JPH0346804Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、排水処理槽内に沈積した汚泥を掬い
上げると共に、槽内壁面に付着堆積した汚泥を好
適にかき取ることが出来る汚泥掬い具に関する。

（従来の技術） 従来、排水処理槽内に沈積した汚泥の掬い具と
して杓や掬い袋（掬い網も含む）がある。その
他、槽壁面に付着堆積した汚泥をかき取るための
適宜板状のかき取り具が使用される。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の杓や掬い袋は、排水処理槽の底部に
沈積した汚泥は容易に掬いとることが出来るが、
槽内壁面に付着堆積した汚泥をかき取ろうとして
も、杓や掬い袋の外周縁が円形をしているので容
易にかき取れず効率よく作業ができなかつた。ま
た、別に準備した板状のかき取り具で前記槽内壁
面の堆積汚泥をかき取つてもいたが、杓若しくは
掬い袋と、かき取り具の両者を使い分けなければ
ならず作業性に問題を有していた。

杓の場合は排水処理槽の底部に沈積した汚泥を
掬い取ろうとしても、その底部が前記槽底部に当
たり邪魔をして掬い残す場合もあつた。

掬い袋の場合は変形自在であるので底部が邪魔
にならずに排水処理槽内の底部に沈積した汚泥を
ほとんど掬うことは可能であるが、作業者は掬い
上げる都度掬い袋を手で逆にして、内部の汚泥を
容器等に捨てなければならず、衛生的にも作業性
の点からも問題を有していた。

本考案は、排水処理槽内に沈積した汚泥を掬い
上げると共に槽内壁面に付着堆積した汚泥を効率
よくかき取ることができ、掬い袋を使い捨てとす
ることにより衛生的でもある汚泥掬い具を提供す
ることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案が上記目的を達成するために講じた技術
的手段は次の通りである。

柄６の先端に取付けた袋取付枠体１に、掬い袋
３をゴム輪４を介して着脱自在に取付け、この袋
取付枠体１にスクレーパ２を設けた汚泥掬い具に
おいて、 前記袋取付枠体１の枠形状を矩形に形成し、こ
の枠体１は、垂直片１ｃと、この垂直片１ｃより
枠外方に向く一対の上下折曲片１ａ，１ｂとから
凹周溝１２を構成するように断面チヤンネル形状
を呈し、この下折曲片１ｂを上折曲片１ａよりも
長く設け、前記枠体１の柄６を設けた辺ｄ以外の
３辺ａ，ｂ，ｃの下折曲片１ｂに、ゴム等よりな
るスクレーパ２の板厚の中途部で且つ内周面に形
成された切溝２ａを３辺全長に亘つて外嵌固定
し、上折曲片１ａを包むように袋取付枠体１の内
側から折込まれた掬い袋３の開口縁部を、前記凹
周溝１２に外嵌されたゴム輪４で袋取付枠体１に
締付け固定した点にある。

（作用） 排水処理槽１３の内壁面１０に付着堆積した汚
泥１１をかき取つて掬うには、柄６を持つて直線
部を有したスクレーパ２を槽内壁面１０に押圧
し、この状態のまま上方向に摺動していくと、第
５図に示すようにスクレーパ２の先端は撓んだ状
態となり、内壁面１０を傷つけることなく、汚泥
１１をかき取り遊離すると同時に、汚泥１１は掬
い袋３に掬い取られてしまう。また上記と反対方
向にスクレーパ２を摺動して汚泥１１をかき取る
こともできる。

また、排水処理槽１３の底部の汚泥１１を掬う
には、掬い袋３の形状が変形自在であるので、こ
の底面が邪魔になることなく、汚泥掬い具を適度
に傾斜して使用する。

さらに、ある程度まで掬い袋３内に汚泥１１が
満されると、袋取付枠体１の凹周溝１２からゴム
輪４を伸ばしながら外すと、掬い袋３が枠体１か
ら外され、前記掬い袋３の開口縁を適宜結ぶ等に
より塞いだ後これを廃棄する。次に、新しい掬い
袋３は、その開口縁を袋取付枠体１に取付け凹周
溝１２の周囲に前記ゴム輪４で取付け固定され
る。

（実施例） 以下、図面に基づいて本考案の実施例を詳細に
説明する。

第１図〜第５図は本考案の実施例を示し、袋取
付枠体１、掬い袋３、掬い袋３を前記枠体１に取
付けるゴム輪４及び柄６とから構成されている。

前記袋取付枠体１は平面視形状が辺ａ，ｂ，
ｃ，ｄの四辺からなる方形をしており、第３図の
如くその縦断面はチヤンネル形状で対向する上下
折曲片１ａ，１ｂは外周方向を向き、この下折曲
片１ｂは上折曲片１ａより長く形成されており、
垂直片１ｃと共に凹周溝１２を構成する。なお、
該枠体１の素材は耐食性に優れた金属材、合成樹
脂材等が使用され、例えばステンレス材が好適で
ある。

２はゴム等からなる平板帯状のスクレーパで、
板厚の中央で且つ内周面に切溝２ａが略板幅の中
央まで設けられ、他端一面には傾斜面２ｂが設け
られている。尚、スクレーパ２は傾斜面２ｂを上
向きにして、前記袋取付枠体１の下折曲片１ｂに
切溝２ａが、枠体１の柄が設けられた辺ｄ以外の
３辺ａ，ｂ，ｃ全長に亘つて外嵌固定されてい
る。このように、スクレーパ２を袋取付枠体１の
３辺ａ，ｂ，ｃに設けたので、排水処理槽１３内
の角部に使用する際に、互いに直交する内壁面１
０，１０に付着堆積した汚泥１１を同時にかき取
ることも可能であり便利である。

さらに、前記枠体１の辺ｄには第４図に示すよ
うにパイプ状に柄取付具５を袋取付枠体１の掬い
面に対して上方向きに傾斜させて補強板９を介し
て溶着し、この柄取付具５に柄６を挿入して、ボ
ルト７、ナツト７ａ等で抜止固定する。

また、３は不織布あるいは合成樹脂等からなる
上部開口した有底の使い捨ての掬い袋である。こ
の開口縁部が、前記袋取付枠体１の内側より折込
まれ、前記上折曲片１ａの周囲を外側から包むよ
うにして、袋取付枠体１の凹周溝１２に伸縮弾性
を有するゴム輪４をはめることにより、掬い袋３
の開口縁を締付け固定する。この際、開口縁部の
折返しに当つては、取外し時に摘めるだけの余裕
をもたせておくと便利である。尚、第４図に示し
たように、袋取付枠体１の辺ｄの略中央にフツク
８を取り付けて、このフツク８に前記ゴム輪４の
一部を固定し、離脱を防止している。このように
ゴム輪４を袋取付枠体１に一体に取付けておく
と、掬い袋３の交換の際など便利である。

さらに、第６，７図は排水処理槽１３の内壁面
１０の隅部での汚泥１１をかき取る際の実施例を
示す説明図である。第６図のように内壁面１０の
隅が角の時は、前記各実施例によるが、第７図に
示したようにＲ面になつている時は、袋取付枠体
１の角部をＲ形状としたのを用いれば一層効果的
である。

（考案の効果） 本考案は、掬い袋３を袋取付枠体１に着脱自在
に取付けて使用後掬い袋３はそのまま廃棄でき、
ただちに新品と交換して衛生的でありながら、次
の特有の利点がある。

袋取付枠体１の枠形状を矩形に形成し、この枠
体１にゴム等からなるスクレーパ２を取付けたの
で、排水処理槽１３内壁面１０に付着堆積してい
る汚泥１１は、このスクレーパ２により槽内壁面
１０を傷つけるおそれがなくしかも、内壁面１０
に沿わせての作業ができてまんべんなくかき取つ
て、掬えるという効果がある。

また、矩形とされた袋取付枠体１の柄６を設け
た辺ｄ以外の３辺ａ，ｂ，ｃにスクレーパ２を３
辺全長に亘つて取付けたので、排水処理槽１３の
隅部の互いに直交する内壁面１０，１０の汚泥１
１を同時に効率よくかき取り掬うことができ、大
変便利である。更に、柄６が邪魔をして汚泥掬い
具を90゜方向転回して使用できないような平面視
長方形状の狭幅の排水処理槽１３であつても、３
辺ａ，ｂ，ｃにスクレーパ２を取付けたことによ
り、汚泥掬い具を方向転回せずに、該処理槽１３
狭幅方向両側の内壁面１０の汚泥１１をかき取る
ことができる。

また、柄６を袋取付枠体１の掬い面に対して上
方向きに傾斜して設けたので、柄６を長くしても
掬い作業に支障はなく、これにより、排水処理槽
１３が深い場合であつても、該槽１３の内壁面１
０底部の汚泥１１をかき取り掬うことができる。

更に、スクレーパ２の板厚の中途部で且つ内周
面に形成された切溝２ａを袋取付枠体１の下折曲
片に外嵌固定しているので、スクレーパ２を袋取
付枠体１の下折曲片１ｂに挟持状に取付けること
ができ、従つて枠体１を掬い方向又はその反対方
向に動かして、スクレーパ２が処理槽１３の内壁
面１０を摺動しても、このスクレーパ２が袋取付
枠体１から離脱するおそれはなく、スクレーパ２
を枠体１に強固に取付けることができる。しか
も、上記のように袋取付枠体１に別体のスクレー
パ２を外嵌固定する構成なので、スクレーパ２が
摩耗したりあるいは破損した場合、このスクレー
パ２のみを交換でき、大変経済的である。

また、上折曲片１ａを包むように枠体１の内側
から折込まれた掬い袋３の開口縁部を、枠体１の
凹周溝１２に外嵌されたゴム輪４で袋取付枠体１
に締付け固定したので、ゴム輪４をその弾性力に
抗して凹周溝１２から嵌脱することにより、掬い
袋３を容易に枠体１に対して着脱できるにもかか
わらず上折曲片１ａに掬い袋３の開口縁部が引つ
掛かつた状態となり、使用時に掬い袋３が袋取付
枠体１から不慮に外れにくくできる。

また、上折曲片１ａよりも下折曲片１ｂを長く
設け、この下折曲片１ｂにスクレーパ２を設けて
あるので、スクレーパ２で処理槽１３の内壁面１
０に付着した汚泥１１をかき取る際に上折曲片１
ａが内壁面１０に当接して邪魔になることもな
い。

【図面の簡単な説明】

第１〜第５図は本考案の基本的実施例を示し、
第１図はその平面図、第２図は側面図、第３図は
第１図の−断面図、第４図は柄取付具部分の
要部断面図、第５図はかき取り作用状態の説明
図、第６図及び第７図は使用状態の説明図であ
る。 １……袋取付枠体、１ａ……上折曲片、１ｂ…
…下折曲片、１ｃ……垂直片、２……スクレー
パ、３……掬い袋、４……ゴム輪、６……柄、
ａ，ｂ，ｃ……辺。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 柄６の先端に取付けた袋取付枠体１に、掬い袋
   ３をゴム輪４を介して着脱自在に取付け、この袋
   取付枠体１にスクレーパ２を設けた汚泥掬い具に
   おいて、 前記袋取付枠体１の枠形状を矩形に形成し、こ
   の枠体１は、垂直片１ｃと、この垂直片１ｃより
   枠外方に向く一対の上下折曲片１ａ，１ｂとから
   凹周溝１２を構成するように断面チヤンネル形状
   を呈し、この下折曲片１ｂを上折曲片１ａより長
   く設け、前記枠体１の柄６を設けた辺ｄ以外の３
   辺ａ，ｂ，ｃの下折曲片１ｂに、ゴム等よりなる
   スクレーパ２の板厚の中途部で且つ内周面に形成
   された切溝２ａを３辺全長に亘つて外嵌固定し、
   上折曲片１ａを包むように袋取付枠体１の内側か
   ら折込まれた掬い袋３の開口縁部を、前記凹周溝
   １２に外嵌されたゴム輪４で袋取付枠体１に締付
   け固定したことを特徴とする汚泥掬い具。