JPH0335077B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は紙、プラスチツク等の矩形シートの四
隅を円弧状に切断加工する裁断装置に関し、特に
多種の大きさのシートの切断加工を容易に行ない
得る自動裁断装置に関する。

例えば、レントゲンフイルムシートは使用者の
取扱い上の便宜が考慮され、シートの四隅が円弧
状に切断加工されている。この様なシートの角の
円弧状の加工を角丸加工と称しており、従来この
様な角丸加工を行なう裁断装置として、例えば第
１図に示す様にシートを所定寸法に切断加工した
後に多数枚集積し、そのシート束１を一隅づつ凹
状切断刃２で切断加工する装置（以後第一の公知
例という）や、第２図に示す様に、シート３を矩
形シート４に切断するときに同時に角丸加工を行
なう装置などが知られている。

後者の型の裁断装置は、更に、切断刃５がシー
ト面に対して垂直方向に移動し、シートウエブを
一定長づつ間欠的に繰り出し切断加工する装置
（以後第二の公知例という）、切断刃５がロータリ
ーカツターとして構成され、シートウエブを連続
的に切断加工する装置（以後第三の公知例とい
う）、及び二対の切断刃によりシートの四隅を同
時に打ち抜く装置（以後第四の公知例という）に
分類できる。

従来知られた角丸加工を行なう裁断装置として
は、更に第３図および第４図に示す様な所定寸法
に切断加工されたシート６の搬送中に、シート面
と垂直の方向に一対の切断刃７，８を動かして隣
接する二枚のシート４，４′の先行シート４後端
二隅と後続シート４′先端二隅を同時に切断加工
する装置（以後第五の公知例という）がある。こ
の装置では、一対の切断刃７，８はスライド板９
の板平面上を上下動する様に構成され、スライド
板９自身はシートの進行方向と平行方向に往復運
動を繰り返す。

これらの従来公知の装置のうち、第一の公知例
で角丸加工を行なう場合は、シート束１のうち最
下層にあるシートを保護するため、シート寸法よ
り若干小さめの四隅が角丸加工された厚紙を該最
下層のシートの下にあてがつてシート束１を切断
するが、切断力とシート束１の自重が下刃に集中
するため、レントゲンフイルムではプレツシヤー
と呼ばれる圧力カブリが発生するとともに、最下
層の近辺のシートはたわんで切断不能または切れ
味の良くない切断結果となる。更にレントゲンフ
イルムにおいては角丸加工後に各シートを一枚づ
つ挾紙に包装する場合があるため、その様な場合
には角丸加工前に一度集積したシートを再び一枚
づつ繰り出さなければならず、機構が複雑化する
とともに、角丸加工を行なう角丸工程と次の挾持
包装工程を連結して自動化する際の妨げとなつて
いた。

これに対し、第二乃至第四の公知例では、角丸
工程と挾紙包装工程を連結し得るし、さらにシー
ト切断と角丸加工を同時に行なえる等の特長があ
る反面、第二の公知例では加工処理速度に限界が
あること、第三の公知例では刃合せ作業に熟練を
要するとともにシートの幅方向の寸法が固定され
てしまうこと、第四の公知例ではシートサイズは
一種類に限定されるとともに、切断装置はクラン
ク動作を行なうため、切断装置の慣性にも依る
が、加工処理速度に限界があること等の欠点を有
していた。

次に第五の公知例では、第一乃至第四の各公知
例の欠点が改良されてはいるが、スライド板９が
往復運動をする構造であるため、やはり加工処理
速度に限界があり、特にシート６の長さが短いと
きは、その影響が著しいという欠点を有してい
た。

本発明はこれらの従来知られた装置の欠点を解
消するためになされたものであり、少なくとも紙
やプラスチツク等の矩形シートのシート面に対し
て垂直方向に一対の上下刃を移動せしめ該矩形シ
ートの角を円弧状に切断する切断機構と、該切断
機構を無端軌道上に保持し、前記矩形シートの移
動方向と同方向に搬送する搬送機構と、該切断機
構と搬送機構を基板上に支持する支持機構とを有
し、該支持機構は、切断機構および搬送機構を一
体として矩形シートの幅方向に移動可能としたこ
とを特徴とし、前記矩形シートの角を円弧状に切
断する角丸工程をはさんでその前後の工程を自動
化し得、シート加工処理速度等を高速化し得、か
つあらゆる大きさのシートの角丸加工処理を可能
とする自動裁断装置を提供することを目的とす
る。

以下、本発明の実施例につき、第５図乃至第７
図を参照しながら説明する。

第５図において、１１は矩形に切断形成された
シート、１２は該矩形シート１１を搬送する多条
の搬送ベルトコンベアで図示しない駆動装置によ
り一定速度で駆動され、矩形シート１１は該コン
ベア１２を第６図に示すごとく一定間隔Ｓを保つ
て搬送されてくる。上刃１３は凹状のほぼ四分の
一円形状の２つの切刃１３ａ，１３ｂから、一方
下刃１４は上刃１３ａ，１３ｂに対応する凸状の
２つの切刃１４ａ，１４ｂから構成されている。
上刃１３の切刃１３ａ，１３ｂ、下刃１４の切刃
１４ａ，１４ｂはそれぞれ、ほぼシート間隔の距
離Ｓだけ離れており、第６図に示すように、先行
シート１１ａの後端部の一隅と後続シート１１ｂ
の先端部の一隅を同時に円弧状に角丸切断可能と
なつている。

スライダー１５の一面に設けられたアリミゾ１
６にかん合して切断機構１７を形成する前記上刃
１３及び下刃１４は、上下方向すなわちシート面
１１に垂直方向に摺動可能となつている。第６図
に示すごとく切断機構はシートを挾んで両側に設
置されている（記号では１７と１７′）が、同一
構成ゆえ切断機構１７で代表して述べる。スライ
ダー１５の上部にはピン１８が固設され、引張コ
イルバネ１９が該ピン１８と前記上刃１３より突
出したピン２０間に張設せられ、ゆえに該コイル
バネ１９のスプリング力により前記上刃１３は常
に上方に指向するような力を受ける。該上刃１３
の上部のブラケツト２１にはカムフオロアー２２
が回転可能に軸支されている。２３は第７図にそ
の正面形状を示すごとく起伏を有するカム板であ
り、該カム板２３に前記カムフオロアー２２がバ
ネ１９のスプリング力により当接しているので該
カム板２３の起伏に応じて上刃１３はスライダー
１５上を上下に摺動運動する。スライダー１５の
ほぼ中央部よりやや下部にはピン２４が固設さ
れ、下刃１４の側面から突出したピン２６との間
に引張コイルバネ２５が張設されていて、該バネ
２５の引張力により下刃１４の自重に抗して下刃
１４を釣合位置に保持している。

該下刃１４の下部のブラケツト２７内にはカム
フオロアー２８が回転可能に軸支され、起伏を有
するカム板２９に該カムフオロアー２８が当接す
ることにより該カム板２９の起伏形状に応じて下
刃１４はスライダー１５上を上下に摺動運動す
る。

該カム板２９は基板３１上に支柱３０で固設さ
れており、図示は省略するがカム板２３も同様に
適宜の手段で基板３１上に固設されている。前記
スライダー１５の天頂部及び上部背面にはブラケ
ツト３２，３３が固設されていてそれぞれＬ字型
の上部ガイド板３６に当接するカムフオロアー３
４，３５を回転自在に軸支している。同様に該ス
ライダー１５の底部及び下部背面にはブラケツト
３７，３８が固設されていて、それぞれＬ字型の
下部ガイド板４１に当接するカムフオロアー３
９，４０を回転自在に軸支している。上部ガイド
板３６及び下部ガイド板４１は長円形状をなす無
端構造であり、従つて後述するようにチエーンで
搬送駆動される切断機構１７は該ガイド板３６，
４１に沿つて長円運動を行う。なお、これらガイ
ド板３６，４１に当接するカムフオロアー３４，
３５，３９，４０は第６図に示すように一部位に
２個のカムフオロアー（例えば３４，３４等）で
構成すると長円運動時の精度が良く、また振動防
止上効果がある。

下部ガイド板４１は支柱４２により基板３１上
に、固定されており、図示は省略するが同様に上
部ガイド板３６も適宜の手段により基板３１上に
固定されている。送り爪付チエーン４４の送り爪
４５に保持されたブラケツト４３がスライダー１
５の中央部背面に固設されている。基板３１上に
固定されたモーター４８のシヤフト４７に、キー
止めされたチエーンホイール４６と、他端のチエ
ーンホイール４６ａ（第６図）間に送り爪付チエ
ーン４４が張設されている。チエーンホイール４
６ａは適宜な軸受手段により回転可能に軸支され
ている（図示省略）。モーター４８は可変速モー
ター、好ましくはDCモーターを使用し、切断機
構１７が切断サイクル（後述）中はシート搬送速
度に同期させ、切断サイクルが終つて次の切断サ
イクルに入るまでの移動サイクル中は、シート１
１の長さに応じて移動速度を変化させる。

基板３１の下面に固設された摺動ベアリング４
９は、架台表面５０上に支持ボルト５２で支持固
定されたスライドシヤフト５１に嵌合することに
より該基板３１はシート１１の幅手方向（第５図
の矢印Ａ方向）に摺動可能である。摺動の駆動源
としては、架台表面５０に止め具５６で固定され
たエアシリンダ５４が用いられ、該エアシリンダ
５４のピストンロツド５５は基板３１の下部に固
定されたブラケツト５３に連結されており、該エ
アシリンダ５４の作動によつて基板３１及び基板
３１に取付けられたすべての部品は一体となつて
シート１１の幅手方向に移動する。５７はシート
１１の幅寸法種類の数だけ設置されたリミツトス
イツチ列であり、シート１１の幅寸法が変つたと
きエアシリンダ５４が作動して基板３１下面に取
付けた検出ドツク５８が該当するリミツトスイツ
チに当接するまで基板３１を水平移動させる。し
たがつて、シート１１の幅に合せた切断機構１７
等の設定が極めて容易に行える。

次に、以上のごとく構成された本実施例の動作
を説明する。

シート１１は図示しない矩形シート切断機、例
えばロータリーカツターによつて連続的に切断さ
れ所定寸法のシート形状となつた後に、搬送コン
ベア１２上に移されて本発明の裁断装置まで運ば
れてくる。本発明ではコンベア１２上のシート１
１相互の間隔Ｓはシート１１の長さいかんにかか
わらず一定でなければならない。従つてロータリ
ーカツターにシートウエブを送り込む基準速度を
Ｖ、コンベア１２の搬送速度をV_c、シート間隔
をＳ、シート長さをＬとするとV_c＝Ｖ（１＋Ｓ／Ｌ） となり、シート間隔Ｓを常に一定とならしめるた
めにはシート長さＬに応じてコンベア１２の搬送
速度V_cを変化させればよい。このためコンベア
１２の図示しない駆動源としてDCモーターを用
いれば、速度制御は容易に行える。

次にシート１１と切断機構１７とのタイミング
について第６図を用いて説明する。第６図におい
てシート１１は下方から上方へと搬送されていく
ものとし切断機構１７も送り爪付チエーン４４の
走行に伴つてシート進行方向と同一方向に搬送さ
れた後チエーンホイール４６により方向が反転さ
れ、さらにチエーンホイール４６ａにより再び反
転されてシート進行方向と同一になる。

いま切断機構１７の進行方向に沿つて区間AC
を切断サイクル区間、区間CPDEQAを移動サイ
クル区間と呼ぶ。切断サイクル区間内では切断機
構１７の走行速度とシート１１の搬送速度が同期
しているとともに角丸切断加工が行なわれる。い
ま切断機構１７に連結している送り爪付チエーン
４４がＢ点からＣ点まで距離x₁進めば、シート１
１ｂとシート１１ｃのシート間中心点は、距離x₁
進んでB′からC′点に達する。さらにシートが前進
してシート間中心点が、切断サイクル開始点のＡ
に対応するA′まで距離x₂だけ進むのに要する時
間をｔ＝x₂／V_cとすれば、時間ｔのうちに切断
機構１７はＣ点からＰ，Ｄ，Ｅ，Ｑを経由して再
びＡ点に帰つてこなければならない。すなわち、
距離CPDEQAは装置構成上、あらかじめ分つて
いる数値であり従つてシート搬送速度V_cを換言
すればシートウエブの基準送り速度Ｖとシート長
さＳをインプツトすれば公知の制御器によりチエ
ーンホイール４６の駆動モーター４８の速度制御
は容易に行える。以上は切断機構１７が１台の場
合の説明だが、Ｂ点と軸対称位置のＤ点（すなわ
ち距離DQB＝距離BPDなる点）に、さらに１台
切断機構が設置されているときはＤ点から距離x₁
離れたＥ点からＱを経てＡ点に至るまでのモータ
ー４８の速度カーブを時間ｔとの関係で設定すれ
ばよい。切断機構がさらに複数台で構成されてい
ても、同様である。切断機構が複数台で構成され
るときは、移動サイクル中の加速度が小さくてす
むというメリツトを有している。切断機構１７が
切断サイクルに入ると上下に固設されたカム板２
３，２９にそれぞれカムフオロア２２，２８が当
接して上刃１３、下刃１４を上下動せしめ両刃が
かみ合うことによつて確実な角丸切断加工ができ
る。

シート長さＬが変わつた場合は新規なＬの値を
制御器に入力するのみでよいが、シート幅寸法Ｗ
が変わつた場合は、エアシリンダー５４を作動さ
せて新規なシート幅Ｗに該当するリミツトスイツ
チ５７に検出ドツク５８が当接するまで基板３１
をシート幅方向に移動せしめる。

以上本発明の一実施例について説明したが、本
発明の技術的範囲は本実施例に拘束されるもので
はなく種々の変形が可能である。例えば、前記実
施例では上下刃の上下運動のためにカム板とカム
フオロアーを用いたが、エアシリンダによる駆動
でもよい。また、基板のシート幅方向移動のため
にエアシリンダを用いたが、モーターとしてもよ
い。この場合はスライドシヤフトの代りにボール
ネジを用いる。以上述べた様に本発明によればシ
ートの搬送を停止することなく角丸加工を行うこ
とから角丸加工工程の前後をコンベアで接続して
自動化しうるとともに角丸装置が無端状の長円運
動を行うため高速加工処理が可能で、なおかつ、
あらゆるシートサイズに対しても処理可能である
等実用上極めて重要な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来の裁断装置の角丸加工
方法を示す説明図、第５図乃至第７図は本発明の
一実施例を示すもので、第５図は断面図、第６図
は平面図、第７図は要部の正面図である。 １１はシート、１３は上刃、１４は下刃、１５
はスライダー、１７，１７′は切断機構、２３，
２９はカム板、３１は基板、３６，４１はガイド
板、４４はチエーン、４５は送り爪、４８はモー
ター、４９は摺動ベアリング、５１はスライドシ
ヤフト、５４はエアシリンダ、５７はリミツトス
イツチ、５８は検出ドツクである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 少なくとも紙やプラスチツク等の矩形シート
   のシート面に対して垂直方向に一対の上下刃を移
   動せしめ、該矩形シートの角を円弧状に切断する
   切断機構と、該切断機構を無端軌道上に保持し前
   記矩形シートの移動方向と同方向に搬送する搬送
   機構と、該切断機構と搬送機構を基板上に支持す
   る支持機構とを有し、該支持機構は、切断機構お
   よび搬送機構を一体として矩形シートの幅方向に
   移動可能としたことを特徴とする自動裁断装置。