JPH0344278Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野〕 本考案は、針弁の振れを減じ安定した吹付けを
可能とする建築用スプレーガンに関する。

〔背景技術〕

タイル、クレータの模様塗料、スタツコ塗料等
の建築用の塗剤を複数個並置することによつて、
異なる素材の塗料を同時に吹付けし、模様状の塗
付面を形成することが行われている。

しかし従来の建築用スプレーガンでは、吹出し
口を開閉する針弁が塗料室背部の巾狭の隔壁のみ
により支持されていたため、該針弁は吹出し口の
開放に際して、塗剤の圧力等により吹出し口から
心振れすることにより、吹付け開始時の塗付状態
が操作ごとに変化しやすく、従つて、とくに前記
した複数個の建築用スプレーガンを用いて模様吹
き等を行うときには、その模様が変化し、安定し
た吹付けが困難であつた。又この心振れは、塗料
容器を具えるものの他、塗剤を圧送する形式の塗
剤供給源に接続されるときに大きくなる。

〔考案の目的〕

本考案は、針弁を案内する支持金具を具え、吹
付けパターンを安定化でき、前記問題点を解決し
うる建築用スプレーガンの提供を目的としてい
る。

〔考案の開示〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図において建築用スプレーガン１は、塗剤供給
源Ｐに通じる塗料室５の吹出し口６を開閉する針
弁７を支持金具８により案内されており、又本実
施例では、塗剤供給源Ｐは塗料容器Ａであり、建
築用スプレーガン１は、その下端に形設されると
ともに、又建築用スプレーガン１は、押釦３の押
下げにより開放しうる開閉弁２を塗料容器Ａに側
設した把手１０内に設けている。

把手１０は、塗料容器Ａの上下で側方にのびる
支片１２，１３によつて挟持される中空管１４を
有し、前記押釦３を上端に具える押軸４を、支片
１２で螺着するナツト金具１５により辞端部を支
持する。又押軸４はその下端部を、支片１３下面
にボルト止めされる外筐１８の中心孔１８ａ上端
に螺入するナツト金具１６に師持されることによ
り上下動可能に保持される。又押軸４は、ナツト
金具１５，１６に設けるシール１７，１７により
軸封する。

前記押釦３は、第２図に示すように、押軸４上
端に螺着するボス部に、２つの突片１９，２０を
突設しており、該突片１９，２０は、前記支片１
２上で押軸４近傍に設ける逆Ｌ字状の掛止片２２
を挟んで突設される。

従つて突片１９，２０により押軸４の回動角度
が規制されるとともに、掛止片２２の水平部２２
ａは、その下面が、押軸４の押下げ状態におい
て、突片１９の上面と略等しく設定されることに
より、押軸４即ち押釦３の押下げ及び回動によつ
て、突片１９は掛止片２２の水平部２２ａに掛止
され押下げ状態を保持でき係止手段２１を構成す
る。

さらに前記押軸４は、その下面中央に弁体２６
の弁軸２３を、シール等を介することなく遊挿す
る案内孔２４を穿設している。又前記弁軸２３
は、案内孔２４に比べて長寸に設定することによ
り、押軸４の押下げにより弁体２６は下方に押圧
され、又弁体２６は、前記ナツト金具１６ととも
に開閉弁２を構成する。

弁体２６は、前記中心孔１８ａ下端に螺入する
空気ニツプル２９との間に間挿されるコーン状の
バネ２５によつて押上げられる。

さらに弁体２６は、その上面の気密リング３０
が、ナツト金具１６下面に設けられる。下方に広
がるテーパ状の弁座に、バネ２５の付勢力により
当接し、弁座を封止することにより、開閉弁２は
中心孔１８ａ下端の空気ニツプル２９からのびる
空気流路Ｃを閉じ、又押釦３の押下げにより開放
する。又ナツト金具１６は下端を前記中心孔１８
ａの段付部でシールされる。

この空気流路Ｃは、その出口が、ナツト金具１
６の弁座上方に設ける側孔、弁箱１８の斜孔３
３、上方に設ける斜孔３３をへて外筐１８を貫通
する導孔３４に通じる。なお導孔３４の一端に
は、側孔３３を通る空気を調量する調量弁３５を
設けるとともに、導孔３４の他端には、調量され
た空気を導出する空気ニツプル３６を設けてい
る。

前記塗料容器Ａは、下部にコーン部を有する筒
状をなし、又上端には、円弧片状の覆板３９を設
けるとともに、その下端の小筒部が、建築用スプ
レーガン１の胴部４０に螺入することにより、該
建築用スプレーガン１をその下端に取付ける。

建築用スプレーガン１は前記小筒部が螺入され
る開口部４２に導通する塗料室５を胴部４０に有
し、又その前端には、吹出し口６を有するノズル
金具４６を、胴部４０に外着するキヤップナツト
４７により固定する。又胴部４０には、前記塗料
室５と、該塗料室５背部の隔壁４９を隔てる気室
１１が同心に並設される。

気室１１には、０リングを周囲に取付けるピス
トン５１が摺動可能に配設され、又ピストン５１
には、前記隔壁４９に設けるネジ孔に螺合するナ
ツト金具５３を軸封、挿通しかつ前記支持金具８
により案内される針弁７の後端が、袋ナツト５４
を用いて固着される。

なお針弁７は円管を用いた中空体からなる。

又支持金具８は、第３図に示すごとく、鍔部７
１の前面に六角状の掛止部７２を介して円筒部７
３を形成し、又後面にはネジ部７４を夫々同心に
連設しており、金属等の硬質材を用いて形成され
る。

又その中心には後端のパツキン挿入用の大径孔
７５で途切れかつ前記針弁７を比較的密に案内し
うる内孔７６を設けている。又支持金具８は、そ
のネジ部７４を、前記隔壁４９前面に、該前面の
ネジ孔７７に螺着することにより取付ける。なお
前記螺着に際して前記係止部７４にスパナ等のね
じ込み用の工具を係合させ、支持金具８を螺進さ
せる。支持金具８の螺着により前記鍔部７１の外
周面は隔壁４９前面の嵌入凹部７８に嵌合する。
又鍔部７１の背面は嵌入凹部７８の段差面に当接
することにより、支持金具８は前記隔壁４９の前
面かつ塗料室４４と同心に強固に取付けうる。

又支持金具８はその取付けにより、塗料室５内
に突出し、又支持金具８はその先端が前記開口部
４２の下方を、その中心を吹出し口６側にこえて
位置しうるようにその長さが設定される。従つて
該支持金具８は、長い寸度に亘りその内孔７６で
針弁７を案内しうる。

なお気室１１は、その後端を後キヤツプ５７に
より閉止され又後キヤツプ５７には、調節ネジ５
６が螺着する。又ピストン５１はバネ６１により
前に付勢する。

又針弁７にはピストン５１前端で開口する孔６
０を有し、孔６０は、針弁７の中空孔６２をへて
該針弁７先端の大径のチツプ６３に設け空気吹出
し口６４に導通する。又針弁７は、ピストン５１
の前進時において前記ノズル金具４６の吹出し口
４５を閉止できる。

又胴部４０には、前記隔壁４９の下部に、高圧
空気源に通じる前記空気ニツプル３６とホース６
８を介して接続する空気ニツプル６７を螺着する
横孔６９を設け、該横孔６９が、導孔７０を介し
前記気室１１の前方部に導通し、従つて前記開閉
弁２の出口は前記ホース６８をへて気室１１に連
通する。なお横孔６９の他側面には空気調量弁を
取付ける。

〔作用〕

然して本考案の建築用スプレーガン１におい
て、押釦３を押下げることにより、押釦４がバネ
２５に抗して、案内孔２４に遊挿される弁軸２３
を下降させることにより、弁体２６を弁座から離
させ、開閉弁２を開放する。

従つて空気ニツプル２９からの圧縮空気は、弁
座、斜孔３３、導孔３４、ホース６８、横孔６
９、導孔７０をへて気室１１の前方部に流入し、
ピストン５１を後方に移動させる。従つて針弁７
は吹出し口６を開放する。又気室１１の空気は孔
６０、中空孔６２をへて空気吹出し口６４から吐
出し、塗料室５に流下した塗料を、吹出し口６か
ら吐出する。

又針弁７は支持金具８により案内され、従つて
針弁７は、塗剤の圧力等によつても心振れするこ
となく常に一定の状態で後退して吹出し口６を開
き、吹付けの初期状態を安定化する。

又前記調節ネジ５６の調節により、針弁７の引
き代を加減し、塗料噴出量を制御する。又押軸４
の押下げ状態において押釦３を回動することによ
つて、突片１９は掛止片２２の水平部２２ａ下面
に掛止でき、吹付け状態を保持できる。

又弁軸２３は弁箱でシール等を介することなく
遊動可能に収納され、従つてシール抵抗を受ける
ことなく確実に上方に付勢され、弁座に確実に密
接でき、開閉弁２の開閉操作を確実とする。又物
の噛み込み等によつて押軸４の動作が不円滑とな
るときにも、その上端の押釦３が外部に露出して
いるため、該押軸４を強制的に上下動でき、噛み
込みを除去しうる。

又押軸４は、その上下をシール１７，１７によ
つて封止され、中空管１４への異物の侵入を阻止
するとともに、押軸４は上下のナツト金具１５，
１６を用いてその上下で案内でき、さらに弁軸２
３が案内孔２４に嵌り合うことによつて偏心等を
生じることなく確実に弁杆７を押圧できる。

又押釦３の押下げと同時に針弁７を進退でき、
塗料の吹付け動作を連動でき、操作性が向上す
る。

〔実施例〕

第４図は塗剤供給源Ｐが塗剤を圧送する形式の
塗剤圧送装置Ｂである本考案の他の実施例を示
す。

建築用スプレーガン１は、前記開口部４２にホ
ース９１を介して前記塗剤圧送装置Ｂに接続され
るとともに、胴部４０の前記横孔６９には、コツ
クである開閉弁２が取付き、開閉弁２は、ホース
６８を介して吹付け空気を供給する高圧空気源に
導通させる。

従つて開閉弁２を開くことにより、前記のごと
くピストン５１を後退させ針弁７が吹出し口６を
開くとともに、その先端が噴出する吹付け空気に
より、塗剤供給源Ｐから圧送される塗剤を吹出し
口６から吐出しうる。又支持金具８は、塗剤圧力
が作用する針弁７を案内し、その心振れを防ぐ。

なお本考案の建築用スプレーガンにおいて、ノ
ズル金具４６に、角部を突設して該角部に前記横
孔６９に通じるパターン調整用の孔（図示せず）
を形成し、又ガン本体Ｂに不使用時の倒れを防ぐ
脚台を形成するなど、種々な態様のものに変形で
きる。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の建築用スプレーガンは、
針弁を支持金具により保持、案内しているため、
吹出し口を心振れすることなく開放でき、吹付け
の初期パターンを安定化する。又、支持金具は硬
質材からなり、しかもねじ込み用の係止部を具え
るため、前記針弁の保持、案内精度をさらに高め
かつ針弁の取り換えが容易となり保守が簡易にな
しうる。従つて複数個並置して模様吹きを行う建
築用スプレーガンとして、特に好適に採用しう
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図はその外観を示す斜視図、第３図は支持金具を
拡大して示す斜視図、第４図は他の実施例を示す
斜視図である。 ２……開閉弁、３……押釦、５……塗料室、６
……吹出し口、７……針弁、８……支持金具、１
１……気室、４２……開口部、４９……隔壁、５
１……ピストン、７２……係止部、７３……円筒
部、Ａ……塗料容器、Ｃ……空気流路、Ｐ……塗
剤供給源。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建築用の塗剤を供給する塗剤供給源に通じる開
   口部を具えた塗料室の先端に吹出し口を形成し、
   かつ前記塗料室背部の隔壁を通りかつ内部を吹付
   け空気が通るとともに接離移動により前記吹出し
   口を開閉する中空の針弁を設ける一方、前記隔壁
   前面に、針弁を案内するとともに前記塗料室内部
   に突出する円筒部を有しかつ硬質材からなる支持
   金具を螺結し、しかも該支持金具にねじ込み用の
   工具が係合する掛止部を設けてなる建築用スプレ
   ーガン。