JPH0335598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は記録シート上にて一方向へ往復移動す
るスライダ上に、これと直交方向へ移動するキヤ
リツジを設け、このキヤリツジ上にペンを保持し
ているＸ−Ｙプロツタに係るものであり、特に、
スライダ上のペンホルダを簡単な機構にて遠隔駆
動するペン駆動装置に関する。

コンピユータの出力機器として、グラフイツク
機能を有するものにＸ−Ｙプロツタがある。この
Ｘ−Ｙプロツタは記録シートを設置するテーブル
上に、スライダを往復移動自在に設け、このスラ
イダ上にキヤリツジを往復動作できるように設け
ている。そして、このキヤリツジ上のペンホルダ
によつてペンを保持している。記録動作の際に
は、スライダとキヤリツジを駆動してペンを移動
させ、所定の座標位置にてペンホルダを駆動しペ
ンを記録シート上へ接触させて文字あるいは図形
の書込みを行なつている。

ところが上記従来のＸ−Ｙプロツタでは、ペン
ホルダを昇降駆動するためにのソレノイドをキヤ
リツジ上あるいはスライダ上に搭載しているの
で、スライダあるいはキヤリツジの重量が大きく
なり、高速動作が不能になる欠点がある。また、
ソレノイドに接続する電気ハーネスの引き回しも
困難になる不都合も生じる。

本考案は上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、ペンホルダ駆動用のソレノイドを固
定部に設置し、このソレノイドの動力をペンホル
ダに伝達できるようにして、スライダとキヤリツ
ジを軽量化したＸ−Ｙプロツタのペン駆動装置を
提供することを目的としている。

本考案によるＸ−Ｙプロツタのペン駆動装置
は、スライダに沿う駆動レバーとスライダの移動
方向に沿う連絡レバーを設け、固定部上に設けた
ソレノイドによつてこの連絡レバーを起動し、さ
らに駆動レバーを介してペンホルダを動作させる
ようにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図は本考案によるＸ−Ｙプロツタのペン駆
動装置を示す概略斜視図、第２図は第１図の矢
視図、第３図は第１図の−断面図である。

第２図に示す符号１１はテーブルであり、記録
シートはこのテーブル１１上においてマグネツト
吸着盤などによつて固定される。このテーブル１
１の上方にはスライダ１２が設けられている。こ
のスライダ１２の基部１２ｂはガイド軸１３上に
支持されている。ガイド軸１３は断面小判形状で
あり、スライダ１２の基部１２ｂに設けられたホ
ルダ１２ａがガイド軸１３にスプライン係合さ
れ、片持ち支持の状態でＸ方向へ移動するように
なつている。なお、ガイド軸１３の端部は側板１
４に固定されている。また、スライダ１２上には
キヤリツジ１５がＹ方向へ移動自在に設けられて
いる。そして、このキヤリツジ１５上に搭載され
たペンホルダ１６によつてペンＰが保持されてい
る。

第３図に示すように、キヤリツジ１５はＬ字形
状に成形されており、その基部にホルダ１５ａが
一体に設けられている。前記スライダ１２は断面
小判形状の軸であり、ホルダ１５ａはこのスライ
ダ１２に対してスプライン係合によつて移動自在
に支持されているものである。またスライダ１５
の先部には支持部１５ｂがほぼ垂直に形成されて
おり、この支持部１５ｂの中央部にガイド溝１５
ｃが形成されている。また、第３図に示すよう
に、キヤリツジ１５上にはガイド軸１７が設けら
れている。前記ペンホルダ１６の中央部はガイド
溝１５ｃ内にてガイドされており、またペンホル
ダ１６に形成されたガイド穴１６ａがガイド軸１
７に摺動することによつて、ペンホルダ１６なら
びにこれに保持されているペンＰが矢印イ−ロ方
向に動作するようになつている。ペンホルダ１６
の先部には保持爪１８が設けられており、ペンＰ
の上部はこの保持爪１８によつて保持されてい
る。また、キヤリツジ１５の下面には板ばね１９
が固定されている。ペンＰの先部はこの板ばね１
９によつて支持されており、その弾性力によつて
ロ方向へ付勢されている。

スライダ１２の上部と側部は駆動レバー２１に
よつて覆われている。第３図に示すように、この
駆動レバー２１は断面Ｌ字形状に成形されている
ものである。この駆動レバー２１の長手方向両端
部には直角の折曲げ部２１ａが形成されており、
この折曲げ部２１ａがスライダ１２の基部１２ｂ
とスライダ１２の先部１２ｃに対して回動自在に
支持されている。図の実施例では、この折曲げ部
２１ａを支持する軸としてスライダ１２自体を兼
用しているが、この折曲げ部２１ａを支持する軸
を別個に設けてもよい。また、第３図に示すよう
に、駆動レバー２１の上端部２１ｂは前記ペンホ
ルダ１６の後部１６ｂの上側に対向している。さ
らに、第１図に示すように、駆動レバー２１の一
端には補助駆動レバー２２が固設されている。こ
の補助駆動レバー２２は曲面形状に折曲げられて
おり、その先端２２ａはホルダ１２ａの上方まで
延びている。

第１図に示すように、前記ガイド軸１３に沿う
位置には、連絡レバー２３がガイド軸１３と平行
に設置されており、前記補助駆動レバー２２の先
端２２ａはこの連絡レバー２３の下側に対向して
いる。この連絡レバー２３の一端には折曲げ部２
３ａが形成されており（第２図参照）、この折曲
げ部２３ａが前記側板１４に対し、軸２４によつ
て回動自在に支持されている。図示しないが、連
絡レバー２３の他端部も同様に他の側板に対して
回動自在に支持されている。連絡レバー２３の端
部には、駆動片２３ｂが一体に設けられており、
この駆動片２３ｂは側板１４に形成された切欠き
１４ａから外方へ突出している。そして、側板１
４の外側には自己保持型ソレノイド２５が設置さ
れており、そのアマチユア２６が前記駆動片２３
ｂの上側に対向している。

次に、上記構成によるＸ−Ｙプロツタのペン駆
動装置の動作について説明する。

自己保持型ソレノイド２５のアマチユア２６が
開いているとき、すなわち、チ方向にあるとき、
自己保持型ソレノイド２５の駆動力は連絡レバー
２３と駆動レバー２１に伝わらない。よつてキヤ
リツジ１５上のペンホルダ１６ならびにペンＰ
は、板ばね１９の弾性力によつて上方（矢印ロ方
向）へ移動しており、ペン先はテーブル１１上の
記録シートから離れている。また、板ばね１９の
力により、ペンホルダ１６の後部１６ａが駆動レ
バー２１の上端部２１ｂを押し上げ、且つこの力
によつて補助駆動レバー２２が連絡レバー２３を
上方へ押し上げている。よつて、駆動レバー２１
は矢印ニ方向に位置しており、また、連絡レバー
２３は矢印ヘ方向に位置している。また、この板
ばね１９の力が弱い場合には、駆動レバー２１を
ニ方向へ付勢し、あるいは、連絡レバー２３をヘ
方向へ付勢するばねなどを別に備えてもよい。

次に、自己保持型ソレノイド２５のアマチユア
２６が閉じたとき（矢印ト方向へ動いたとき）、
アマチユア２６の先端が駆動片２３ｂを押し、連
絡レバー２３が矢印ホ方向へ回動する。そして、
この連絡レバー２３が補助駆動レバー２２を押
し、駆動レバー２１がハ方向へ回動する。そし
て、駆動レバー２１の上端部２１ｂがペンホルダ
１６の後部１６ｂを押し、ペンＰが矢印イ方向へ
押し出され、ペン先が記録シートに接触する。

一方、図示していないが、スライダ駆動用モー
タを正逆回転させると、その動力は駆動ワイヤに
よつてスライダ１２に伝わり、スライダ１２がＸ
方向へ牽引される。また、キヤリツジ駆動用モー
タを正逆回転させると、その動力は駆動ワイヤに
よつてキヤリツジ１５に伝達され、キヤリツジ１
５がＹ方向へ牽引される。その結果、各モータの
回転方向に応じてキヤリツジ１５上のペンＰがＸ
−Ｙ方向へ駆動される。このとき、前記のよう
に、自己保持型ソレノイド２５のアマチユア２６
を閉じてペン先を記録シートに接触させておけ
ば、Ｘ−Ｙ動作に応じた図形あるいは文字が描か
れる。なお、スライダ２１がＸ方向へ移動する
際、補助駆動レバー２２の先端２２ａは常に連絡
レバー２３の下側に沿つて移動し、またキヤリツ
ジ１５がＹ方向へ移動する際、ペンホルダ１６の
後部は常に駆動レバー２１の上端部２１ｂの下側
に沿つて移動する。よつて、スライダ２１ならび
にキヤリツジ１５がどの位置にあつても自己保持
型ソレノイド２５の動力をペンホルダ１６に伝達
することが可能である。

以上のように本考案によれば、以下に列記する
効果を奏するようになる。

(1) ソレノイドを固定部に設置し、この動力を各
レバーによつてペンホルダに伝えるようにした
ので、スライダならびにキヤリツジにソレノイ
ドを搭載する必要がなくなる。よつて移動部の
重量が軽くなり、キヤリツジなどの動きがスム
ーズになつて、高速印字動作が可能になる。

(2) ソレノイドを移動部に設けていないので、こ
のソレノイドに対する電気配線が簡単になり、
組立作業が容易になる。

(3) 駆動レバーをスライダに沿つて設け、また連
絡レバーをスライダの移動方向に沿つて設けた
ので、スライダならびに、キヤリツジがどの位
置にあつてもペンの駆動力を確実に伝えること
ができる。

(4) 図示の実施例のように、駆動レバー２１を断
面Ｌ字形状にし、これによつてスライダ１２を
覆うようにすれば、この駆動レバー２１がカバ
ーとしての機能を発揮するようになり、スライ
ダ１２のデザインも良好になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のＸ−Ｙプロツタのペン駆動装
置を示す斜視図、第２図は第１図の矢視図、第
３図は第１図の−断面図である。 １１……テーブル、１２……スライダ、１３…
…ガイド軸、１５……キヤリツジ、１６……ペン
ホルダ、Ｐ……ペン、２１……駆動レバー、２３
……連絡レバー、２４……連絡レバーの回動軸、
２５……ソレノイド、２６……アマチユア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録シート上を移動するスライダと、このスラ
   イダ上にてスライダの移動方向と直交する方向へ
   移動するキヤリツジと、キヤリツジ上にてペンを
   保持するとともに前記記録シートに対して接近離
   反動作するペンホルダとを備えているＸ−Ｙプロ
   ツタにおいて、前記スライダに沿つて設けられ且
   つキヤリツジの移動方向に伸びる軸を支点として
   回動動作する駆動レバーを、ペンホルダに対向さ
   せ、さらに、スライダの移動方向に沿つて設けら
   れ且つスライダの移動方向に伸びる軸を支点とし
   て回動動作する連絡レバーを、前記駆動レバーの
   端部に対向させ、この連絡レバーを駆動するソレ
   ノイドを固定部上に設けたことを特徴とするＸ−
   Ｙプロツタのペン駆動装置。