JPH0339401Y2

JPH0339401Y2 -

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Publication number: JPH0339401Y2
Application number: JP1983118079U
Authority: JP
Priority date: 1983-07-29
Filing date: 1983-07-29
Publication date: 1991-08-20
Also published as: JPS6027046U

Description

【考案の詳細な説明】「技術分野」この考案は、炭酸飲料水等が充填された瓶の瓶
口を封止する合成樹脂製キヤツプに関する。

「従来技術とその問題点」一般に、金属製キヤツプは、製造が容易である
上シール部材の併用で高い気密性が得られること
から、炭酸飲料水等が充填された瓶のキヤツプと
して広く利用されている。

ところで、近年合成樹脂の品質及び成形技術が
向上したことに伴い、上記の金属製キヤツプに替
るものとして合成樹脂製のキヤツプが考えられて
いる。

しかしながら、合成樹脂製キヤツプにおいて
は、シール部分、すなわち気密性を保持する点に
いくつかの問題が生じており、このために合成樹
脂製キヤツプの普及が遅れている。

「問題点を解決するための手段」そこで、この考案のキヤツプにおいては、その
基端が該キヤツプの装着される瓶口の上端の外径
よりも小径に形成されその基端から下方に向かつ
て漸次半径方向外方に広がる薄肉の可撓片を頂板
内面に設け、さらに筒部の内周上部に膨出段部を
突設し、前記可撓片の肉厚よりも狭い間隙が形成
されるようにこの膨出段部の内径を瓶口の上端部
外径よりも大きく設定することによつて、上記問
題点の解決を図つた。

「作用」この考案の合成樹脂製キヤツプを瓶口装着する
と、下方に向かつて漸次半径方向外方に広がる薄
肉の可撓片が、瓶口の開口端、特にその上端外周
部分によつて強制的に押し広げられ、この部分に
ぴつたりと対応した形状に変形してシールを行
う。そして、キヤツプを完全に締めなくても、キ
ヤツプの膨出段部の内周面と瓶口上端外周面との
間の狭い間隙によつて可撓片が狭着される。その
うえで可撓片は瓶口の開口端に押されて、頂板内
面の周縁部分および上記膨出段部の内周面と圧接
される。

また、瓶内圧が上昇するとキヤツプの頂板が押
し上げられ、これにより筒部の上部が内方に変形
され、その結果膨出段部によつて可撓片が瓶口上
端外周面にさらに強く圧着され、より密封性が向
上する。

「実施例」第１図はこの考案の合成樹脂製キヤツプの一実
施例を示す図であり、第２図は同合成樹脂製キヤ
ツプを瓶口に螺着した状態を示す図である。図中
符号Ａは合成樹脂製キヤツプであり、Ｂは瓶であ
る。合成樹脂製キヤツプＡは、円板状の頂板１
と、この頂板１の周縁部から垂下する円筒形の筒
部２とからなつている。筒部２の外周面には、上
下方向に複数の溝３が形成されており、合成樹脂
製キヤツプＡを瓶Ｂに螺着する際に指が滑らない
ようになつている。また、筒部２の内周面には瓶
Ｂに形成された雄ねじ４に螺着する雌ねじ５が形
成されている。

筒部２の内周上部には、膨出段部６が形成され
ている。この例のキヤツプでは、膨出段部６が、
筒部２と頂板１の内隅部に、筒部２の内周面から
半径方向内方へ突出し、且つ頂板１の内面から下
方へ突出する断面長方形状に形成されている。こ
の膨出段部６の内周面６ａのなす内径は、このキ
ヤツプが装着される瓶口の上端部外径よりも若干
大きく設定されており、瓶Ｂの上端部分との間に
後述する可撓片７の肉厚よりも狭い間隙が形成さ
れるようになつている。具体的には、膨出段部６
の内径は瓶口の外径との差が後述する可撓片７の
厚さの２倍よりも若干小となるように設定され
る。

頂板１の周縁部近傍の内面には、下方に向かつ
て漸次半径方向外方に広がる薄内の可撓片７が連
設されている。この可撓片７は、その基端がキヤ
ツプＡの装着される瓶口の上端の外径よりも小径
に形成されており、その先端の内径が瓶口の開口
端８の外径と略等しいかそれよりも大に形成され
ている。また、この例のキヤツプでは、可撓片の
基端の内径が瓶口の開口端の内径よりも若干小と
されている。この可撓片７は、合成樹脂製キヤツ
プＡを瓶Ｂに螺着した際、瓶Ｂの開口端８に押さ
れて頂板１側に撓まされ、頂板内面の周縁部分お
よび上記膨出段部の内周面と瓶口との間で圧接さ
れる。

次に、この合成樹脂製キヤツプの作用について
説明する。

まず、合成樹脂製キヤツプＡを瓶Ｂに締込んで
いくと、下方に向かつて漸次半径方向外方に広が
る薄肉の可撓片７が、瓶Ｂの開口端８、特にその
上端外周部分によつて強制的に押し広げられ、こ
の部分にぴつたりと対応した形状に変形して密着
する。そして、キヤツプＡを完全に締めなくて
も、キヤツプＡの膨出段部６の内周面６ａと瓶口
上端外周面との間の狭い間隙によつて可撓片７が
狭着されるので、開口端８の寸法誤差があつても
シールが得られる。従つて、この考案のキヤツプ
によれば、瓶Ｂを高度にシールするこてができ
る。

ついで、合成樹脂製キヤツプＡを完全に瓶Ｂに
螺着すると、可撓片７の上面７ａが頂板１の内面
の周縁部分および膨出段部６の内周面６ａに押圧
されて、下面７ｂが瓶Ｂの開口端８にさらに強く
密着する。

この考案のキヤツプＡに設けられた可撓片７
は、薄肉に形成されているので、変形容易でその
変形量も大である。このため、この考案のキヤツ
プＡは瓶口寸法のバラツキの大きなガラス瓶等を
も良好にシールできる。

また、変形された可撓片は、弾性復元力によつ
てその基端部分が瓶口の上面に強く圧接する。特
に、この例のキヤツプでは、可撓片７の基端部分
の内径が瓶口の開口端８の内径よりも若干小さく
設定されているので、可撓片７が撓んだ際、可撓
片７の基端部は、下方に突出するように湾曲し
て、瓶Ｂの開口端８の内周縁部に密着し、ここを
封止する。このキヤツプによつて、炭酸飲料が充
填された瓶を封止した場合、瓶内の圧力によつて
キヤツプの頂板が上方に押し上げられると、筒部
上部を半径方向内方に変形させる力が働くので、
瓶口の上部外周に当接する可撓片が膨出段部によ
つてさらに瓶口に押圧されることとなり、瓶の密
閉性がさらに高まる。

加えて、この考案の合成樹脂製キヤツプＡで
は、熱可塑性樹脂の熱膨張が大きいという欠点が
シール性の向上に寄与するという利点がある。

すなわち、この考案のキヤツプＡを内容液が高
温充填された瓶Ｂに装着すると、まず薄肉の可撓
片７が加熱されて軟化し開口端８に対応した形状
に変形される。その後瓶Ｂの温度が降下すると、
可撓片７が収縮して開口端８の外周面および上端
外周縁を強く包囲するので、可撓片７の開口端８
への密着力が強くなる。従つて、この考案のキヤ
ツプは、瓶に内容液を高温充填した場合に、シー
ル性がより向上する。

第３図、第４図は、この考案のキヤツプの別の
実施例を示すものである。なお、第１図および第
２図に示す部材と同一のものには、同一符号を付
し説明を省略する。この実施例のキヤツプにあつ
ては、可撓片７と膨出段部６との間の頂板１の内
面が一段凹むように形成されて、溝９とされてい
る。そして、このキヤツプの可撓片７の上面７ａ
は、合成樹脂製キヤツプＡを瓶Ｂに螺着した際、
瓶Ｂの開口端８に押されて溝９の上面９ａおよび
膨出段部６の内周面６ａに圧接されるようになつ
ており、このとき可撓片７の下面７ｂは、頂板１
の内面と同一平面になるようになつている。

この例の合成樹脂製キヤツプＡにあつても前記
実施例と同様に合成樹脂製キヤツプＡを瓶Ｂに螺
着した際、可撓片７の上面７ａが瓶Ｂの開口端８
に押されて溝９の上面９ａないし膨出段部６の垂
直面６ａに圧接され、下面７ｂが瓶Ｂの開口端８
に密着する。

「考案の効果」以上、詳細に説明したように、この考案のキヤ
ツプにあつては頂板の内面に設けられた可撓片
が、キヤツプを瓶口に螺着した際、瓶の開口端と
同一の形状となつて密着する。また、可撓片はそ
の弾性復元力によつてその基端部が瓶口により強
く密着する。しかも、瓶内圧が上昇するとキヤツ
プの頂板が押し上げられ、これにより筒部が内方
に変形され、その結果膨出段部によつて可撓片が
瓶口上端外周面にさらに強く圧着され、より密封
性が向上する。

従つて、この考案のキヤツプは、炭酸飲料等の
瓶内圧を高める内容液が充填された瓶をも高度に
密閉し得る密閉性能の優れたものとなる。

また、この考案のキヤツプでは、瓶口により押
し広げられて嵌合する可撓片が薄肉に形成されて
いるので、変形容易でその変形量が大である。こ
のため、この考案のキヤツプはガラス瓶の口部寸
法のバラツキをも充分に吸収することができる。

加えて、この考案の合成樹脂製キヤツプでは、
内容液が高温充填された瓶に装着されると、可撓
片はまず加熱軟化した状態で瓶口に嵌め合わさ
れ、その後瓶の温度降下に伴つて収縮し、瓶口へ
強く密着する。従つて、この考案のキヤツプは、
瓶に内容液を高温充填した場合に、キヤツプのシ
ール性がより向上するという特徴がある。

よつてこの考案によれば、形状や寸法のバラツ
キの大きなガラス瓶等の瓶の口部をも高度にかつ
確実にシールできるうえ、内容液を高温充填され
た瓶をも良好にシールすることができる合成樹脂
製キヤツプを提供できる。

さらにこの考案の合成樹脂製キヤツプを瓶に締
込んでいくと、下方に向かつて漸次半径方向外方
に広がる薄肉の可撓片が、瓶の開口端、特にその
上端外周部分によつて強制的に押し広げられ、こ
の部分にぴつたりと対応した形状に変形して密着
する。そして、キヤツプを完全に締めなくても、
キヤツプの膨出段部の内周面と瓶口上端外周面と
の間の狭い間隙によつて可撓片が狭着されるの
で、開口端の寸法誤差があつてもシールが得られ
る。従つて、この考案のキヤツプによれば、瓶を
高度にシールすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの合成樹脂製キヤツプの一実施例を
示す一部断面図、第２図は同実施例の合成樹脂製
キヤツプを瓶に螺着した状態を示す一部断面図、
第３図はこの考案の合成樹脂製キヤツプの別の実
施例を示す一部断面図、第４図は同合成樹脂製キ
ヤツプを瓶に螺着した状態を示す一部断面図であ
る。１……頂板、２……筒部、４……雄ねじ、５…
…雌ねじ、６……膨出段部、６ａ……内周面、７
……可撓片、８……開口端、Ａ……合成樹脂製キ
ヤツプ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】頂板とこの頂板の周縁から垂下する筒部とから
なる合成樹脂製キヤツプにおいて、上記頂板の内面にその基端が該キヤツプの装着
される瓶口の上端の外径よりも小径に形成されそ
の基端から下方に向かつて漸次半径方向外方に広
がる薄肉の可撓片が設けられ、上記筒部の内周上
部に膨出段部が突設され、前記可撓片の肉厚より
も狭い間隙が形成されるようにこの膨出段部の内
径は瓶口の上端部外径よりも大きく設定されてな
り、該キヤツプを瓶口に装着したとき、上記可撓片
が瓶口の開口端に押されて、頂板内面の周縁部分
および上記膨出段部の内周面と瓶口との間で可撓
片が圧接されるようにしたことを特徴とする合成
樹脂製キヤツプ。