JPH0346420A - 通信線路の故障位置探索装置 - Google Patents

通信線路の故障位置探索装置

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JPH0346420A
JPH0346420A JP1181809A JP18180989A JPH0346420A JP H0346420 A JPH0346420 A JP H0346420A JP 1181809 A JP1181809 A JP 1181809A JP 18180989 A JP18180989 A JP 18180989A JP H0346420 A JPH0346420 A JP H0346420A
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武田 和時
Hiroaki Koga
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は通信線路に故障が発生したときに、その通信線
路の端部から故障位置を遠隔探索するために利用する。
本発明は、被試験通信線路にその一端からパルスを送信
し、その一端に戻るそのパルスの反射波形を分析するこ
とによりその通信線路の故障位置を探索する装置におい
て、仮想の故障位置についての反射波形を演算し、これ
を実測波形と比較して実質的に一致する仮想の故障位置
を発見することにより、分岐接続や異種線路接続のある
通信線路でも正確にその故障位置を探索できるようにし
たものである。
〔従来の技術〕
第1O図はぐパルス反射を利用した従来例の故障位置探
索装置の構成を示す。同図においてパルス送信部2で発
生したパルス信号をハイブリッド回路3を通して、被試
験線路■に送出する。線路1に送出されたパルス信号は
、故障点fで反射してその線路1を戻り、ハイブリッド
回路3を通り、パルス受信部4に入り増幅されブラウン
管5に表示される。ハイブリッド回路3は、方向性を有
し送信パルスを線路1に送出し、線路lからの反射波を
パルス受信部4に入力する回路である。
このような故障位置探索装置により得られる反射波の形
状は、故障モード(断線、短絡、絶縁不良など)により
異なるが、第11図は、このうち線路1のf点で断線が
生じた場合にブラウン管5に表示される観測波形を示す
。これには線路のパルス送受信用の端子6で観測される
送信波形P、  (減衰表示される)および故障点fで
反射された波形P8が時間軸上に表示される。故障点f
までの距離l、は、パルスP5を送信した後に反射波P
が戻るまでの時間t、から、 Z、=    t、′V として推定される。ここでVは線路1におけるパルスの
伝搬速度であり、1/2はパルスの往復を考慮した係数
である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この従来例の故障位置探索装置は、同一心線種別のケー
ブルにより構成される均一な構成の中継線路で、探索距
離が比較的短い場合には効率的に使用されているが、通
信線路のほとんどを占める電話局と加入者間に布設され
ている加入者線路には必ずしも有効に使用できない。す
なわち、加入者線路には一般に分岐ケーブルや異種ケー
ブルの接続があるため、分岐点や異種心線の接続点や複
数の線路端末からの反射波が観測点で重畳し、故障点か
らの反射波を正しく分離して識別できない。
また、加入者線路は音声周波数帯域の伝送路として設計
されているため、探索距離が長くなるとパルス信号の高
周波成分が減衰してしまい、波形歪が大きく故障位置を
正確にに、RXikできな(なる欠点がある。
また、従来の故障位置探索装置は目視によりブラウン管
上の波形像により、故障点からの反射波の位置(ピーク
点や立上がり点〉を判断するものが一般的である。これ
は人手による介在が必要であって自動化が不可能であり
、また個人差により推定誤差が生じる問題があった。
本願出願人は、これを改良する装置として、特許出願・
特願平1−55709号 (平底元年3月7日出願、本願出願時に未公開以下「先
頭」という) を出願した。
本発明はこの先願記載の発明をさらに改良するものであ
って、先願記載の発明よりその探索位置精度を向上する
ことを目的とする。
すなわち本発明は、被試験線路に分岐接続や異種ケーブ
ルの接続がある場合にも有効に利用でき、減衰が大きい
場合にも測定が可能であり、個人差による誤差を含まず
、自動化をも可能とする測定精度の高い通信線路の探索
装置を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記先願記載の発明において、演算した反射
波形と実測した反射波形がそれぞれ通過する高域通過フ
ィルタ手段(20,21)を追加した構成である。
本発明は、被試験通信線路にパルスを送信し、そのパル
スが故障点で反射して送信点に戻る反射波形をディジタ
ル信号に変換し、一方、その被試験通信線路の分岐、接
続、距離その他を含む構成データと、その故障モード毎
のパラメタとから、仮想の故障位置について反射波形を
演算し、これを前記ディジタル信号に変換した実測波形
と比較して、実質的に一致する仮想の故障位置を発見す
ることを特徴とする特 すなわち本発明は、被試験通信線路(1)を接続する端
子〈6)と、この手段を介してその通信線路にパルスを
送信するパルス送信部〈2)と、その通信線路から反射
パルスを受信するパルス受信部(4)と、表示装置(1
7)とを備え、 前記受信部の受信信号波形をディジタル信号に変換する
AD変換回路を含む信号処理回路(11)と、前記被試
験通信線路の構成データおよびその線路の故障モード毎
のパラメタを与える手段(8)と、前記被試験通信線路
上に仮想の故障位置を設定し前記構成データおよび前記
パラメタに基づき演算した反射波形と前記信号処理回路
の出力する実測した反射波形とを比較し、両波形が実質
的に一致するときの仮想の故障位置をその被試験通信線
路の故障位置として前記表示装置に表示させる演算部(
10)とを備え、さらに前記演算した反射波形と前記実
測した反射波形がそれぞれ通過する高域通過フィルタ手
段(20,21)を備えたことを特徴とする。
前記与える手段(8)はあらかじめ前記構成データおよ
び前記パラメタが格納されたデータメモリを含み、前記
接続する端子(6〉 には多数の被試験通信線路を切替
えて接続する切替回路を含み、このデータメモリ、この
切替回路、前記パルス送信部、前記パルス受信部、前記
演算部、および前記表示装置を自動的に制御するプログ
ラム制御回路(7)を備えることができる。
前記与える手段(8)はデータメモリの他にキーボード
を利用して各データまたはパラメタを個別に入力し、も
しくは修正する手段を含むことができる。
前記表示装置に表示されるデータは、プリンタその他記
録装置により記録することができる。
〔作用〕
被試験通信線路の距離、分岐接続、異種ケーブルの接続
、それぞれの距離その他通信線路の構成データをあらか
じめ記録しておく。また、この通信線路の故障モード(
断線、短絡、絶縁不良など)にしたがって演算用のパラ
メタをあらかじめ記録しておく。これらのデータおよび
パラメタを用いて、被試験通信線路上の仮想の故障位置
について反射波形を演算する。故障モードおよび仮想の
故障位置を変更しながら、実測された反射波形と比較し
、実質的に両波形が一致するときにその故障モードにお
いてその仮想の故障位置で故障が発生しているものと推
定する。
前記データおよびパラメタをデータメモリに記録してお
き、操作キーボードからの入力にしたがって、故障モー
ドおよび仮想の故障位置を自動的に変更しながら、演算
された反射波形と実測された反射波形とを自動的に比較
し、一定条件での一致がとれたときにその故障モードお
よび仮想の故障位置を表示することにより、人手を介入
することなく、人為的な誤差を招くことなく、故障位置
の推定を行うことができる。
被試験通信線路が多数であり、この多数の被試験通信線
路について、自動的にこれを順次切替えて接続して上記
試験を実行することにより、多数の通信線路の試験を人
手を介することなく効率的に実行することができる。
演算した反射波形と実測した反射波形がそれぞれ通過す
る高域通過フィルタ手段を使用すると、本願発明者が行
った実験では著しい精度の向上が見られた。この理由に
ついてはいまだ十分に解明されていないが、加入者系線
路は一般にその電気定数の製造ばらつきが高い周波数で
小さくなる性質がある。例えば、多数対の加入者系線路
について、その各対の特性インピーダンスは音声周波数
において数百Ωであり、ひとつのケーブル内でも対線に
より50%を越えるばらつきがあるが、数十kHzを越
える高い周波数ではほとんど110Ωになる。また、線
路の位相定数についても、高い周波数で均一になる。こ
れは、障害位置測定においてその測定精度を向上させる
大きい原因であると考えられる。
このように線路自体の要因の他に、反射波形は高域通過
フィルタを通過させると、その波形は時間に対して微分
された波形となり、反射信号の変化分が時間軸上で鋭く
観測できることもその要因と考えられる。
〔実施例〕
第1図は本発明実施例装置のブロック構成図である。こ
の装置は、被試験通信線路1がn個あり、これを順次接
続する端子6を備え、この端子6を介してその通信線路
1にパルスを送信するパルス送信部2と、その通信線路
から反射パルスを受信するパルス受信部4と、表示装置
17とを備える。
ここで本発明の装置は、前記受信部4の受信信号波形を
ディジタル信号に変換するAD変換回路を内蔵する信号
処理回路11と、被試験通信線路1の構成データおよび
その線路の故障モード毎のパラメタを与える手段として
、これらのデータおよびパラメタがあらかじめ格納され
たデータメモリ8とを備える。さらに、被試験通信線路
上に仮想の故障位置を設定し前記構成データおよび前記
パラメタに基づき演算した反射波形と前記信号処理回路
11の出力する実測した反射波形とを比較し、両波形が
実質的に一致するときの仮想の故障位置をその被試験通
信線路の故障位置として前記表示装置17に表示させる
演算部10を備える。
この演算部10はプログラム演算手段により構成され、
データメモリ8から被試験通信線路の構成データを入力
して設定する線路構成入力手段13と、データメモリ8
から被試験通信線路の故障モードに対応するパラメタを
入力して設定する故障モード人力手段14と、その被試
験通信線路上に仮想の故障位置を設定する仮想故障位置
設定手段15と、設定された線路構成のデータおよび故
障モードのパラメタ、ならびに仮想の故障位置にしたが
って、パルス受信部4に受信されるべき反射波形を演算
する反射波形演算手段16と、この演算手段16が演算
した演算波形と前述の信号処理回路11が出力する実測
波形とを比較して実質的に一致があるか否かを検出し、
一致があればこれを表示装置17に表示させ、不一致で
あれば仮想の故障位置を変更させる比較手段12とを含
む。
ここで本発明の特徴とするところは、前記演算した反射
波形と前記実測した反射波形がそれぞれ通過する高域通
過フィルタ手段20.21を備えたところにある。
さらにこの装置は、前記データメモリ8、前記端子6、
前記パルス送信部2、前記パルス受信部4、前記演算部
lO1および前記表示装置17を自動的に制御するプロ
グラム制御回路7を備え、この制御回路7はキーボード
18により操作制御される構成である。
第2図はこの制御回路7の制御フローチャートである。
この故障位置探索装置は、制御回路7から送信制御信号
が送信されることにより動作を開始する。
この制御回路7は、線路へのパルス送信および受信のタ
イミングを制御する機能を有し、パルス送信部2にパル
スの送信を指示し、パルス受信部4に反射波の測定開始
を指示する信号を送出する。
パルス送信部4で発生した送信パルスは、抵抗器Raお
よび線路との整合用トランス9を通して被測定通信線路
1に送出される。抵抗器R8はこの線路から戻る反射波
の負荷抵抗としても機能する。
反射波は、パルス受信部4にアナログ信号として入力さ
れる。これは信号処理回路11に人力されデジタル変換
され、さらにノイズ除去スムージングやフィルタリング
などの信号処理が施されて演算部10に出力される。
一方、被試験通信線路の構成データ(構成ケーブルの種
類、その長さ、分岐の状態その他〉を線路構成人力手段
13に入力する。次に、故障モード(断線、絶縁劣化な
ど)に基づくパラメタを故障モード入力手段14に入力
する。仮想故障位置設定手段15は、仮想の故障位置を
設定して反射波形演算手段16に出力する。反射波形演
算手段16はこれらのデータに基づいて理論計算により
反射波形を求める。
この理論演算は、送信パルスの波形の周波数スペクトル
を高速フーリエ変換により求め、この周波数スペクトル
と線路の人力インピーダンスと負荷R0から求められる
伝達関数との積をとり、フーリエ逆変換することにより
求めることができる。
観測波形と演算波形は波形比較手段12で比較され、そ
の差異があらかじめ決められたしきい値以下であれば、
その演算波形を求めるために用いた仮想の故障位置が実
際の故障点の推定位置として表示部17に出力され表示
される。観測波形と演算波形の差異がしきい値より大き
い場合には、仮想故障位置を再設定して演算波形を求め
両者の波形を比較する処理を反復する。
次に、本発明による故障位置探索装置の性能を理論モデ
ルおよび実験線路を用いて検討した結果について説明す
る。
はじめに、本発明による故障位置探索装置を用いた分岐
を有する線路の故障位置推定について説明する。
第3図は理論検討に用いた分岐を有する線路の構成を示
している。同図においてEQは本発明による故障位置探
索装置である。故障モードは、絶縁劣化(絶縁抵抗値1
0にΩ)とし、故障位置は分岐された線路区間Cに存在
し、その分岐点からの距離itは500.1500.2
500 mについて検討した。
ここでは、理論検討であって観測波形もシミュレーショ
ンによるものを用いている。
本発明の故障位置探索装置では、観測波形と計算波形が
一致したときの仮想の故障位置を推定位置とするため、
両波形の一致度を評価する必要がある。ここでは、波形
間の一致度を評価する評価関数として、次式による残差
εを定義する。残差εが小さいほど一致度が高い。
ここで、 ■、:観測波形 V、  :計算波形 t、、:離数時間 N :時間点数 である。
つぎに、故障がA、BSCのどの区間のどの位置にある
かを明かにする必要がある。第4図は各区間における仮
想の故障位置のとりかたを示している。この図にしたが
って、各区間において仮想の故障位置を変化させて残差
εを求めた。この結果を第5図(a)、(b)、(C)
に示す。これらはいずれも横軸に仮想の故障位置をとり
縦軸に残差εを表わす図である。第5図において、残差
εが最も小さくなる区間は探索区間Cであり、線路の故
障位置と仮想の故障位置が一致した点である。この点で
残差εはほぼ零になっている。したがって、本発明の故
障位置探索装置により、分岐を有する線路においても正
確な故障位置が推定できることがわかる。
第5図(ロ)の区間Bにも、浅い谷が生じているが、区
間Cの谷の方が深いことから、区間Cの谷が真の故障位
置であると推定できることが判断される。
以上の説明においては、故障を有する被試験通信線路と
演算に用いた通信線路の伝送特性が等しいと仮定してい
る。しかし、実際には通信線路の伝送特性は製造、布設
または現場環境などの要因によりバラツキを有し、理論
的な演算に使用する伝送特性の標準値との間には当然に
差異がある。
この場合には、故障位置と仮想の故障位置が一致した場
合にも、残差εは完全には零にならず谷の底部がまるみ
をおびる。また、残差εが最小になる仮想の故障位置も
真の故障位置からずれて推定に誤差が生じる。そこで、
次に線路の伝送特性と計算に用いる伝送特性とが異なる
ことにより生じる位置推定誤差についての理論検討を説
明する。
計算モデルは、長さ5kmの直線線路である。
ケーブルは、Q、 5mm−ccpケーブルであり1.
ぐルス信号源の計算条件は表1に示されたものである。
故障モードは断線と短絡の両者を想定し、故障位置をパ
ラメータとした。
表1 パルス信号源の計算条件 伝送特性のバラツキは、故障を有する線路の静電容量(
−次定数、単位長さあたりの静電容量)が理論計算に用
いる値より10%大きい場合(ΔC=+10%)と、導
体抵抗(−次定数、単位長さあたりの導体抵抗)が7%
大きい場合(ΔR=十7%)を想定した。このバラツキ
値は、実ケーブルにおける最悪値を想定したものである
。この計算を進めるにあたって、静電容量のバラツキは
導体間隔のバラツキに、また導体抵抗のバラツキは導体
径のバラツキにそれぞれ換算している。
第6図にその演算結果を示す。同図から、位置推定誤差
は本発明により著しく改善されたことがわかる。特に、
4000 m以上の領域において顕著である。同図には
比較のため静電容量や導体抵抗を測定して故障位置を推
定する方法による位置推定誤差を「従来例の方法」とし
て示し、前記先願による方法を「先願(フィルタなし)
」として表示している。
ここで、静電容量を測定する方法は、従来から分岐のな
い単一線路の断線位置の推定に使用されている。線路端
末から線路の全静電容量を測定し、この値を標準ケーブ
ルの単位長あたりの静電容量で除して故障推定位置とし
ているため、推定誤差は線路の静電容量のバラツキに比
例する。
導体抵抗を測定する方法は、従来から分岐のない単一線
路の短絡位置の推定に使用されている。
線路端末から線路の全ループ抵抗を測定し、この値を標
準ケーブルの単位長あたりの導体抵抗で除して故障推定
位置としているため、推定誤差は導体抵抗のバラツキに
比例する。
本発明の故障位置探索装置による位置推定誤差は、故障
位置が4000 rn以下の領域ではこれらの方法に比
較して極めて小さいことがわかる。
推定精度を向上させる方法として、フィルタによる波形
処理の効果について検討した。フィルタ処理は、パルス
波形に対して波形ひずみを生じさせる現象があるため、
従来のパルス試験器では、位置推定の不確定さが増大す
るおそれがある。しかし、本発明の場合には、観測波形
と計算波形が一致することを位置推定の原則としている
ため、観測波形と計算波形の両者に対して同一特性のフ
ィルタ処理を行えば、波形ひずみが両波形に同様に生じ
るから問題ないと考えた。しかし、推定誤差の改善効果
に対しては、明確でないため、試行錯誤的に、通過帯域
などの特性を変化させて、推定誤差の評価を行った。こ
の結果、反射波形の低周波成分を除去することにより、
推定誤差が著しく減少することを見いだした。次に、こ
の結果について説明する。
この検討も、シミュレーションによって行った。
計算モデルは長さ5 kmの直線線路とし、線路定数は
0.5 mm−ccpケーブルのものを用いた。パルス
信号源の計算条件は表1に示したものと同一である。
故障モードは、断線、短絡および絶縁劣化(絶縁抵抗:
10にΩ、100にΩ)とし、故障位置をパラメータと
した。線路定数のバラツキなどの計算条件は前記のもの
と同一である。標本点は1024点としたが、この場合
、送信パルスの繰返し周期を考慮すると、反射波の周波
数スペクトルは10 kHzから5240 kHzとな
る。第7図は、検討に用いたフィルタの伝達関数であり
、上昇部と下降部の曲線は、余弦関数の半周期の形状と
している。
このシミュレーションにより得られた推定誤差を第2表
に示す。フィルタを使用しなかった場合(第6図)に比
べて誤差が著しく減少していることがわかる。遠距離に
おいて増大しているのは、計算のまるめ誤差によるもの
で原理的なものではないと考えられる。また、表中の一
印は計算の有効桁数の制限により計算不能であったこと
を示している。また、故障モード別では推定誤差は断線
の場合に最も大きいことがわかる。
上記送信パルスの周波数スペクトルのエネルギの中心周
波数を求めると、約260kHzである。第7図のフィ
ルタの伝達関数は極端に高周波成分のみを抽出する働き
をしていると考えられる。従って、推定精度の向上は、
反射波の高周波成分のみによる波形を用いて推定した結
果によるものと考えてよい。しかし線路の伝ばん特性か
ら考えると、高周波成分の減衰は大きく、第7図のフィ
ルタを用いた場合はS/N比の劣化による誤差の増大の
方が逆に大きくなることと考えられる。そこで、S/N
比をあまり低下させない範囲で、推定誤差が小さくなる
周波数範囲を選定することが重要である。
(以下本頁余白) 以上の結果から、問題を単純化するため、検討するフィ
ルタの特性は、第8図に示すように、高域通過フィルタ
とした。同図における上昇部の曲線は、余弦波形の半周
期の形状である。検討するパラメータは上昇部の中心周
波数fcとその1/2幅Δfとした。故障モードは、上
記結果から、最も推定誤差が大きい断線故障とした。検
討はシミュレーションにより行い、その他の計算条件は
前記と同一としている。
第9図に、故障位置が2000 mと3000 mの場
合に関するfcおよびΔfの関係を示している。この図
から、fcを大きくするほど推定誤差が減少し、一定値
に収束する傾向のあることがわかる。その際にΔfが小
さいほど、早く収束値に達する傾向がある。f c=Q
の推定誤差はフィルタ処理を行わない場合の値に近いと
考えると、例えば、fc=50kl(Z1Δr=50k
Hzノフィルタヲ適用スルコとにより、推定誤差は約1
30mから20.mに、すなわち約1/6に減少してい
る。なお、計算の結果、この程度のフィルタでは、S/
N比はほとんど変化しないことを確認した。
以上の説明において、反射波形そのものに関しては特に
説明を加えていないが、概略的にいえば波高値は故障点
の距離とともに指数関数的に減少し、パルス幅は距離に
比例して増大する。この特性を利用して反射波を等化す
れば、遠距離の反射波と近距離の反射波が波形として同
一形状になるため、遠距離の故障位置推定の精度をさら
に向上させることが可能と考えられる。
〔比較例〕
次に前述の第10図に示す従来例装置を用いた比較例の
解析を説明する。まず波形歪と反射波の重畳の問題を考
える。
第12図は、この結果得られたパルス伝ばん距離と波形
歪の関係を示す。線路は、導体直径0.5mmのプラス
チック絶縁ケーブル(Q、 5mm−ccpケーブル)
とし、また、パルス信号源の計算条件として、前記の表
1に示すパラメタを用いた。線路長パルス長とした。
この第12図から、伝ばん距離Xに比例してパルス幅が
急激に増大していく様子がわかる。x=Qにおいて半値
幅(パルス電圧が波高値の1/2に低下する時間幅)r
h=1.0μsのものがx=2.5kmではτh=4.
3mにまで増大している。
一般に、反射波形の解析において故障や:)岐などのイ
ンピーダンス不連続点を分離するための分解能は、パル
ス半値幅と伝搬速度との積として表わされる。上記ケー
ブルのパルス伝搬速度は約200m/μsであるから、
2.5kInの地点における分解能は約860mと見積
られる。通信線路の故障探索作業において数十m程度の
分解能が必要とされることを考慮すると、この分解能は
実用に程遠いものであり、本発明の方法が優れているこ
とがわかる。
短距離の探索では、パルス信号のパルス幅を狭くして分
解能を向上させることが考えられるが、距離が長くなる
と伝ばん波形はほとんど第12図に示すものと同一にな
るため本発明のねらいとしている加入者線路の故障位置
探索では効果がないことになる。これは長い距離を伝ば
んしたときの波形は、はとんど線路の伝ばん特定により
決定されるためである。
次に、分岐を有する線路における反射波の重畳現象につ
いて検討する。
第13図は、分岐を有する線路の最も単純な構成を示し
ており、ここではこの線路構成について検討した結果を
説明する。同図において、EQは前述の従来例故障位置
探索装置である。線路はすべて9.5mm−ccpケー
ブルとし、A、B区間の線路長は同図に示しているとお
りでありC区間の線路長lは変数である。第13図にお
いて、Sはパルス送受信端、Bは分岐点、El、E2は
端末(開放端)である。
第13図の線路モデルを用い、シミュレーションにより
3点における電圧波形を計算した結果を第14図に示す
。パルス信号源の計算条件は、前出の表1に示したもの
である。ただし、パルス信号源のパルス波高値は1 (
V)とした。
第14図において矢印Bは分岐点、矢印E1、E2、E
IE2は線路端末からの反射波であり、それぞれ反射を
生じたパルスの伝搬経路を第15図に示す。反射波形に
は多数の山谷が生じ、その形状や位置がC区間の線路長
lに応じて変化しており極めて複雑である。ここで、故
障が発生したと仮定して、この波形に故障点からの反射
波が重畳されることを想定すると、その目視による分離
および識別は不可能と考えられる。これによっても本発
明が優れていることがわかる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、被試験通信線路
に分岐接続、異種ケーブルの接続などがあっても、反射
パルスによる故障位置の探索が高い精度でできる。また
本発明によれば、故障位置が遠方であり反射パルスの高
周波成分が大きく減衰゛する場合にも、高い精度の故障
位置の探索が可能である。さらに、線路定数のバラツキ
による故障位置の誤差は、その誤差範囲の許容される範
囲が明確であり、従来方法に比べてこの点でも著しく精
度が高い。
本発明の装置を自動的に制御する構成とする場合には、
試験の細部に人手を介入する必要がなく、多数の被試験
通信線路について小さい作業工数で試験を行うことがで
きる。また測定者による誤差を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例装置のブロック構成図。 第2図は本発明実施例装置の制御回路7の制御フローチ
ャート。 第3図は理論検討に使用した被試験通信線路の分岐構成
を示す図。 第4図(a)、(ロ)、(C)は分岐された通信線路の
故障位置探索における仮想の故障位置の基準点を説明す
る図。 第5図(a)、(b)、(C)は仮想の故障位置に対す
る残差εを各探索区間毎に示す図。 第6図は故障位置推定の精度を本発明と従来例とについ
て対比して示す図。 第7図は検討に用いたフィルタの伝達関数を示す図。 第8図は検討に用いた高域通過フィルタの伝達関数を示
す図。 第9図は高域通過フィルタを用いたときの推定誤差を示
す図。 第10図は従来例装置のブロック構成図。 第11図は従来例装置の測定波形図。 第12図は比較例において線路伝ばんによるパルスの波
形歪を説明する図。 第13図は比較例において線路の構成を示す図。 第14図は比較例において分岐線路で観測されるパルス
波形を説明する図。 第15図は比較例において分岐線路の伝ばん経路を説明
する図。 1・・・被試験通信線路、2・・・パルス送信部、3・
・・ハイブリッド回路、4・・・パルス受信部、5・・
・ブラウン管、6・・・端子、7・・・制御回路、8・
・・データメモリ、9・・・整合用トランス、10・・
・演算部、11・・・信号処理回路、12・・・比較手
段、13・・・線路構成入力手段、14・・・故障モー
ド入力手段、15・・・仮想故障位置設定手段、16・
・・反射波形演算手段、17・・・表示装置、18・・
・キーボード、20.21・・・高域通過フィルタ。 昂 3 圓 宣 回 (か克?!、) イ4qのf1位31(x to’ rn) ’、Pf’
S5回゛ 第 観 周波、収 (MHz) フィルタのイ云遺関牧 昂 7 図 周波板 島端d(匿フィルタの伝遺閲収 雷° 8 口 (a) Eliinl 二2シ)OOm (b) 故障位JL: 3000m fct稚定誤差のWI!I赤 (改障モード:餠織〉昂
 9 図 昂 0 回 ム f 碍闇 1定ゑ19if」 第11  回 呼量 (μS) 昂 2 回 雷 3 圓 0 20         30 畔關 (刀S) 0 昂 4 回

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、被試験通信線路(1)を接続する端子(6)と、こ
    の端子を介してその通信線路にパルスを送信するパルス
    送信部(2)と、 その通信線路から反射パルスを受信するパルス受信部(
    4)と、 表示装置(17)と を備えた通信線路の故障位置探索装置において、前記受
    信部の受信信号波形をディジタル信号に変換するAD変
    換回路を含む信号処理回路(11)と、前記被試験通信
    線路の構成データおよびその線路の故障モード毎のパラ
    メタを与える手段(8)と、前記被試験通信線路上に仮
    想の故障位置を設定し前記構成データおよび前記パラメ
    タに基づき演算した反射波形と前記信号処理回路の出力
    する実測した反射波形とを比較し、両波形が実質的に一
    致するときの仮想の故障位置をその被試験通信線路の故
    障位置として前記表示装置に表示させる演算部(10)
    と を備え、さらに、 前記演算した反射波形と前記実測した反射波形がそれぞ
    れ通過する高域通過フィルタ手段(20、21)を備え
    た ことを特徴とする通信線路の故障位置探索装置。
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