JPH0342009Y2 -

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【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、日本髪かつらのまげ（髷）を形成
する際に、まげの中に入れられるまげ芯の改良に
関するものである。

（従来の技術）日本髪かつらのまげは、主に根かもじ（根髢）
で、紙製、プラスチツク製などの円筒状のまげ芯
を包み込むようにして形成するのが一般であつ
た。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、このまげ芯は、根かもじで形成され
たまげの中に、固定されないで包み込まれたまま
の状態であるため、かつら使用中に動いてまげの
形を崩したり、さらには、まげから飛び出すなど
の不具合があつた。

（問題点を解決するための手段）そこでこの考案は、第１図に示すように、外筒
２と内筒３とからなり、外筒２と内筒３との間に
根かもじ４の下端部を固定し、基部５をかつらの
基枠１１の吊り金１２上面に取付けられる根かも
じ固定具１と、内筒へ嵌入される嵌め込み部材９
を有するまげ芯８とからなるものである。

（作用）根かもじ固定具１の内筒３にまげ芯８の嵌め込
み部材９を嵌入すれば、根かもじ固定具は、その
基部５を吊り金１２上面に取付けられて移動しな
いので、まげ芯８も移動することがない。

（実施例）１は根かもじ固定具で、外筒２と、外筒より背
の高い内筒３とから主としそて形成されている。
外筒２と内筒３との間には、根かもじ４の下端部
が挿入されて、接着剤で固定される。この外筒２
はやや漏斗状に形成されて、下端部を固定された
根かもじ４がひろがりやすいようになつている。

６は取付板で、根かもじ固定具１の基部５に固
定されており、下面には、両面接着テープなどの
係着部材７が固定されている。

根かもじ固定具１は、アルミ、ジユラルミン、
合成樹脂など軽量かつ丈夫な材質を用いるとよ
い。

この根かもじ固定具１は、かつら基枠１１頂部
の吊り金１２上面に固定された面接着テープなど
の係着部材１３に、取付板６下面の係着部材７を
係着して、前後取付位置調節自在に、かつ着脱自
在に取付けられる。

なお、根かもじ固定具を吊り金に取付ける手段
は、実施例に限られるものではない。例えば、吊
り金に、複数の穴を前後方向に貫設し、根かもじ
固定具の基部に突設した雄ねじ部材をこの穴に挿
入して、雌ねじ部材で前後位置調節自在に、かつ
着脱自在に固定することも可能である。

８はまげ芯であつて、紙、合成樹脂など軽量な
材料で全体としては円筒状に形成される。まげ芯
８の形状は、桃割などの髪型に応じて任意に形成
できる。図示実施例は高島田用のまげ芯であるた
め、後端部を、高島田のまげの「いち」（まげの
後端部）の形状にあわせて形成したものである。

９は軽量化のため筒状に形成された嵌め込み部
材で、まげ芯８の後端部から下方へ突設されてお
り、内筒３への着脱自在に嵌め込まれる。この嵌
め込み部材９の突設位置も、髪型により任意であ
るのは勿論である。又、筒状でなく棒状にするこ
とも可能である。

（効果）吊り金に移動しないように取付けた根かもじ固
定具に、まげ芯を取付けるため、まげ芯が従来の
ように動かない。したがつて、まげ芯がまげから
飛び出すことがないのは勿論、まげが崩れること
がないので長持ちする。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部欠截側面図、第２図は根かもじと
まげ芯とを省略した平面図、第３図はまげ芯の取
付状態を示す日本髪かつらの側面略図である。１……根かもじ固定具、２……外筒、３……内
筒、４……根かもじ、５……基部、８……まげ
芯、９……嵌め込み部材、１２……吊り金。

【実用新案登録請求の範囲】