JPH0332160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は左右２つの音声信号から生成するサラ
ウンド音声の信号処理装置に関するものである。

〈考案の概要〉 本考案は２種類のサラウンド音声処理回路を有
するサラウンドデコーダにおいて、双方の音声処
理回路の混合出力レベルが常に一定となるもので
ある。

〈従来の技術〉 一般のビデオデイスクプレーヤ、ビデオテープ
レコーダ或いはステレオ放送受信機などより得ら
れる左右のステレオ音声をフロント音声とし、さ
らにこのステレオ音声を基にして適宜の処理を加
えてリア音声を生成するサラウンド音声再生シス
テムは映画館やホールなどと同様の臨場感溢れる
立体的な音場を再現でき有効である。

このようなサラウンド音声再生システムに関し
従来から予め送信側（記録系）において収録した
リア音声信号をステレオ音声信号にエンコードし
て２チヤンネルの音声信号として送信し、受信側
（再生系）でデコードすることにより、フロント
ステレオ音声とリア音声を生成するシステムが既
に実用化されている。またこのようなシステムと
は異なり、通常のステレオ音声信号からリア音声
信号を生成し、サラウンド再生する簡易的なシス
テムについても種々検討されている。

〈考案の目的〉 本考案は後者の簡易的なサウンド音声再生シス
テムに使用する信号処理装置に関し、特に２種類
のサウンド音声処理回路を有するサウンドデコ−
ダにおいて、双方の音声処理回路への入力信号の
レベル調整を行なつた場合にも出力レベルの変動
しない一定の混合出力を得ることを目的とするも
のである。

〈実施例〉 以下図面に示す実施例に従つて本考案を説明す
る。第１図は本考案の一実施例の概略構成をブロ
ツク図で示したものであり、ここで１Ｌ，１Ｒは
左，右のステレオ信号が入力される入力端子、２
Ｌ，２Ｒはこのステレオ入力信号がそのまま出力
される出力端子である。入力端子１Ｌ，１Ｒに入
力された左，右のステレオ信号がそのまま出力端
子２Ｌ，２Ｒに導出されるとともに計算回路３に
供給され、ここで左右の入力信号が減算される。
このとき得られる差信号は切換スイツチ４を介し
て第１の音声処理回路５に供給される。この音声
処理回路５はBBD等の遅延素子で構成した遅延
回路と送信側（記録系）に対応したノイズリダク
シヨン回路が内蔵され、音声処理回路５に入力さ
れた差信号は約20msec程度遅延されるとともに
所定のノイズリダクシヨン処理が施こされ、この
結果第１の音声処理回路５から切換スイツチ６を
介してサラウンド音声出力端子７にリア音声信号
が出される。

以上は、ステレオ音声に予めリア音声信号をエ
ンコードして記録した場合の音声処理であり、フ
ロント音声に比べ遅延したリア音声を生成するこ
とにより、特に前，後の広がり効果を得ることが
できる。

次に、通常のステレオ音声から、リア音声を生
成する場合、前述の前，後の広がり効果に、更に
左右の広がり効果を加えると、視聴者を中心とし
た前後左右に広がり感のある迫力溢れた立体音場
を再現できる。

そこで本実施例では、演算回路３から得られる
差信号がボリウムよりなる入力調整回路８にて所
望とする相対レベル比を以つて２つに分岐され、
その一方は切換スイツチ４を介して第１の音声処
理回路５に加えられここで遅延処理されて第１の
リア音声信号が生成される。もう一方は第２の音
声処理回路９に加えられ、ここでその位相が所定
量だけシフトされて第２のリア音声信号が生成さ
れる。これら２つの音声処理回路５，９より得ら
れる第１、第２のリア音声信号は加算器１０にて
混合されたのち、切換スイツチ１０を介して出力
端子７に導出され、こうして前後、左右の広がり
感、定位感のあるリア音声信号が得られる。

なお上記切換スイツチ４，６は入力端子１１よ
り供給されるサラウンドモード切換信号に応じて
自動的に切換えられる。

以上のリア音声処理に関し、２つのサラウンド
モードにより、またレベル調整回路８の設定値に
より出力端子７に導出されるリア音声信号レベル
が変化することは、前後の定位感も変化し好まし
くない。

しかし本実施例では、音声処理回路５，９への
入力レベル調整用として、入力レベル調整回路８
にボリウムが使用され、このボリウムセンターに
リア用音声信号を入力し、その両端から各々の回
路５，９へ入力する構成とすることで、各々の処
理回路５，９への入力レベルの和を一定とし従つ
て加算器１０出力でも一定となり、再生モード及
び各々の音声処理回路５，９への入力レベル調整
によるサラウンド効果の設定状態に拘わらず、リ
ア音声出力レベル一定とすることができる。

〈考案の効果〉 以上のように本考案のサラウンド音声処理回路
によれば、２種類のサウンド音声処理回路を有し
各回路の出力を加算混合してリア音声信号を生成
するものにおいて、各音声処理回路への入力レベ
ルの調整用にボリウムが使用されこのボリウムセ
ンターに音声入力信号を供給するようにしている
ため、所望とするサラウンド効果を得るために両
回路への入力レベルを調整した際にも、リア音声
信号の出力レベルが変動することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のブロツク図であ
る。 １Ｌ，１Ｒ…ステレオ入力端子、２Ｌ，２Ｒ…
ステレオ出力端子、３…減算回路、５…第１音声
処理回路、７…サラウンド音声出力端子、８…入
力レベル調整回路、９…第２音声処理回路、１０
…加算器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２種類のサウンド音声処理回路を有し各音声処
   理回路の出力を加算混合してリア音声信号を生成
   するものにおいて、各音声処理回路への入力レベ
   ルを調整する入力レベル調整回路にボリウムを使
   用し、このボリウムセンターに音声入力信号を供
   給しボリウムの両端より得られる信号をそれぞれ
   音声処理回路に入力するようにしたことを特徴と
   するサラウンド音声信号処理装置。