JPH034809B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、熱交換器を介して流体を加熱するガ
ス燃焼式加熱装置の制御装置に関する。

［従来の技術］ ガス燃焼式の加熱装置では、発熱量を多くする
ためにはバーナへ燃料ガスを噴出するノズルの径
を大きくして供給量を多くすることが考えられる
が、ガバナ比例弁のように燃料供給量を二次圧を
制御することによつて行う場合には、ノズルの径
が大きいと二次圧を低く制御できない。そのた
め、ノズルとガバナ比例弁との間に電磁弁と、ノ
ズルより径の小さいオリフイス等を備えたバイパ
ス路をこの電磁弁と並列に設けて、小発熱量が必
要な場合には電磁弁を閉じて、燃料供給圧を調節
するものが実開昭61−19320号公報に紹介されて
いる。

［発明が解決しようとする問題点］ このような加熱装置を、ガス給湯器やガス温風
暖房機のように、水や空気を設定温度に加熱する
加熱装置として使用する場合では、切替えを行つ
たときにも設定された温度が得られるように燃焼
量を連続的に変化することができることが必要で
ある。このとき燃焼量を変化させるためのガバナ
比例弁には製造時のばらつきがあるため、組立て
時に個々の給湯器等において、ダイヤフラムのば
ね圧と最大電流値とが調整されている。しかし、
この調整は切替え前の状態で行われ、電磁弁の切
替え時には、その比例弁電流値を一定量変更する
だけであるため、電磁弁を切替えた後も設定温度
に対応した適切な燃焼量を得るためには、個々の
加熱装置について変更する電流値を一定変更する
のではなく、別々の電流値を設定しなければなら
ないが、そうすると比例弁の通電回路が複雑にな
つてしまうという問題点がある。

本発明は、上記の加熱装置において、電磁弁を
切替えた場合にも設定された温度に流体を加熱す
ることができる制御装置を備えた加熱装置を、簡
単な構成で提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、ノズルを介して燃料ガスを供給する
燃料供給路中に通電電流に応じて二次圧を可変す
る比例弁を設けるとともに、該比例弁の下流に燃
料供給路を遮断する電磁弁と該電磁弁が閉状態の
とき制限した燃料ガスを供給するバイパス路とを
備えたバーナの燃焼に伴つて発生する熱によつ
て、熱交換器を介して流体を加熱するガス燃焼式
加熱装置を制御する制御装置において、 該制御装置は、前記熱交換器を介して加熱され
る流体の温度を設定する温度設定手段と、加熱さ
れた流体の温度を検出する温度検出手段とを備
え、前記温度設定手段の設定温度と前記温度検出
手段の検出温度とから前記バーナの燃焼量を決定
し、その燃焼量に基づいて前記電磁弁および前記
比例弁を制御し、 前記電磁弁を開状態にする第１制御として決定
された燃焼量が第１の燃焼量より大きい燃焼量の
範囲で前記比例弁を通電し、第１の燃焼量になつ
たとき前記電磁弁を閉状態にするとともに前記比
例弁への電流を所定の電流値だけ増加し、前記電
磁弁を閉状態にする第２制御として決定された燃
焼量が前記第１の燃焼量より大きく設定された第
２の燃焼量より小さい燃焼量の範囲で前記比例弁
を通電し、第２の燃焼量になつたとき前記電磁弁
を開状態にするとともに前記比例弁への電流を第
１制御における電流値に減少することを技術的手
段とする。

［作用］ 本発明では、温度設定手段の設定温度および温
度検出手段によつて検出される流体の温度に基づ
いて燃焼量が決定され、電磁弁が開状態のとき比
例弁には第１制御が行われ、電磁弁が閉状態のと
きには第２制御が行われる。第１制御のとき決定
された燃焼量が第１の燃焼量まで低下すると電磁
弁は閉状態にされ、比例弁には所定の電流値が増
加され第２制御に変更される。従つて、電磁弁が
開状態から閉状態になるためバーナへの燃料ガス
がバイパス路によつて制限されても、比例弁によ
つて制御される二次圧が上昇するため、開状態の
ときと同様に燃料をバーナに供給できる。

このとき、比例弁のばらつきによつてバーナへ
の燃料供給量が第１制御の場合と異なると、その
燃料ガスに応じた燃焼によつて熱交換器で加熱さ
れる流体の温度が変化する。しかし、この変化は
温度検出手段によつて検出され、決定される燃焼
量が変更されるため、燃料供給量が補正されて適
正な燃焼量が得られる。その結果流体は設定温度
に加熱される。第２制御では、決定された燃焼量
が第１の燃焼量より大きい第２の燃焼量以下の範
囲で比例弁が制御される。

第２制御のとき決定された燃焼量が第２の燃焼
量に増加すると、電磁弁は開状態にされ比例弁は
第１制御に変更される。このとき比例弁への電流
値は第１制御における電流値に減少される。従つ
て、電磁弁が開状態になつても同様に制御され
る。

［発明の効果］ 本発明では、第１制御から第２制御への切替え
によつて燃料ガスの供給量が変化してしまつて
も、燃焼によつて加熱される流体の温度が検出さ
れ、また電磁弁が閉状態の第２制御では、開状態
から閉状態に切替えられる第１の燃焼量より大き
い第２の燃焼量以下の範囲で制御される。このた
め、例えば電磁弁の切替えによつて燃料供給量が
変化してしまつた場合には、熱交換器で加熱され
る流体の温度が変化するが、温度検出手段によつ
てその温度が検出されて、その温度に基づいて新
たに燃焼量が決定されるため、流体を設定温度に
加熱することができる。このとき、流体の温度が
低下しても、第２制御では第１制御で制御可能な
第１の燃焼量より大きい第２の燃焼量となるよう
に比例弁を制御できるため、確実に切替え時の燃
焼量を得ることができる。

［実施例］ 次に本発明のガス燃焼式加熱装置の制御装置を
図面に示す実施例に基づき説明する。

第１図のガス給湯器１は、燃焼器１０と、ガス
管２０と、制御装置３０とから構成される。

燃焼器１０の燃焼器ケース１１内の下部には、
セラミツクで形成されたバーナプレート１２が設
けられており、このバーナプレート１２は多数の
炎口１２ａを備えている。バーナプレート１２の
上方には、点火装置としてのスパーカ１３と、炎
検知手段としてのサーモカツプル１４が近接して
備えられ、さらに上方には図示しない水供給管と
接続された熱交換器１５が設けられ、この熱交換
器１５には伝熱面積を増加させるフイン群１５ａ
が備えられている。

燃焼器ケース１１の下方には、バーナケース１
６が燃焼器ケース１１を塞ぐようにして設けら
れ、バーナケース１６は燃焼器ケース１１および
バーナプレート１２とともに本発明のバーナを形
成している。バーナケース１６には燃焼用空気を
供給する送風機１７が送風機ケース１８により接
続され、バーナプレート１２とバーナケース１６
との間には、燃焼器ケース１１内への混合気の均
等分散を行う多孔板１９が設けられている。

ガス管２０は図示しない燃料ガス供給源と接続
された本発明の燃料供給路で、燃料ガスを噴出す
るノズル２１が送風機ケース１８に設けられてい
る。

ノズル２１は、ガス管２０から供給される燃料
ガスを制限するしぼり機能を有していて、本実施
例では径を10mmのものを使用している。

ノズル２１の上流のガス管２０には切替用電磁
弁２２が設けられ、さらにガス管２０にはこの切
替用電磁弁２２の上流側と下流側とを連絡するバ
イパス路２３が設けられ、それぞれ接続部２３
ａ，２３ｂで接続されている。切替用電磁弁２２
は本発明の電磁弁であり、後述する制御装置３０
によつて開状態あるいは閉状態にされる。バイパ
ス管２３は切替用電磁弁２２が閉状態のとき燃料
ガスを通過させるもので、バイパス管２３にはノ
ズル２１へ通過する燃料ガスを制限するオリフイ
ス２４が備えられている。オリフイス２４はノズ
ル２１より径が小さくされたもので、本実施例で
は７mmのものを使用している。接続部２３ａの上
流のガス管２０にはガバナ比例弁２５が設けら
れ、ガバナ比例弁２５を通過した燃料ガスの圧力
は、ガバナ比例弁２５に通電された電流値と比例
するようになつている。ガバナ比例弁２５ではこ
のように通電電流に応じて二次側の圧力を調節す
るものであり、その構造上、通常では二次圧を低
い圧力に調節することができないものであり、低
い二次圧となる少量の燃料ガスを供給することが
できない。しかし、本実施例ではオリフイス２４
の径がノズル２１の径より小さく、開口面積が小
さいため、切替用電磁弁２２が閉状態のときには
ガバナ比例弁２５によつて制御される二次圧は、
オリフイス２４により制限されて高くなるオリフ
イス２４との間のガス管２０内で生じる燃料ガス
の圧力とすることができる。従つて、燃料ガスを
オリフイス２４を介してノズル２１に供給する場
合には、ガバナ比例弁２５で制御が可能な高いガ
ス圧をオリフイス２４に加えることができ、ま
た、供給される燃料ガスは逆にオリフイス２４に
より制限されるため、オリフイス２４に加えられ
るガス圧が高いにも拘らず、その供給量を少なく
することができる。

ガス管２０には、さらにこのガバナ比例弁２５
の上流に主電磁弁２６が設けられている。ガバナ
比例弁２５はガス圧が加わる前に通電が行われる
と、ガバナ比例弁２５の開度が本来制御されるよ
り大きくなり、多量の燃料ガスがガバナ比例弁２
５を通過してしまうため、着火時に逆火が発生し
やすいが、本実施例では、ガバナ比例弁２５の上
流にこの主電磁弁２６を設け、スパーカ１３の作
動を検知してからまずこの主電磁弁２６を通電
し、その後に微小時間遅れてガバナ比例弁２５を
通電することにより、緩点火を行つている。主電
磁弁２６の上流には元電磁弁２７が設けられ、こ
れは、ガス給湯器１の作動中にのみ開状態にされ
るもので、異常燃焼時等には閉じられる。

本実施例の制御装置３０は、第２図に示すとお
り、温度回路３１と、送風機回路３２と、比例弁
回路３３と、制御回路３４とから構成され、使用
者によつて操作される湯温度設定ボリウム３５と
作動スイツチ３６を備えた本発明の制御装置であ
る。

温度回路３１は、熱交換器１５の下流に出湯温
サーミスタ３１ａを備えており、この出湯温サー
ミスタ３１ａは熱交換器１５によつて加熱される
水の温度を検出する本発明の温度検出手段となつ
ている。そして温度回路３１は、本発明の温度設
定手段である湯温設定ボリウム３５を設定状態
と、出湯温サーミスタ３１ａとからの信号に基づ
いて必要な燃焼量を計算して決定する。

送風機回路３２は、温度回路３１で決定された
燃焼量に基づいて送風機１７を駆動するととも
に、その駆動状態から送風機１７の回転数を検出
する回転数検出回路を備えている。

比例弁回路３３は、送風機回路３２で検出され
た送風機１７の回転数に基づいてガバナ比例弁２
５を駆動する回路である。本実施例では、温度回
路３１によつて決定された燃焼量に基づいて選択
される第１制御と第２制御との２通りの制御が行
われ、第１制御は第３図の実線Ａに示すように決
定された燃焼量がQ₁より大きい範囲で、第２制
御は実線Ｂに示すように決定された燃焼量がQ₂
より小さい範囲で、それぞれ検出された送風機１
７の回転数と所定の関係で決定される電流値をガ
バナ比例弁２５に通電する。ここでQ₂はQ₁より
大きく設定されている。また第１制御と第２制御
状態のいずれの場合にも、図示しない増幅回路で
増幅されたサーモカツプル１４の出力によつて通
電電流が補正され、送風機１７によつて供給され
る燃焼用空気とガバナ比例弁２５によつて調節さ
れる燃料ガスとが所望の空燃比となるように制御
される。

制御回路３４は、作動スイツチ３６の操作によ
つて作動を開始すると、シーケンス制御として主
電磁弁２６、元電磁弁２７のそれぞれの開閉およ
びスパーカ１３、送風機１７、比例弁回路３３を
所定のタイミングで制御する。

また、制御回路３４は、温度回路３１によつて
決定される燃焼量に基づいて切替用電磁弁２２を
開閉する。この開閉はガバナ比例弁２５の制御と
同期して行われ、切替用電磁弁２２が開状態のと
きを第１制御、切替用電磁弁２２が閉状態のとき
を第２制御としている。

次に以上の構成からなる本実施例のガス給湯器
の作動を説明する。

使用者が作動スイツチ３６を操作し図示しない
水レバーを操作すると、水流スイツチにより制御
装置３０が作動する。すると、制御回路３４によ
つて所定のシーケンスで燃焼が開始され、湯温設
定ボリウム３５と出湯温サーミスタ３１ａによつ
て燃焼量が決定され、燃焼によつて熱交換器１５
内の水が加熱される。

いま、決定された燃焼量が第３図に示すよう
に、第２制御における最大燃焼量Q₂より大きい
Q₃であつたとすると、第１制御が行われ切替用
電磁弁２２は開状態にされ、ガバナ比例弁２５に
は電流値Iaが通電される。

燃焼後、水温が上昇したり、設定温度が変更さ
れたりして燃焼量がQ₁に決定されたとすると、
第１制御から第２制御に切替えられ、切替用電磁
弁２２は閉状態にされて、ガバナ比例弁２５への
通電電流は最小電流値Iminから電流値ｉだけ増
加されてIbになる。この増加した電流値ｉは、ガ
バナ比例弁２５の特性から予め計算されて決定さ
れた値であるため、通常は第２制御を示す実線Ｂ
上Ｃ点に示される燃焼量として、継続してQ₁に
することができる。

しかし、第１制御から第２制御への切替えのと
き、例えばガバナ比例弁２５がばらつきによつて
破線Ｄに示す特性であつたとすると、所定の電流
値ｉを増加した場合には、燃焼によつて得られる
燃焼量はQ₀になつてしない、Q₁を維持すること
ができなくなる。ところが本発明では、熱交換器
１５で加熱される水の温度は出湯温として出湯温
サーミスタ３１ａによつて検出され、その検出結
果に基づいて新たに燃焼量が決定されて増加する
ため、ガバナ比例弁２５の通電電流が増加されて
電流値Icまで増加される。従つて、得られる燃焼
量は第１制御の場合と同様にQ₁となる。

ガバナ比例弁２５の特性が、切替え前よりも逆
に大きい燃焼量になる場合にも同様にして新たに
燃焼量が決定されるため、同様にQ₁を維持する
ことができる。

特に、本実施例では、第２制御において得られ
る最大燃焼量は、実線Ｂおよび破線Ｄでそれぞれ
示すとおりQ₂，Q₄となり、切替用電磁弁２２が
開状態における最小燃焼量Q₁より大きいため、
第２制御への切替時に所定の電流値ｉを通電した
ときに、得られる燃焼量が切替前より小さくなつ
た場合にも、出湯温サーミスタ３１ａからの信号
によつて燃焼量が増加されれば、必ずQ₁にする
ことができる。

切替用電磁弁２２が閉状態の第２制御のとき
に、決定される燃焼量が第２制御における最大燃
焼量であるQ₂あるいはQ₄になれば、第１制御に
切替えられる。このときガバナ比例弁２５の通電
電流は、第１制御における電流値に戻されるた
め、引続きその燃焼量を得ることができる。

以上のとおり、本発明によれば、切替用電磁弁
２２を閉じてガバナ比例弁２５への電流値を変更
した場合に、所定電流値をガバナ比例弁２５に増
加させたとき、ガバナ比例弁２５のばらつきによ
つて切替前と同じ燃焼量が得られないことがあつ
ても、切替後に出湯温サーミスタによる検出信号
によつて燃焼量が新たに決定されるため、切替前
と同じ燃焼量を得ることができる。また切替後に
行われる制御の最大燃焼量は、切替前の最小燃焼
量より大きいため、切替えによつて燃焼量が小さ
くなつた場合にも、切替後に確実にその燃焼量を
得ることができる。

本実施例では、熱交換器内を流体としての水が
通過する給湯器について説明したが、FF式の温
風暖房機のように熱交換器の外側を空気が通過す
る加熱装置であつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例のガス給湯器を示す概略構成
図、第２図は本実施例の制御装置を示すブロツ
図、第３図は本実施例のガス給湯器の燃焼量とガ
バナ比例弁への通電電流との関係を、切替用電磁
弁が開状態の場合と閉状態の場合についてそれぞ
れ示した一例である。 図中、１２…バーナプレート、１５…熱交換
器、２０…ガス管（燃料供給路）、２１…ノズル、
２２…切替用電磁弁（電磁弁）、２３…バイパス
管（バイパス路）、２５…ガバナ比例弁（比例
弁）、３０…制御装置（制御装置）、３１ａ…出湯
温サーミスタ（温度検出手段）、３５…湯温設定
ボリウム（温度設定手段）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ノズルを介して燃料ガスを供給する燃料供給
   路中に通電電流に応じて二次圧を可変する比例弁
   を設けるとともに、該比例弁の下流に燃料供給路
   を遮断する電磁弁と該電磁弁が閉状態のとき制限
   した燃料ガスを供給するバイパス路とを備えたバ
   ーナの燃焼に伴つて発生する熱によつて、熱交換
   器を介して流体を加熱するガス燃焼式加熱装置を
   制御する制御装置において、 該制御装置は、前記熱交換器を介して加熱され
   る流体の温度を設定する温度設定手段と、加熱さ
   れた流体の温度を検出する温度検出手段とを備
   え、前記温度設定手段の設定温度と前記温度検出
   手段の検出温度とから前記バーナの燃焼量を決定
   し、その燃焼量に基づいて前記電磁弁および前記
   比例弁を制御し、 前記電磁弁を開状態にする第１制御として決定
   された燃焼量が第１の燃焼量より大きい燃焼量の
   範囲で前記比例弁を通電し、第１の燃焼量になつ
   たとき前記電磁弁を閉状態にするとともに前記比
   例弁への電流を所定の電流値だけ増加し、前記電
   磁弁を閉状態にする第２制御として決定された燃
   焼量が前記第１の燃焼量より大きく設定された第
   ２の燃焼量より小さい燃焼量の範囲で前記比例弁
   を通電し、第２の燃焼量になつたとき前記電磁弁
   を開状態にするとともに前記比例弁への電流を第
   １制御における電流値に減少することを特徴とす
   るガス燃焼式加熱装置の制御装置。