JPH0337471Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はマツトレスを載置するための支持桟
がベツドフレームの幅方向に沿つて架設されるベ
ツド装置に関する。

（従来の技術） 一般にベツド装置はベツドフレームを備えてお
り、このベツドフレームには複数の支持桟が幅方
向に沿いかつ長手方向に所定間隔で架設されてい
る。そして、これら支持桟上にはマツトレスが載
置されている。従来、このような構造のベツド装
置においては、複数の支持桟がベツドフレームに
同一の高さで架設されていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、支持桟が同じ高さで架設されて
いると、マツトレス上に利用者が上向きに仰臥し
た場合、利用者の背面は凹凸状となつているため
に、臀部などの凸部が押し上げられ、背筋が曲が
つて正しい寝姿勢を保つことができず、寝心地が
悪くなるということがあつた。また、利用者の凹
凸状の背面に加わる力は一様でないため、寝心地
が悪いということもあつた。すなわち、利用者の
背面の他の部分よりも突出した臀部はマツトレス
を介して板ばねに強く当たるから、この臀部が受
ける板ばねからの反発力も他の部分に比べて強く
なり、圧迫感を覚えるということもあつた。

この考案は、利用者を背筋が伸びた正しい寝姿
勢で支えることができ、しかも体の一部分が強く
圧迫されるのを防ぐことができるようにしたベツ
ド装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、ベツドフレームと、このベツドフ
レームの幅方向両端部に長手方向に沿つて架設さ
れた一対の支軸と、これら支軸に偏心回転自在に
取付けられた高さ調整体と、上記ベツドフレーム
の幅方向において対応する各一対の高さ調整体に
それぞれ両端を接合させて架設された支持桟と、
この支持桟の端部を上記高さ調整体に弾性的に結
合した伸縮自在な弾性部材とを具備する。そし
て、上記高さ調整体によつて支持桟の支持高さを
調節できるようにした。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を図面を参照して説
明する。第１図に示すベツド装置はベツド本体１
を備えている。このベツド本体１は矩形状の枠部
２と、この枠部２の両端にそれぞれ立設された脚
体３とから構成されている。上記枠部２内にはベ
ツドフレーム４が着脱自在に保持されている。こ
のベツドフレーム４は角パイプからなる一対の縦
杆５の長手方向両端部と中央部分とをそれぞれ横
杆６で連結して形成され、上記縦杆５を上記ベツ
ド本体１の枠部２の内側面に突設された舌片７
（第１図に鎖線で示す）に係合させてこの枠部２
に着脱自在に支持されている。

上記ベツドフレーム４の幅方向両端部にはそれ
ぞれ支軸８が上記横杆６に固着されて設けられて
いる。各支軸８の中央部分には複数、この実施例
では４つの高さ調整体９がそれぞれ設けられてい
る。つまり、この高さ調整体９は第５図に示すよ
うに角部が面取りされた断面矩形状のブロツクか
らなり、上記支軸８に回転自在に嵌合する取付孔
１１が穿設されている。この取付孔１１はその中
心が上記高さ調整体９の４つの側面から異なる位
置になるよう偏心して穿設されている。したがつ
て、高さ調整体９を90度ずつ回転させる毎にこの
上面（側面）の上記支軸８の中心からの高さ位置
を変えることができるようになつている。

上記ベツドフレーム４の幅方向において対応す
る各一対の高さ調整体９にはそれぞれ支持桟とし
ての上方に向かつて湾曲した板ばね１２の両端部
が接合されている。この板ばね１２の端部は弾性
部材としてのゴムバンド１３によつて上記高さ調
整体９に弾性的に結合されている。したがつて、
上記高さ調整体９はゴムバンド１３を弾性変形さ
せながら回転させることができ、それによつて高
さ調整体９による板ばね１２の支持高さを４つの
側面によつて４段階に変えることができる。な
お、上記高さ調整体９には、各側面に開口した挿
入孔１４か形成され、ここに図示せぬレバーを差
込んでこの高さ調整体９を容易に回転させること
ができるようになつている。また、上記各板ばね
１２の下面には板ばね１２に比べて長さ寸法が短
い補助板ばね１５が接合されている。これら補助
板ばね１５は、各板ばね１２にそれぞれ一対ずつ
スライド自在に設けられた保持具１６によつて保
持されている。この保持具１６は一部が開放した
ほぼ枠状に形成されている。したがつて、一対の
保持具１６をスライドさせて補助板ばね１５の保
持間隔を変化させれば、上記補助板ばね１５が板
ばね１２に有効に作用する長さを変えることがで
きる。たとえば、第１図において一対の保持具１
６の間隔をＤからｄに小さくすれば、補助板ばね
１５の板ばね１２に有効に作用する長さが短くな
るから、その分だけ板ばね１２の荷重に対する弾
力性をやわらかくすることができる。つまり、一
対の保持具１６の間隔を変えることによつて板ば
ね１２の硬さを調整することができる。

上記ベツドフレーム４の長手方向一端側には第
１の床板１７が、他端側には第２の床板１８がそ
れぞれ上記支軸８に幅方向両端部が固定されて設
けられている。そして、ベツドフレ−ム４の上記
板ばね１２および第１、第２の床板１７，１８上
にはマツトレス１９が載置されている。なお、マ
ツトレス１９上に仰臥した利用者の頭部側に位置
する第１の床板１７が取付けられた上記支軸８の
一端部は他の部分に回動自在に連結され、この回
動自在な部分は図示せぬヒンジ機構によつて所定
の回動角度で保持できるようになつている。

このような構造のベツド装置によれば、高さ調
整体９をたとえば第５図に実線で示す状態から鎖
線で示すようにゴムバンド１３の弾力性に抗して
偏心回転させれば、その高さ調整体９による板ば
ね１２の支持高さを変えることができる。したが
つて、４本の板ばね１２を第３図に示すように利
用者Ｕの背面の凹凸形状に対応する状態に高さ調
節すれば、利用者Ｕをマツトレス１９上に背筋が
伸びた正しい寝姿勢で支えることができるので、
良好な寝心地が得られる。また、利用者Ｕを背筋
が伸びた正しい寝姿勢で支えられれば、体の背面
の突出した部分がマツトレス１９内に大きく沈ん
で板ばね１２によつて強く圧迫されるということ
も防止される。

一方、各板ばね１２はそれぞれ一対の保持具１
６による補助板ばね１５の保持間隔を変えること
によつて硬さを調整することができる。したがつ
て、利用者Ｕの体の重い臀部に対応する箇所の保
持具１６の間隔を大きくしてその箇所の板ばね１
２を他の箇所よりも硬くすれば、利用者Ｕの体の
重い箇所に対応する板ばね１２が他の部分よりも
大きく弾性変形するのを防げるから、このことに
よつても利用者Ｕを背筋が伸びた正しい寝姿勢で
支えることができる。

なお、この考案は上記一実施例に限定されず、
たとえば板ばねの高さを調整する高さ調整体は断
面矩形状に代わり円柱状にしてもよく、そのよう
にすれば板ばねをそれに偏心して形成された取付
孔の偏心量の最大から最小の範囲で無段階に調整
することができる。また、高さ調整体に板ばねの
端部を結合する弾性部材はゴムバンドに代わりコ
イルばねなどであつてもよい。また、上記一実施
例ではベツドフレームの長手方向中央部分にだけ
板ばねを設けたが、全体にわたつて設けるように
してもよい。また、支持桟は上方に向かつて湾曲
した板ばねに代わり、弾力性を有していない帯状
の部材であつてもよい。

（考案の効果） 以上述べたようにこの考案は、ベツドフレーム
の幅方向両端部に架設された支軸にそれぞれ高さ
調整体を偏心回転自在に設け、この高さ調整体に
支持桟の端部を接合させ、その端部を伸縮自在な
弾性部材によつて上記支持桟に結合するようにし
た。したがつて、上記高さ調整体を偏心回転させ
れば、これに端部を接合させた板ばねの高さを変
えることができるから、各板ばねの高さを利用者
の背面の凹凸形状に対応するよう調整すれば、利
用者を背筋が伸びた正しい寝姿勢で支えることが
でき、良好な寝心地が得られる。また、板ばねの
支持高さを利用者の背面の凹凸形状に対応させる
ことによつて体の重い部分が大きく沈んで圧迫さ
れるのを防ぐこともできる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はベ
ツドフレームの幅方向に沿う断面図、第２図はベ
ツド装置全体の斜視図、第３図はベツドフレーム
の長手方向に沿う断面図、第４図は板ばね端部の
取付け構造の斜視図、第５図は同じく断面図、第
６図は板ばねと補助板ばねとの結合部分の断面図
である。 ４……ベツドフレーム、８……支軸、９……高
さ調整体、１２……板ばね（支持桟）、１３……
ゴムバンド（弾性部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベツドフレームと、このベツドフレームの幅方
   向両端部に長手方向に沿つて架設された一対の支
   軸と、これら支軸に偏心回転自在に取付けられた
   高さ調整体と、上記ベツドフレームの幅方向にお
   いて対応する各一対の高さ調整体にそれぞれ両端
   を接合させて架設された支持桟と、この支持桟の
   端部を上記高さ調整体に弾性的に結合した伸縮自
   在な弾性部材とを具備したことを特徴とするベツ
   ド装置。