JPH0342320B2 - - Google Patents

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JPH0342320B2
JPH0342320B2 JP14366383A JP14366383A JPH0342320B2 JP H0342320 B2 JPH0342320 B2 JP H0342320B2 JP 14366383 A JP14366383 A JP 14366383A JP 14366383 A JP14366383 A JP 14366383A JP H0342320 B2 JPH0342320 B2 JP H0342320B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は石炭の脱灰装置に係り、特に高い炭分
回収率と脱灰率を与える浮遊選鉱法を用いた石炭
の脱灰装置に関するものである。
近年、火力発電所等においては石油から石炭へ
の燃料の転換が進められているが、石炭利用に関
する大きな課題の1つに、石炭中の灰分を可能な
限り低下させること、即ち高効率脱灰技術の開発
が挙げられる。
一方、石炭のハンドリングを容易にするため、
その流体化の研究が盛んに行なわれているが、そ
の代表的なものとして石炭と水の混合燃料である
CWM(Coal Water Mixture)がある。この
CWMを製造する際、石炭の粒径分布を調整する
ため微粒砕を必要とする。このため、CWM製造
と組合せ可能な脱灰技術としては、(1)微細粒子
(一般に300μm以下)としうること、(2)脱灰前後
での粒径変化が少ないこと、(3)炭分をより疎水化
するための油の消費量を最少限にできることなど
が必要条件となる。
従来、石炭の脱灰法としては、Oil
Agglomeration、浮遊選鉱法、重液分離など
種々の方法が提案されているが、その中でも浮遊
選鉱法が上記の条件に最も適しているものと思わ
れる(特願昭57−73378号)。
しかし、浮遊選鉱法により石炭を脱灰する場
合、浮選槽または浮選塔の中間から原料石炭を供
給し、精製炭はその上部から、および高灰分の残
炭は底部からそれぞれ排出するのが一般的方法で
ある。しかし、この方法は、気泡の上昇に伴つて
液の下向流を生ずるために、底部抜出口より炭分
を多く含んだ粒子が残炭とともに排出され、炭分
ロスとなる欠点がある。
また、炭分と灰分の分離度を高くするため、一
般に複数の浮選槽または浮選塔が用いられてい
る。これは炭分と灰分の分離の場を増やすことに
より分離度を高めようとするものであるが、複数
の浮選槽や浮選塔を用いることは、経済的に極め
て不利である。このため、一塔内で炭分のロスを
極力抑え、高い脱灰率を有し、かつ経済的な石炭
の脱灰技術の開発が望まれている。
本発明の目的は、炭分のロスが少なく、効率よ
く石炭中の灰分を分離できる石炭の脱灰装置を提
供することにある。
本発明は、浮遊選鉱法を用いて塔内で石炭中の
炭分と灰分を分離し、塔上部から精製炭を、およ
び塔下部から高灰分の残炭を回収する石炭の脱灰
装置において、塔内を多孔板により複数の区域に
区分したことを特徴とするものである。
本発明において、浮選塔に設置される多孔板の
孔径は1〜20mm程度(気泡径の5〜10倍が好まし
い)で開口率は10〜50%(好ましくは20%程度)
である。孔径や開口率が大きくなりすぎると、下
向流に伴なう炭分のロスを防止できなくなり、ま
た小さ過ぎると気泡の上昇を妨げ、多孔板表面で
気泡が合体して脱灰効果が低下する。
塔内における気泡の発生方法としては、
Denver型浮選機に代表される空気吸引式等も使
用可能であるが、捕収剤(例えばケロシン等の油
類)を加熱し、空気等の気体と混合して得たもの
を多孔質散気板を通して供給する方法が消費動力
低減等の点で好ましい。
以下、本発明を図面により更に詳細に説明す
る。
第1図は、本発明を実施するための石炭浮遊選
装置の系統図である。図において、浮選塔3は、
塔頂部に溢流管4、塔中段部に石炭スラリ供給管
1、塔下部に残炭抜出口5を有し、塔底部には気
泡および捕収剤を均一供給するための分散板9A
が設けられている。捕収剤は、炭分の疎水性を高
めるためのもので、ケロシン等の油が用いられ
る。塔内の石炭スラリ供給部の上下には多孔板2
が設けられている。なお、図中8は加熱器で補収
剤供給管6から供給される捕収剤を加熱する。気
化した捕収剤は、気体供給管7から供給される気
体とともに管路9から浮選塔底部に供給される。
上記の構成において、石炭は湿式または乾式粉
砕された後、必要に応じて水を添加して石炭−水
スラリとし、管路1から多孔板2を有する浮選塔
3に供給される。一方、捕収剤および気体は管路
6および7から加熱器8に送られ、ここで捕収剤
は蒸気となつて気体とともに管路9および散気板
9Aを通して浮選塔3内に供給される。なお、散
気板9Aとしては、素焼の他、プラスチツクガラ
スまたは金属の焼結体等で気孔径が1〜50μm程
度の多孔質構造体が好適である。炭分粒子は浮選
塔3内を上昇する。捕収剤を含む気泡に付着し、
塔内を上昇する。このようにして塔上部に濃縮さ
れた炭分粒子は管路4を通して系外に取出され、
一方、塔内に残留する高灰分の残炭は塔下部の抜
出口5から排出される。
上記浮選塔内3での液流の流れを第2図ロに模
式的に示した。なお、同図イは従来の多孔板のな
い浮選塔を用いた場合の比較図である。多孔板の
ない場合ロでは、気泡による上昇流に伴なつて下
向流が生じ、そのため塔下部より炭分が逃失する
が、多孔板を設けた本発明の場合イは、炭分を含
む下向流が多孔板により各室内で循環し、塔下部
の灰分排出口から炭分が逃失しない。また、分離
の場が増すため、多段化と同様に炭分と灰分の分
離度が増すという効果も得られる。
上述のように、本発明による多孔板は、塔内の
下向流による炭分のロスを防止するとともに、塔
内を複数の区域に分離したことにより、複数の塔
を用いることにより炭分と灰分の分離度が高めら
れるのと同じ効果を、1つの浮選塔で得ることが
できる。なお、上記第1図の実施例の浮選塔3は
横型の浮選槽としてもよく、この場合も同様な効
果が達成される。
以下、具体例によつて本発明をさらに詳細に説
明する。
実施例 1 −32メツシユに予備粉砕したタロン炭(灰分
34.5%)1000gと水1000mlをボールミル(有効容
積10)に入れ、200メツシユバス99%に微粉砕
した。これを、1000ppmの酢酸溶液を用いて石炭
10wt%に希釈し、浮選塔3(径65mm×600mm、塔
底部より200mmおよび400mmの所に孔径10mm、開口
率20%の多孔板を有する)に注入口(塔底部より
330mmの位置に)より石炭10g/mmの割合で供給
し、塔底部より80℃に加熱されたN2ガスを1.0
/minで供給し、このN2気流中にケロシンを
2μ/minの割合で注入した。塔内に残留した残
炭を含んだ液は塔底部の抜出口より100ml/min
抜き出した。浮選開始後約20分で定常状態にな
り、20分から60分までの平均として灰分12.1%の
精製炭が毎分7.10gが得られ、炭分回収率及び脱
灰率はそれぞれ95.3%及び75.1%であつた。
多孔板のない浮選塔についても同様な実験を行
なつたところ、灰分含有率14.4%精製炭6.96gが
回収され、炭分回収率及び脱灰率はそれぞれ91.0
%及び71.0%であつた。
このように、炭分回収率および脱灰率がともに
4%以上も向上することにより、炭分ロス(エネ
ルギーロス)は48%も減少し、燃焼灰も18%低減
できることがわかつた。
実施例 2 実施例1と同じタロン炭について、他の条件は
同一でN2ガス流量のみ2.0/minとした。
多孔板を設置しない場合、炭分回収率92.7%、
脱灰率69.8%であつたが、多孔板を設置すると炭
分回収率96.5%、脱灰率73.8%になつた。さらに
N2ガス流量を増加したが、多孔板の効果は変ら
なかつた。
実施例 3 プラトー炭(灰分7.7%)についても(実施例
1)と同じ条件で実験を行なつた。
多孔板を用いない場合、炭分回収率および脱灰
率はそれぞれ92.0%及び53.6%であつたが多孔板
を設置すると炭分回収率および脱灰率はそれぞれ
95.8%及び58.1%に向上した。灰分含有率の異な
る他の炭種についても実施したが、同程度の効果
が得られた。
実施例 4 実施例1と同じタロン炭について、孔径5mm、
開口率20%の多孔板を用い、他の条件は同一にし
て脱灰を行なつた。その時の炭分回収率および脱
灰率はそれぞれ95.0%および75.5%であつた。
実施例 5 実施例1と同じタロン炭について、孔径10mm、
開口率50%の多孔板を用い、他の条件は同一にし
て脱灰を行なつた。そのときの炭分回収率および
脱灰率はそれぞれ92.9%および72.8%であつた。
開口率60%以上および10%以下の多孔板につい
ても、同様な実験を行なつたが、開口率が50%を
超えると多孔板の効果がほとんど見られなくな
り、10%以下では多孔板表面で気泡が合体して、
炭分回収率および脱灰率がともに低下することが
わかつた。
実施例1の条件で多孔板の数を増加した場合の
炭分回収率および脱灰率の変化を調べた結果を第
3図に示す。ただし、この場合、多孔板は塔を等
分するように設置した。第3図に示される通り、
炭分回収率Aおよび脱灰率Bは多孔板の設置枚数
の増加によつて向上することが明らかである。ま
た、第4図は、孔径10mmの多孔板の開口率を変化
させた場合の炭分回収率および脱灰率を示したも
のであるが(ただし、多孔板は2枚設置し、他の
条件は実施例1と同じ)、多孔板の開口率は10〜
50%が適当(好ましくは20%)であることがわか
る。
以上、本発明によれば、浮遊選鉱法による石炭
の脱灰装置において、浮選槽または浮選塔に多孔
板を設けることにより、気泡の上昇による液の下
向流に伴なう炭分のロスを防止することができ、
さらに、浮選槽または浮選塔を多孔板で複数の部
分に分けることにより、炭分と灰分の分離の場を
増やし、その分離度を高めるという多段化と同様
な効果を得ることができ、炭分回収率および脱灰
率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の典型的な実施例を示す石炭
脱灰装置の系統図、第2図イ,ロはそれぞれ従来
および本発明装置における塔内の液流の状態をモ
デル的に示す図、第3図および第4図は、本発明
による多孔板が浮選結果に及ぼす影響を示した図
である。 1…スラリ供給管、2…多孔板、3…浮選塔、
4…溢流管、5…残炭抜出口、6…捕収剤供給
管、7…気体供給管、8…加熱器、9…管路、9
A…散気板。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 浮遊選鉱法を用いて塔内で石炭中の炭分と灰
    分を分離し、塔上部から精製炭を、および塔下部
    から高灰分の残炭を回収する石炭の脱灰装置にお
    いて、塔内を多孔板により複数の区域に区分した
    ことを特徴とする石炭の脱灰装置。
JP14366383A 1983-08-08 1983-08-08 石炭の脱灰装置 Granted JPS6035094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14366383A JPS6035094A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 石炭の脱灰装置

Applications Claiming Priority (1)

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JP14366383A JPS6035094A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 石炭の脱灰装置

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Publication Number Publication Date
JPS6035094A JPS6035094A (ja) 1985-02-22
JPH0342320B2 true JPH0342320B2 (ja) 1991-06-26

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ID=15344033

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JP14366383A Granted JPS6035094A (ja) 1983-08-08 1983-08-08 石炭の脱灰装置

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Families Citing this family (7)

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JPS6035094A (ja) 1985-02-22

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