JPH0331128B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はシヤンプ、リンス等の液状化粧料、
その他液状物あるいは座薬その他の固形物を使用
量１回分あるいはその程度の少量を充填するのに
用いられる簡易な両面成形小型容器の成形装置に
関する。

この種の両面成形小型容器の製造は従来、印刷
された原反（熱可塑性プラスチツクシート）の両
面成形、容器周縁部の一次ヒートシール、内容物
充填、二次ヒートシール、打抜きまでの全工程を
インラインでおこなうことが一般的であるが、そ
の場合、全工程を縦型でおこなう方法あるいは全
工程を横型でおこなう方法が従来採用されてい
た。

しかし、縦型方式では横方向の機械長を短くす
ることができるため、機械設置スペースの節減上
好ましいが、その代りに機械高が通常、３ｍ以上
となつて高くなり原反交換、金型交換、整備等の
作業が面倒かつ困難となるほか、原反フイルムの
流れが縦方向のため、内容物（被充填物）を充填
するための下三方シールが必ず内容物充填用ノズ
ル部分を通過したのちおこなわれるため、この下
三方シールがおこなわれる前に内容物が原反フイ
ルム内面に付着し、シール不良をしばしば生じさ
せたり、内容物の液だれが起り易いなどの欠点が
ある。

他方、横型方式のものは原反交換、金型交換、
整備等の作業は容易となるが、機械長が長くなつ
てそれだけ大きな機械設定スペースを必要とする
ほか、搬送ピツチ精度も各工程部所間の兼合の関
係上あるいは原反として薄く、柔かい材質が用い
られることなどから、ピツチ管理が困難であり、
特に多面付で印刷見当のあるものを製造する場
合、製品のバラツキがどうしても多くなるという
問題があつた。

そのほか、成形金型面積の大きいものを用いて
圧空成形をおこなう場合、空気漏れを防ぐには型
締め圧力を可成り上げる必要があるが、この型締
めを従来は油圧シリンダのみでおこなつていたた
め、十分な型締め圧力を得られず、空気漏れを防
止することが困難であつた。又、十分な型締め圧
を得ようとすれば、油圧シリンダが大規模とな
り、設備費その他の点で別の問題を生じさせるな
どの問題があつた。

この発明の上記事情に鑑みてなされたものであ
つて、機械高を従来の縦型方式のものと比較して
著るしく低くすることができ、しかも機械長もそ
れほど長くならず、かつ、各工程におけるピツチ
管理も容易であるとともに、簡単な手段によつて
圧空成形時の金型からの空気漏れを防止し得るよ
うな十分な型締めをおこなうことができる両面成
形小型容器の製造装置を提供することを目的とす
る。

すなわち、この発明は対向する両側面に空気吹
出し孔を有する空気吹付け部材と、この空気吹付
け部材の両側面にそれぞれ当接可能に設けられた
一対の金型部材と、該金型部材を空気吹付け部材
に向けて前進又は後退させる手段と、上記金型部
材を該空気吹付け部材方向に押圧固定するロツク
手段とを具備する圧空成形機構と；その下流に配
置され内容物充填のための仮シール機構と；小型
容器の表裏面をなす一対の原反フイルムを上記圧
空成形機構の上流から該圧空成形機構および仮シ
ール機構内に一ピツチ毎に順次通過させる搬送機
構と；上記仮シール機構を通過することによつて
仮シールされたフイルムをその長手方向に対して
垂直方向に一ピツチ単位に切断する切断機構と；
この切断された単位フイルムを一ピツチ毎に搬送
する単位フイルム搬送機構と；この単位フイルム
搬送機構に沿つて設けられ、内容物を仮シールさ
れた小型容器内に充填する充填機構と；該充填機
構の下流に設けられこの充填された小型容器の開
口部を完全に密封するシール機構と；該シール機
構の下流に設けられ、この密封された小型容器を
原反フイルムから一個づつ切り離すための打抜き
機構とを具備してなることを特徴とする両面成形
小型容器の成形装置を提供するものである。

以下、この発明の図示の一実施例を参照して説
明する。

第１図は本発明の装置の一実施例を示すもの
で、原反ロール（図示しない）から連続的に供給
される原反フイルム１を1/2巾に裁断する刃２を
具備する原反フイルム分割機構Ａと、これによつ
て分割された一対の原反フイルム１を空気吹付け
部材３とその両側に配置された一対の金型４ａ，
４ｂとの間にそれぞれ挾持させ、空気吹付け部材
３からの空気圧により小型容器の表裏面を成形す
る圧空成形機構Ｂと、この圧空成形機構Ｂの下方
に配置され内容物を後工程で充填できるようにす
るため小型容器の少なくとも両側部および底部を
熱シールする一対の加熱板（なお、一方のみを加
熱板としてもよい）５ａ，５ｂを具備する仮シー
ル機構Ｃと、この仮シール機構Ｃの下方に配置さ
れ、この仮シール機構Ｃによつて仮シールされた
原反フイルム１をその長手方向（又は走行方向）
に対して垂直な方向に一ピツチ単位毎に切断する
切断機構Ｄと、上記原反フイルム分割機構Ａから
供給される原反フイルム１を一対の固定クランプ
６ａおよび移動クランプ６ｂにより圧空成形機構
Ｂへ上方から一ピツチ毎に間欠的に供給するとと
もに、仮シール機構Ｃの下方においても一対の固
定クランプ７ａおよび移動のクランプ７ｂにより
仮シール機構Ｃから原反フイルム１を間欠的に引
張るようにして設けられた縦方向搬送機構Ｅとか
らなつている。

この縦型部分の装置についてさらに詳述する
と、分割機構Ａは原反ロールからローラ１１を介
して連続的に供給される原反フイルム１を1/2巾
に分割し、小型容器の表裏面フイルムを形成し、
これを左右両方向にいつたん分けたのち、これら
フイルムが相互に対面するようにして上記縦方向
搬送機構Ｅによつて圧空成形機構Ｂへ送るように
している。

この圧空成形機構Ｂは第２図に示す如く、分割
された一対の原反フイルム１を空気吹付け部材３
とその両側の金型４ａ，４ｂとの間にそれぞれ挾
持した状態で加熱すると同時に空気吹付け部材３
から高圧の空気（あるいは熱風）をフイルム１面
に吹き付けることにより、金型４ａ，４ｂのキヤ
ビテイに準じた凹部をこれらフイルム１に形成さ
せるものである。

これを、さらに第３図Ａ，Ｂ、第４図Ａ，Ｂの
各実施例を参照して詳述すると、圧空成形機構Ｂ
はたとえば第３図Ａに示す如く対向する両側面に
加熱板３ａおよび空気吹出し孔（図示しない）を
有する空気吹付け部材３と、この空気吹付け部材
３の両側面にそれぞれ、シリンダ２２ａ，２２ｂ
の前後動を介して当該自在に設けられた一対の金
型４ａ，４ｂと、断コ字型の枠体を具備し、シリ
ンダ２３により前進又は後退する枠体２４からな
るロツク手段とからなつている。

この実施例における圧空成形機構Ｂは成形操作
時には第３図Ｂに示す如く、まず、シリンダ２２
ａ，２２ｂの動作により金型４ａ，４ｂが空気吹
付け部材３の両側に当接され、ついでシリンダ２
３により枠体２４が延出して金型４ａ，４ｂをこ
れらの後面を介して挾持、固定する。ついで、こ
の状態で空気吹付け部材３の両側面の空気吹出し
孔から加熱板３ａ，３ｂによつて加熱された原反
フイルム１面に空気を吹付けることにより所望の
成形をおこなうことができる。

このように予め形状的に固定された枠体２４を
用いて金型４ａ，４ｂを固定することにより、シ
リンダ２２ａ，２２ｂの型締圧がそれほど大きく
ない場合でも、十分な型締圧が枠体２４によつて
確保することができるから成形用空気圧の漏れも
最小限に抑えることが可能となる。

第４図Ａ，Ｂに示す圧空成形機構Ｂは第３図に
示すシリンダ２３と枠体２４の組合せの代りに、
金型４ａ，４ｂの通過を許容する窓部２５ａを設
けた受台２５と、シリンダ２６により受台２５の
面に沿つて延出自在に設けられた一対の楔部材２
７との組合せからなるロツク手段が用いられてい
る。その他の点については第３図の場合と同一で
あるので同一符号を付すことにより、その説明を
省略する。

この場合も、シリンダ２２ａ，２２ｂにより第
４図Ｂに示す如く金型４ａ，４ｂの型締めがおこ
なわれ、ついで各シリンダ２６の動作により、各
受け台２５と各金型４ａ，４ｂの背面との間に楔
２７がそれぞれ導入され、これにより十分な型締
圧が確保され、成形時における成形用圧の漏れを
最小限に抑えることが可能となる。

仮シール機構Ｃは小型容器の内容物充填部とな
る上記凹部の周りをたとえば内容物充填用頂部の
みを残して熱シールするためのものである。な
お、この仮シールは上記凹部の周り全体を熱シー
ルしておき、後の切断機構Ｄで頂部を切断開口す
るようにしてもよい。

切断機構Ｄは仮シールにより小型容器の形状に
ほぼ成形された原反フイルム１を並列する小型容
器の一列毎（一ピツチ毎）にその長手方向に垂直
に切断し、切断された単位フイルムを水平方向に
搬送することを可能にし、これにより、搬送フイ
ルムの搬送ピツチ管理を容易におこなうことが可
能となる。

縦方向搬送機構Ｅは原反フイルム分割機構Ａか
らローラ８，９を介して送られる原反フイルム１
をまず、固定クランプ６ａを開き、移動クランプ
６ｂを閉じ原反フイルム１の両端をそれぞれ挾持
させた状態で移動クランプ６ｂを一ピツチ水平方
向に移動させ、これに同調させて仮シール機構Ｃ
下方の固定クランプ７ａを開き、移動クランプ７
ｂを閉じて原反フイルム１の両端をそれぞれ挾持
させた状態で移動クランプ７ｂを下方へ移動させ
ることにより、原反フイルム１が上記圧空成形機
構Ｂの上方から、この圧空成形機構Ｂおよび仮シ
ール機構Ｃ内を一ピツチ毎に順次通過することに
なる。なお第１図はこの原反フイルム１の間欠的
供給手段を左側についてのみ図示しているが右側
についても、この左側の一対の固定クランプ７
ａ、移動クランプ７ｂと連動して作動する一対の
固定クランプおよび移動クランプにより同様に一
ピツチ毎に右側の原反フイルム１を搬送し得るよ
うになつている。移動クランプ６ｂ，７ｂは圧空
成形機構Ｂおよび仮シール機構Ｃの動作の間に開
き（なお、固定クランプ６ａ，７ａはその際に閉
じて原反フイルム１を挾持している）元の位置に
復帰する。これら移動クランプ６ｂ，７ｂの往復
動は下方の移動クランプ７ｂに連結されたシリン
ダ１０によつておこなうことができる。すなわ
ち、移動クランプ６ｂ，７ｂはローラ１１ａ〜１
１ｅを介して移動する無端チエイン１２にそれぞ
れ固定されていて移動クランプ６ｂが一ピツチ分
だけ移動したとき、同時に移動クランプ７ｂも一
ピツチ分だけ同一方向に移動するようになつてい
る。なお、固定クランプ６ａ，７ａ、移動クラン
プ６ｂ，７ｂの開閉操作はそれぞれ設けられたシ
リンダ１３ａ〜１３ｄによつておこなうことがで
きる。このように移動クランプ６ｂを水平方向に
移動させることにより、装置全体の高さを可成り
抑えることが可能となる。

第５図は本発明の装置の模型部分を示すもの
で、上記切断機構Ｄによつて切断された原反フイ
ルム１を単位毎にその下端部を保持しつつ、ほぼ
水平方向に一ピツチ毎に搬送する横方向搬送機構
Ｆ（第６図参照）と、この横方向搬送機構Ｆに沿
つて設けられ、内容物を仮シールされた小型容器
内に充填するため複数本のノズル１４と、仮シー
ルされ、かつ単位毎に切断された単位原反フイル
ムの上部を開口し充填操作を容易にするためのガ
イド板１５とを具備する充填機構Ｇと、この充填
機構Ｇによつて内容物を充填した各小型容器の上
部を熱シールするとともに必要に応じて適当なＩ
ノツチを付加するためのシール機構Ｈと、このシ
ール機構Ｈの下流に設けられ、この完全に密封さ
れた小型容器を原反フイルムから一つづつ分離し
た各小型容器１７として切り離すための打抜き機
構Ｉとからなつている。

この横型部分の装置について、さらに詳述する
と、まず、横方向搬送機構Ｆは上述の如く切断さ
れた単位原反フイルム１を直立状態でほぼ水平移
動させて上記充填機構Ｇ、シール機構Ｈおよび打
抜き機構内を所定のピツチで間欠的に移動させる
ためので、その間欠動作は上記縦方向搬送機構Ｅ
と同調するようになつている。

充填機構Ｇは内容物収容容器１６と連通する複
数本のノズル１４を介して内容物を各小型容器１
７内に充填させるためのものであつて、第６図に
示す如く、切断機構Ｄによつて頂部が切断された
単位原反フイルムの上部を先端が尖つたガイド板
１５によつて開いたのち、ノズル１４を下降さ
せ、このガイド板１５間に挿入し、内容物の注入
がおこなわれる。なお、第６図中、３２はガイド
板である。

シール機構Ｈは内容物の充填が終了した小型容
器の充填口（図中上部）を完全に密封するととも
に必要に応じ小型容器１７の開口の便を図るため
のＩノツチを形成するためのもので、たとえば第
３図に示す如く一対の加熱手段１８と、ノツチ手
段１９とを具備してなる。

打抜き機構Ｉは内容物を充填し、完全に密封し
た小型容器１７をその周囲のシール部に沿つて打
ち抜くためのもので、小袋形状に予め穿孔された
雌型２０に、これを相応する刃を有する雄型２１
を挿通させることにより各小型容器１７を原反フ
イルム１から切り離すことができるようになつて
いる。この切り離された小型容器１７はたとえば
無端ベルト２１を介して、適当な容器（図示しな
い）内に収容されるようになつている。

この発明によれば圧空成形および仮シール工程
を縦型でおこない、ついでいつたん原反フイルム
を小型容器を１以上含む単位ブロツク毎に切断す
る工程を介在させたのち、内容物充填、完全密封
および打抜き工程を横型でおこなうようにするこ
とができるから、機械長を従来の縦型方式のもの
と比較して著るしく低くすることができ作業操作
が容易となるとともに、内容物の液だれあるいは
原反フイルム内面への付着によるシール不良の発
生を改善することができ、機械設定スペースの節
減および原反フイルムのピツチ管理も容易とな
り、製品のバラツキを解消できるなど多くの点で
有利となる。

さらに、金型４ａ，４ｂの型締めをロツク手段
により固定するようにしたから、簡単な装置によ
り十分に大きい型締め圧を確保することができ、
これにより圧空成形時の空気漏れを著しく抑制す
ることができる。

なお、上記実施例では原反フイルムロールから
１／２巾に分割し圧空成形機構へ原反フイルムを供
給するようにしたが、これに限らず、この分割工
程を介さず最初から所定巾のフイルムを左右から
圧空成形機構へ供給するようにしてもよい。

また、上記説明では板シール機構Ｃで小型容器
の頂部以外の容器周縁部をヒートシールするよう
にしたが、このような容器周縁部のヒートシール
を充填機構Ｇにて、充填直前におこなうように
し、仮シール機構Ｃでは小型容器間の適当箇所を
ポイントシールのみにとどめるようにしてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係わる両面成形小型容器の成
形装置の縦型部分を示す模式図、第２図は第１図
の装置における圧空成形機構の動作を説明する
図、第３図Ａ，Ｂ、第４図Ａ，Ｂは本発明のロツ
ク手段の一部断面図、第５図は本発明の両面成形
小型容器の成形装置の横型部分を示す模式図、第
６図は充填機構の動作を説明する要部側面図であ
る。 図中、１……原反フイルム、２……刃、３……
空気吹付け部材、４ａ，４ｂ……金型、５ａ，５
ｂ……加熱板、６ａ，７ａ……固定クランプ、６
ｂ，７ｂ……移動クランプ、８，９……ローラ、
１０……シリンダ、１１ａ〜１１ｅ……ローラ、
１２……無端チエーン、１３ａ〜１３ｄ……シリ
ンダ、１４……ノズル、１５……ガイド板、１７
……小型容器、２２ａ，２２ｂ，２３……シリン
ダ、２４……枠体、２５ａ……窓、２５……受
台、２６……シリンダ、２７……楔部材、Ａ……
分割機構、Ｂ……圧空成形機構、Ｃ……仮シール
機構、Ｄ……切断機構、Ｅ……縦方向搬送機構、
Ｆ……横方向搬送機構、Ｇ……充填機構、Ｈ……
シール機構、Ｉ……打抜き機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向する両側面に空気吹出し孔を有する空気
   吹付け部材と、この空気吹付け部材の両側面にそ
   れぞれ当接可能に設けられた一対の金型部材と、
   該金型部材を空気吹付け部材に向けて前進又は後
   退させる手段と、上記金型部材を該空気吹付け部
   材方向に押圧固定するロツク手段とを具備する圧
   空成形機構と；その下流に配置され内容物充填の
   ための仮シール機構と；小型容器の表裏面をなす
   一対の原反フイルムを上記圧空成形機構の上流か
   ら該圧空成形機構および仮シール機構内に一ピツ
   チ毎に順次通過させる搬送機構と；上記仮シール
   機構を通過することによつて仮シールされたフイ
   ルムをその長手方向に対して垂直方向に一ピツチ
   単位に切断する切断機構と；この切断された単位
   フイルムを一ピツチ毎に搬送する単位フイルム搬
   送機構と；この単位フイルム搬送機構に沿つて設
   けられ、内容物を仮シールされた小型容器内に充
   填する充填機構と；該充填機構の下流に設けられ
   この充填された小型容器の開口部を完全に密封す
   るシール機構と；該シール機構の下流に設けら
   れ、この密封された小型容器を原反フイルムから
   一個づつ切り離すための打抜き機構とを具備して
   なることを特徴とする両面成形小型容器の成形装
   置。 ２ ロツク手段が双方の金型部材の後部と嵌合自
   在に設けられた枠体からなる特許請求の範囲第１
   項記載の成形装置。 ３ ロツク手段が各金型の前進および後退通路に
   沿つて設けられた受台と、各金型が前進して空気
   吹付け部材の両側面に当接した状態において各金
   型後部と上記受台との間に挿脱自在に設けられた
   楔部材とからなる特許請求の範囲第１項記載の成
   形装置。 ４ 上記圧空成形機構、仮シール機構および切断
   機構を縦型に配置し、該切断機構の横方向に充填
   機構、シール機構および打抜き機構を並列させた
   特許請求の範囲第１項記載の成形装置。