JPH0351469B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明が属する技術分野 本発明は、例えば塗装のように、塗布すべき物
質を対象物に向け分散提供する吹付装置であり、
超音波式の距離測定装置により対象物からの距離
を測定しつつその距離に応じ吐出流体の制御弁を
作動させる形式の吹付装置に関する。

従来の技術及びその問題点 上述の如き吹付装置に用いう超音波式の距離測
定装置は、超音波発信用トランスジユーサと超音
波受信用のトランスジユーサとを有し、超音波の
発信後受信までにかかつた時間を測定しこの値か
ら距離を計算し距離に応じた出力を生じる。トラ
ンスジユーサ及びそれに合わせて用いる演算回路
は周知である。

吹付装置は吐出液体が吐出口より高速で出ると
き超音波を発する可能性があり、これは吐出物が
空気の気体であるとき等に著しい。また空気を用
いず塗料や水自体に圧力をかけ高圧下でノズルか
ら噴射する形式のものにおいても噴射速度によつ
ては超音波を生じる可能性がある。この超音波は
受信用のトランスジユーサに感知されると測定結
果をくるわせるノイズとなる。

問題点を解決する手段 本発明では受信用トランスジユーサの２つ用
い、これらを測定しべき距離の方向に関してはほ
ぼ同じ位置に、かつ吹付装置の流体吐出口からの
距離は測定に用いる超音波の波長の約1/2又はそ
の奇数倍だけ差を有するように配置し、２つの受
信用トランスジユーサの出力を足し合わせたもの
を距離の検知のための信号として用いるようにな
して、上述の問題点を解決した。

実施例 第１図は本発明の１つの実施例である塗装用の
吹付装置の縦断面図であり、塗料の叶出口１とこ
れに連通した塗料の供給路１とを有している。供
給路は塗料の供給源Ｓに連通している。吐出口１
の周囲には空気吐出口３が形成され、これに共通
して加圧空気の供給路４が形成され、該供給路に
は空気コンプレツサＰが接続されている。塗料用
の供給路２内には塗料の流量を制御する制御弁装
置５が設けられ、これは吐出口１に近接して形成
された弁座６と、該弁座に近づきまたそれから離
れるように変位可能に設けられた弁部材７とを有
する。同様に空気用の供給路４にも空気用の制御
弁装置８が設けられ、これは弁座９と弁部材１１
とを有している。

弁部材７及び１１は各々駆動装置１２及び１３
により駆動を受けるようになつており、また駆動
装置１２，１３は制御装置１４に接続され、該制
御装置は距離測定装置１５（第２図）からの距離
の信号を受け、この信号によつて弁部材７，１１
の開度を決定しこの開度を与えるべく駆動装置に
作動命令を与える。駆動装置１２，１３及び制御
装置１４の具体的構成は本発明の一部ではないた
め、その説明は省略する。

距離測定装置１５は第２図に示すように超音波
発信用トランスジユーサ１６と、該トランスジユ
ーサ１６から等距離に置かれた２つの超音波受信
用トランスジユーサ１７，１８を含む。第３図は
本発明における距離測定装置の作用の原理を示す
もので、２１は吹付対象物、Ｎはノズルの発生源
で例えば空気吐出口内の一点である。第３図から
判るように、トランスジユーサ１７，１８は測定
すべき距離の方向に関してほぼ同じ位置にあり、
またノイズの初制限Ｎからは測定に用いる超音波
の波長λの1/2だけ距離の差を有するように配置
されている。この距離の差は1/2λの奇数倍した
ときも同じ結果が得られる。トランスジユーサ１
７，１８の出力線２２，２３は各々の出力が合算
されるように接続されている。

上述のように配置した２つの受信用トランスジ
ユーサを用いると、縦軸を各々のトランスジユー
サの出力、横軸を時間とした第４ａ図及び第４ｂ
図から明らかなように、吹付対象物２１から反射
され戻つてくる超音波はトランスジユーサ１７，
１８にほぼ同位相で入るため、第４ｂ図に示すよ
うに２つの合成出力はほぼ２倍となる。一方、発
生源Ｎよりのノズルはトランスジユーサ１７，１
８にほぼ1/2λだけずれた位相で入るため、第４
ｂ図に示すように、その合成出力はゼロとなる。

測定用に用いた超音波の異なる波長のノズルに
対しては、Ｎ点と各受信用トランスジユーサの距
離の差は1/2λとはならないが、一般に距離測定
器に用いられる受信用トランスジユーサは予め設
定した測定用の波長以外には感度を有さないた
め、異る波長のノズルは問題とならない。

上述のように、本発明においては、測定用の波
長と同じ波長のノズルがでても受信用トランスジ
ユーサの合成出力はゼロにできるため、ノズルの
影響を全くなくすことができる。尚、本例におけ
る空気吐出口３のようにある程度の領域にわたり
存在するものであつては、その内容の一点からの
距離差を1/2λとした場合、同じ空気吐出口内の
他の点からの距離差は正確に1/2λとはならない
が、空気吐出口の中心を基準として２つの受信用
トランスジユーサまでの距離の差を1/2λに設定
すれば、空気吐出口内のどの点からの距離差も1/
２λから大きく外れることがなく、またこの誤差
によつて第４ｂ図の合成出力が完全にゼロになら
なくても、適宜なカツトオフ回路により一定値以
下の出力を無効にすることによりノズルの影響を
なくすことができる。

発明の効果 上述のように、本発明によれば測定波長のノイ
ズが生じても、これが測定には全く関与しないよ
うにできるため、正確な測定が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による吹付装置の１つの実施例
の縦断面図；第２図は第１図に示した装置の正面
図；第３図は本発明において採用したノイズの影
響をなくすための原理を説明する図；第４図及び
第４ｂ図は、横軸に時間、縦軸に受信用トランス
ジユーサの出力をとつたグラフで、各々測定用超
音波の反射波を受信した場合と、ノイズを受信し
た場合を示す図である。 ３……流体吐出口、５，８……制御弁、１６…
…発信用トランスジユーサ、１７，１８……受信
用トランスジユーサ、２１……吹付対象物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吹付をなす対象物と吹付装置との間の距離
   を、超音波発信用トランスジユーサと超音波受信
   用トランスジユーサを組合わせて成る距離測定装
   置により測定し、該測定装置の出力に応じ吐出流
   体の制御弁を作動せしめる吹付装置において、 前記受信用トランスジユーサを２つ用い、これ
   らを測定すべき距離の方向に関してはほぼ同じ位
   置に、かつ吹付装置の流体吐出口からの距離は測
   定に用いる超音波の波長の約1/2又はその奇数倍
   だけ差を有するように配置し、前記２つの受信用
   トランスジユーサの出力を足し合わせたものを距
   離の検知のための信号として用いるようになした
   ことを特徴とする吹付装置。