JPH03504722A - Hiv誘導細胞融合およびシンシチウム形成に対するペプチド阻害剤 - Google Patents
Hiv誘導細胞融合およびシンシチウム形成に対するペプチド阻害剤Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
HIV誘導細胞融合およびシンシチウム形成に対するペプチド阻害剤
1、序論
本発明はHIVにより誘導された融合およびシンシチウム形成を阻害し、そして
それによりHIVの主要な細胞病理学的作用を阻害する新規ペプチドに関する。
このペプチドはHIVウィルスの膜貫通蛋白のアミン末端類似構造を育する。こ
のような阻害ペプチドの効力をインビトロアッセイ系により測定する実施例によ
り、本発明を説明する。
2、発明の背景
2.1.ウィルス糖蛋白および細胞融合哺乳類細胞へのエンベロープウィルスの
侵入はウィルス糖蛋白により媒介される膜融合の過程により起こると考えられて
いる。パラミクソウィルスおよび「D型」レトロウィルス群に属するものは、中
性1)Hで融合を示すことが解っている(ScheidとChoppin、 1
974゜Virology、 57:475−490.および1977、 Vi
rology 80:54−66; Chatterjee等、、 1981.
J、 Virology 38ニア7O−776)。
パラミクソウィルスはその核カプシドを、ウィルス膜と形質膜との融合により、
感染細胞の細胞質へ投入する。一方、オルトミクソウィルス、ラブドウィルス、
アルファウィルスおよびある種のレトロウィルスは、内在化されエンドソーム区
分の一部となる被覆小胞を介して細胞へ侵入することが解っている(Wh i
t eおよびHe1enius、 1980. Proc、 Natl、 Ac
ad、 Sci、 77:3273−3277; White等、、 198
0. J、 Ce1l Biol、 87:264−273゜および1981.
J、 Ce1l Biol、 89:674−679; Redmond等、
。
1984、 Virology 133:393−402; Maedaおよび
0hnishi。
1980、 FABS Letters 122:283−287: Huan
g等、、 1981゜Virology 110:243−247)。エンドサ
イト−シス小胞の酸性化に続き、特定のウィルス糖蛋白の融合活性が活性化され
、ウィルス膜とエンドソーム小胞膜との間の融合を起こし、これにより細胞質へ
の核カプシドの放出が起こるのである。エンドサイトおよびリソソームのpHを
上昇させる物質、例えばクロロキンまたは塩化アンモニウムは、インフルエンザ
および他の酸活性エンベロープウィルスによる感染を阻止する(Jensenお
よびLui、 1961. Proc、 Exper、 Biol、 Med、
107−447−451)。野生型ウィルスより高plで融合するインフルエ
ンザウィルスの天然に存在する突然変異型は塩化アンモニウムに対してより耐性
を有することが解かっている(Doms等、、 1986. J、 Virol
ogy 57:603−613)。最近の研究では、HIVは受容体媒介エンド
サイト−シスにより内在化されることが示唆されているが、その根拠としては、
塩化アンモニウムの存在下で、ウィルス感染が95%以上阻止されることが観察
されていることがある(Maddon等、、 1986. Ce1l 47:3
3−348)一方、別のグループの研究によれば、)flVは融合によりCD4
−陽性T細胞へ侵入できることが示唆されている(Stein等、。
1987、 Ce1l 49: 659−668)。
ウィルス糖蛋白により誘発される膜融合の機構はインフルエンザウィルスのへマ
グルチニン(HA)糖蛋白およびセンダイウィルス(バラミクソウィルス)のF
蛋白を用いた広く研究されている。インフルエンザへマグルチニンの融合活性は
、受容体結合活性とは異なり、不活性の前駆体(HAG)から2つのサブユニッ
トへの蛋白分解的切断(宿主特異的酵素による)による活性化を必要とする(L
azarowi tzおよびChoppon、 1975゜Virology
68L:444−454) 。センダイウィルスのF蛋白質(Fo)を活性化し
て2つのジスルフィド連結サブユニットF1.2を形成するためにも同様の切断
を必要とする(SchideおよびChoppin、 1974. Virol
ogy 57:475−490Huang等、、 1981. Virolog
Y 110:243−247)。HAoまたはFoの切断により、HAaおよび
F1サブユニット上の疎水性アミノ末端が露出し、これが標的細胞膜の脂質二重
層と相互作用し、融合を媒介すると考えられている(Garten等、、 19
81. Virology 115:361−374; Rjchardson
等、、 1980. Virology 105:205−222)。F0蛋白
の分解により、円二色の変化および界面活性剤との結合性の増大により判定され
るコンホーメーション変化が生じ、これは疎水性ドメインが露出したことを示し
ている(Hsu等1. 1981. J、 Biol、 Chem、 256:
3357−3363)。インフルエンザHAの3次元構造の研究により、中性p
H状態では、HA分子は疎水性融合ペプチドと3量体を形成し、ここでこの疎水
性の「融合ペプチド」は3量体のサブユニットの界面にしまい込まれていること
が解った(Wi 1son等、、 1981. Nature 289:366
−373)。酸性化されると、この疎水性の「融合ペプチド」が露出し、標的細
胞膜へ挿入されて融合現象を媒介することが示唆されている(Daniels等
、、 1985. Ce1l 40:431−439)。
HA2の疎水性アミノ末端を変化させるためにインビトロ特定部位の突然変異誘
発を、用いた最近の研究によれば、融合過程におけるこの領域の重要性が確認さ
れている。F融合蛋白J内の2つのグリシン残基からグルタミン酸残基への変換
により、融合が停止するか、またはpH閾値が増大して融合の効率が低下する(
Gething等、、 1986. J、 Ce1l Biol、 102:1
l−23) 、同様に、センダイF1糖蛋白のN末端での荷電残基の導入は融合
活性を阻止することが判明している(Hsu等、、 1981. J。
Biol、 Cehm、 256:3547−3553)、インフルエンザHA
4またはセンダイF、のアミノ末端に相当するアミノ酸配列を有するオリゴペプ
チドは、それぞれのウィルスの感染力の強力な阻害物質であることが報告された
(Richardson等、、 1980. Virology 105:20
5−222; RichardsonおよびChoppin、 1983. V
irology 131:518−532)。更に、パラミクソウィルスのFl
のアミノ末端に相当するオリゴペプチドは細胞融合および溶血阻害することも示
されている(Richardson等、、 1980. Virology 1
05:205−222)。
しかしながら、最近の文献(Hull等、、 1987. Virology1
59 :368−372)は、ウィルス誘導融合に関し「融合ペプチド」仮説に
代わる学説に信頼をおいている。Hull等は融合阻害性オリゴペプチドに対し
て抵抗性を存する麻疹ウィルス突然変異体を記載している。F糖蛋白の配列決定
により、3つのアミノ酸の変化が明らかとなり、このうちの何れも疎水性NH2
−末端「融合ペプチド」領域内には位置していないことが明らかとなった。
Hull等により報告された所見は、細胞膜内ではなく機能性F1.2コンホー
メーシヨン内にF1アミノ末端が位置することにより、融合過程が媒介されてい
ることを示唆している。
2.2. 8IVにより誘導されたシンシチウム形成ヒト免疫不全ウィルス()
IIV)は後天性免疫不全症候群(エイズ)の原因物質であるが、これは恐らく
標的細胞へのウィルスの侵入に関与しているエンベロープ糖蛋白を表面上に生産
する。この糖蛋白はl 60Kdの前駆体として合成され、その後2つの蛋白質
gp120およびgp41となされる。gp120部分は細胞CD4受容体分子
に直接結合することが示されており、それゆえCD4表面蛋白質を示す宿主細胞
に対するHIVの親和性をもたらすが、gp41はウィルス膜にエンベロープ糖
蛋白複合体を固定する作用を有する。HIV感染の明らかな細胞病理学的特徴は
多核シンシチウムの形成である(Barre−3inoussi等+t 198
3.5cience 220:868−871: Popovic等、、 19
84.5cience 224 : 497−500; Levy等、、 19
84゜5cience 225:840−842)、 CD4抗原に対するモ
ノクローナル抗体は融合を阻害することが解っており、このことは、CD4抗原
への結合がシンシチウム形成に必要であることを示している(Lifson等+
+ 1986.5cience232:1123−1127)。近年、HIvノ
エンベローブ糖蛋白遺伝子がワクシニアウィルスベクターにおいて発現されうる
ことが示された(Hu等、、 1986. Nature 320:537−5
40; Chakrabarti等、、 1986. Nature 320:
535−537)。
この種の組換え体はHIV感染培養物において見られるものと識別不可能なシン
シチウム形成と細胞病理をもたらしくLifson等、、 1986.前記)、
このことはHIVgp120/gp41糖蛋白は、外来ウィルス「バックグラウ
ンド」内に提示された場合には他のHrV蛋白の非存在下でシンシチウム形成を
誘導しうろことを示している。しかしながら、このような融合の機構は解明され
ていない。
今日まで、エイズの治癒法は存在しない。HIVかその病理学的作用を誘発する
機構は充分には理解されていない。提案されている機構は、CD4−陽性細胞が
ウィルス複製により直接殺傷されるというものである(Montagnier、
等、、 1984. In″Human T Ce1l Leukemia/L
ymphoma Virus’、 Ga1lo、 Es5ex and Gro
ss、 Eds、。
Co1d Spring Habor Laboratory、 Co1d S
pring Harbor。
N、Y、 pp、363−379)。集団内のウィルスの広がりを制御する試み
としてワクチン試験も現在実施中である。しかしながら、感染した患者内部の疾
患の進行を制御する手段は、主にAZT(3’−アジド−2゛、3°−ジデオキ
シチミジン)のような抗ウィルス剤の使用に向けられており、この物質はウィル
スポリメラーゼ活性を妨害することによりウィルス複製を阻止する。
3、発明の要約
HIV誘導細胞融合を阻害できる新規ペプチド配列を記載する。本発明のペプチ
ドはHIVエンベロープの膜貫通蛋白のアミノ末端に位置する疎水性ドメイン内
の領域を模倣している。このようなペプチドはHIV−1のgp41のアミノ末
端およびHIV−2のgp40のアミノ末端を含むがこれらに限定されない旧■
の種々の株に見られるこの領域と相同であるアミノ酸配列を有する。これらペプ
チドは少なくとも2アミノ酸鎖長を有し、そしてインビボにおけるHIV感染の
主要な細胞病理学的作用であるHIV誘導融合およびシンシチウム形成の阻害に
使用できる。
本発明のペプチドを実施例により説明するが、この実施例では、HIVのBHI
O株の糖蛋白を発現する組み換えウィルス、および、CD4標識抗原を構造的に
発現する宿主細胞を用いたインビトロアッセイにより測定してオリゴペプチドA
VGおよびAVGIGAがHIV誘導シンシチウム形成を阻害した。
3.1.定義
本明細書で定義するペプチド配列は、以下に示すアミノ酸残基の1文字記号によ
り表わされる。
A(アラニン)、R(アルギニン)、N(アスパラギン)、D(アスパラギン酸
)、C(システィン)、Q(グルタミン)、E(グルタミン酸)、G(グリシン
)、H(ヒスチジン)、■(イソロイシン)、L(ロイシン)、K(リジン)、
M(メチオニン)、F(フェニルアラニン)、P(プロリン)、S(セリン)、
T(スレオニン)、W()リブトファン)、Y(チロシン)、■(バリン)。
本明細書で用いる以下の用語は下記のとおりの意味旧■ =ヒト免疫不全ウィル
ス(全変種)h、 p、 i、 =感染後時間
m、 o、 i、 =感染の多重度
p、f、 u、 =プラーク形成単位
4、
第1図:エイズ患者抗血清を用いた場合の、組み換え型(VVenv)および野
生型(w、 t、 )のワクシニアウィルス感染3H−ロイシン標識HeLa
T4細胞におけるエンベロープ糖蛋白の、感染3.6および10時間後における
免疫沈降。
第2図:感染12時間後の″SS−メチオニン標識HeLa T4細胞のSDS
ポリアクリルアミドゲル=(a)患者抗血清との野生型(w、 t、 )免疫沈
降;(b)患者血清とのVVenv免疫沈降; (C) W、 t、細胞溶解物
; (d) VVenv細胞溶解物。
第3図:感染7時間後の、l p、 f、 u、 /細胞のVVenvで感染さ
せたHeLA T4細胞=(a)ペプチド無添加;(b)8mMペプチドAVG
4GA ; (c) 8mMペプチドAVGAIG ;および(d) 8mMペ
プチドAVG。
第4図:ペプチド阻害の定量。HeLA T4細胞を種々の濃度の各ペプチドの
存在下、VVenvで0.1のm、 o、 i、で感染させ、感染20時間後に
、シンシチウムを定量した。
第5図: HeLa T4細胞を1p、f、u、/細胞で感染させ、aSS−
メチオニン標識し、感染10時間後にウサギ抗血清を用いて免疫沈降した。(a
)野生型ワクシニア;(b)VVenv、ペプチド無添加; (c) VVen
v、 8mMペプチドAVGIGA ; (d) vvenv、 8mMペプチ
ドAVGAIG ; (d) VVenv。
8mMペプチドAVG。
5、発明の記載
HIV誘導細胞融合および細胞変性性シンシチウム形成を阻害しつる新規ペプチ
ド配列が開示される。本発明は、部分的には、HIVの膜貫通蛋白のアミノ末端
の疎水性ドメインと実質的に相同であるペプチドが感染細胞のHIV誘導融合の
効果的な阻害剤であるという発見に基づくものである。
5.1. HIV誘導融合のペプチド阻害剤本発明のペプチドはHIVエンベ
ロープ糖蛋白の膜貫通蛋白のアミノ末端に位置する約21から40のアミノ酸、
例えばHIV−1(7)gp41(7)最初ノ21〜30アミノ酸、また:′!
HIV−2のgp40の最初の21〜37アミノ酸、を包含する疎水性のドメイ
ン内の領域に相当するアミノ酸配列を有する。HIV−1の完全なゲノム配列は
HIV−2の配列と同様以前に報告されている(旧V−1: Wain Hob
son等、。
1985、 Ce1l 40:9−17; Ratnerら、、 1985
. Nature 313:277−284; 5anchez−Pescad
or、等、、 1985.5cience 227:484−492;および5
tarCiCh等、、 1986. Ce1l 45 : 637−648;
HIV−2: Guyader等、、 1987. Nature 326:6
62−669)。本発明のペプチドは、かかる配列を含有するオリゴペプチド(
例えば少なくとも2つのアミノ酸残基)。
ポリペプチド(例えば、10個より多いアミノ酸残基)または蛋白質(例えば分
子量約10Kbまたは約100アミノ酸残基鎖長のポリペプチド)を包含してな
ることができる。本発明のペプチドの例を以下の第工表〜第■表に示すが、これ
らにおいては、アミノ酸配列は各ペプチドのアミノ酸からカルボキシル末端へ読
んだものである。
第1表
HIV−1誘導融合を阻害するペプチドアミノ末端 カルボキ
シ末端ZおよびXはそれが存在する場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそ
れ以上、疎水性基(例えばカルボキシベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチル
オキシカルボニル)または交叉反応基(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
太字のアミノ酸は(存在する場合は)上記★で示される位置でアミノ酸残基間に
挿入されるか、または任意の上記ペプチド配列内で、真上に示されるアミノ酸残
基と置換できる。
(本質以下余白)
第■表
HIV−1誘導融合を阻害するペプチドアミノ末端 カルボキ
シ末端ZおよびXは、それが存在する場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたは
それ以上、疎水性基(例えばカルボキシベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチ
ルオキシカルボニル)または交叉反応基(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
太字のアミノ酸は(存在する場合は)上記★で示される位置でアミノ酸残基間に
挿入されるか、または任意の上記ペプチド配列内で、真上に示されるアミノ酸残
基と置換できる。
(本質以下余白)
第■表
HrV−2誘導融合を阻害するペプチドアミノ末端 カルボキ
シ末端ZおよびXは、それが存在する場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたは
それ以上、疎水性基(例えばカルボキシベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチ
ルオキシカルボニル)または交叉反応基(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
(本質以下余白)
第■表
HIV−2誘導融合を阻害するペプチドアミノ末端 カルボキ
シ末端ZおよびXは、それが存在する場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたは
それ以上、疎水性基(例えばカルボキシベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチ
ルオキシカルボニル)または交叉反応基(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
第7表
HIV誘導融合を阻害するペプチド
アミノ末端 カルボキシ末端ZおよびXは、それが存在する場
合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基(例えばカルボキシ
ベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチルオキシカルボニル)または交叉反応基
(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
太字のアミノ酸は(存在する場合は)上記★て示される位置でアミノ酸残基間に
挿入されるか、または任意の上記ペプチド配列内で、真上に示されるアミノ酸残
基と置換できる。
第■表
HIV誘導融合を阻害するペプチド
アミノ末端 カルボキシ末端ZおよびXは、それが存在する場
合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基(例えばカルボキシ
ベンゾキシル、ダンシルまたはt−ブチルオキシカルボニル)または交叉反応基
(例えばアルキル化剤)を包含する。
mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である。
太字のアミノ酸は(存在する場合は)上記★で示される位置でアミノ酸残基間に
挿入されるか、または任意の上記ペプチド配列内で、真上に示されるアミノ酸残
基と置換できる。
本発明のペプチドはHrV膜貫通蛋白のアミノ末端領域に似せて合成されるが、
アミノ酸配列、立体配置、アミノ酸残基を連結する共有結合の種類、および/ま
たはアミノ−またはカルボキシ末端残基への基の付加における種々の変形もまた
本発明の範囲内に包含される。例えば、本発明のペプチドは種々のHIV単離株
内の株間の変化に適合するために変更された配列も包含し、またサイレント変化
を生じて機能的には等価なペプチドを生成するような保存的変化も包含しうる。
即ち第工表〜第■表に示されるペプチドは、変化かその用途において特定の利点
を与えうる場合は、保存的または非保存的挿入、欠失および置換のような種々の
変化により変化できる。本明細書では、保存的な置換は第1表〜第■表に示すペ
プチド配列内において1つまたはそれ以上のアミノ酸が、同じ極性および疎水性
/親水性を有する他のアミノ酸により置換されることにより、サイレント変化が
生じ、機能的に等価な分子が形成されるような置換を包含する。このような保存
的変化には、以下のアミノ酸群内での置換を包含するがそれらに限定されない。
即ち、グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸
、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、ア
ルギニン;フェニルアラニン、チロシン:およびメチオニン、ノルロイシン。
ペプチドの立体配置はペプチドの阻害活性を増大させるために変化させることが
できる。例えば、ペプチドのアミノ末端でL異性体ではなくD異性体および/ま
たはペプチドの最初の2アミノ酸の反対配置を用いることにより阻害作用を増大
させることができる。立体配置におけるこのような変化は、蛋白分解からペプチ
ドを保護することにより、または、その結合部位に対するペプチドの親和性に影
響を与えることにより阻害活性を増強しうる。
付加的なアミノ酸または他の化学基をペプチドのアミノ末端またはカルボキシ末
端の何れかに付加してその活性を変化または増強できる。例えば、カルボベンゾ
キシル、ダンシルまたはt−ブチルオキシカルボニルのような疎水性の基をアミ
ノ末端に付加することによりペプチドの阻害活性を増大させうる。同様に、 を
−ブトシキカルポニルのカルボキシ末端への付加も阻害活性を増大させうる。こ
れと対照的に、カルボベンゾキシルまたはダンシルのような基をカルボキシ末端
に付加させても効果は比較的小さいか、または、阻害活性を低下させる場合があ
る。
あるいは、本発明のペプチドとその結合部位との間に共有結合を形成せしめる化
学的に反応性の基を付加することにより誘導体形成させたペプチドを調製するこ
ともできる。このようなペプチドはその結合部位と共有結合を形成し、そして、
その標的に不可逆的に結合しよう。例えば、ペプチドはクロロメチルケトンのよ
うなアルキル化剤を用いて誘導形成しうる(Powers。
1980、 rMethod in Enzymologyl、 Jakob
y and Wikek編、 Acad、 Press、 N、Y、、 Vol
、46:197−208)。かかる誘導体は実質的には、ヒスチジン、セリンお
よびスルフヒドリル残基と反応でき、従って阻害ペプチドと標的細胞上のその結
合部位との間の共有結合の形成を可能にするアルキル化剤である。
本発明のペプチドは、画業上知られた何れかの方法で合成または調製しうる。短
いペプチドは慣用の方法に従って固体支持体上または溶液中で合成しうる。市販
の自動合成器も好都合に使用できる。例えばλ(erri−field、 19
69. Adv、 Enzymol、 Re1at、 Areas Mo1.
Bio。
32:221−296; Tam等、、 1983. J、 Am、 Che
m、 SOc、 105:6442; KonigおよびGeiger、 1
970. Cehm、 Ber、 103ニア88−789および2034−2
040を参照。
あるいはまた、比較的長いペプチドは組み換えDNA法を用いて調製できる。従
って、本発明のペプチドのヌクレオチドコード配列を画業上よく知られた方法に
よりクローン化し発現させることができる。例えばManiatisら、 M
o1ecular Cloning、 A Laboratory Manua
l。
C3H,Co1d Spring Harbor Laboratory、
1982参照。
本発明の別の実施態様においては、アミノ酸残基か非ペプチド共有結合により相
互に連結された上記配列を含存するペプチド類似体を合成することもできる。
このような共有結合連結はアミノ酸のアミノおよび/またはカルボキシル基並び
にその他の存在しうる反応性の基(例えばイオウ)に関わる画業上長く知られた
反応を用いて形成できる。本発明のこれらのペプチド類似体の合成に用いること
のできる非ペプチド(または非アミド)連結は、少数例をあげればイミノ、エス
テル、ヒドラジド、セミカルバジドおよびアゾ結合を包含するがこれらに限定さ
れない。
5.2. HIV誘導誘導シンクチウム形成リゴペプチド阻害剤の作用を示すイ
ンビトロアッセイ
ペプチドの阻害活性は測定でき、そして、変更ペプチドの機能的等偏性および/
または効果増大は本明細書のセクション6.2に記載したインビトロアッセイ系
により容易に検査できる。従って、本発明の任意のペプチドの効力は、構造的に
CD4受容体分子を発現する細胞系およびHIVenv糖蛋白を発現する組み換
えワクシニアウィルスを用いて、インビトロシンシチウム形成を阻害するその相
対的能力により評価できる。これらの組み換えウィルスを真正HIVにより形成
されたシン、 シチウムとは形態学的に判別不可能であるシンシチウムの形成
を誘導する。本発明のペプチドまたは変更ペプチドがこのアッセイ系でシンシチ
ウム形成を阻害する能力は、真正のHIV誘導融合に対するこれらのペプチドの
阻害活性の指標でなる。
5.2.1.組み換えワクシニアウィルス旧■糖蛋白を発現する組み換えワクシ
ニアウィルスを用いる本明細書に記載するアッセイ系は、本発明のペプチドの特
性決定のため、およびHIV感染に対して有効でありうる抗ウィルス剤を選別す
るための幾つがの利点を提供する。特に、阻害性および/または抗ウイルス性化
合物の薬効は、真正HIVにさらす危険を伴うことなく評価でき、これによりエ
イズに罹患する可能性を排除できる。
更に、セクション6.2の実施例に記載される組み換えワクシニアウィルスをワ
クシニアの180株を用いて作製した。このワクシニア株は、組み換え体の作製
に通常用いられてきたWR株とは異なり、このウィルスに挿入された外来遺伝子
の発現レベルの増大を示し、細胞変性作用が低下している。その結果としてこの
組み換えワクシニアは標的被験細胞を感染させるのに使用でき、そして感染後よ
り短い期間でHIVエンベロープ糖蛋白の表面発現レベルを顕著に増大させる。
更に、培養物における同調発現も可能である。最後に、 rHDワクシニア株の
細胞変性作用が低下しているため、この組み換え体を取り扱いかつアッセイ系を
操作せねばならぬ技術者に対する危険性を低下でき、そのことが本明細書中に記
載するアッセイ系を、阻害性および/または抗ウイルス性化合物の評価、査定特
性化および選別にとって極めて望ましいものとなしている。このワクシニアウィ
ルスの性質ゆえ、ここに例示される組み換えウィルスはワクチンに有効に使用で
きるものとして有望である。
5.30発明の阻害ペプチドの使用
本発明の阻害ペプチドはシンシチウムの形成を阻止し、それによりHIVにさら
された患者内のHIV感染の進行を阻止するためにインビボで使用できる。適当
な薬理学的担体中で製剤化された本発明のペプチドの有効量は、注射(例えば静
脈内、腹腔内、筋肉内、皮下等)、上皮または皮膚粘膜内からの吸収(例えば口
腔粘膜、直腸および膣の上皮内皮、鼻咽頭粘膜、腸粘膜等)などを包含するがこ
れらの限定されない任意の適切な経路で投与できる。
ペプチドは、適当な薬理学的担体と混合、担体分子に結合および/または、リポ
ソーム、マイクロカプセルおよび放出制御製剤に配合した後にインビボ投与でき
る。
本発明のペプチドはまた、HIVの種々の株を同定するのに使用できる。例えば
、本発明のペプチドはペプチドの配列特異性を共有する膜貫通蛋白を有するHI
V株に対して阻害作用を及ぼす。対照的に、極めて多様な貫通配列を有するHI
V株は阻止できない。それゆえ、知られた配列を有するペプチドをインビトロア
ッセイに用いて患者から単離したHIVの特定の株が新しい変種であるかどうか
を迅速に判定することができる。従って、下記セクション6.2に記載する実施
例のHeLaT4細胞系のような、構造的にCD4受容体を発現する細胞系がイ
ンビトロの標的細胞として使用されよう。患者から単離したHIVを用いて、H
IVの特定の株に特異性な本発明のペプチドの存在下、インビトロで、CD4陽
性細胞系を感染できる。ペプチドがウィルス誘導融合を阻止できない場合は、そ
の)IIV単離体が異なる株であることを示していよう。
6、実施例:旧V−1エンベロープ糖蛋白誘導シンシチウム形成の選択的阻害
ヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)エンベロープ糖蛋白はウィルスの侵入にと
っておよび細胞融合による多核巨大細胞の形成、即ち、ウィルス誘導主要細胞変
性作用にとって必須要件である。下記のサブセクションでは、 (a) HIV
誘導融合を阻害するオリゴペプチド、および(b)融合阻害剤の可能性のあるも
のの作用を測定するために考案されたインビトロアッセイ系、を記載する。イン
ビトロアッセイ系には、HIVのBH−10株のエンベロープ糖蛋白を発現する
組み換えワクシニアウィルスを生成させそしてCD4受容体分子を構造的に発現
するHeLa細胞系(HeLaT4)を感染させるのに用いた。
この系におけるシンシチウム誘導は感染4時間後に早くも観察されそして全単層
が融合するまで継続した。
)(IVエンベロープ蛋白のgp41サブユニットのN末端は疎水性か高いこと
が観察され、そしてこれがウィルス誘導細胞融合に関与している可能性があると
考えられた。gp41のN末端領域に相同である幾っがのオリゴペプチドを合成
し、それらがHeLaT4細胞系のHIV−1誘導細胞融合を阻害する能力を測
定した。BH−10単離株のgp41のN末端とアミノ酸配列が同一であるヘキ
サペプチドはウィルス誘導細胞融合をほぼ完全に阻止することが判明した。これ
と対照的に、1アミノ酸挿入による相異を有するペプチドはBH−10単離株に
対しほとんど何も阻害作用を示さながった。これらの結果は、HIVの融合ペプ
チドと相同のオリゴペプチドがウィルスにより誘導された病理を阻害することを
示している。
6.1.オリゴペプチド阻害剤
種々のHIV株から得られたgp41のN−末端アミノ酸に対する種々の度合い
の相同性を有する3種類のペプチドを合成した。第1のペプチド:
A1a+−Val□−Gly2−flea−Glys−Ala6(AVG4GA
)は8810株のgp41の最初の6アミノ酸と配列が等しい。
第2のペプチド:
A]a+−Va12−Gly3−Ala4−11es−Glya (AVGAI
G)はアミノ酸4,5および6の順序が僅かに異なっておりそしてgp41のW
MJ−1変種のN末端と相同である。
最初の2つのペプチドのアミノ酸1,2および3が同一であるため、以下の配列
を存するトリペプチドを合成した。
Ala+−Valz−Gl’/a (AVG)6 、1.1.オリゴペプチドの
合成
Applied Biosystems430A型装置を用いて固相法によりペ
プチドを合成した。完成したペプチドを樹脂からはずして高速液体クロマトグラ
フィーにより精製した。
6.2.ウィルス誘導シンシチウム形成のインビトロアッセイ
HIV誘導細胞融合に及ぼすセクション6.1で合成した各オリゴペプチドの作
用を以下のサブセクションに記載の方法でアッセイした。一般的に、細胞融合は
、CD4受容体分子を構造的に発現するHeLa細胞系(HeLaT4)を用い
てアッセイした。HIV(8810株)エンベロープ糖蛋白を発現する組み換え
ワクシニアウィルス(VV−env−1)はHeLaT4細胞系においてシンシ
チウム形成を誘導する。
6.2.1.組み換えワクシニアウィルス下記実施例で使用される組み換えワク
シニアウィルスの作製に用いる一般的操作を以下に要約する(Smithおよび
Mo5sの1983. rGeneJ 25:21−28参照)。ワクシニア
組み換え体の作製を容易にするために、挿入ベクターと呼ばれる幾つかのプラス
ミドベクターを用いて、外来遺伝子をインビボで相同組み換えを介してワクシニ
アウィルスに挿入した(Mackett等、、 1984. J、 Vir。
1.49:857−864; Sm1th等、、 1983. Nature
302:490−495およびProc、 Natl、 Acad、 Sci、
80ニア155−7159)。DNA複製の細菌起源および抗生物質耐性マー
カーを有するのに加え、これらの挿入プラスミドは転写開始部位および上流DN
Aの200〜300塩基対を含む単離されたワクシニアウィルスプロモーターを
含有しており、転写開始地点から下流に位置する幾つかの独特の制限エンドヌク
レアーゼ切断部位も有している。プロモーターの両端および制限部位は、外来D
NAをウィルスゲノムの相同の非必須領域への挿入を指示する非必須ワクシニア
ウィルスDNAにより側面をはさまれている。切断および連結によりHIV D
NAを含有プラスミドを作製した後、これらのプラスミドをワクシニアウィルス
感染細胞にトランスフェクションさせることによりウィルス組み換え体を生成さ
せた。ワクシニアウィルスTK遺伝子内へのかかる外来DNAの挿入により、T
K−突然変異株が得られ、これはBUdR存在下のTK−宿主細胞上での増殖能
力により同定できる。組み換え体は更に、外来遺伝子に特異的な標識DNAプロ
ーブを用いるプラークの選別、外来蛋白に特異的な抗血清およびS、 aure
us由来の1251−標識プロチインAまたは第2の抗体を用いる免疫学的分析
、またはE、coliβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含有する挿入ベクターを用
いた色選別により、野生型親ウィルスから識別できる。色原体基質5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal)とイ
ンキュベート後、β−ガラクトシダーゼ活性を発現する組み換えプラークは青色
を呈する。少なくとも2回のプラーク精製の後、組み換えウィルス保存株を種々
の使用可能な種類の宿主細胞の何れかを用いて調製した。プラスミド挿入ベクタ
ーを用いて以下により詳細に記載する組み換えワクシニアウィルスを作製した。
エンベロープ遺伝子をプラスミドpBH10から取出して、ワクシニア組み換え
プラスミドベクターpsc11に挿入した。プラスミドpBH−10(Ratn
er等、、 1985. Nature313:277−284)はプラスミド
pSP65の5st1部位の未組み込みHTLV−I I IゲノムのDNAク
ローンを含有する。pBHlOを5ailおよびXholで消化し続いて3.1
キロ塩基対断片のゲル単離により全エンベロープ遺伝子をサブクローニングした
。この断片を5all消化プラスミドベクターpGem−3(Promega
Biotech、 Madison、 Wl)に連結した。
env遺伝子の方向は制限分析により判定した。Sac Iおよび5alIによ
り切断の後、エキソヌクレアーゼIIIおよびSlヌクレアーゼを用いた一方向
消化を行なった。
T4リガーゼを用いてプラスミドを再度環化し、これを用いてE、coli H
BIOI細胞を形質転換した。個々のコロニーから得たプラスミドをジデオキシ
法で配列決定し、env遺伝子の翻訳開始部位の上流に56ヌクレオチドが残存
することを判定した。全env遺伝子を含有するDNA断片は、EcoRIおよ
びPstlでの切断、続いてDNAポリメラーゼのフレノウ断片およびデオキシ
リポヌクレオシド3リン酸を用いるプラント末端の生成により得た。
これらの断片をβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含有するpscl 1のSma1
部位に挿入した(Chakrabart i等、、 1985゜J、 Viro
l、 5:3043−3049)。HBIOI細胞へのトランスフェクション、
および、コロニープロットハイブリダイゼーションと制限酵素分析によるenv
遺伝子プローブを用いた選別の後、pVenv−1で示されるプラスミドを得た
。ワクシニアウィルスに挿入するためには、TK−143細胞を、0.1 p、
f、u、/細胞のm、o、i、でワクシニア(7) IHD株に感染させた。細
胞を2 h、 p、 i、 テ、5μgpVenv−1および15μgサケ精子
DNA/rILIHepes緩衝食塩水のリン酸カルシウム沈澱物でトランスフ
ェクションした。TK−ワクシニアウィルスの保存株はTK−143細胞中に調
製した(SmithおよびMo5s、 1983. Gene 25:2l−2
8)。組み換え体を選択するには、TK−143細胞をBUdR(25μ/ m
l )の存在下、TK−ワクシニアウィルスの100〜200 p、 f、 u
、て感染させた。感染48時間後に、300μg/イの5−ブロモ−4−クロロ
−3−インドリル−B−D−ガラクトピラノシド(Xgal)を含有する1%低
融点アガロースを単層上に重層させた。4〜6時間で、青色のプラークを採取し
、更に2回のプラーク精製により精製した。プラーク精製ウィルスをCV−1細
胞中で増殖させモしてJokikの記載に従って精製した(1962゜Bioc
hem、 Biophys、 Acta 61:290−301)。組み換えワ
クシニアウィルスは前記したようにして生成させた(StephensおよびC
ompans、 1986. Ce1l 47:1053−1059)。
HIV−1env蛋白の合成は、エイズ患者抗血清を用いる、組み換えワクシニ
アウィルス(VVenv−1)で感染させた細胞の溶解物の免疫沈降、およびそ
れに続くポリアクリルアミドゲル電気泳動により示された(第1図)。
前駆体gp160に相当する強いバンド、および約120Kdおよび40Kds
で移動する2つの比較的弱いバンドが、組み換え体感染細胞では観察された。2
9120分子は全細胞溶解物の主要バンドとして現われ、このことは蛋白分解的
プロセシングが進行中であり、かつ組み換えワクシニアウィルスが極めて効率良
くエンベロープ糖蛋白を発現することを示している(第2図)。使用した抗血清
はgp41に対してより反応性が大きいように観察され、これは、gp120に
対する反応性が小さく、gp160に対する反応性が大きいことを説明していよ
う。
6 、2.2.構造的にCD4受容体を発現する細胞系の感染組み換えワクシニ
アウィルスが細胞融合を誘導できるか否かを試験するためにCD4受容体分子を
構造的に発現するHeLa細胞系(T4)を得た(Maddonら、1986゜
Ce1l 47:333−348)。5−10のm、o、i、で感染した場合、
2〜4核を含有する融合の集中部分は4. h、 p、 i、もの早期に観察さ
れ、そして12 h、 p、 i、 までには細胞の全単層が融合した。間接表
面免疫蛍光分析によれば、多核巨大細胞の表面上にエンベロープ糖蛋白の存在が
認められた(第3図)。
6.31本発明のオリゴペプチドの阻害作用HIV複製およびウィルス誘導細胞
融合に及ぼすセクション6.1で合成した各オリゴペプチドの作用をセクション
6.2に記載した系を用いてアッセイした。一定の範囲の濃度(0,5mM〜8
mM)を各被験ペプチドに関して分析した。適切な適度のペプチドをVVenv
−I感染1時間後にHeLaT4細胞に添加した。この分析の結果は以下に詳述
するが、ペプチドAVGIGAおよびAVGは旧V誘導シンシチウム形成の阻害
に有効であることか示される。免疫沈降および免疫蛍光分析によれば、これらの
ペプチドの阻害作用は、蛋白合成、蛋白分解的プロセシングまたは蛋白輸送のレ
ベルに存在するものではないことが示された。
6.3.1. HIV誘導誘導シンクチウム形成リゴペプチドによる阻害
セクション6.1で合成したペプチドが、HIVOBHIO株の糖蛋白を発現す
る組み換えワクシニアウィルスに感染させたHeLaT4細胞におけるシンシチ
ウム形成を阻害する能力に関して試験した。最大の阻害度はペプチドAVGIG
A(HIVの8810株の膜貫通蛋白から誘導)で観察され、一方、AVGAI
G (HIV(7) WMI株の膜貫通蛋白カラ誘導)はより小さい阻害作用を
示した。ペプチドAVGはペプチドAVG IGAおよびペプチドAVGAIG
で観察された作用の中間の阻害作用を示した(第4図)。ペプチドAVG IG
AおよびAVGのl5o(シンシチウムが50%阻害される濃度)はともに約0
.75mMであり、そしてペプチドAVGAIGのIsoは約2.5mMであっ
た。0.75mMでは、ペプチドAVGIGAの細胞融合阻害効果は、ペプチド
AVGAIGより約2.5倍高かった。試験した最高濃度(8mM)では、ペプ
チドAVGIGAはペプチドAVGAIGおよびペプチドAVGより僅かに効果
が高かった。
6 、3.2.オリゴペプチドは蛋白合成およびgp160のプロセシングを阻
害しない
これらのペプチドが蛋白合成およびプロセシングに阻害作用を及はすか否かを判
定するため、VVenvl感染HeLa、T4細胞を、阻害濃度の各ペプチドの
存在下、3H−ロイシンで放射性標識しそして免疫沈降を行なってポリアクリル
アミドゲル電気泳動によりenv糖蛋白合成を分析した(第5図)。ペプチドの
存在下または非存在下でenv遺伝子産物には差異は観察されず、このことはこ
れらのペプチドの阻害作用はgp160の蛋白合成または蛋白分解的プロセシン
グのレベルでは存在しないことを示している。
6 、3.3.オリゴペプチドは細胞表面への糖蛋白の輸送を阻止しない
ペプチドか細胞表面へのenv糖蛋白の輸送を阻害するか否かを判定するため、
HeLaT4細胞をvvenvlに感染させそして間接表面免疫蛍光分析により
表面発現について分析した(第3図)。高濃度の各ペプチドで処理した細胞の相
対的蛍光強度はペプチドを添加しなかった細胞と同程度であり、このことはシン
シチウム阻害が細胞表面への糖蛋白輸送の阻止によるものではないことを示して
いる。
7、微生物の寄託
以下の組み換えウィルスをAmerican Type Cu1tureCol
lection(Rockville、 MD)に寄託し、以下のとおりの受託
番号を受けた。
組み換えウィルス 受託番号
VV−env−I ATCC2208本発明は細胞系およびウィルス、
および例示したペプチドにより範囲を限定されるものではなく、これらの本発明
の1つの態様を単に説明するためものである。
事実、明細書中に記載したものに加えて、本発明の種々の変更が上記の説明およ
び添付図面から当業者には明らであろう。かかる変更は請求の範囲に包含される
ものである。
(本質以下余白)
oCo ? の ロ (0(0ローQ) 唖 !
n 〜/x37°十 ド ンメζ ノラじ (m
M)国際調査報告
1°゛″0°1lel+al 1ie1°””′”’ t+rr/ns 891
01426+m−m−alAmta+−’@、 PCT/US 8910142
6P(T/US 8910A426
Acta:h*el′+t to fori PCTI’ISA/210. V
I。
Claims (45)
- 1.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示され;ZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数であり;そして太字は、 それが存在する場合は、上記★で示される位置でアミノ酸残基間に挿入されるか 、または、各ペプチド配列内で、上に示される残基と置換できるアミノ酸を包含 する〕からなる群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 2.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボニ ルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項1記載のペプチド。
- 3.Zがアルキル化剤を包含する請求項1記載のペプチド。
- 4.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項3記載のペプチド。
- 5.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボニ ルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項1記載のペプチド。
- 6.Xがアルキル化剤を包含する請求項1記載のペプチド。
- 7.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項6記載のペプチド。
- 8.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示され;ZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数であり;そして太字は、 それが存在する場合は、上記★で示される位置でアミノ酸残基間に挿入されるか 、または各ペプチド配列内で、上に示した残基と置換できるアミノ酸を包含する 〕からなる群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 9.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボニ ルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項8記載のペプチド。
- 10.Zがアルキル化剤を包含する請求項8記載のペプチド。
- 11.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項10記載のペプチド。
- 12.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項8記載のペプチド。
- 13.Xがアルキル化剤を包含する請求項8記載のペプチド。
- 14.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項13記載のペプチド。
- 15.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示されlZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;そしてmおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である〕からなる 群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 16.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項15記載のペプチド。
- 17.Zがアルキル化剤を包含する請求項15記載のペプチド。
- 18.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項17記載のペプチド。
- 19.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項15記載のペプチド。
- 20.Xがアルキル化剤を包含する請求項15記載のペプチド。
- 21.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項20記載のペプチド。
- 22.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示され;ZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;そしてmおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数である〕からなる 群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 23.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項22記載のペプチド。
- 24.Zがアルキル化剤を包含する請求項22記載のペプチド。
- 25.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項24記載のペプチド。
- 26.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項22記載のペプチド。
- 27.Xがアルキル化剤を包含する請求項22記載のペプチド。
- 28.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項27記載のペプチド。
- 29.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示され;ZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基1つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数であり;そして、太字は 、それが存在する場合は、上記★で示される位置でアミノ酸残基間に挿入される か、または各ペプチド配列内で上に示した残基と置換できるアミノ酸を包含する 〕からなる群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 30.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項29記載のペプチド。
- 31.Zがアルキル化剤を包含する請求項29記載のペプチド。
- 32.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項31記載のペプチド。
- 33.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項29記載のペプチド。
- 34.Xがアルキル化剤を包含する請求項29記載のペプチド。
- 35.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項33記載のペプチド。
- 36.下記式: 【配列があります】 〔式中、アミノ酸残基は一文字コードで表示され;ZおよびXは、それが存在す る場合は、それぞれアミノ酸残基間つまたはそれ以上、疎水性基または交叉反応 基を包含し;mおよびnはそれぞれ少なくとも0の整数であり;そして、太字は 、それが存在する場合は、上記★で示される位置でアミノ酸残基間に挿入される か、または各ペプチド配列内で上に示した残基と置換できるアミノ酸を包含する 〕からなる群から選択される式を含んでなるペプチド。
- 37.Zが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項36記載のペプチド。
- 38.Zがアルキル化剤を包含する請求項36記載のペプチド。
- 39.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項38記載のペプチド。
- 40.Xが、カルボキシベンゾキシル、ダンシルおよびt−ブチルオキシカルボ ニルからなる群から選択される疎水性基を包含する請求項36記載のペプチド。
- 41.Xがアルキル化剤を包含する請求項36記載のペプチド。
- 42.アルキル化剤がクロロメチルケトンからなる請求項41記載のペプチド。
- 43.ヒト免疫不全ウイルスの膜貫通蛋白のアミノ末端の疎水性ドメインと実質 的に相同であり、そして感染細胞のウイルス誘導融合を阻害するペプチド。
- 44.HIV−1のgp41のアミノ末端と実質的に相同である請求項43記載 のペプチド。
- 45.HIV−2のgp40のアミノ末端と実質的に相同である請求項43記載 のペプチド。
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