JPH0350903Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は使い捨ておしめの装着固定用として設
けられる粘着性テープの取付け部構造に関し、詳
細には使用中の排便・排尿検査の為の度重なる着
脱あるいは長時間の装着においても破損すること
のない粘着性テープ取付け部構造に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

使い捨ておしめ（以下単におしめという）１に
おける粘着テープ式固定構造は、第２図の４に示
す様に、おしめ１を当てたときの縦長方向両端隅
にあたる隅角部Ａ，Ｂを互いに重ね合わせて固定
する様に構成されておらなければならない。

第３図は従来のテープ式固定構造を示す斜視
図、第４図は第３図における−断面矢視図、
第５図は隅角部同士を連結した状態を示す要部断
面図であつて、おしめ１は封水性シート５と透水
性シート６を袋状に貼合わせ、その内部に吸水体
７を収納して構成され、身体に密着する面（内
面）側に透水性シート６、その反対面（外面）側
に封水性シート５を配している。そして粘着性テ
ープ４は隅角部Ａの封水性シート５面にその根元
部を貼着し、且つ先端内面側に接着剤を塗布し、
且つ該接着剤塗布側には、片面に離型処理を施し
た粘着片８の離型面を貼合せて構成されている。
おしめ１の固定に際しては第５図に示す如く粘着
性テープ４の先端を対抗する隅角部Ｂの封水性シ
ート５ａ面に貼着しておき、排便や排尿の有無を
調べた時あるいはおしめ交換時には粘着片８を隅
角部Ｂに残したまま粘着性テープ４の先端を隅角
部Ｂから引き剥がす。かかる粘着テープ式固定構
造を採用するおしめ１においては、粘着性テープ
４に引張力が働いたときに粘着性テープ取付け部
である隅角部Ａの封水性シート面にも大きな負担
がかかる為、引張強度の弱い封水性シートが延び
て固定状態が緩んだり、封水性シートがひきちぎ
れて粘着テープ４の根本部が剥たりすることがあ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

そこで粘着性テープの取付状態を強化する為に
第６図に示す様に粘着性テープ４の根元側を二股
に分岐させ、一方は従来通り封水性シート５面
に、且つ他方を透水性シート６面に夫々貼着する
方式が提案されている。即ち該方式においては固
定の際に粘着性テープにかかる引張力を隅角部Ａ
の両面で支持する構成になつているので封水性シ
ート面にかかる負担が軽減され封水性シート５の
破損に伴なう固定状態の緩み等の欠点を従来より
改善することができるとされている。

確かに上記手段では封水性シート５と透水性シ
ート６がホツトメルト接着剤等によつて互いに貼
着されているので上記効果はある程度期待するこ
とができる。しかし封水性シートと透水性シート
は材料自体の延び率が元々異なるものであるか
ら、粘着性テープに引張力がかかるとやはり封水
性シートが伸びるという傾向からは逃げられな
い。その結果封水性シートと透水性シートの貼合
部にずれが発生し、両者が剥離する自体をまね
き、封水性シートの破損等につながることがあ
る。

本考案はこうした事情に着目してなされたもの
であつて上記の様な度重なる着脱や長時間の装着
中であつても破損することのない様な粘着テープ
取付け部構造を提供しようとするものである。

〔問題点を解決する為の手段〕

しかして上記目的を達成した本考案の粘着性テ
ープ取付部構造とは、使い捨ておしめの両側部で
封水性シートと透水性シートの間には、帯状の補
強テープがおしめ長手方向に沿つて貼設され、上
記粘着性テープの取付け位置を該補強テープの配
設部位に重ね合わせてなる点に要旨が存在するも
のである。

〔作用及び実施例〕

おしめの隅角部は封水性シートと透水性シート
の積層体で構成され、封水性シートはその表面が
緻密である為粘着性テープと強固に密着するとい
う点で被貼着素材として優れている。しかしなが
ら前述の如く引張強度が小さく、貼着状態の保持
性に関しては問題がある。一方透水性シートは一
般的に不織布等の材料で構成され、その材質は短
い繊維が目の粗い状態で絡まりあつたものである
から、封水性シートよりは大きい引張強度を発揮
するものの、薄いものであるからそれ程大きなも
のではなく、大きな引張力が作用すると絡合短繊
維がほぐれてちぎれてしまう危険がある。又目が
粗い為接着剤の乗りが悪く、粘着性テープの取付
け性は必ずしも良好ではない。そして上記接着剤
の乗りの悪さ等が影響して封水性シートと透水性
シートを強固に貼合させることも難しい。

こうした状況の中で本考案者は前記課題に対応
すべく種々検討を重ねた結果、前記構成に示され
る本考案を完成するに至つた。

即ち本考案の粘着テープ取付部構造においては
例えば第１図に示す様におしめ両側部に対応する
位置であつて、封水性シート５と透水性シート６
の間に補強テープ９を介装し、これを封水性シー
トおよび透水性シートに貼着している。該補強テ
ープは粘着性テープ取付部に位置する封水性シー
トの延びを抑制若しくは防止する必要があるので
封水性シートとの貼着性が強固であるものが望ま
しく、表面が緻密で且つ引張強度の高いプラスチ
ツクステープ（ポリエステルテープ、ポリエチレ
ンテープ、ポリプロピレンテープ等）が望ましい
が、透水性シートより緻密でそれ自身の引張強度
が高いものであれば不織布等であつてもよい。尚
こうした要求を満たす不織布としてはスパンボン
ド不織布等が挙げられる。

又補強テープは広幅に構成すれば粘着テープ取
付部にかかる引張力を広い面積で支持することに
なり補強効果は高まるが、あまりに広くするのは
コストを上昇させ、また製造工程面でもの取付操
作性の悪化を招くのである程度の大きさで止める
ことが望ましい。また広幅であれば、吸水体のサ
イドからの尿漏れを防止でき、ギヤザー形成時に
も確実な保形ができる。

又補強テープの厚みについては、封水性シート
と透水性シートの間に介在させる関係からあまり
厚いとおしめ側部が嵩高くなり装着性が悪くな
る。一方必要とされる補強効果を得るには一定の
厚みが必要であり、材質にもよるが、補強部材の
厚みは５〜100μmより好ましくは20〜40μm程度
が推奨される。

第７図に示す様に粘着性テープ４の一方端は二
又状にして封水性シート５を挟む様に挟着し、そ
の一方側を補強テープ９を押える様に接合してい
る。また使い捨ておしめは縦長方向に連続した封
水性シート５及び透水性シート６を縦長方向に走
行させながらその間に吸収体等を介装して製造さ
れるので連続生産上からは縦長方向に連続したテ
ープを使用することが好都合であり、従つて第１
図に示す如きテープであれば補強テープの配設を
連続的に行なうことができ間欠的配設の煩雑さか
ら逃げることができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に構成されており、粘着性テ
ープ取付個所の封水性シートは補強テープによつ
て裏面側から支持されるので当該部分が延び難く
なり、粘着性テープを堅固に取付け固定すること
ができる。また該補強テープによつて使い捨てお
むつ自体の強度及び保形性を高めることができる
と共に、尿等のサイド漏れも抑止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１，７図は本考案の実施例を示す平面図ある
いは斜視図、第２図は使い捨ておしめの概要を示
す斜視図、第３〜６図は従来技術を説明する為の
断面説明図である。 １……おしめ、４……粘着性テープ、５……封
水性シート、６……透水性シート、７……吸水
体、８……粘着片、９，９ａ……補強テープ、
Ａ，Ｂ……隅角部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透水性シート６と封水性シート５の間にこれら
   シートより小面積の吸水体７を配設してなる使い
   捨ておしめにおける締付用粘着性テープ４の取付
   け部構造であつて、該使い捨ておしめの両側部で
   封水性シート６と透水性シート５の間には、帯状
   の補強テープ９がおしめ長手方向に沿つて貼設さ
   れ、上記粘着性テープ４の取付け位置を該補強テ
   ープの配設部位に重ね合わせてなることを特徴と
   する使い捨ておしめにおける粘着テープ取付け部
   構造。