JPH03370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、インクジエツトノズルに流体を供給
する機構に関するものであつて、詳しくは、記録
用カラーインクと洗浄液とを小型軽量化された比
較的簡単な構成で選択的に供給できる新規な機構
を提供するものである。

一般に、インクジエツトプリンタでは、電磁弁
の切り換えにより記録用インクと洗浄液とが選択
的にノズルに供給できるように構成されていて、
電磁弁とノズルとの管路長を短くするために電磁
弁をノズルと共にキヤリジに配置することが行わ
れている。

しかし、電磁弁は小型化が困難であり、重量も
比較的重い。このために、キヤリジに配置した場
合、キヤリジが比較的大きくなつて重量も重くな
り、キヤリジの走行時の加速性や停止特性が制限
されることになる。また、電磁弁内部の容積が比
較的大きいことから、洗浄モードから記録モード
に切り換えた場合に相当多量の洗浄液が残ること
になり、残留洗浄液をを流し出してインクに置き
換えるのに相当の時間を要し、記録開始までの待
ち時間が長くなるという欠点もある。

特に、複数種類のカラーインクを用いてカラー
記録を行う場合には、各インク毎に流体供給機構
を設けなければならず、キヤリツジの負荷は大き
くなつてしまう。

本考案は、このような点に着目したものであ
り、その目的は、小型、軽量で内部容積の小さな
カラー記録に適したインクジエツトノズル流体供
給機構を比較的簡単な構成で実現することにあ
る。

このような目的を達成する本考案は、内部で交
差連通するようにベースの長手方向に沿つて設け
られたカラーインクの種類に対応した複数の第
１、第２の貫通穴と、第１の貫通穴と内部で交差
連通するようにベースの端面間に設けられた第３
の貫通穴を有し、 それぞれの第１の貫通穴の内部の第２の貫通穴
との交差連通部と第３の貫通穴との交差連通部の
間には洗浄液の供給圧により弁が開く一方向弁が
挿入されてそれぞれの第１の貫通穴の両端は閉塞
され、 それぞれの第２の貫通穴の一端にはインクの供
給圧により弁が開く一方向弁を介してインク供給
口が取り付けられて他端には出力口が取り付けら
れ、 第３の貫通穴の一端には洗浄液供給口が取り付
けられて他端は閉塞されたことを特徴とする。

以下、図面を用いて詳細に説明する。

第１図は、本考案の原理構成説明図であつて、
１はベース、２，３は一方向弁、４，５は入力端
子、６は出力端子である。

ベース１には、インク供給口１１と洗浄液供給
口１２と出力口１３とが内部で互いに連通するよ
うに形成されている。これら各供給口１１，１２
及び出力口１３の内周にはねじ溝が設けられてい
る。一方向弁２，３は各供給口１１，１２に螺合
されるものであり、例えば第２図に示すように構
成されている。第２図において、円筒形のケース
２１の外周には各供給口１１，１２の内周のねじ
溝に螺合するねじ溝２２が設けられている。ケー
ス２１の内部には、ボール２３及びばね２４がボ
ール２３を一定方向にばね２４で押圧するように
して収納されていて、矢印Ａの方向にインク又は
洗浄液が加えられた場合にのみボール２３がばね
２４の押圧力に抗して移動してインク又は洗浄液
を矢印Ａの方向に通過させるように構成されてい
る。これら一方向弁２，３は、一端がベース１か
ら突出するようにして各供給口１１，１２に螺合
される。入力端子４，５は、一方向弁２，３にイ
ンク又は洗浄液を加えるために用いるものであつ
て、一端内周にはベース１から突出する一方向弁
２，３の端部の外周に螺合するねじ溝が設けら
れ、他端にはインク又は洗浄液を加えるためのチ
ユーブを連結するパイプが設けられている。出力
端子６は、図示しないノズルにインク又は洗浄液
を送出するために用いるものであつて、一端外周
には出力口１３の内周のねじ溝に螺合するねじ溝
が設けられ、他端にはノズルにインク又は洗浄液
を送出するためのチユーブを連結するパイプが設
けられている。なお、出力端子６としては、フイ
ルタ要素が組み込まれたものを用いてもよい。

このような構成において、入力端子４からイン
クを加えることにより出力端子６からインクが流
出することになり、入力端子５から洗浄液を加え
ることにより出力端子６から洗浄液が流出するこ
とになる。ここで、ベース１及び一方向弁２，３
は電磁弁に比べて十分小さくすることができて軽
くすることができ、内部の容積も小さくでき、切
り換えのために別の駆動源を用いる必要もない。

従つて、キヤリジに配置しても、キヤリジが電
磁弁を用いる場合のように大きくなることはなく
軽量化が図れ、キヤリジの走行時の加速性や停止
特性を改善することができる。また、内部の容積
が小さいことから、残留洗浄液を短時間で排出す
ることができ、記録待ち時間を短縮できる。

第３図は、第１図の等価回路図であつて、EVI
はインクの供給を制御する電磁弁、EVWは洗浄
液の供給を制御する電磁弁、VIはインクの供給
口に螺合される一方向弁、VWは洗浄液の供給口
に螺合される一方向弁である。電磁弁EVI，
EVWはベース１から離れた場所に配置され、相
補的に励磁駆動される。これにより、ノズルへの
インク又は洗浄液の選択供給を迅速かつ確実に行
うことができる。

第４図は、本考案の一実施例で用いるベース７
の具体例を示したものであり、４色のインクを用
いてカラー記録を行う装置の例を示している。第
４図において、長手方向に沿つた上下面及び前後
面の対向面間には内部で直交連通するようにして
貫通穴７１〜７８が設けられ、端面間には上下面
方向の貫通穴７１〜７４と内部で直交連通するよ
うにして貫通穴７９が設けられている。そして、
貫通穴７１〜７４の内部の貫通穴７５〜７８との
交差連通部と貫通穴７９との交差連通部の間には
貫通穴７９から加えられる洗浄液が貫通穴７５〜
７８に向かつて流れるようにして一方向弁が挿入
されてこれら貫通穴７１〜７４の両端は閉塞さ
れ、貫通穴７５〜７８の一端にはインクを供給す
るための一方向弁及び入力端子が螺合されて他端
には出力端子が螺合され、貫通穴７９の一端には
洗浄液を供給するための入力端子が螺合されて他
端は閉塞される。第５図は、第４図の等価回路図
であつて、EVI１〜EVI４はインクの供給を制御
する電磁弁、EVWは洗浄液の供給を制御する電
磁弁、VI１〜VI４はインクの供給口７５〜７８
に螺合される一方向弁、VW１〜VW４は貫通穴
７１〜７４の内部に挿入される一方向弁である。
電磁弁EVI１〜EVI４，EVWはベース７から離
れた場所に配置され、EVI１〜EVI４とEVWは
相補的に励磁駆動されて第３図と同様な動作を行
う。これにより、電磁弁をキヤリジに配置する従
来の構成に比べて大幅な小型軽量化を図ることが
できる。

また、このような構成によれば、ベースに温度
制御用のトランジスタを取り付けてトランジスタ
の発熱を利用してインクの温度を所定範囲に保つ
こともできる。

以上説明したように、本考案によれば、小型軽
量化された比較的簡単な構成で記録用カラーイン
クと洗浄液とを選択的にノズルに供給できるカラ
ー記録に適したインクジエツトノズル流体供給機
構が実現でき、実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理を示す構成説明図、第２
図は本考案で用いる一方向弁の具体例を示す構成
説明図、第３図は第１図の等価回路図、第４図は
本考案の一実施例で用いるベースの具体例を示す
構成説明図、第５図は第４図の等価回路図であ
る。 １，７……ベース、２，３……一方向弁、４，
５……入力端子、６……出力端子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部で交差連通するようにベースの長手方向に
   沿つて設けられたカラーインクの種類に対応した
   複数の第１、第２の貫通穴と、第１の貫通穴と内
   部で交差連通するようにベースの端面間に設けら
   れ第３の貫通穴を有し、 それぞれの第１の貫通穴の内部の第２の貫通穴
   との交差連通部と第３の貫通穴との交差連通部の
   間には洗浄液の供給圧により弁が開く一方向弁が
   挿入されてそれぞれの第１の貫通穴の両端は閉塞
   され、 それぞれの第２の貫通穴の一端にはインクの供
   給圧により弁が開く一方向弁を介してインク供給
   口が取り付けられて他端には出力口が取り付けら
   れ、 第３の貫通穴の一端には洗浄液供給口が取り付
   けられて他端は閉塞されたことを特徴とするイン
   クジエツトノズル流体供給機構。