JPH0347767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、加工物の中心を正確に支持し、最適
な加工状態に圧接して高精度の加工ができるよう
にしたセンター支持装置に関する。

従来の旋盤等の工作機械に使用されているセン
ター支持装置は、加工物の支持面に設けられた支
持穴に、芯押台に取付けたセンターの先端部を一
定の圧力で押圧し、加工物を支持するものであ
る。したがつて、その状態で加工物を回転させて
工作を行うと、加工中に、加工物と固定センタと
の支持部分が過熱し、これによつて、加工物が膨
張して変形したり、焼ついたりし、精度、品質に
影響をおよぼす原因となつていたし、また、セン
ターは取付後は、油圧等により一定の圧力で押圧
しているため、加工物の材質、形状において微調
整が必要としても、その調整は困難であることか
ら工作精度の低下を生じた欠点があつた。

そこで本考案は、途中に貫孔を有する仕切部を
設けて前部室と後部室を形成した外筒の前端面に
傾斜面を形成し、その前部室内に、先端を先鋭部
としたセンターの後方を挿入し、センターの後面
には、コイル発条を挿通したボルトを、後部室よ
り貫孔を挿通して螺合し、センターの前方近くの
螺旋部に、後面が傾斜面とした調節ナツトを螺合
し、その外面にカバーを取付け、カバーは、外筒
の先方部をも被覆し、その間にＯリングを介在
し、外筒に対して回動できるように取付け、セン
ターの螺旋部の後部の凹所と、外筒の前方内面に
設けた凹所内に、凹部、凹所より少しく短かい廻
り止めキーを嵌合し、カバーの外周に調節孔、調
節ナツトにこれと合致する挿入穴を設けたものと
したことにより、加工物の中心を正確に支持し、
最適な加工状態において高精度の加工ができ、前
記の欠点を解消したものである。

その構造を図面について説明するに、１は、先
端を超硬質の先鋭部２に形成したセンターであつ
て、先鋭部２より約３分の１の位置の外周上に螺
旋部３を設け、その螺旋部３の直後に短形の凹部
４が設けられ、後端面には螺旋孔５が設けられて
いる。６はセンター１を収納する円筒状の外筒で
あつて外面は先方が径が少しく大きく、後方に行
に従つて小径となつており、内部の途中に仕切部
７が設けられ、これには貫孔８が設けられ、前部
室９と、後部室１０に形成され、前端面に傾斜面
１１が形成されている。そのように形成された外
筒６の前部室９内にセンター１の後部が挿入さ
れ、螺旋孔５には、コイル発条１２を挿通したボ
ルト１３の螺旋部１４が、仕切部７の貫孔８を挿
通して螺合され、外筒６の後部にはキヤツプ１５
が螺合されている。１６は廻り止めキーであつ
て、凹部４と、これと対応する外筒６内の凹所１
７内に挿入されており、長さは凹部４、凹所１７
より少しく短かく形成され、外筒６の外周より螺
合されたネジ１８によつて押圧されている。１９
は後面が、前記傾斜面１１と同一傾斜面２０を有
する調節ナツトで、センター１の前方に、Ｏリン
グ２１を介してセンター１の螺旋部３に螺合され
ている。２２は、調節ナツト１９の外周に設けた
棒ハンドルの挿入穴である。２３は円筒状の調節
ナツト１９のカバーで、ビス２４で調節ナツト１
９に固着され、後方は外筒６の前部を被覆し、外
筒６とカバー２３間の凹部にはＯリング２５が介
在しているので、調節ナツト１９は外筒６に対し
て廻動するが左右動しないようになつている。そ
して棒ハンドルの挿入穴２２と合致する位置に調
節孔２６が設けられている。２７は旋盤等の油圧
芯押台で、外筒６の挿入穴２８が設けられてい
る。

本考案は前記のような構造であるので、旋盤等
の油圧式芯押台２７の挿入穴２８内に嵌合して適
宜な手段によつて固着し、油圧式芯押台２７をス
ライドさせて加工物のセンター穴に、センター１
の先鋭部２を挿入して支持して、一定の圧力で支
持をし、続いて調節孔２６、挿入穴２２内に棒状
のハンドルを挿入してカバー２３、調節ナツト１
９を廻動すると、センター１は、調節ナツト１９
に螺旋部３が螺合し、そして廻り止めキー１６の
存在によつて第１図でみて外筒６に対して左右動
して加工物の支持を微調節できるものであり、加
工物がセンター１の先鋭部２と摩擦を生じて膨張
してきたときも、調節ナツト１９を少しく廻動し
て最適な加工状態で支持することができるし、加
工中でも簡単に修正することができる。またセン
ター１は固定式であることゝ、また、センター１
の後方には、ボルト１３が取付けられ、しかもコ
イル発条１２で後方に引張り状態にあり、しかも
ボルト１３は仕切部７の貫孔８に支持されている
ので、センター１の先鋭部２が振れることがな
く、廻転式センターに比較して精度の高い加工が
できて有能なものであり、しかも安価にできる等
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
その第１図は、本考案を油圧式芯押台に取付けた
縦断正面図、第２図はその側面図、第３図センタ
ーの斜視図、第４図はカバーの斜視図、第５図は
キヤツプの斜視図、第６図はコイル発条の斜視図
である。 １……センター、２……先鋭部、３……螺旋
部、４……凹部、６……外筒、７……仕切部、８
……貫孔、９……前部室、１０……後部室、１１
……傾斜面、１２……コイル発条、１３……ボル
ト、１６……廻り止めキー、１７……凹所、１９
……調節ナツト、２０……傾斜面、２２……挿入
穴、２３……カバー、２５……Ｏリング、２６…
…調節孔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 途中に貫孔８を有する仕切部７を設けて前部室
   ９と後部室１０を形成した外筒６の前端面に傾斜
   面１１を形成し、その前部室９内に、先端を超硬
   質の先鋭部２としたセンター１の後方を挿入し、
   センター１の後面には、コイル発条１２を挿通し
   たボルト１３を、後部室１０より貫孔８を挿通し
   て螺合し、センター１の前方近くの螺旋部３に、
   後面が傾斜面２０とした調節ナツト１９を螺合
   し、その外面にカバー２３を取付け、カバー２３
   は、外筒６の先方部をも被覆し、その間にＯリン
   グ２５を介在して外筒６に対して回動できるよう
   に取付け、センター１の螺旋部３の後部の凹部４
   と、外筒６の前方内面に設けた凹所１７内に、凹
   部４と凹所１７より少しく短かい廻り止めキー１
   ６を嵌合し、カバー２３の外周に調節孔２６と、
   これと合致する挿入穴２２を調節ナツト１９に設
   けたことを特徴としたセンター支持装置。