JPH0347145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は空冷式凝縮器を有する空調装置の凝縮
水排水装置に関する。

［従来の技術］ ビル、店舗等に設置される据付式空調装置にお
いて、空冷式凝縮器を使用するものは、凝縮コイ
ルの冷却用空気と接触する空冷面から空気中の水
分が凝縮水となつて滴下する。従来は第４図に示
すように空調装置１の据付床面にピツト２を設
け、該ピツト内に受皿３を置き、前記滴下する凝
縮水５を受皿３に受け、受皿３よりピツト内に敷
設した排水管４を経て屋外に排出するようにして
いる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記のように床面にピツトを設け、ピツト内に
敷設した排水管により屋外へ排出する従来の方式
では、床面にピツト工事を行なわなければならな
いため、余分の工事費がかゝる上、ピツトの敷設
位置の関係もあつて、空調装置そのものの据付位
置にも影響を与え、また据付後のピツト内の保
守・管理面上手数を要する等の問題があつた。

上記問題点を解決するため、受皿の凝縮水をポ
ンプにより吸引して屋外へ直接排出することも考
えられたが、そのためには多数の電気、空気、水
等の配管類およびダクトが敷設してある吊り天井
まで汲み上げて屋外へ排出する必要があり、低出
力ポンプの場合は揚程が不足し、不可能であつ
た。

本考案は上記問題を解決して安価な設備費で済
む排水装置を提供するものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記目的を達成するため、排出用ポン
プにより排出される凝縮水に断続的に空気を混合
し、気液二相の流動態様を持たせることによりポ
ンプの揚程をアツプするようにしたものである。

すなわち、本考案は凝縮水用受皿と排出用ポン
プとよりなり、該ポンプの吸水管には空気吸込み
部を設けたことを特徴とするものである。

また空気吸込み部には吸水管の管壁に断続的に
吸気する複数の弁状スリツトを設けても良い。

［作用］ 排出用ポンプの吸込み側に、空気吸込み用のス
リツトを持つ吸水管を設けたため、ポンプの運転
により受皿の凝縮水は適量の空気とともに断続的
に前記吸込み部より吸込まれる。ポンプデリバリ
ー側の排出水は気液２相の流動態様を以つて鉛直
排出管を経て一旦天井部まで送られたのち、屋外
へ排出される。低出力の渦巻ポンプを使用する場
合でも吊り天井の高さまで容易にポンプアツプさ
れて凝縮水は屋外へ放出される。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図は本考案の概略を示す取付断面図、第２
図は空気吸込み部および鉛直排出管内を流動する
気液２相の流動態様を示す図である。

図において１０は空調装置、１１は受皿、１２
は排出用ポンプであるダイアフラムポンプ、１３
は吸込み管、１４は空気吸込み部、１５は鉛直排
出管、１６は凝縮水である。

第１図に示すように本考案は据付形空調装置１
０の底部に設けた凝縮水１６の受皿１１と、排出
用ポンプ１２と、凝縮水の吸水管１３と、鉛直排
出管１５とよりなる。受皿１１内に滴下貯蔵され
た凝縮水１６は、吸水管１３を介置して排出用ポ
ンプ１２により鉛直排出管１５内をポンプアツプ
されて吊り天井２０の裏側より屋外へ放出される
ようにしてある。

前記吸水管１３には、第２図に示すように弁状
スツリト１４ａにより形成される空気吸込み管１
４を設けている。ポンプ１２の運転により吸水管
１３内の負圧力が高まると弁状スリツト１４ａの
先端が僅かに内側に変形して外気を管内に吸込
む。外気導入によつて瞬間的に管内圧が元の負圧
に戻ると、前記弁状スリツト１４ａが閉じる。こ
れを繰返すことにより前記弁状スリツトより微量
の空気を断続的に吸込み、気液混合の状態で排出
するようにしてある。

前記のようにして排出される排出水は、鉛直排
出管内において、凝縮水のかたまり１７と空気の
かたまり１８と分れ分れになつて、第３ａ図に示
すようにクロス流ないしスラグ流を形成して流
れ、凝縮水だけの場合よりも大なる揚程を示す。
低出力ポンプの場合、揚程1mのものが4m〜5m
に達する。なお、前記弁状スリツト１４ａは第３
ｂ図に示すようにスリツトを塩ビ製吸水管の管軸
に対し斜め上向きに設け、ポンプのサクシヨンに
対し断続的に吸気させる弁状機能を持たせてい
る。

前記空気吸込み部１４は、前記弁状スリツト１
４ａを多段に設けた空気吸込み部の受皿１１内へ
の挿入の深さを加減することにより空気混合量を
調節している。またはスリツトの代わりにポンプ
のサクシヨンにより弁機能を持つ空気吸込み用可
撓性細管（図示省略）を吸水管１３より分岐させ
て設けてもよい。

上記のように構成してあるので、排出用ポンプ
１２の駆動により受皿１１より凝縮水１６は吸水
管１３を介して吸上げられるとともに、吸水管１
３の管壁に設けた空気吸込み用の弁状スリツト１
４ａにより空気を断続的に吸込み、鉛直排出管１
５内を気液２相の流動態様のクロス流ないしスラ
ブ流を形成して屋外へ排出される。

［考案の効果］ 本考案は、凝縮水の排出に際してポンプ吸込み
側に設けた空気吸込み部より断続的に空気を吸込
み、前記凝縮水に混合してポンプにより吸上げ、
気液２相の流動体を形成させて排出するようにし
たため、ポンプ揚程を定格値よりも格段にアツプ
することができ、据付用空調器の凝縮水の排出装
置として低価格の装置を提供できる。

請求項２の弁状スリツトよりなる空気吸込み部
においては、空気吸込み部を弁状構造としたた
め、前記気液２相の流動態様を揚程アツプに対
し、より効率的な態様にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概略を示す取付断面図、第２
図は吸込み部および気液２相で流動する鉛直排出
管の断面を示す図、第３ａ図は第２図の部分的拡
大断面図、第３ｂ図は弁状スリツトを示す断面
図、第４図は従来の空調装置の凝縮水排水装置の
概略を示す取付断面図である。 １０……空調装置、１１……受皿、１２……排
出用ポンプ、１３……吸水管、１４……空気吸込
み部、１４ａ……弁状スリツト、１５……鉛直排
出管、１６……凝縮水。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 凝縮水用受皿と排出用ポンプとよりなり、該
   ポンプの吸水管には空気吸込み部を設けたこと
   を特徴とする空調凝縮水排水装置。 ２ 空気吸込み部は吸水管の管壁に設けた断続的
   に吸気する複数の弁状スリツトからなる第１項
   記載の空調凝縮水排水装置。