JPH0339732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は、肌の皮脂量、特に顔面の皮脂量の
測定に用いられる皮脂量測定具に関するものであ
る。

〔背景技術〕

一般に、人の肌は大きく分けて脂性と荒性とに
大別でき、化粧に際してはその肌の性質に応じた
化粧料を使用することが望ましい。そのため、化
粧品店等においては、化粧料購入者の肌の性質を
調べるための皮脂量測定用シートと、これを装着
する皮脂量測定具とを準備して化粧料購入者の肌
の性質を調べた上でそれに応じた化粧料を購入さ
せることを行つている。そのような従来の皮脂量
測定用シートを第１図に示し、それを装着して皮
脂量の測定を行う測定具を第２図に示す。すなわ
ち、皮脂量測定用シート１は、プラスチツク発泡
シート２の表面に、皮脂量測定試験紙３を貼着
し、これを適宜の間隔で円形に打抜き、その円形
打抜き部４を指で押圧して第１図ｂで示すように
試験紙体５として取り出すようになつている。こ
のようにして取り出された試験紙体５は、第２図
に示す皮脂量測定具の試験紙体嵌合凹部６に、そ
の皮脂量測定試験紙３側を下向きにして装着され
る。第２図において、７はケーシングとなる有天
筒体、８はその有天筒体７の内部に設けられた中
心柱体、９はこの中心柱体８に沿つて上下にスラ
イドするスライド筒部、１０はそのスライド筒部
９に設けられた抜け止め突部、１１は有天筒体７
に設けられた係止片部、１２はスライド筒部９内
に設けられた緩衝用ばねである。すなわち、この
皮脂量測定具を用いての皮脂量の測定は、ケーシ
ングとなる有天筒体７を持ち、装着されている試
験紙体５を肌に押圧し、肌の脂を試験紙体５の皮
脂量測定試験紙３に吸着させることにより行われ
る。皮脂量測定試験紙３に脂分が吸着されると、
その吸着された脂分に応じた量のヨウ素が試験紙
３内で遊離し、この遊離ヨウ素によつて試験紙３
内の銀化合物が黒色に発色する。この場合、発色
の度合は、ヨウ素の遊離量に応じて行われるた
め、発色の度合によつて肌の脂性もしくは荒性の
判断がなされる。ところが、このようにして測定
を行う場合には、一回の測定ごとに試験紙体５の
装着および脱着を行わなければならず、連続的な
測定ができないという問題が生じていた。

〔考案の目的〕

この考案は、連続的に皮脂量の測定ができる皮
脂量測定具の提供をその目的とするものである。

〔考案の開示〕

上記の目的を達成するため、この考案の皮脂量
測定具は、軸方向に延びる長穴付きの内筒の外周
に、一端開口から他端開口に延びるらせん溝を内
周面に有する外筒が遊嵌され、上記内筒の内部
に、試験紙体装着用の受筒がそれ自身の外周面の
突起を内筒の長穴を通して上記外筒のらせん溝に
係合させた状態で遊挿され、上記内筒の一端開口
部に、内周面に内向きの爪を有する押え爪部が設
けられ、上記内筒の他端側の外周に操作内筒が嵌
着され、この操作内筒の外周に弾性材を介して操
作外筒が遊嵌されているという構成をとる。

つぎに、この考案を実施例にもとづいて説明す
る。

第３図はこの考案の一実施例を示している。す
なわち、この皮脂量測定具は、口紅等の繰出し容
器のように、内筒を外筒に対して相対回転させる
ことにより、複数個の皮脂量測定用の試験紙体を
順次繰り出すようになつている。図において、２
０は円筒状の内筒であり、第４図に示すように、
その一端開口および他端開口の近傍部分が外方向
に肉盛りされて大径部２１，２２に形成され、そ
の大径部２１と大径部２２の間の部分に、軸方向
に延びる一対の長穴２３，２４が対峙した状態で
形成されている。この一対の長穴２３，２４のう
ちの一方の長穴２４は上記他端開口側の大径部２
２の先端まで延長されている。そして、上記内筒
２０の一端開口側の大径部２１の外周面には、円
周方向に嵌合溝２５が形成され、他端開口側の大
径部２２の外周面には、円周方向に適宜間隔で凹
部２６が形成されている。２７は内筒２０の外周
の大径部２１と大径部２２との間の部分に遊嵌さ
れた外筒である。この外筒２７の嵌合は、上記内
筒２０の他端開口側大径部２２を、長穴延長部２
４ａを利用して縮径させ、その状態で外筒２７を
内筒２０の他端側から嵌めることにより行われ
る。外筒２７の内周面には、一端開口から他端開
口に延びる一対のらせん溝２８，２９がねじり方
向を合わせて形成されている。３０は試験紙体装
着用の受筒で、上記内筒２０の内部に、外周面の
突起３１，３２を内筒２０の長穴２３，２４を通
して外筒２７のらせん溝２８，２９に係合させた
状態で装入されている。これにより、内筒２０と
外筒２７とを相対回転させると、上記受筒３０が
内筒２０の軸方向に移動するようになる。第３図
において、３３は略リング状の押え爪部で、内筒
２０の一端開口に、それ自身の外周部の嵌合突起
３４を、内筒２０の外周面に形成された嵌合溝２
５に嵌合させて取付けられている。この略リング
状の押え爪部３３の内周面には、内向きの爪３５
が形成されており、この爪３５で試験紙体５を挟
持するようになつている。３６は上記内筒２０の
他端側の外周に嵌装された操作内筒で、内周面に
形成された突部３７を内筒２０の外周面に形成さ
れた凹部２６に嵌合することにより内筒２０に連
結されている。この操作内筒３６は、その上端開
口部に内向きフランジ３８が形成され、下端側の
外周面には外向きフランジ３９が形成されてい
る。上記内向きフランジ３８の内周縁部には適宜
間隔で切欠部４０が形成されている。４１は操作
内筒３６の外周に遊嵌された有天円筒状の操作外
筒で、その内部天井部に形成された突片４２を内
向きフランジ３８の切欠部４０に嵌合させ、操作
外筒４１を回転させると、その力が操作内筒３６
に伝達されるようになつている。４３は操作外筒
４１に設けられた抜止め部で、操作内筒３６の外
向きフランジ３９と係合して操作外筒４１の抜止
めをする。４５は緩衝用ばねである。なお、試験
紙体５は複数個がその試験紙３を一方向に向けて
軽度に接着され全体で円柱状試験紙接着体になつ
ている。

この構成において、試験紙体５の装着は、円柱
状の試験紙接着体を、内筒２０の一端開口から内
部に圧入することにより行われる。つぎに、肌の
皮脂量の測定は、操作外筒４１を一方向に回転さ
せ、その回転力によつて操作内筒３６およびこれ
と連結している内筒２０を回転させる。これによ
り内筒２０の長穴２３，２４を通つて外筒２７の
らせん溝２８，２９に係合している受筒３０の突
起３１がらせん溝２８，２９に沿つて移動し、受
筒３０が下方に移動する。その結果、試験紙接着
体の最下端の試験紙体５の下部が内筒２０の下端
開口から第１図に示すように外部に繰り出される
ため、その試験紙を被測定者の肌に当てて押圧す
る。このとき、緩衝用ばね４５の作用により、内
筒２０、外筒２７、操作内筒３６がその押圧力に
よつて適宜量後退し、試験紙体５の肌に対する押
圧力が適正に調節される。そして、一回の皮脂量
測定後は、操作外筒４１を回転させ使用済の試験
紙体５の全体を繰り出して廃棄する。その結果、
つぎの試験紙体５が現れ、試験に供しうるように
なる。このようにして、連続的に皮脂量の測定を
行うことができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案の皮脂量測定具は、操
作外筒の回転により、内筒を外筒に対して相対回
転させ、それによつて内筒内の受筒を内筒の軸方
向に移動させるようにているため、複数の試験紙
体を積重状態で受筒に装着し、それを、操作外筒
の回転により順次繰り出すことができる。したが
つて、連続的に皮脂量の測定をなしうるようにな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の皮脂量測定シートの斜視図、第
２図はそれを用いる従来の皮脂量測定具の構成
図、第３図はこの考案の一実施例の断面図、第４
図はその内筒、外筒、受筒からなるブロツクの分
解斜視図である。 ５…試験紙体、２０…内筒、２３，２４…長
穴、２７…外筒、２８，２９…らせん溝、３３…
押え爪部、３６…操作内筒、４１…操作外筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸方向に延びる長穴付きの内筒の外周に、一端
   開口から他端開口に延びるらせん溝を内周面に有
   する外筒が遊嵌され、上記内筒の内部に、試験紙
   体装着用の受筒がそれ自身の外周面の突起を内筒
   の長穴を通して上記外筒のらせん溝に係合させた
   状態で遊挿され、上記内筒の一端開口部に、内周
   面に内向きの爪を有する押え爪部が設けられ、上
   記内筒の他端側の外周に操作内筒が嵌着され、こ
   の操作内筒の外周に弾性材を介して操作外筒が遊
   嵌されている皮脂量測定具。