JPH0346109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、コンクリート建築物に発生した亀裂
に補修剤を注入して補修作業を行なうのに使用す
るための注入器に関する。

従来技術と問題点 上記補修剤注入器としては、各種の構造が提案
されているが、亀裂に沿つて補修剤の注入部位を
変更しながら注入作業を行なう時は、注入器の移
動中に補修剤が漏出してはならないため、圧力ポ
ンプを停止せしめたり、シリンダーの注出口を蓋
体で閉塞せしめたりしていた。そのため、圧力ポ
ンプを運転再開−亀裂への補修剤注入−圧力ポン
プの運転停止又は注入器のシリンダーの注出口閉
塞−注入器の移動による注入部位の変更−圧力ポ
ンプの運転再開又はシリンダーの注出口開放−以
下同じ順序で煩わしい作業を繰返さなければなら
ず、補修作業が非能率になるきらいがあり、こと
に注入器の移動距離が僅かな場合などに、いちい
ち圧力ポンプを操作することやシリンダーの注出
口に別部材の蓋体を当接せしめて閉塞することな
どの補修剤漏出防止対策は、補修作業員にとつて
非常に手間のかかる面倒なことであり、もつと手
軽に補修剤の漏出防止を達成できる至便な補修剤
注入器の提案が要望されている。

問題点解決のための技術手段 本考案は、かかる要望に対して提案するもの
で、シリンダーに回動自在に取付けたノズルを回
動せしめるだけの簡単な操作で移動中の注入器か
らの補修剤の漏出を防止しながら、かつコンクリ
ート躯体内部の空気抜きを行ないながら補修剤注
入作業を行ない得る有益な注入器の提供を目的と
する。

該目的を達成するための本発明の技術手段は、
シリンダー先部の端壁における偏心位置に注入口
を開穿し、かつシリンダーの基部近くにフランジ
を突設して基部に接着剤用塗代を形成し、シリン
ダーに回動自在かつ脱着自在に取付けるノズルの
注入口を中心位置に開口せしめると共に、その注
入口に連通する注出口をシリンダーの注入口に対
応する偏心位置に開口したことである。

作用効果 本考案は、上記の技術手段からなるので、シリ
ンダー端壁の注入口にノズルの注出口を対応せし
めて連通せしめれば、ノズルからシリンダー内へ
補修剤を注入することが可能になり、亀裂に沿つ
て配置したシリンダーから亀裂に補修剤を注入す
ることができる。そして、注入器を移動せしめて
注入部位を変更するときは、シリンダーをコンク
リート躯体から離し、シリンダー又はノズルのい
ずれか片方を回動せしめ、シリンダーの注入口と
ノズルの注出口とを対応しない位置にずらして不
連通にすれば、シリンダーから補修剤が漏出する
ことがなくなる。従つて、圧力ポンプ操作、別部
材の蓋体でシリンダーの注出口を閉塞する閉塞手
段などの煩わしい手間を一切省略することが可能
になり、シリンダー又はノズルを回動せしめると
いう頗る簡単な回動操作で補修剤の漏出を防止し
ながら、能率よく補修作業をすすめることのでき
る有益な注入器を提供できる。

実施例 本考案の実施例を図面について説明すれば、シ
リンダー１は、先部に形成した端壁１０１の偏心
位置に注入口２を開穿し、かつシリンダー１は、
基部近くにフランジ３を突設し、そのフランジか
ら基部に至る間に仮止め接着剤用の塗代４を形成
する。シリンダー１は、筒壁外面に環状突条８を
周設する。シリンダー１は、上記注入口２によつ
てシリンダー内への補修剤の注入が可能になり、
上記塗代４に仮止めする接着剤を塗布することに
よつて建築物の亀裂に沿う配置が可能になり、上
記環状突条８によつてノズル５を回動自在かつ脱
着自在に取付けることが可能になる。シリンダー
１のフランジ３は、塗代４を形成するために突設
したもので、補修作業に際して図示の如く仮止め
するための接着剤１０を塗布し、圧力ポンプ（不
図示）から圧送されてくる補修剤の圧力で位置ず
れを起さないようにし、補修作業終了後はシリン
ダー１を接着剤１０ごと補修箇所から剥離せしめ
て他の補修箇所へ移動せしめる。ノズル５は、圧
力ポンプ（不図示）から圧送されてくる補修剤が
注入される注入口６を中心位置に開口せしめ、そ
の注入口に連通する注出口７をシリンダー１の注
入口２に対応する偏心位置に開口し、シリンダー
１の先部に回動自在に取付ける。ノズル５は、先
部の厚肉部に注入口６及び注出口７を開口せし
め、基部側に取付凹部５０１を凹設して帽体状に
構成し、かつその凹部の内周面に環状凹溝９を周
設せしめ、その凹溝をシリンダー１の環状突条８
に係合せしめることにより、ノズル５をシリンダ
ー１に回動自在に取付ける。

シリンダー１及びノズル５の取付構造の他例に
言及すると、シリンダー１の端壁１０１図示位置
よりも基部側位置に形成し、注入口２を偏心開穿
し、端壁１０１よりも先部側の内周面に不図示の
環状凹溝又は不図示の環状凸条を突設せしめ、基
部を図示例と同様に形成して全体を構成する。一
方、ノズル５は、先部の厚肉部にシリンダー１の
内径に適合する小径の取付部を突設して栓体状に
形成し、厚肉部の中心に注入口２を開口すると共
に、その注入口に連通する注出口７を小径取付部
においてシリンダー１の注入口２に対応する偏心
位置に開口せしめ、小径取付部の外周面にシリン
ダー１の上記凹溝又は上記凸条に係合する環状凸
条又は環状凹溝を周設して構成する。そして、シ
リンダー１にノズル５の小径取付部を回動自在か
つ脱着自在に嵌合せしめると共に、上記環状凸条
と環状凹溝とを係合せしめれば、前記したと同様
な作用効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案注入器の一例を示すシリンダー
とノズルとの分離縦断正面図、第２図は補修作業
中を表わす説明図、第３図は第２図の−線に
よる縦断面図で補修剤を省略して示し、第４図は
注入器の移動直前を表わす説明図、第５図は第４
図の−線による縦断面図で補修剤を省略して
表わす。 図中、１：シリンダー、１０１：端壁、２：注
入口、３：フランジ、４：塗代、５：ノズル、
６：注入口、７：注出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダー先部の端壁における偏心位置に注入
   口を開穿し、かつシリンダーの基部近くにフラン
   ジを突設して基部に接着剤用塗代を形成し、シリ
   ンダーの先部に回動自在かつ脱着自在に取付ける
   ノズルの注入口を中心位置に開口せしめると共
   に、その注入口に連通する注出口をシリンダーの
   注入口に対応する偏心位置に開口した建築物の亀
   裂補修剤用注入器。