JPH033894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高温水又は上記を含む高温水を浴槽
内に直接噴出する形式のガス風呂釜に於いて浴構
内に適量の水が存在しない時にその噴出を停止す
る為に装着する安全装置に関するものである。

イ 従来技術 浴槽の外部にガス風呂釜を設置し、浴槽内に注
入した水を加熱する外だき式のガス風呂釜は、一
般に上下２段に配置した湯管及び水管によつて浴
槽と連通してあり、上記下方の水管により浴槽か
らガス風呂釜内に導いた水をガス風呂釜内で加熱
した後、上方の湯管から浴槽内に戻すことによ
り、浴槽内の水を昇温させている。

しかし、上記循環式のガス風呂釜は、浴槽と風
呂釜内とを連通する循環流路内に湯垢等が溜りや
すく清潔性に欠け、又、循環流路内の清掃に手間
がかかるといつた欠点があつた。又循環式のガス
風呂釜は、沸き上がるまでにやや時間がかかると
いつた欠点もあつた。

そこで近年、水を従来よりやや少なめに注入し
た浴槽内に高温水又は蒸気を含む高温水を直接噴
出させて浴槽内の水を加熱する形式のガス風呂釜
が開発されている。この形式のガス風呂釜は、第
４図に示す如く、ガス風呂釜Ａに供給された水
を、ガス風呂釜Ａに内蔵した湯沸器と同じ原理を
用いた熱交換器Ｂによつて加熱し、高温水又は蒸
気を含む高温水とした後、こ高温水又は蒸気を含
む高温水を熱交換器Ｂと連通した給湯管Ｃから浴
槽Ｄ内に突出させたノズルＥを通して浴槽Ｄ内に
送り、浴槽Ｄ内の水を加熱するものである。

このように、高温水又は蒸気を含む高温水を水
を注入した浴槽Ｄ内に直接噴出させて、浴槽Ｄ内
の水を昇温させると浴槽Ｄ内の水が浴槽Ｄとガス
風呂釜Ａとの間を循環しないから、ガス風呂釜Ａ
内に湯垢等が溜らず、ガス風呂釜Ａ内は清潔で衛
生的である。又この形式のガス風呂釜Ａは、循環
式のガス風呂釜に比べ、沸き上がり時間が早くな
るといつた利点も有している。尚、高温水又は蒸
気を含む高温水を噴出するタイプのガス風呂釜Ａ
には、ガス風呂釜Ａに内蔵した熱交換器Ｂ内に水
を流すとガス弁が開き、又水流を停止させるとガ
ス弁が自動的に閉じる先止め式が用いられる。

ところで、上記の先止め式のガス風呂釜Ａは、
上述した如く高温水又は蒸気を含む高温水を浴槽
Ｄ内に直接噴出させるため、注水忘れや浴槽の水
洩れ等により浴槽Ｄ内に水が適量注入されていな
い状態で高温水又は蒸気を含む高温水が噴出する
とポリ浴槽等耐熱性のない浴槽を破損し、また非
常に危険でもある。しかし従来上記した問題点を
簡単な構造で確実に防止するための安全装置は開
発されていない。

ロ 考案の目的 高温水又は蒸気を含む高温水を浴槽内に直接噴
出するタイプの先止め瞬間湯沸器式の風呂釜に於
いて、浴槽内に適量の水が入つていない状態の
時、浴槽内に高温水又は蒸気を含む高温水が噴出
する危険を確実に防止でき、且つ構造が簡単で安
価に製造できる安全装置を提供するものである。

ハ 考案の構成 高温水又は蒸気を含む高温水を浴槽内に噴出し
得る先止め瞬間湯沸器式のガス風呂釜に取付ける
安全装置に於て、内部に弁孔を有する連通孔を穿
設した本体に、前後端に開口部を有する筒状体の
後部適宜の位置に浴槽内の水を吸入する吸入孔を
有し、かつ後端の開口部が前記連通孔と連通し、
上記ガス風呂釜から流入する高温水または蒸気を
含む高温水の浴槽への噴出部となるノズルの後端
を螺挿させ、このノズル内においてスライド自在
に支持させた弁棒の一端を前記弁孔の開閉を行う
弁体に取付け、前記弁体を開位置に保持するため
のスプリングの弾力に抗して設定温度以上で螺旋
形に収縮し、閉弁せしめる形状記憶合金を介して
他端をノズル先端部に固着すると共に、該装置を
浴槽の側壁部下部に取付け、前記ガス風呂釜から
高温水又は蒸気を含む高温水を前記本体の連通孔
へ供給するようにしたものである。

ニ 実施例 本考案に係る安全装置は、高温水又は蒸気を含
む高温水を噴出する形式のガス風呂釜が、水流が
停止するとガス弁が自動的に停止する先止め式を
採用していることに着目し、高温水又は蒸気を含
む高温水の浴槽内への噴出部となるノズルに弁を
有する安全装置を取付け、浴槽内に適量の水がな
い時には弁を閉じ、ガス風呂釜から高温水又は蒸
気を含む高温水が浴槽内に噴出しないようにした
ものであり、第１図はその構造を示す断面図であ
る。図中、２は安全装置１の本体、３は本体２の
略中央部を貫通し、１部に弁孔４を有する連通
孔、５は弁孔４の外周に穿設した圧力逃がし用の
小孔で、この小孔５の直径は１mm程度である。Ｅ
は後端が本体２の連通孔３に螺合され、先端が浴
槽Ｄ内に突出するノズルである。このノズルＥは
筒状をなし、その先端の円周方向には浴槽Ｄと連
通する開口部e′が、又後端の円周方向には本体２
の連通孔３と連通する開口部e″がそれぞれ設けて
ある。又本体２に螺合したノズルＥの浴槽Ｄ内に
突出する部分の根本部には吸入孔ｅが穿設して
あり、浴槽Ｄ内に注入した水がノズルＥ内に容易
に流入するようにしてある。

６は弁孔４の開閉を行うための弁体、７は弁体
６をスライド自在に支持するための弁棒であり、
この弁棒７は連通孔３に螺挿したノズルＥの後端
板E′によつてスライド自在に支持されている。８
は弁体６のノズルＥの後端板E′との間に圧入した
スプリングであり、このスプリング８の弾性力に
より弁体６は弁孔４を開く方向に常時押圧されて
いる。９は一端が弁棒７の端部に固定され、他端
がノズルＥの先端部に固定された形状記憶合金で
あり、この形状記憶合金９はスプリング状に形成
してあり、ノズルＥ内の温度が50〜60℃と以下の
時には、形状記憶合金９が伸長した状態を保ち、
スプリング８の弾性力によつて弁体６が弁孔４か
ら離れるようにしてあり、又ノズルＥ内の温度が
50〜60℃以上になると、形状記憶合金９がスプリ
ング８の弾性力に抗して短縮し、弁体６によつて
弁孔４を閉塞するようにしてある。従つてガス風
呂釜Ａを使用していない時には、弁孔４は開いた
状態にある。上記構造をした安全装置１のガス風
呂釜Ａへの取付けは、第２図及び第３図に示す如
く、安全装置１を浴槽Ｄの側壁部D′の下方に設
置し、安全装置１のノズルＥを浴槽Ｄ内に突出さ
せ、又本体２に設けた連通孔３に、ガス風呂釜Ａ
の熱交換器Ｂと接続した給湯管Ｃを接続する。

上記構成に於いて、本考案に係る安全装置１を
取付けたガス風呂釜Ａによつて風呂を沸かすた
め、ガス風呂釜Ａに水を供給すると、水はガス風
呂釜Ａの熱交換器Ｂ内で高温水又は蒸気を含む高
温水となつた後給湯管Ｃ内に流入する。そして給
湯管Ｃから安全装置１の本体２に設けた連通孔３
内に流入し、連通孔３に設けた弁孔４から本体２
に螺挿したノズルＥの後端に設けた開口部e″を通
り、ノズルＥ内に流入する。そしてノズルＥの先
端に設けた開口部e′から浴槽Ｄ内に噴出する。こ
の時、浴槽Ｄ内に規定量の水が注入されていれ
ば、ノズルＥの先端に設けた開口部e′から噴出す
る高温水又は蒸気を含む高温水の流れによつて、
浴槽Ｄ内の水がノズルＥに設けた吸入孔ｅから
ノズルＥ内に吸入され、ノズルＥ内は水と高温水
又は蒸気を含む高温水が混合した状態となる。従
つてノズルＥ内に収納された形状記憶合金９が50
〜60℃以上に加熱されることはなく、形状記憶合
金９は伸長した状態を保つため、弁体６が弁孔４
を塞ぐことはない（第２図の状態）。

又ノズルＥ先端の開口部e′から高温水又は蒸気
を含む高温水が噴出した時、浴槽Ｄ内に水がなか
つたり、又浴槽Ｄ内に注入した水の温度が一定以
上に達すると、高温水又は蒸気を含む高温水によ
つて形状記憶合金９は50〜60℃以上に加熱される
ため、形状記憶合金９は第３図に示す如く、スプ
リング８の弾性力に抗して短縮し、弁棒７を介し
て弁体６を図中左方にスライドさせるため、弁体
６によつて弁孔４は閉塞される。従つてノズルＥ
からの高温水又は蒸気を含む高温水の噴出は停止
し、空の浴槽Ｄ内に高温水又は蒸気を含む高温水
が噴出したり、又浴槽Ｄ内の水温が一定以上にな
るのを防止する。尚、安全装置１の弁孔４が閉塞
し、高温水又は蒸気を含む高温水の流れが停止す
ると、この安全装置１を取付けたガス風呂釜Ａは
先止め式であるためガスの燃焼も自動的に停止す
る。又弁体６によつて弁孔４が閉塞する時、ガス
風呂釜Ａは消火してはいるが、余熱による加熱が
あり安全装置１と連通したガス風呂釜Ａ内の圧力
は一時的に上昇するが、この時、高温水又は蒸気
を含む高温水の極く一部は、弁孔４の外周に設け
た小孔５からノズルＥ内に流れるため、弁孔４の
閉塞時、ガス風呂釜Ａ内の圧力が一時的に上昇
し、この上昇でガス風呂釜Ａが破損するのを防止
する。

ホ 考案の効果 上記した如く、本考案に係る安全装置は、先止
め瞬間湯沸器式のガス風呂釜によつて加熱された
高温水又は蒸気を含む高温水の浴槽内への噴出部
となるノズルにスプリング状に巻回した形状記憶
合金を収納し、この形状記憶合金の所定温度に於
ける温度変化での伸縮によつて安全装置の本体に
設けた弁孔の開閉を行うといつた簡単な構造に
て、浴槽内に適量の水がない時、高温水又は蒸気
を含む高温水が浴槽内に噴出するのを確実に防止
できる。又、この安全装置は、浴槽内の湯温が一
定以上になつても作動するため、浴湯の沸かしす
ぎも防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る安全装置の断面図、第２
図及び第３図は安全装置の使用状態を示す断面
図、第４図は安全装置を取付けるガス風呂釜の構
成を示す略図である。 Ａ……ガス風呂釜、Ｂ……熱交換器、Ｃ……給
湯管、Ｄ……浴槽、Ｅ……ノズル、e′，e″……開
口部、ｅ……吸入孔、１……安全装置、２……
本体、３……連通孔、４……弁孔、６……弁体、
７……弁棒、９……形状記憶合金。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 高温水又は蒸気を含む高温水を浴槽内に噴出し
   得る先止め瞬間湯沸器式のガス風呂釜に取付ける
   安全装置に於て、内部に弁孔を有する連通孔を穿
   設した本体に、前後端に開口部を有する筒状体の
   後部適宜の位置に浴槽内の水を吸入する吸入孔を
   有し、かつ後端の開口部が前記連通孔と連通し、
   前記ガス風呂釜から流入する高温水または蒸気を
   含む高温水の浴槽への噴出部となるノズルの後端
   を螺挿させ、このノズル内においてスライド自在
   に支持させた弁棒の一端を前記弁孔の開閉を行う
   弁体に取付け、前記弁体を開位置に保持するため
   のスプリングの弾力に抗して設定温度以上で螺旋
   形に収縮し、閉弁せしめる形状記憶合金を介して
   他端をノズル先端部に固着すると共に、該装置を
   浴槽の側壁部下部に取付け、前記ガス風呂釜から
   高温水又は蒸気を含む高温水を前記本体の連通孔
   へ供給するようにしたことを特徴とするガス風呂
   釜の安全装置。