JPH0340221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、地震等による水道管の破損によつて
水道水が出なくなつた結果、水洗式大便器を使用
できなくなつたような場合に用いるのに最適な、
災害時用大便容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来は、地震等の災害によつて水道水が出なく
なると、一般的には水洗式大便器を使用すること
ができない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

即ち、水洗式大便器は、和式、洋式を問わず、
排尿、排便された小便や大便を水道水によつて排
水管に放流するものである。従つて排尿された小
便については、仮に水洗式大便器の排水管が破損
していても地中に吸い込まれる等から、その排尿
については水洗式大便器を何とか使用することが
可能である。

しかしながら、排便に伴う大便については、こ
れを放流する水道水が出ない以上、水洗式大便器
を使用することが全くできない。

本考案は、地震等の災害によつて水道水が出な
くなつた場合でも、水洗式大便器内に排便して、
その排便後に大便のみを簡単に回収することがで
きるような災害時用大便容器を提供しようとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上面が開放された容器本体の外周に
複数の突起を設け、この容器本体を水洗式大便器
内に上方から挿入して複数の突起をその大便器の
上縁部上に当接させて、この容器本体を大便器内
に宙吊り状態に保持させ、複数の突起を大便器の
上縁部上で摺動させることにより容器本体を大便
器内で水平に移動可能に構成した災害時用大便容
器である。

〔作用〕

本考案の災害時用大便容器は、水洗式大便器内
に宙吊り状態にセツトでき、しかもそのセツト位
置を水平に自由に移動調整することができる容器
本体を有しているので、排便時に大便を受けるの
に都合の良い位置へ容器本体をセツトしておけ
ば、排便に伴う小便は大便器内に流し、大便のみ
を容器本体内で受けて、その容器本体によつて大
便のみを簡単に回収することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の災害時用大便容器の実施例を図
面に基づいて説明する。

先ず、第１図及び第２図に示した災害時用大便
容器１は、上面が開放された容器本体２の外周の
上縁部分に左右一対の突起３を設けたものであ
り、合成樹脂や金属等にて成形されたものであ
る。なお容器本体２の周壁のうち前壁２ａは後壁
２ｂより高さが低く構成され、底壁２ｃや周壁に
は多数の孔４が設けられている。またこの容器本
体２は例えば網状部材によつて構成することもで
きる。

次に、この災害時用大便容器１は、地震等の災
害によつて水道水が出なくなつた場合に、必要に
応じて水洗式大便器６内にセツトして使用する。

即ち、水洗式大便器（図面では和式のものを示
しているが、洋式のものでも同じ）６内に容器本
体２を上方から挿入して、両突起３をその大便器
６の上縁部６ａ上に当接させて、この容器本体２
を大便器６の周壁６ｂ及び底壁（放流床）６ｃに
対して浮かせた宙吊り状態にセツト（保持）す
る。そして、両突起３を大便器６の上縁部６ａ上
で摺動させることにより容器本体２を大便器６内
で矢印ａで示した水平方向に自由に移動調整し
て、排便時に大便を受けるのに都合の良い位置へ
容器本体２をセツトする。

そして、容器本体２内に大便回収用の紙やビニ
ール等のシート７を敷いた状態で、大便器６内に
排便を行い、小便を大便器６内に流す一方、大便
８のみを容器本体２内のシート７上で受ける。な
お排便後は、容器本体２毎大便８を回収するか、
第１図に鎖線で示すように、シート７によつて大
便８を包んで、容器本体２は大便器６内に残した
ままで、シート７によつて大便８のみを回収して
土中等に埋設する。従つて、シート７としては或
る程度丈夫であり、しかも吸湿分解性のあるもの
が好ましい。

ところで、容器本体２は大便器６内に宙吊り状
態にセツトされており、この容器本体２が大便器
６の周壁６ｂや底壁６ｃの内面に接触して汚れ難
いので、衛生的に使用することができる。

次に、第３図に示した災害時用大便容器１０
は、容器本体１１を構成する５つの壁体１１ａ〜
１１ｅ及び左右一対の突起１２を各々ヒンジ１
３，１４によつて連結して、容器本体１１及び両
突起１２を実線で示した組立て状態から鎖線で示
した扁平な状態に折畳み自在に構成したものであ
る。

上記の構成によれば、不使用時に災害時用大便
容器１０を扁平な状態に折畳んでしまうことがで
きるので、収納に便利である。

次に、第４図及び第５図に示した災害時用大便
容器１６は、容器本体１７を左右に２分割に構成
して、左右一対の容器構成体１７ａ，１７ｂを長
孔１８とピン１９等により矢印ｂで示した左右方
向に伸縮自在に結合させ、左右一対の突起２０を
同じく長孔やピン等により両容器構成体１７ａ，
１７ｂに矢印ｃで示した上下方向に高さ調整自在
に取付けたものである。

上記の構成によれば、水洗式大便器の左右の巾
及び上下深さに応じて容器本体１７の左右の巾
（矢印ｂ方向の巾）及び上下高さ（矢印ｃ方向の
高さ）を調整することができるので、例えば和式
と洋式の水洗式大便器に供用することができると
言つた便利さがある。

以上、本考案に実施例に付き述べたが、本考案
は実施例に限定されることなく、本考案の技術的
思想に基づいて各種の有効な変更が可能である。

〔考案の効果〕

本考案の災害時用大便器は、地震等の災害によ
つて水道水が出なくなつた場合に、この大便容器
の容器本体を水洗式大便器内にセツトしておき、
排便に伴う小便を大便器内に流し、大便のみを容
器本体内で受けて、その容器本体によつて大便の
みを簡単に回収することができるので、災害時に
おける大便の処理を極めて便利に行うことができ
る。

しかも、本考案の災害時用大便容器は、大便器
内に上方から極めて簡単にセツトすることができ
るようにした大便器に対する脱着が極めて簡単な
ものであり、しかも大便器内のセツト位置を自由
に移動調整することができる容器本体を有してい
るので、排便時に大便を受けるのに都合の良い位
置へ容器本体を自由にセツトすることができて、
非常に使い易い。また容器本体は大便器内に宙吊
り状態にセツトすることができるので、衛生的に
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の災害時用大便容器の実施例を
示す断面図、第２図は同上の平面図、第３図は変
形例の斜視図、第４図は別の変形例の平面図、第
５図は第４図の正面図である。 なお、図面に用いた符号において、１……災害
時用大便容器、２……容器本体、３……突起、６
……水洗式大便器、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が開放された容器本体の外周に複数の突起
   を設け、この容器本体を水洗式大便器内に上方か
   ら挿入して複数の突起をその大便器の上縁部上に
   当接させて、この容器本体を大便器内に宙吊り状
   態に保持させ、複数の突起を大便器の上縁部上で
   摺動させることにより容器本体を大便器内で水平
   に移動可能に構成した災害時用大便容器。