JPH0344693Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は各種の食料品、嗜好品などを収容した
複数個の容器を重ね合わせて携行できるようにし
た重ね合わせ容器の固定用バンドに関するもので
ある。

（従来例の構成とその問題点） 従来から、同一形状の容器を複数個、重ね合わ
せて携行する場合、積層状態にしてバンド体で巻
装、固定することが行われているが、バンド体を
巻着してもその巻装方向と直交する方向に容器が
ずれる虞れがあり、そのため、バンド体を容器の
縦横方向に交叉状態で巻着する必要があつてその
操作に手間取るばかりでなく、このように巻着し
ても容器同志が水平方向に回動するようなズレが
生じ、完全な固定が困難であると共に携行しにく
くなるという問題点があつた。

又、重ね合わせを可能にするために、この種の
容器には一般に把手が設けられてなく、そのため
積層状態にしてバンド体を固定しても別に把手体
を設けなければならない。

このように把手体を別個に必要とすることは、
その取りつけが煩わしくなる上に重心上に正確に
取りつけることが困難で、把持した場合に容器が
傾いて携行しにくくなる等の問題点があつた。

さらに、積み重ねた容器をバンド体で巻着、固
定すると、容器の取外しに著しい手間を要するも
のである。

このようなバンド体による積み重ね容器の結束
手段に代えて、一定長さ間隔毎にフツク部を形成
した縦長長方形状の金属板よりなる脚体を一対、
その上端部間を把手により連結すると共にこれら
の脚体のフツク部を容器の両側に設けた係止孔部
に係止させて複数の容器を積み重ね状態で携行で
きるように構成したものが考案されているが、最
上部の容器の蓋を押えるための蓋押え金具や該金
具を押圧するバネなどを別に必要として構造が複
雑となり、各部品の組立てを要して製品が高価に
つくという問題点がある。

さらに、全体の形状を剛直な門形形状に形成さ
れているため、取扱い難く且つ不使用時の保管場
所に苦慮するばかりでなく、両側脚体の各フツク
部は一定位置に固定された状態となつているの
で、積み重ねた数個の容器の両側に設けた係止孔
部に、対応するフツク部を全て同時に係止させな
ければならず、従つて、予め、各容器の係止孔部
をフツク係合位置に正確に対向するよう容器を重
ね合わせておかなければ、係止させることができ
ないものである。

その上、積み重ね容器の数を減少させた場合に
は、最下部の容器からフツク部を設けた両側脚体
の下端部が下方に向かつて垂下した状態となり、
その突出脚部が邪魔になつて容器を取付けたまゝ
床面等の上に載置することができず、このため、
両側で対となつた全てのフツク部に容器を係止さ
せなければ事実上、使用できないという問題点が
ある。又、把手が容器から突出しているために容
器を載置した場合には邪魔になると共に人手等が
把手の引つ掛かつて容器が転倒する虞れがある。

本考案はこのような問題点を解消した重ね合わ
せ容器の固定用バンドの提供を目的とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の重ね合わ
せ容器の固定用バンドは、実施例に対応する図面
に示すように、柔軟性を有する細幅帯状のバンド
主体１の中央部をその下面が容器５の蓋上面から
両側部壁面にかけて接する長さに形成すると共に
該バンド主体１の中央部から長さ方向の対称位置
に容器５の両外側壁に突設した突片８に係脱可能
な係止孔４，４……を容器５の高さと同一長さ寸
法毎に設け、さらに、バンド主体１の前記中央部
の両側縁にバンド主体１と同一平面上にして把手
２，２を上方に屈曲、起立可能に連設したことを
特徴とするものであり、把手２，２を設けたバン
ド中央部の下面で容器５の蓋を押さえた状態で把
手２，２を中央にして対称位置に設けた係止孔
４，４……を重ね合わせた複数個の容器５，５の
両外側壁に突設している突片８，８に順次係止さ
せ、把手２，２を起立させて携行できるように構
成したものである。

（実施例の説明） 本考案の実施例を図面について説明すると、１
は適度に柔軟性を有する合成樹脂材料或いは合成
皮革等より形成した細幅帯状のバンド主体で、そ
の中央部を容器５の外蓋９の上面から該容器５の
両外側面にかけて接する長さに形成すると共に該
中央部の両側縁に弓形状の把手２，２をバンド主
体１と同一平面上にして一体に連設してあり、こ
の把手２，２のバンド主体１との連接基部を薄肉
部３，３に形成して該薄肉部３，３から把手２，
２を上方に屈曲、起立可能にしてある。

４，４，４は把手２を中央にしてバンド主体１
の長さ方向の対称位置に設けた複数対の係止孔
で、隣接する係止孔４，４間の長さ寸法を容器５
の高さと同一寸法にしてある。

これらの係止孔４はバンド主体１の幅方向に細
長い長方形状ないしは長円形状に形成され、その
周縁部６をバンド主体１よりも肉厚にして強度を
大にしてあり、さらに周縁部６の内周長辺部に、
互いに先端を近接させて対向した係止片７，７を
突設してある。

８，８は容器５の両側壁上端部中央に水平方向
に向かつて突設した突片で、前記係止孔４に挿通
可能な形状に形成してある。

又、最上段に重ね合わせる容器５には第２図に
示すように外蓋９を被せてあり、この外蓋９と容
器５の蓋体１０間の空間部に皿１１，１１を収容
してある。

さらに、前記バンド主体１の把手２に隣接する
係止孔４の把手側部分に幅方向の条溝１２，１２
……１２を把手２に向かつて複数条刻設してあ
り、この部分を外蓋９の湾曲周縁部に沿つて屈曲
させるようにしてある。

このように構成したので、積層状態に重ね合わ
せた容器５，５，５における最上段の容器５の上
面中央部長さ方向にバンド主体１の中央部を沿わ
せ、条溝１２を介して該容器５の両側周縁部に沿
つて下方に屈曲させると共に容器５，５，５の両
側突片８，８に把手２から対称位置にある係止孔
４，４を順次係止させる。この際、係止孔４，４
の内周に突設した係止片７，７が突片８を上下面
より挟着してバンド主体１を固定させると共に突
片８の先端を膨大部（肉厚部）１３に形成してお
くことにより抜け止めを行うことができる。

この状態で把手２，２を起立させ、人手で把手
して携行するものである。

（考案の効果） 以上のように本考案の重ね合わせ容器の固定用
バンドは、柔軟性を有する細幅帯状のバンド主体
１の中央部をその下面が容器５の蓋上面から両側
部壁面にかけて接する長さに形成すると共に該バ
ンド主体１の中央部から長さ方向の対称位置に容
器５の両外側壁に突設した突片８に係脱可能な係
止孔４，４……を容器５の高さと同一長さ寸法毎
に設け、さらに、バンド主体１の前記中央部の両
側縁にバンド主体１と同一平面上にして把手２，
２を上方に屈曲、起立可能に連設してなるもので
あるから、バンド主体１は柔軟性を有するので、
容器５の両外側壁に突設した突片８に係脱可能な
係止孔４，４……は、バンド主体１の中央部を最
上段の容器の蓋に沿わせた状態においても容器５
の突片８に対して接離する方向に自由に移動させ
ることができ、従つて、重ね合わせた複数個の容
器５に多少のズレが生じていても、該容器５の突
片８とバンド主体１の係止孔４との位置合わせを
行いながら、一個宛、順次確実に係止させていく
ことができるものであり、蓋をバンド主体１の中
央部で押さえて不測に外れるのを防止した状態に
して積み重ね容器全体を一本のバンドにより簡単
且つ強固に固定することができるものである。

さらに、容器５の積み重ね個数を減少させた場
合においても、最下部の容器底部から垂下するバ
ンドの下端部を該容器に対して内外方向に屈曲さ
せれば、容器の底面を床面等の上に安定した状態
で載置することができるから、所望個数の容器を
積み重ねた状態で携行できるものである。

又、バンド主体１の中央部両側縁に把手２，２
を起立可能に連設しているので、従来のように別
に把手体を取付けることなく該把手２，２を起立
させて手軽に持ち運びができると共に、容器５を
適所に置いた場合には把手２，２を倒して蓋上に
沿わせることにより不測の引つ掛かりをなくする
ことができる等の実用的効果を奏するものであ
る。

又、バンド主体１が不必要な場合には折り畳み
状態にして空の容器などに簡単に収納しておくこ
とができる等の特長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
平面図、第２図は重ね合わせ容器に装着した状態
の一部を断面した側面図、第３図はその平面図で
ある。 １はバンド主体、２は把手、４，４は係止孔、
５は容器、８，８は突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟性を有する細幅帯状のバンド主体１の中央
   部をその下面が容器５の蓋上面から両側部壁面に
   かけて接する長さに形成すると共に該バンド主体
   １の中央部から長さ方向の対称位置に、容器５の
   両外側壁に突設した突片８に係脱可能な係止孔
   ４，４……を容器５の高さと同一長さ寸法毎に設
   け、さらに、バンド主体１の前記中央部の両側縁
   にバンド主体１と同一平面上にして把手２，２を
   上方に屈曲、起立可能に連設してなる重ね合わせ
   容器の固定用バンド。