JPH0345300Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はカセツト式テープレコーダのトルクを
測定するための装置に関する。

背景技術とその問題点 従来よりカセツト式テープレコーダのテープの
走行状態における巻取りトルク（動トルク）を測
定する装置が知られている。この装置は通常のテ
ープカセツトを改良したもので、カセツト内の巻
取りリールハブを内輪と外輪との二重構造と成
し、内輪にテープレコーダの巻取りリール軸が嵌
合されるように成されると共に、外輪にテープが
巻回されている。また内輪と外輪とはバネを介し
て結合され、且つ内輪、外輪の一方に目盛が設け
られ、他方にこの目盛を指示する指標が設けられ
ている。このカセツトを用いてトルク測定を行う
場合は、このカセツトを通常のカセツトと同様に
テープレコーダに装着してテープを順方向に走行
させる。通常のテープレコーダでは巻取りリール
軸はテープ走行速度より速く回転してテープを巻
取るので、内輪と外輪とがテープの巻取りトルク
に応じた角度だけずれて上記バネによりバランス
した状態で回転する。このずれの大きさを上記指
標が指示する目盛から読み取ることにより、巻取
りトルクを測定することができる。尚、テープが
順方向と逆方向とに走行する場合の夫々の巻取り
トルクを測定することができるように、巻取りリ
ールハブと供給リールハブの両方を夫々内輪と外
輪との二重構造としたトルク測定用カセツトも知
られている。

而して上述した従来のトルク測定装置では、巻
取りトルクを上記目盛から読み取るときは、内輪
と外輪とが回転しているので、指標が指示する目
盛が非常に読み難い。特にテープを早送り、巻戻
し等のように高速走行させた場合のトルク測定を
行う場合は、内輪と外輪とは非常な高速で回転す
るので、目盛の読み取りは殆んど不可能となる。

考案の目的 本考案は上記問題を解決するもので、内輪と外
輪が高速で回転しても容易に目盛りを読み取るこ
とができるようにしたトルク測定装置を提供する
ものである。

考案の概要 本考案は、トルク測定用カセツトと結合される
筐体内に回転検出手段及び発光手段がそれぞれ配
され、上記筐体に視認用窓又は開口が設けられ、
上記トルク測定用カセツトは、リール軸に係合し
て回転する内輪と、この内輪の外側に弾性体を介
して連結され且つテープが巻回された外輪と、こ
れらの内輪及び外輪の一方に設けられた目盛と、
他方に設けられた指標及び回転検出用マークとを
それぞれ有し、上記回転検出用マークは、上記指
標に対して適当角度離れた位置に配置され、上記
回転検出手段は、上記指標が上記視認用窓又は開
口にほぼ最接近したとき、上記回転検出用マーク
を検出する位置に配置され、上記発光手段は、上
記回転検出手段により上記回転検出用マークが検
出されたとき、上記目盛とこの目盛を指示する上
記指標とをそれぞれ照射するように構成したトル
ク測定装置に係るものである。

このように構成された本考案によれば、発光手
段により照射されたとき、目盛と指標とは筐体内
で実質的に静止して見え、特に、指標は常に視認
用窓又は開口にほぼ最接近した所定の位置に静止
して見えるから、指標により指示されている目盛
をきわめて容易に読み取ることができ、また、こ
のトルク測定作業が他の作業者の作業の邪魔にな
ることもない。

実施例 第１図及び第２図において、本考案によるトル
ク測定装置１は筐体２の中にトルク測定用カセツ
ト３が収納された構造となつている。尚、第１図
及び第２図はトルク測定装置１をテープレコーダ
のカセツト装着部４に装着した状態を示してい
る。筐体２の前面には視認用窓又は開口５が形成
されていて、内部のカセツト３の上面を外部から
見ることができるように成されている。筐体２の
内部にはカセツト３の他にフラツシユランプ６及
びプローブ７が設けられている。プローブ７は支
持杆体８に支持されており、この支持杆体８は一
端を筐体２の後面２ａに支持具９により回動自在
に支持され、他端は筐体２の前面２ｂに設けられ
たスリツト１０から外部に突出され、その先端に
は操作摘み１１が設けられている。この操作摘み
１１を操作して水平方向に移動させると、支持杆
体８が支持具９を支点としてスリツト１０に沿つ
て回動し、これに伴つてプローブ７が第１図の実
線で示す位置から仮想線で示す位置に移動する。
このプローブ７の内部には発光ダイオード３５と
フオトトランジスタ３６とが設けられている。

上記カセツト３は前述したテープの順方向及び
逆方向の走行に関してトルク測定を行うようにし
たもので、順方向走行のとき供給側となるリール
ハブ１２及び巻取り側となるリールハブ１３は
夫々二重構造と成されている。上記リールハブ１
３は内輪１４と外輪１５とから成り、両者の間に
はベアリング１６とバネ１７とが介在されてい
る。上記リールハブ１２も内輪１８と外輪１９と
によりリールハブ１３と同様に構成されている。
一方の内輪１４にはテープレコーダの巻取り側リ
ール軸２０が嵌合され、他方の内輪１８には供給
側リール軸２１が嵌合されるように成されてい
る。外輪１５，１９にはテープ２２が巻回され、
このテープ２２は、ガイドピン２３、ガイドロー
ラ２５及びガイドピン２６に架けめぐらされ、テ
ープレコーダに設けられピンチローラ２７とキヤ
プスタン２８とにより走行させられる。

内輪１４の上面は黒色に塗られており、この黒
地に指標２９及び白色の回転検出用のマーク３０
が互いに90°離れて設けられている。外輪１５に
は上記指標２９で指示される目盛３１が設けられ
ている。内輪１８の上面も黒色に塗られ、指標３
２及び白色のマーク３３が設けられ、また外輪１
９に目盛３４が設けられている。

次に上記構成によるトルク測定装置１を用いて
トルク測定を行う場合の動作を説明する。

プローブ７を実線で示す位置として、テープ２
２を矢印ａで示す順方向に走行させる。これによ
つて巻取り側の内輪１４と外輪１５とが巻取りト
ルクに応じた角度だけずれた状態で回転する。
尚、このとき供給側の内輪１８と外輪１９とはず
れることなく一体的に回転している。内輪１４と
外輪１５とがずれた状態で回転するとき、プロー
ブ７は内輪１４の上方にあつて発光ダイオード３
５からの光が内輪１４の黒地の面を照射する。そ
して上記マーク３０がプローブ７の下を通過する
とき、上記光がこのマーク３０で反射されてフオ
トトランジスタ３６で受光される。この受光に応
じて第３図のフラツシユランプ駆動回路５０が動
作され、フラツシユランプ６が瞬間的に発光す
る。筐体２の内部は暗くて外部から見えにくい
が、上記ランプ６の発光で瞬間的に明るくなり、
これによつて内輪１４と外輪１５に設けられた指
標２９と目盛３１とを外部から見ることができ
る。ランプ６はプローブ７の下をマーク３０が同
じ周期で１回転に１回通過する毎にストロボ的に
発光するので、外部からは内輪１４と外輪１５と
が静止しているように見える。従つて、指標２９
が指示する目盛３１のトルク値を容易に読み取る
ことができる。

テープ２２を矢印ｂで示す逆方向に走行させる
場合は、操作摘み１１を操作してプローブ７を仮
想線で示す位置に移動させる。逆方向走行は巻取
り側となる内輪１８と外輪１９とがずれて回転
し、プローブ７でマーク３３が検出されるとラン
プ６がストロボ発光する。これによつて指標３２
が指示する目盛３４のトルク値を容易に読み取る
ことができる。

次にフラツシユランプ駆動回路５０について第
３図と共に説明する。

図において、３７は交流電源コンセント、３８
は電源トランス、３９，４０は整流ダイオード、
４１，４２，４３は平滑コンデンサ、４４は電圧
安定化回路、４５はサイリスタ、４６はトリガ用
コンデンサ、４７はトリガ用トランス、４８は感
度調整用抵抗、４９はチヨークコイルである。

上記構成によれば、交流電源電圧が整流平滑さ
れた直流電圧がランプ６の両端に加えられ、且つ
コンデンサ４が充電された状態で、前記マーク
３０又は３１が検出されると、発光ダイオード３
５の光がフオトトランジスタ３６で受光されてこ
のトランジスタ３６が導通する。これによつて電
圧安定化回路４４からの電流がトランジスタ３６
を通じてサイリスタ４５のゲートに加えられ、こ
のサイリスタ４５が導通する。この結果コンデン
サ４６がサイリスタ４５を通じて放電し、この放
電電流によつてトリガ用トランス４７の２次側に
トリガパルスが発生する。このパルスによりラン
プ６がトリガされることにより、このランプ６を
発光させることができる。

回転検出用のマーク３０，３３が指標２９，３
２に対して適当角度90°離れた位置に設けられ、
また、プローブ７がリール軸２０，２１を結ぶ線
の上方に設けられている。このため、フラツシユ
ランプ６は、上記指標２９，３２が第１図に示す
ように開口５にほぼ最接近したときに発光する。
従つて、最も読み取り易い所定の位置にあるこれ
らの指標２９，３２により指示される目盛３１，
３４によつて表わされるトルク値を、プローブ７
に邪魔されることなく容易に読み取ることができ
る。

考案の効果 本考案によれば、発光手段が筐体内で目盛と指
標とを照射するとき、目盛と指標とは筐体内で実
質的に静止して見え、特に、指標は常に視認用窓
又は開口にほぼ最接近した所定の位置に静止して
見える。従つて、指標が存在する位置を探す必要
がなく、また、指標及び目盛が回転検出手段によ
つて遮られることもないから、指標により指示さ
れている目盛をきわめて容易に読み取ることがで
き、特に、テープを高速走行させる場合の巻取り
トルクの測定に用いて有効である。

また、発光手段は、視認用窓又は開口を設けた
筐体内に配されているから、このトルク測定装置
を用いて行うトルク測定作業が他の作業者の作業
の邪魔になることもない。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の実施例を示すもので、第
１図は一部断面斜視図、第２図は一部断面側面
図、第３図はフラツシユランプ駆動回路の回路構
成図である。 なお図面に用いられた符号において、１…トル
ク測定装置、３…トルク測定用カセツト、５…視
認用窓又は開口、６…フラツシユランプ、７…プ
ローブ（回転検出手段）、１４…内輪、１５…外
輪、２０…リール軸、２９…指標、３０…回転検
出用マーク、３１…目盛、３５…発光ダイオー
ド、３６…フオトトランジスタである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トルク測定用カセツト３と結合される筐体２内
   に回転検出手段７及び発光手段６がそれぞれ配さ
   れ、 上記筐体２に視認用窓又は開口５が設けられ、 上記トルク測定用カセツト３は、リール軸２０
   に係合して回転する内輪１４と、この内輪１４の
   外側に弾性体を介して連結され且つテープが巻回
   された外輪１５と、これらの内輪１４及び外輪１
   ５の一方に設けられた目盛３１と、他方に設けら
   れた指標２９及び回転検出用マーク３０とをそれ
   ぞれ有し、 上記回転検出用マーク３０は、上記指標２９に
   対して適当角度離れた位置に配置され、 上記回転検出手段７は、上記指標２９が上記視
   認用窓又は開口５にほぼ最接近したとき、上記回
   転検出用マーク３０を検出する位置に配置され、 上記発光手段６は、上記回転検出手段７により
   上記回転検出用マーク３０が検出されたとき、上
   記目盛３１とこの目盛３１を指示する上記指標２
   ９とをそれぞれ照射するように構成したトルク測
   定装置。