JPH0332331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は手首部へ装着する非観血型となる携帯
用血圧計に関し、詳しくは手首の所謂脈所を直接
押圧して擦過音をキヤツチする如くした血圧計に
係るものである。

＜従来の技術＞ 従来、一般に用いられている医師用血圧計を始
めとし近時普及しつつある一般家庭用となる電子
血圧計等の構成は、あくまでも上腕部（二の腕）
に巻着け緊縛を得る腕帯（カフ）と、該腕帯に連
結する送気球と、腕帯より送気圧を導き連結する
計測器並びに擦過音をとらえる聴診器の組合せを
もつてなる。即ち、今までの血圧計一式は大型化
となり崇ばるため携帯用としては不向きである。
特に、一番問題となる点は、広幅となる腕帯を腕
まくりした上腕部に、他の片方の手をもつて装着
せねばならず、極めて面倒な作業をしいられる。
勿論、仲々うまく巻付かず、自分自身（一人）で
計測操作することは難しく、正確な血圧測定とな
るといまだに医師等の専門家に頼らざるを得な
い。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案は上記実情に鑑み、擦過音を得る緊縛帯
を一人でも簡単に扱える手首へ巻付けの時計バン
ドタイプとし、且つ該緊縛帯部に直接計測器部を
備えたコンパクト設計とする簡易型の血圧計を提
供することを目的としたものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、末端にフツクループ式フアスナー等
を配す時計バンド状手首縛帯の中間に、上面にア
ネロイド型血圧表示体を突設し下面に動脈押圧体
繰り出し自在に配した検出筐体を介在し、該検出
筐体内に形成した加圧路の一分岐路部に、前記動
脈押圧体の基部に配すアネロイドベローズ型受圧
体を臨ませると共に、他の分岐路部に前記血圧表
示体の基部に配したアネロイドベローズ型受圧体
を臨ませ、且つ前記動脈押圧体の近傍となる検出
筐体下面に擦過音用マイクロホンとこの内部に出
力電気信号変換部を設け、この信号を受け擦過音
発生を知らしめるLED等の表示用ランプを血圧
表示体の目盛盤部に設け、また前記検出筐体の加
圧路の入口部にパイプを介し排気弁付送気球を連
結してなる。

＜作 用＞ 上記のような構成のため、使用に際し手首縛帯
を手首部に腕時計を巻付ける如く装着するもので
あるが、この場合、検出筐体の下面に配した動脈
押圧体部が所謂脈所となる動脈位置上に合致する
よう臨ませる。

この後、今までの血圧計同様に送気球を押圧
し、この繰り出された加圧気体（空気）を検出筐
体の動脈押圧体用受圧体と血圧表示体用受圧体に
導けば、この圧力変換で動脈押圧体が下面より繰
り出され動脈を圧迫し、一旦血流を停止した後、
加圧を緩め（排気）ていき擦過音をキヤツチし、
その開始と消滅時点を、他の血圧表示体用受圧体
連動する血圧表示体の指針位置で読み取り、最高
血圧、最低血圧とする。このときの擦過音は表示
用ランプの点滅により確認するものである。

＜実施例＞ 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

１は腕時計ケース状の検出筐体で、該検出筐体
１の前後端に時計バンド状手首縛帯２を取付け、
この両端部に配したフツクループ式フアスナーよ
りなる止具３をもつて手首に巻付ける如くしてな
る。この検出筐体１の構成は、上面１ａにアネロ
イド型血圧表示体４を突設し、下面に動脈位置
（所謂脈所）へあてがう動脈押圧体５を案内孔１
ｃより繰り出し自在とすると共に、該動脈押圧体
５の基部には金属製可撓チヤンバー（アネロイド
ベローズ）よりなる受圧体６を配し、血圧表示体
４の基部に前記同様な構造をもつ受圧体７を備え
てなる。この受圧体６，７は検出筐体本体内に配
管又は刻設した加圧路８より分岐した分岐路部８
ａ，８ｂに接続されてなり、且つ前記動脈押圧体
５の繰り出し位置の近傍となる下面１ｂ位置に擦
過音用マイクロホン９を埋設し、該マイクロホン
９の採音を、例えば増幅器、帯域フイルター検波
器、振幅弁別器等の構成をもつ公知の出力電気信
号変換部１０に導き、この出力を血圧表示体４の
目盛盤部１６に設けたLEDよりなるランプ１１
に接続するものとなつている。１２は出力電気信
号変換部１０用の乾電池である。１３は検出筐体
１の外部に送気管１４をもつて接続したゴム球よ
りなる送気球で、該送気球１３の送気口近傍には
逆止弁付きの排気弁１５を備えてなる。この場
合、送気管１４の基端は加圧路８に直接接続して
も、ジヨイント（図示せず）を介し着脱自在とし
てもよい。

いまこの作用を説明すると、先ずこのように構
成した血圧計１８の主体となる検出筐体１を、該
検出筐体１の下面１ｂに臨む動脈押圧体５部が手
首の動脈位置Ａに合致するようあてがい、この状
態で手首縛帯２を腕時計を装着するように手首へ
廻し、両端の止具３を係止する。この場合は、動
脈押圧体５の圧迫子部５ａはまだ案内孔１ｃ端面
より突出していないものとする。

ここにおいて、普通の血圧計操作と同様に送気
球１３を握るよう押圧し、この加圧気体を検出筐
体１の加圧路８へ導く。この加圧路８へ入つた加
圧気体が動脈押圧体側となる一方の分岐路部８ａ
に進めば、該分岐路部８ａに接続されたダイヤフ
ラム作動をもつ受圧体６の可撓チヤンバー部６ａ
を作動し先端のロツド部６ｂを、この圧力に応じ
押し出すため、該ロツド部６ｂに一体的に接続し
た動脈押圧体５を可動し、下面１ｂより繰り出さ
れた圧迫子部５ａが動脈位置Ａを押圧し、脈の血
流を一旦停止させる。

一方、これと同時に他の分岐路部８ｂへ進んだ
加圧気体は、該分岐路部８ｂに接続の血圧表示体
用受圧体７にかかり、該受圧体７の可撓チヤンバ
ー部７ａを作動し、この先端のロツド部７ｂを圧
力に応じて突き上げるため、該ロツドぶ７ｂに適
宜の連結部材を介して接続した血圧表示体４の作
動杆４ａを押上げ、該作動杆４ａに連動して歯車
４ｂが回転し、該歯車４ｂに噛合の指示軸用歯車
４ｃが回転し、この軸４ｄに装着のスプリング４
ｅに抗して指針１７を回転させ、目盛盤部１６の
目盛１６ａを指すものである。この場合、血流停
止状態を得るときは、従来と同様に被測定者の今
までの血圧値等を参考としてすくし上限を越える
程度の値に来るよう加圧する。

次に、この状態（血流停止）にて前記動脈押圧
体５の圧迫を、送気球１３の近傍に配した排気弁
１５の調整をもつて行なつて緩めて行くものであ
る。ここにおいて、今まで止まつていた血流が流
れ始め心拍に同期して擦過音（コロトコフ音）が
生じる。この擦過音を動脈押圧体５の近傍のマイ
クロホン９がキヤツチし、出力電気信号変換部１
０にて適宜増幅、整形し、この出力を目盛盤部１
６のランプ１１に入力させて点灯（点滅）する。
このランプ１１の点灯が擦過音発生時であるた
め、このとき指針１７の指す目盛盤部１６の目盛
１６ａを読み取れば、それが最高血圧（収縮期
圧）となる。

更に、この状態にて排気弁１５を調整し順次減
圧し、動脈押圧体５の動脈への圧迫を解き、或る
位置でこの擦過音が急に小さくなつて消滅するも
のとなる。この時、前記ランプ１１の点灯消える
ため、その状態の指針１７を読めば、これが最低
血圧（拡張期圧）となる。

＜考案の効果＞ 上述のように本考案の携帯用血圧計は、手首へ
装着する時計バンドタイプとしたことにより、装
置全体がコンパクトとなり、携帯用に非常に便利
となる。しかも、この場合の擦過音発生手段は、
従来より一般的に馴染みの深い動脈位置（脈所）
を直接圧迫させる動脈押圧体をもつてなすため、
セツト位置も確実にあることは勿論のこと、従来
の如きにいちいち二の腕まで着衣をまくりあげる
必要がなく、急に気分が悪くなつた時のような緊
急状態下でも血圧測定が容易となり、且つ最大の
福音は手首装着でよいため一人（自分自身）で確
実に測定し得る点にある。更に、本考案の構成は
操作の簡単な送気タイプ（アネロイドタイプ）を
採つてなるため、誤動作、故障を招かず、前記コ
ンパクトと相俟つて旅行等の携帯に適する。ま
た、この擦過音はランプ点灯に変換される構成の
ため、年寄り等の如き耳の少し遠い人でも確認し
得る等の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
斜面図、第２図は要部縦断側面図、第３図は検出
筐体部の底面図、第４図は同内部加圧路を示す平
面図、第５図は動脈押圧体部の説明図、第６図は
血圧表示体部の説明図、第７図はランプ表示の説
明図、第８図は使用状態の斜面図である。 １……検出筐体、１ａ……上面、１ｂ……下
面、２……時計バンド状手首縛帯、４……アネロ
イド型血圧表示体、５……動脈押圧体、６，７…
…受圧体、８……加圧路、８ａ，８ｂ……分岐路
部、９……マイクロホン、１０……出力電気信号
変換部、１１……ランプ、１３……送気球、１５
……排気弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に止具をもつ時計バンド状手首縛帯に取付
   ける検出筐体の下面に穿つた案内孔に、内部に配
   設のアネロイドベローズ型受圧体の動脈押圧体を
   繰り出し自在に臨ませると共に、検出筐体の上面
   片側にアネロイド型血圧表示体を突設し、該血圧
   表示体の基部に前記受圧体と同様の受圧体を備
   え、且つ検出筐体の側部に臨む前記双方の受圧体
   に連通する加圧路の一部分岐路端に、先端に送気
   球と排気弁を設けた適宜長さをもつ送気管の基端
   を接続し、また前記動脈押圧体の近傍となる検出
   筐の下面に擦過音用マイクロホンを取付け、この
   擦過音用検知信号表示用ランプを血圧表示体内に
   配した携帯用血圧計。