挿通する間隙１６を
   存して対向し仕切壁２両側面に近接する垂直当
   接片１３ｂ，１３ｂを設け、全体として全ての
   極板群４，４を同時に押える長手の極板群押え
   部材群の連結枠体Ａに構成して成る実用新案登
   録請求の範囲(1)に記載の蓄電池。 ３ 電槽１を構成するセル室２，２内の全ての極
   板群４，４を押える極板群押え部材１３，１３
   …群を、全てのセル室２…内の極板群４，４…
   の両側の陰陽極ストラツプ７，８…列の全長に
   亘り延びる長手の載置部材１３ａを左右に配設
   し、これら部材１３ａ，１３ａを相互に連結し
   且つ各仕切壁２，２…の各側面に近接し幅方向
   に延びる長手の当接片１３ｂ，１３ｂを備えた
   梯子状の連結枠体A′とし、その左右の載置部
   材１３ａ，１３ａを挿入する上面に開放する貫
   通孔１８，１８を電槽１の各仕切壁２，２…に
   セル間コネクタ…１０を挿通する貫通孔９と同
   一線上に設けて成る実用新案登録請求の範囲(1)
   に記載の蓄電池。