JPH0342307Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、管継手に関し、特に油圧、空圧機器
等に配管を接続するのに用いて好適な管継手に関
する。

［従来技術］ 従来技術によるこの種の管継手を第４図および
第５図に示す。

図において、１は後述する配管１３を空気圧縮
機のドライヤに接続するための雌継手本体、２は
該雄継手本体１を構成する管体で、該管体２は前
記空気圧縮機のドライヤの合成樹脂製吐出口部３
に一体的に突出形成されており、その中心には配
管１３と後述の雄継手本体１１が挿嵌する段付き
の継手挿嵌孔４が形成されている。また、該管体
２の外周にはシリンダヘツド３寄りに位置して後
述するスリーブ８を係止するための係止溝５が凹
設されている。

６は前記管体２よりも長尺の筒体に形成された
合成樹脂製の係止部材で、該係止部材６の内周は
期端側が大径部６Ａに、先端側が小径部６Ｂにな
つた段付きに形成されており、大径部６Ａ周囲に
は前記係止溝５と逆向きの傾斜面をもつ係止溝７
が凹設されている。また、該係止部材６の先端部
は内向きに屈曲した鉤状係止部６Ｃに形成されて
いる。８は前記係止部材６を管体２に固着するた
めに、該係止部材６の大径部６Ａと管体２との間
に介装された金属製のスリーブで、該スリーブ８
の内周面と外周面には前記各係止溝５，７に係合
する環状爪部９，１０が突設されている。そし
て、該係止溝５と内周側の環状爪部９を係合する
ことにより、管体２にスリーブ８は係着され、他
の係止溝７と外周側の環状爪部１０を係合するこ
とにより、スリーブ８に係止部材６が係着される
結果、係止部材６は管体２に固着することができ
る。かくして、従来技術による雌継手本体１は管
体２、係止部材６およびスリーブ８の３部品から
構成されている。

次に、１１は前記雌継手本体１を介して後述の
配管１３を当該空気圧縮機に接続するための雄継
手本体で、該雄継手本体１１は中心に配管挿通孔
１２が設けられた挿入管１１Ａと、該挿入管１１
Ａの軸方向中間に位置して外周に突設された環状
突起１１Ｂとからなつている。１３は前記雄継手
本体１１に挿通された配管で、該配管１３の先端
側には雄継手本体１１の抜止めを防止するフラン
ジ１３Ａが摺接されている。１４は前記フランジ
１３Ａと雄継手本体１１先端との間に位置して配
管１３に嵌装されたＯリングである。

従来技術は上述の如く構成されており、配管１
３にＯリング１４と共に嵌装した雄継手本体１１
を該配管１３と共に雌継手本体１の継手挿嵌孔４
内に挿入し、環状突起１１Ｂを係止部材６の鉤状
係止部６Ｃに抗して嵌入させることにより、雌継
手本体１に雄継手本体１１は嵌着することができ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ 而して、叙上の従来技術にあつては、係止部材
６の先端には鉤状係止部６Ｃを形成するため、雌
継手本体１を合成樹脂材によつて一体的に型成形
することは不可能である。このため、管体２と係
止部材６とは別個に成型しなければならず、製造
工数が増加するという欠点があある。また、別個
に成型した管体２と係止部材６が共に合成樹脂製
である場合には、組付けた時に係合強度が不足す
るという問題がある。このため、管体２と係止部
材６との間に図に示すように金属製のスリーブ８
を介装して該管体２と係止部材６とが確実に係合
するようにしているが、部品点数の増加を招くと
いう欠点がある。一方、スリーブ８を不要にする
ために、管体２をシリンダヘツド３と共に金属材
で成形する方法も考えられるが、機械加工が必要
になり製造コストが嵩むという問題がある。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、本考案は接続が簡単で、振動等によつ
ても緩むことなく確実に係合でき、しかも少ない
部品点数で構成することができる管継手を提供す
ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上述した問題点を解決するために、本考案が採
用する手段は、雌継手本体は、継手挿嵌孔を有す
る管体と、該管体の周壁に先端から軸方向に形成
した切欠部と、該切欠部の軸方向途中に位置して
一側切欠面から他側切欠面に向けて突設した弾性
係止片と、該弾性係止片よりも管体の先端側に位
置して他側切欠面から一側切欠面に向けて突設さ
れ、該弾性係止片が撓められたとき該弾性係止片
が当接可能な係止突起とを合成樹脂材によつて構
成し、前記雌継手本体に挿嵌される雄継手本体
は、配管が挿通される配管挿通孔を有し、前記継
手挿嵌孔に挿嵌される挿入管と、該挿入管の外周
から径方向外側に突設され、前記切欠部から係止
突起、弾性係止片を介して挿嵌することにより該
弾性係止片に係合して抜け止めされる突起部とか
ら構成したことにある。

［作用］ このように構成することにより、雄継手本体の
挿入管を雌継手本体の継手挿嵌孔に挿入すると共
に、突起部を切欠部内に臨ませ、該突起部を係止
突起に案内させつつ強く押込むことにより、弾性
係止片を屈曲させて、該係止突起と弾性係止片と
の間から、切欠部の奥部に嵌入させればよい。こ
の状態で、雄継手本体を引張り、弾性係止片を撓
めても該弾性係止片は係止突起に当接して規制さ
れ、抜け止めを図ることができる。

［実施例］ 以下に、本考案の実施例を第１図ないし第３図
に基づいて詳述する。なお、前述した従来技術の
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、
その説明を省略する。

図において、２１は雌継手本体、２２は該雌継
手本体２１を形成する管体で、該管体２２は空気
圧縮機のドライヤの合成樹脂製吐出口部２３から
一体的に突出形成されており、その中心には配管
１３と後述の雄継手本体２９が挿嵌する段付きの
継手挿嵌孔２４が形成されている。また、該管体
２２の周壁２２Ａには左、右両側に位置して先端
から軸方向中間にかけて一対の幅広の切欠部２
５，２５が形成されている。２６，２６は後述の
雄継手本体２９を係止するために前記各切欠部２
５の軸方向途中に設けられた係止部を示す。ここ
で、２７は該各係止部２６を構成する矩形薄板状
の弾性係止片を示し、該弾性係止片２７は切欠部
２５の周方向一側切欠面２５Ａから他側切欠面２
５Ｂに向けて突設されており、その先端は切欠部
２５の周方向の横幅中心よりも上方に突出してい
る。一方、２８，２８は前記弾性係止片２７と共
に係止部２６を構成する略Ｖ字状の係止突起で、
該各係止突起２８は弾性係止片２７よりも管体２
２の先端側に位置して切欠部２５の他側切欠面２
５Ｂから一側切欠面２５Ａに向けて周方向の横幅
中心近くまで突出形成されている。そして、該係
止突起２８の外側傾斜面は後述する突起部３２を
案内する案内面２８Ａになり、管体２１の軸線に
垂直な内側垂直面は弾性係止片２７が当接する当
接面２８Ｂになつている。

かくして、本実施例における雌継手本体２１は
管体２２、該管体２２の周壁２２Ａに設けられた
一対の切欠部２５，２５、該各切欠部２５に設け
られた弾性係止片２７，２７および係止突起２
８，２８からなる係止部２６，２６とから構成さ
れている。

次に、２９は配管１１の外周に装着された雄継
手本体、３０は該雄継手本体２９を構成する挿入
管で、該挿入起３０の軸中心には配管挿通孔３１
が穿設されており、また基端側３０Ａ外周は継手
挿嵌孔２４に対応して大径に形成されている。３
２，３２は前記挿入管３０の先端寄りに位置して
径方向外側に突出形成された一対の突起部で、該
各突起部３２は切欠部２５の周方向横幅の略２分
の１の横幅と、管体２２の外周から径方向に若干
突出する高さを有する正面略正方形の角柱状に形
成されている。

かくして、本実施例における雄継手本体２９は
挿入管３０と、該挿入管３０の径方向外側に突出
形成された一対の突起部３２，３２とから一体に
形成されている。

本実施例による管継手は上述した雄継手本体２
１と雄継手本体２９とから構成されるが、次にそ
の接続操作について説明する。

まず、配管１３の先端側外周に嵌装した雄継手
本体２９を持ち、雌継手本体２１の継手挿嵌孔２
４に挿入すると共に、各突起部３２を各切欠部２
５内に臨ましめる。そして、雄継手本体２９を継
手挿嵌孔２４内に更に押込むように挿入するが、
このとき各突起部３２は各係止突起２８の案内面
２８Ａに案内されるから、雄継手本体２９は該係
止突起２８に妨げられることなく挿入できる。各
突起部３２が各弾性係止片２７に当接したら、雄
継手本体２９を強く押動して各弾性係止片２７を
第１図中矢示Ａ方向に屈曲せしめることにより、
各突起部３２は切欠部２５の奥部に嵌入させるこ
とができ、直線的に押込むだけで接続作業を行な
うことができる。

而して、本実施例によれば雄継手本体２９が管
体２２の先端方向に引張られて移動し、各突起部
３２が各弾性係止片２７に当接して各係止片２７
を矢示Ａ方向と逆方向に撓めても、該各係止片２
７は係止突起２８の当接面２８Ｂに当接する結
果、雄継手本体２９の移動は規制され、雄継手本
体２９が雌継手本体２１から抜け落ちることはな
い。なお、雄継手本体２９を離脱する場合には各
弾性係止片２７を予め矢示Ａ方向に撓めておくこ
とにより、雌継手本体２１から抜け出すことがで
きる。

［考案の効果］ 本考案は以上詳細に述べた如くであつて、雌継
手本体側の切欠部に弾性係止片と係止突起とを設
け、雄継手本体側の挿入管に突起部を設け、該突
起部を切欠部から係止突起、弾性係止片を介して
挿嵌し、該弾性係止片に係合して抜け止めを図る
構成としたから、下記各項の効果を奏する。

雌継手本体に雄継手本体を挿嵌した状態で、
該雄継手本体に抜出し方向の力が作用しても、
弾性係止片は係止突起に当接してその撓みが規
制されるから、雄継手本体の係合が確実に行な
われ、振動等によつて離脱することがなく、安
全性を確保することができる。

雌継手本体に雄継手本体を挿嵌するときに
は、該雄継手本体を軸方向に対して直線的に押
込み、弾性係止片を屈曲させるように挿嵌すれ
ばよいだけであるから、接続作業を極めて簡単
に行なうことができる。

雌継手本体と雄継手本体はそれぞれ単一部品
で形成することができるから、部品点数は最小
数の２部品で足りるし、組立て工数も大幅に減
少させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示
し、第１図は管継手の正面図、第２図は第１図中
の−矢示方向縦断面図、第３図は第１図中の
−矢示方向横断面図、第４図及び第５図は従
来技術を示し、第４図は雌継手本体の縦断面図、
第５図は雌継手本体と雄継手本体とからなる管継
手の縦断面図である。 ２１……雌継手本体、２２……管体、２４……
継手挿嵌孔、２５……切欠部、２６……係止部、
２７……弾性係止片、２８……係止突起、２９…
…雄継手本体、３０……挿入管、３２……突起
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雌継手本体２１は、継手挿嵌孔２４を有する管
   体２２と、該管体２２の周壁２２Ａに先端から軸
   方向に形成した切欠部２５と、該切欠部２５の軸
   方向途中に位置して一側切欠面２５Ａから他側切
   欠面２５Ｂに向けて突設した弾性係止片２７と、
   該弾性係止片２７よりも管体２２の先端側に位置
   して他側切欠面２５Ｂから一側切欠面２５Ａに向
   けて周方向に突設され、該弾性係止片２７が撓め
   られたとき該弾性係止片２７が当接可能な係止突
   起２８とを合成樹脂材によつて構成し、前記雌継
   手本体２１に挿嵌される雄継手本体２９は、配管
   １３が挿通される配管挿通孔３１を有し、前記継
   手挿嵌孔２４に挿嵌される挿入管３０と、該挿入
   管３０の外周から径方向外側に突設され、前記切
   欠部２５から係止突起２８、弾性係止片２７を介
   して挿嵌することにより該弾性係止片２７に係合
   して抜け止めされる突起部３２とから構成してな
   る管継手。