JPH03293523A - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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Publication number
JPH03293523A
JPH03293523A JP2095451A JP9545190A JPH03293523A JP H03293523 A JPH03293523 A JP H03293523A JP 2095451 A JP2095451 A JP 2095451A JP 9545190 A JP9545190 A JP 9545190A JP H03293523 A JPH03293523 A JP H03293523A
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JP
Japan
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event
observed
output data
data
threshold
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Pending
Application number
JP2095451A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Konishi
正躬 小西
Yoshihisa Otsuka
喜久 大塚
Kayako Oomura
大村 佳也子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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Publication of JPH03293523A publication Critical patent/JPH03293523A/ja
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  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば熟練者の操業上のノウハウや制御理論
等を適用するエキスパートシステムを用いてオンライン
・リアルタイムに故障診断を行う故障診断装置に係り、
詳しくは、センサあるいは制御部か、らの出力信号を読
み取り、該出力信号の観測事象を抽出すると共に、当該
観測事象毎の所定の閾値に基づき異常を検出し、上記抽
出された観測事象及び検出された異常に係る出力データ
をそれぞれ用いて故障診断を行う故障診断装置に関する
〔従来技術〕
上記したような故障診断装置としては、例えば本発明者
らにより特願平1−77550号として出願中のものが
挙げられる。上記故障診断装置は、例えば熟練者の操業
上のノウハウあるいは制御理論を適用したエキスパート
システムによりオンライン・リアルタイムに推論処理を
行って、プロセスの一例となるストッパ式連続鋳造機の
故障診断を行うもので、センサあるいは制御部からの出
力信号の異常を所定閾値に基づき検出する異常検出手段
と、所定時間間隔で、例えばデータサンプリング間隔で
上記出力信号を読み取り、この出力信号の特性、即ち観
測事象を抽出する特性抽出手段と、上記異常検出手段及
び上記特性抽出手段からの出力データを用いて故障診断
を行う故障診断手段と含具備してなることを特徴として
構成されている。
上記ストッパ式連続鋳造機では、センサあるいは制御部
からの出力信号として、例えば第16図の図中Bで示す
ような出力データが出現することがある。そこで、上記
故障診断装置によれば、特性抽出手段によりデータサン
プリング間隔毎に上記出力データBが読み取られ、この
出力信号の特性(観測事象)の内、例えば限界値に係る
特性「上記出力データBが上昇しすぎ」等の観測事象が
抽出される。即ち、上記異常検出手段には、上記出力デ
ータBに対し上限値に係る閾値C1z及び下限値に係る
閾値C134が設定されている。従って、上記出力デー
タBが上昇して上記閾値C13を超えた時、異常検出手
段により異常と判定される。この時、故障診断手段が、
例えば起動され、上記異常検出手段及び上記特性抽出手
段からの出力データを用いて、検出された異常の判定及
び出力信号の各特性(各観測事象)の双方に基づいて、
例えば熟練者の操業上のノウハウ及び制御理論をルール
として格納した知識ヘースを適用し、例えば「コンドロ
ーラネ良」等の故障診断がなされるようになっている。
それにより、上記故障診断装置は、複雑な因果関係に基
づく故障診断を的確に行うことができるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記したような従来の故障診断装置では、故
障診断手段により故障診断が行われる際に、抽出された
観測事象に係る出力データ及び異常判定に係る出力デー
タとが通用され、推論処理に供されるが、例えば「モー
ルド内の溶鋼の湯面レヘル(出力データB)が極めて大
きな上昇度合にある上昇トレンドであって上記閾値C1
3を超えた」ような場合にも、従来の手法によれば、上
記上昇トレンドの上昇度合が考慮されていないので、当
該アクションが間に合わず、上記溶鋼がモールドから溢
れ出るといった大事故につながる危険性があった。
また、オンライン・リアルタイムの推論処理により故障
診断を的確に行うためには、データサンプリング間隔毎
に読み取られる時系列データとしての出力データBを適
切に扱わなければならない。
そして、このような時系列データは、ノイズデータを含
むことが多く、上記観測事象の度合(上記確信度)は時
々刻々と変化し、あるいは当該観測事象の度合の変化又
は出力データB自体の変化が早い場合がある。そのため
、上記したような故障診断装置において時系列データを
扱う場合には、ノイズデータの排除、観測事象の度合の
変化傾向の把握、良好な応答性といった機能が要求され
る。
特に、重大事故等に繋がるような誤診断を防止するため
には、上記出力データBからノイズデータを排μするこ
とが重要となる。
上記したようなノイズデータの一例を第17図(a)に
示す。同図において、縦軸は、上記出力信号Bのデータ
サイプリング間隔毎の変化量v1が観測事象:「出力信
号Bの変化量が0である(安定し過ぎ)」の観測事象デ
ータとして用いられている。ここで、上記変化量v、の
時at力方向向けてlで示す直線部分は、センサあるい
は制御部からの出力データBが何らかの理由で読み取ら
れなかったデータ欠損のノイズデータを示している。
このようなノイズデータは比較的短時間に発生する場合
が多い、他方、第17図Q:I)に示す変化量v1のm
で示す直線部分は、例えば当該センサの断線による故障
によって、上記出力データBが読み取られなかったこと
を示すものである。このような場合、上記データ欠損に
係るノイズデータ(第17図(6)の!で示す)と、故
障に係るデータ(第17図(ハ)のmで示す)とは、区
別して判断されなければならない、しかしながら、上記
したような従来の故障診断装置では、このようなノイズ
データを出力データBから排除することはできなかった
従って、本発明の第1の目的とするところは、センサ等
からの出力信号に関して抽出された観測事象の度合を示
す確信度を把握することにより、複雑な因果関係に基づ
く機器の故障をより的確に検出することのできる故障診
断装置を提供することにある。
更に、本発明の第2の目的とするところは、上記出力信
号からノイズデータを排除することにより上記出力信号
を時系列データとして的確に把握することが可能で、複
雑な関係に基づく機器の故障をより一層的確に検出する
ことができる故障診断装置を提供することにある。
[8を解決するための手段〕 上記第1の目的を達成するために、本発明が採用する主
たる手段は、その要旨とするところが、センサあるいは
制御部からの出力信号を読み取り、該出力信号の観測事
象を抽出する観測事象抽出手段と、上記観測事象毎の所
定の閾値に基づき異常を検出する異常検出手段とを備え
、上記観測事象抽出手段及び上記異常検出手段からの出
力データを用いて故障診断を行う故障診断装置において
、各観測事象に係る出力データから当該観測事象の確信
度を演算する第1の確信度演算手段と、上記観測事象毎
の確信度を用いて故障診断を行う第1の故障診断手段と
を具備してなる点シこ係る故障診断装置である。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明が採用
する主たる手段は、その要旨とするところが、センサあ
るいは制御部からの出力信号を読み取り、該出力信号の
観測事象を抽出する観測事象抽出手段と、上記観測事象
毎の所定の第1閾値に基づき異常を検出する異常検出手
段とを備え、上記観測事象抽出手段及び上記異常検出手
段からの出力データを用いて故障診断を行う故障診断装
置において、上記異常検出手段からの出力データにより
起動され、上記観測事象抽出手段により抽出された観測
事象の継続性及び/若しくは経時的な減衰性を反映させ
て、上記第1ii値よりも出力データを更に絞り込むた
めの第2閾値を決定する第2閾値決定手段と、該第2閾
値決定手段により決定された第2閾値と上記観測事象に
係る出力データとに基づいて、当該観測事象の確信度を
演算する第2の確信度演算手段と、上記観測事象毎の確
信度を用いて故障診断を行う第2の故障診断手段とを具
備してなる点に係る故障診断袋!である。
2作用〕 上記第1の発明によれば、センサあるいは制御部からの
出力信号の観測事象が抽出され、この観測事象毎の所定
の閾値に基づき異常が検出される。
この時、上記各観測事象に係る出力データから当該観測
事象の確信度、即ち上記出力データが当該観測事象に帰
属する度合も演算され、この確信度を加味した故障診断
が行われる。それにより、複雑な因果関係に基づく機器
の故障を、例えば従来と比べてより的確に検出すること
ができる。
また、上記第2の発明によれば、異常を検出するために
異常検出手段に付与された観測事象毎の所定の第1H値
よりも、上記出力データを更に絞り込むための第2H値
が上記抽出された観測事象の継続性及び/若しくは経時
的な減衰性を反映させて決定されるので、例えばデータ
欠損あるいは偶発的なノイズデータを排除することがで
きる。
更に、上記ノイズデータの排除された出力データに基づ
いて当該観測事象の確信度が演算され、上記観測事象毎
の確信度を加味して故障診断が行われるので、複雑な因
果関係に基づく機器の故障をより一層的確に検出するこ
とができる。
〔実施例〕
以下、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した
実施例につき説明し、本発明の理解に供する。尚、下記
する実施例は、本発明を具体化した一例に過ぎず、本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに、第1図は本発明の一実施例に係るストッパ式連
続鋳造機の故障診断装置を示す概略構成図、第2図は同
ストッパ式連続鋳造機の湯面レヘル制扉の一例を示すブ
ロック図、第3図は上記故障診断装置の故障診断部にプ
ログラムとして備えられ、観測事象データとしての変化
量を評価するための数学モデルの内第2閾値の採択度を
示すグラフ、第4図は上記数学モデルの内忘却性評価関
数の足し込み量を示すグラフ、第5図は上記数学モデル
の内継続性評価関数を示すグラフ、第6図は上記数学モ
デルの内トリガ回数足し込み量を示すグラフ、第7図は
上記数学モデルの内当該観測事象に係る確信度を演算す
るためのグラフ、第8図は上記故障診断装置のメインル
ーチンとしての処理手順を示すフローチャート、第9図
は第8図の故障診断ステップ(S5)における処理手順
を示すフローチャート、第10図は上記ストッパ式連続
鋳造機の故障診断装置におけるトリガ挙動、観測事象デ
ータ、当該観測事象に係る確信度を時系列的にそれぞれ
示す状態説明図、第11図は観測事象[出力信号が閾値
を越えている」に係る変化量を評価するための数学モデ
ルの内第2閾値の採択度を示すグラフ、第12図は第1
1図で述べた数学モデルの内忘却性評価関数の足し込み
量を示すグラフ、第13図は第11図で述べた数学モデ
ルの内継続性評価関数を示すグラフ、第14図は第11
図で述べた数学モデルの内トリガ回数足し込み量を示す
グラフ、第15図は第11図で述べた数学モデルの内当
該観測事象に係る確信度を演算するためのグラフである
第1図は本発明の一実施例に係る故障診断装置1を用い
てストッパ式連続鋳造機2の故障診断を行っている状況
を示している。
上記ストッパ式連続鋳造112では、第1図及び第2図
に示すように、シードル3内の溶鋼4は、タンデイツシ
ュ5に一時貯留されてストシバ6により流量制御され、
モールド(鋳型)7に流れ込む。この時、上記モールド
7内の溶鋼の湯面レヘル8は小型渦流式のレベル計9に
より検出されるようになっている。
第2回は上記場面レベル8の制御の一例をブロック図で
示している。上記した場面レベル8が変動すれば鋳鋼2
5の品質を著しく劣化させる原因、例えば、上記鋳鋼2
5の表面傷の発生や介在物の巻き込み等の原因となるの
で、上記場面レベル8の変動を極力抑えるように制御が
行われる。通常の場合、上記場面レベル8のレベル変動
の目標値はある範囲内に収まるように設定されており、
通常の操業時は上記目標値が達成されている。上記場面
レベル8はレベル計9により計測され、目標場面レベル
(目標値)となるように、PrD制御を行うコントロー
ラ11がストッパ6の開度を指示し、この指示に基づい
て制御精度の優れた油圧シリンダ12が駆動され、上記
ストッパ6の開度が制御される。この時、上記ストッパ
6はその開度が開度計27により検出される。上記油圧
シリンダ12は図示せぬステッピングモータにより高精
度に駆動されるようになっている。即ち、上記コントロ
ーラ11.油圧シリンダ12及びステッピングモータに
より上記湯面レベル8を制御する制御部13が構成され
る。
上記したように、モールド場面制御系ムこは、精密機械
部品が数多く採用され、それらの構造が複雑であると共
に、当該機械部品が高温・粉塵等の悪環境下に曝される
ため、故障が発生する可能性が高い。そのため、電気的
・機械的な異常や操業上の不具合によって上記場面レベ
ル8の変動が大きくなったり、或いは上記機械部品に故
障が発生してもその原因が判明しにくく、当該原因をつ
きとめるまでに長時間を要することがある。
そこで、上記ストッパ型連続鋳造機2の故障部位を早期
に発見し、当該設備を正常に復旧させることが鋳鋼25
の安定した生産及びその品質を確保する上で重要となる
。そのような事情に応えるべく、本発明者らは、上記ス
トッパ式連続鋳造機2の鋳造状M(観測事象)を抽出す
ると共に当該状態の異常を検出し、故障原因の推定をオ
ンライン・リアルタイムに行うエキスパートシステムに
よる故障診断装置1(第1図)を開発した。上記故障診
断装置1は、上記場面レベル8の如くの時系列データを
扱うために、該時系列データを扱う上で重要となるデー
タの観測事象にかかる変化傾向を的確に把握し、誤診断
を避けるためにデータ欠損等のノイズデータを排除し、
更に応答性を向上させることを目標として開発された。
以下、上記故障診断装置1につき説明する。
上記故障診断装置lは、第1図に示すように、ストッパ
式連続鋳造機2からの操業上の実績データやセンサの一
例となるレベル計9或いは制御部13からの出力信号を
含むレベル制御系からのデータ’e 100−sec〜
1.0 secのサンプリング周期で読み取るデータ採
取部26と、該データ採取部26からのレベル計9ある
いは制御部13の出力信号の制御状態を示す観測事象を
抽出する観測事象抽出部17と、上記観測事象毎に予め
設定された所定の閾値に基づき異常を検出する異常検出
部14と、上記観測事象に係る出力データからその時の
出力データが当該観測事象に帰属する度合を示す確信度
を演算すると共に、上記検出された異常、上記抽出され
た観測事象、上記演算された当該観測事象の確信度に係
る各出力データを用いて前向き推論処理により故障診断
を行う故障診断部16と、上記レベル計9あるいは制御
部13からの出力信号、異常検出部14及び観測事象抽
出部17からの出力データ、故障診断部16からの診断
結果に係るデータ等を保存するデータ保存機能と故障診
断に係る熟練者のノウハウ及び制御理論等の知識をルー
ル化し知識ベースとして保存する知識保存機能とを備え
た記憶部20とから主としてなっている。
上記故W[診断装置1は、上記観測事象抽出部17から
の出力データをグラフ表示のためにデータ処理を行うデ
ータ処理部19と、該データ処理部19からの出力デー
タに基づいて上記グラフを表示し鋳造状況の判断情報を
操業者に提供す−るための、例えばプリンタ等よりなる
出力部15とによるデータ監視機能も合わせて備えてい
る。このようなデータ採取機能、異常データ判断機能、
データ監視機能及び故障診断機能は、推論処理をリアル
タイムで行うように、それぞれプログラムとして各タス
クとして分割されている。それにより上記故障診断部1
6は、データ採取部26のデータ読み取りのサイクルと
は非同期に起動することが可能で、システム全体として
早い周期の診断が可能である。
尚、上記データ採取部26は、データ採取サイクルの頻
度を確保するために、上記した各タスクの中ではその処
理優先順位が最も高く設定されている。また、異常デー
タ判断機能としては、上記観測事象抽出部17がデータ
採取部26からの出力データに対し所定期間内の出力デ
ータの経時的な傾きや上記出力データのサンプリング間
隔毎の変化量等を演算し当該出力データに係る観測事象
を抽出する。そして、異常検出部14において予め設定
された上記出力データの閾値に基づいて異常判定が行わ
れる。そして、この時上記出力データが上記異常判定用
の閾値を越えた場合には、異常検出部14が上記故障診
断部16を起動させるトリガ信号を発するようになって
いる。
引き続き、上記故障診断部16に付き詳述する。
一般に、時系列データを扱う際に考えられ得る観測事象
としては、次の4つのものが挙げられる。
観測事象F1:「出力信号の変化量が0である(安定し
過ぎ)」 観測事象F2:「出力信号が閾値を越えている」観測事
象F3:「上昇(又は下II) トレンドにある」 観測事象F4:「正常である」 尚、上記観測事象F1は該観測事象F1に係る出力デー
タである変化量V、に対する事象判定用の閾値δ+  
(<0)を下回っていると解釈され、上記観測事象F2
に係る閾値が、例えばFlの閾値δ、である場合には、
上記観測事象F2と関連すると考えられるが、便宜上上
記観測事象F2とは区別して評価される。この場合、上
記変化量v1とは、データサンプリング間隔の間に変化
した、例えばレベル計9あるいは制御部13からの出力
信号の変化量を示す。
上記故障診断部16には、時系列データとしてのレベル
計9或いは制御部13からの出力信号の観測事象を的確
に把握するための複数の数学モデルが上記観測事象毎に
プログラムとして格納されている。例えば、観測事象F
1に係る各数学モデルを第3図乃至第7図のグラフに示
す。以下、上記各数学モデルに付き説明する。
上記故障診断装置1に、第17図(a)に示す如くのデ
ータ欠損を含む変化量V+ のデータが入力された場合
に、上記異常検出部14は上記データ欠損に係るノイズ
データを含む変化量v、について、第17図(b)に示
す如くのレベル計9の断線による変化量V、が0のデー
タと同じように、観測事象F1: 「出力信号の変化量
が0である(安定し過ぎ)」を真と判定する。このよう
な上記レベル計9の故障による変化量v、がOのデータ
と、上記データ欠損に係るノイズデータとは区別されな
ければならない。そこで、上記ノイズデータを無視する
ために、上記故障診断部16において次の手法が採用さ
れている。
■異常検出部14に予め設定された第1閾値CI+より
も上記変化量v1をより絞り込むための、即ち上記変化
量v1の値に対しより厳しい第2閾値C2+を、第3図
に示すように、上記故障診断部16に設定する。
■異常検出部14からのトリガ信号が続けて発せられた
時のトリガ累積回数nに基づいて上記トリガ信号の有効
性を考慮する。
そこで、■の手法によれば、上記変化量v1が上記第2
閾[C2,を下回らない限り、上記異常検出部14から
トリガ信号が発せられても、例えば上記レベル計9から
の出力信号が異常であるとは判定されない。また、上記
変化量v、が上記第1及び第2閾値C1,、C2,の間
にあって、上記トリガ信号が連続して発せられるような
場合には、このトリガ信号の重要性を考慮して、その時
のトリガ累積回数nに応して上記第2閾値C2を変化さ
せる必要がある。即ち、それにより観測事象F1の継続
性を考慮することになる。上記第2閾値C2,がトリガ
累積回数nによって変化する状態を第3図に示す。上記
故障診断部16には、上記第2閾値C2,の初期値とし
て固定値であるC2.。が設定されている。そこで、上
記したようにトリガ信号が連続して発せられた場合には
、上記第2閾値C2,は、初期値C2,。からトリガ累
積回数nに応して上記異常検出部14の第1閾値C1,
に近づくように変化する。
即ち、「出力信号の変化量が0である」の観測事象F1
に係る出力データである変化量v1に対し、上記第2閾
+ILC2,が妥当であるかを示す採択層を縦軸とする
と、上記採択層=1.0の直線と上記変化量vl=c2
+ の直線及び各座標軸により囲まれた領域、即ち観測
事象F1に係る変化量V、のデータ集合が上記トリガ累
積回数nに応じて増大するようになっている。又、上記
第2閾値C2,は、あるトリガ発生時刻から次のトリガ
発生時刻までの経過時間△tをも考慮して変更設定され
、決定されなければならない。
従って、上記トリガ累積回数かn回目であって、今回の
トリガ信号が時刻t、、に発生され、前回のトリガ信号
が時刻も、に発せられたとすると、上記トリガ信号間に
経過時間ΔL(Δ1=1.。
tm)が経過していることになる。
そこで、上記第2閾値C2+ は、次の(1)式のよう
に表すことができる。
C2,=C2+。十fl (ΔL。
C2,。、CI+ )・・・(1) ここで、上記忘却性評価関数f、(Δt、C2+。
C1,)は、当該観測事象F1の経時的な減衰性を上記
第2閾(liIC2Iに反映させるための関数であって
、上記経過時間Δtが極めて長い時には0となり、比較
的短い時にはεずつ増加する関数として設定されている
。従って、このεを忘却係数(ε〉0)と呼ぶ、この時
の上記忘却性評価間数f1の足し込み量Δf、の数学モ
デルを第4図に示す。
従って、上記忘却性評価関数f、は、トリガ累積回数n
の関数としては、次の(2)式のように、表すこともで
きる。
f r  (n + 1 ) = r +  (n )
+Δf、  (n+1)・・・(2) 但し、n:トリガ累積回数 f、(0)=O f、  ≦CL   C2+。(リミング)とする。
ところが、上記(1)式において、1回目のトリガ信号
出力時に、上記したようなデータ欠損に係る変化量V、
の値が上記初期の第2閾値C2,、以下の値として入力
された場合には、レベル計9からの出力信号が観測事象
Fl(変化量が0)として判定される。そこで、上記(
1)式の第1項(C2,。)をトリガ累積回数nに関す
る関数である、継続性評価関数glとして扱わなければ
ならない。
この継続性評価関数g+の数学モデルを第5図のグラフ
に示す。
第5図において、n、はトリガ累積回数nが極めて小さ
い場合に上記データ欠損に係るノイズデータを排除する
ためのトリガ累積回数nに係る閾値である。即ち、上記
トリガ信号がn0回まで発せられても、これらのトリガ
信号は無視され、上記レベル計9からの出力信号が上記
観測事象Flであると判定されることはない。
また、上記継続性評価間数glを(1)式に適用すると
、次の(3)式を得る。
C2+ =gr  (C2t*、n) +f1 (Δt、C2□、CI+)−・・(3)一方、
上記トリガ累積回数nはトリガ信号の出力毎に単純に累
積されていれば、上記トリガ発生時刻間の経過時間Δt
が極めて長い場合でも当該トリガ累積回数nが逐次増大
して行くことになるため、上記トリガ累積回数nは単純
に累積されるものとされず、上記経過時間Δtの関数と
して設定されなければならない。
即ち、上記経過時間Δtが充分に大きい場合にはこの累
積回数を忘却させるように、0の値にクリアし、上記経
過時間Δtが小さい場合には、トリガ回数足し込み量と
してそれぞれ1回ずつ累積するように設定されている。
即ち、上記トリガ累積回数nに対するトリガ回数足し込
み量Δnは、数学モデルとして第6図に示すグラフの如
く設定されている。
従って、上記トリガ累積回数nは次の(4)式により与
えられる。
n=n+Δn・・・(4) このように、上記トリガ累積回数nに基づいて当該観測
事象Flの継続性を評価する継続性評価間数g1と、上
記トリガ発注時刻間の経過時間Δtに基づき当該観測事
象F1の経時的な減衰性を評価する忘却性評価関数f1
とを反映させて、上記第2閾値C2,が適切に決定され
る。この時決定された第2閾値C2,は、上記記憶部2
0に格納される。
第7図に示す数学モデルは、上記決定された第2閾値C
2,と当該観測事象F1に係る変化量V。
とに基づいて、例えばレベル計9の出力信号が当該観測
事象F1に帰属する度合を示す確信度CF +を演算す
るためのものである0図中において、上記第2閾値C2
,はトリガ累積回数nが4回目の時の場合を示している
。そこで、上記変化量V。
が上記決定された第2H値C2,に対してどの程度下回
っているかに基づいて、当該観測事象Flに係る確信度
CF、が決定される0例えば、この場合の変化量が第2
閾値C2+よりも小さなり8であれば、異常と判定され
確信度としてCF、が決定される。そして、上記変化量
vXが変わらず、トリガ累積回数nが5回目になると、
確信度の値は増大しCF、となる、そして、この確信度
CFを用いて前向き推論処理により、故障診断が行われ
るようになっている。尚、本実施例においては、上記演
算された確信度CF、に対し、前回の推論時に通用され
た確信度CF1.に忘却性を考慮したものが加味されて
、今回の推論に通用される確信度CFI+ とじて演算
されるようになっている。
そして、推論に適用された確信度CFI、は上記記憶部
20に格納され、次回のトリガ信号により起動された推
論処理時に参照される。
従って、上記したように構成される故障診断装置lによ
る故Ill断に係る処理動作につき第8図のフローチャ
ートを用いて以下説明する。
先ず、ストッパ式連続鋳造機2の各種センサ、例えばレ
ベル計9又は制御部13からの出力信号が所定間隔のデ
ータサンプリング時刻毎にデータ採取部26により読み
取られる(ステップS1)。
そして、上記出力信号は、観測事象抽出部17において
、上記出力信号の観測事象、例えば「出力信号の変化量
が0である(安定し過ぎ)」が当該観測事象に係る事象
判定用の閾値δ1に基づいて抽出される(ステップS2
)。
続いて、異常検出部14において上記観測事象F1〜F
4毎に予め設定された所定の第1閾値C11〜C14に
基づき異常が検出される(ステップS3)、この時、ス
テップS4において異常が検出されれば、上記異常検出
部14からのトリガ信号が故障診断部16に与えられ、
故障診断部16において上記異常判定及び抽出された観
測事象に基づいて故障の診断が行われる(ステップS5
)そして、上記故障診断部16による診断結果が出力部
I5により出力されるようになっている(S6)。
上記S5に示す故障診断ステップは、第9図に示す処理
手順に基づいて実行される。上記異常検出部14が異常
を判定し故障診断部16に向けてトリガ信号を発すると
、該故障診断部16が起動する。そこで、故障診断部1
6は上記レベル計9からの出力信号の状態に応じて、使
用すべき適切な知識ベースを記憶部20から選択する。
尚、当該記憶部20において、知識ベースは、ある限ら
れた時間の範囲だけに通用する知識を適時に用いるよう
に、非定常時(例えば自動運転投入直後)。
定常時(例えば製造工程がシードル3杯以下の通常の連
続鋳造)、定常時(上記レードルが3杯以上の厳しい連
続鋳造)の3つの知識ベースに分割されている。そこで
、その時の操業条件に応して上記した知識ベースの中か
ら適宜のものが選択される(ステップ551)。
そして、ある時刻において、データ採取部26からの出
力データに対し、観測事象抽出部17がある観測事象を
抽出し、同時に異常検出部14が当該異常検出部14に
観測事象F1〜F4毎に予め設定されている第1閾値C
1+〜C1,に基づいて上記出力信号が上記観測事象に
係る第1閾値を越えた場合にトリガ信号を故障診断部1
6に向けて出力する。そこで、故障診断部16は、前回
のトリガ発生時刻から今回のトリガ発生時刻までの経通
時間Δtを計算する(ステップ552)。
続いて、上記算出された経過時間ΔLに応した過去の当
該観測事象の忘却係数として、第4図の忘却性評価関数
の足し込み量Δf1の数学モデルを用いて計算する(ス
テップ553)。
更に、上記トリガ信号が比較的短時間の間に連続して発
せられた場合には、トリガ回数足し込み量Δn(第6図
)、継続性評価間数g+  (第5図)の各数学モデル
が適用され、上記計算された忘却性評価関数の足し込み
量Δrと合わせて今回の当該観測事象に係る第2閾値C
2が(3)式を用いて決定される(ステップ554)。
即ち、上記ステップ352〜S54が、上記異常検出部
14からのトリガ信号により起動され、上記観測事象抽
出部17により抽出された観測事象の継続性及び経時的
な減衰性を反映させて、当該観測事象に係る第1閾値C
1よりも当該観測事象データを更番こ絞り込むための第
2閾値C2を決定する機能を実現する第2閾値決定手段
である。
そして、上記ステップS54において、決定された第2
P11値C2により現時点の当該観測事象データが当該
観測事象に帰属する度合を示す確信度CFが、第7図に
示す確信度を演算するための数学モデルに基づいて計算
される(ステップ555)即ち、このステップS55が
、上記ステ、プS52〜354において決定された第2
閾値C2と上記観測事象データとに基づいて、当該観測
事象の確信度CFを演算する機能を実現する第2の確信
度演算手段である。
尚、上記確信度CFは、観測事象F1〜F4毎に得られ
、そのまま推論に適用しても良く、それにより、より精
度のよい故障診断を行うことができるが、次のステップ
S56に示す如く、S55において計算された確信度C
Fに対し、前回の推論に用いた確信度CFIを経時的な
忘却性を考慮しつつ加味しても良い。
そこで、今回の推論に通用される確信度CFIは次の(
5)弐に示される通りである。
確信度(CFI)−前回の推論に適用された確信度(C
FI)x忘却係数(ε) +今回計算された確信度(CF)・・・(5)ただし、 ε:本実施例では第4図に示すεと 同じ値を適用 上記確信度CFを算出するための第2閾値C2は、上記
トリガ信号が発せられる毎に上記第1閾値C1に向けて
変更設定され、当該観測事象データに対して順次甘く設
定される(第7図)、従って、トリガ発生時刻間の経過
時間Δむが短い時には、前回の推論に適用されたCFI
が太き(影響してくる。逆に、上記経過時間Δtが長い
時には、当該経過時間Δtに応じて、前回の推論に適用
された確信度CFIは忘却されると共に、今回演算され
るべき確信度CFも小さな値として演算され、ひいては
0の値になる。即ち、上記(5)式により当該事象の過
去の変化傾向が反映され、この変化傾向を把握すること
ができる。
以上述べたステップ352〜S56は、全ての観測事象
F1〜F4について実行され、各観測事象毎に今回の推
論に適用される確信度CFIが決定される(ステップ5
57)。
そこで、上記したように決定された確信度CFIが故障
診断のための推論に適用される。この故障診断は前向き
推論により演算され、その時適用するための、上記記憶
部20の知識ベースに格納されているルールは、例えば
次のように表される。
「もし、制御パルスが正常に(F4)Lこ出力、且つシ
リンダストロークが当該第2閾値を越え (F2)、且
つ湯面レヘルが上昇傾向で(F3)ある。
ならば、ステンピングモータのケーブル断線あるいはマ
イクロカンプリングの連結不良である。」 この場合、上記ルールの条件部に記載された観測事象(
例えばF2.F3.F4)に関しては、それぞれ確信度
CF It 、CF Is 、CF Iaが演算されて
いるが、該確信度のうち1例えば最も値の大きな確信度
を有する観測事象が、抽出されて故障診断に係る推論が
実行される(ステップ558)。
即ち、ステップS58が、観測事象毎に演算された確信
度を用いて故障診断を行う機能を実現する第2の故w1
診断手段である。
尚、上記ステップ58において、演算された確信度のう
ち最も値の大きな確信度を有する観測事象を抽出したが
、例えば最も小さな確信度の観測事象を考慮するような
ルールを適用することもできる。即ち、演算された全て
の観測事象の確信度の内、最小の確信度の演算された観
測事象が、複数の観測事象を論理積(且つ)で備えたル
ールの条件部に存在すれば、当該ルールの結論部を実行
しないような場合である。
そして、今回の推論に適用された観測事象毎の確信度C
FIは、上記記憶部2oに保存され、次回のトリガ信号
受信時に上記(5)式の演算に適用される。
一方、ルールを用いた推論において、観測事象の確信度
を適用する例としては、上記したものに限定されず、例
えばルール中の条件部に確信度の閾値を付帯条件として
設定することのできる。
もちろん、ルール中の閾値判断を行わず、全ての観測事
象について確信度付きの条件を付することも可能である
このようなルールとしては、次に示すルール例が挙げら
れる。
「もし、制御パルスが正常に(F4)に出力、且つシリ
ンダストロークが当該第2閾値を越え (F2)その確
信度が0.3以下、且つ場面レベルが上昇傾向で(F3
)その確信度が0.6以上、 ならば、ステッピングモータのケーブル断線あるいはマ
イクロカップリングの連結不良である。」 このような各ルールを用いた推論処理によれば、抽出さ
れた観測事象のみならずその観測事象に帰属する度合を
も加味した推論が行われる。
従って、複雑な因果間係に基づく機器の故障を、例えば
従来の閾値判断のみによる場合と比べて、極めて的確に
検出することができる。
即ち、各観測事象に係る出力データから演算された当該
観測事象の確信度を用いて、故障診断を行う機能を実現
するのが第1の故障診断手段である。
上記故障診断装置1を用いてス)7バ式連続鋳造機2の
故障診断を行った具体例を第10図及び表1を用いて説
明する。
それによれば、レベル計9の出力データBの変化量v、
が時系列的に示めされている。この変化量V、に時刻1
.において図中2で示すデータ欠損のノイズデータが出
現すると、観測事象抽出部17が上記観測事象F1を抽
出し、上記変化量Vが当該観測事象F1に係る第1閾値
C1,より小さくなった時、異常検出部14がトリガ信
号を発し故障診断部16に向けて出力する。そして、そ
の時のトリガ累積回数nとしては1がカウントされる。
ところが、上記時刻L1以降、短期間の間に次のトリガ
信号が発せられることがなく、時刻t4において上記レ
ベル計9に何らかの理由で故障が生じたため、時刻L2
において次のトリガ信号が発せられた。しかしながら、
この間の経過時間Δtlzは比較的長いので、時刻t2
までの間にトリガ回数足し込み量Δn(第6図)は減衰
しOの値にクリアされる。この時、継続性評価間数g(
第5図)及び忘却性評価関数f、(第4図及び(2)式
)はそれぞれ0であるから、この時の第2閾値C2,は
(3)式よりOに決定される。従って、その時の観測事
象F1に係る変化量v1の確信度CFl、は0と演算さ
れ、上記レベル計9の出力データBの変化量V、がOで
ある可能性は皆無となる。これは、図中の経過時間Δt
+zの間に示される変化量V、の挙動により明らかであ
る。
上記したように、時刻t4から上記レベル計9の断線に
よる故障が継続したとすると、直後の時刻t2において
時刻t1の時と同様に観測事象F1が抽出されると共に
トリガ信号が発せられ、この時のトリガ累積回数nに1
がカウントされる。
この時の第2閾値C2,及び確信度CFI、も時刻L1
の時と同様に0である。
続いて、比較的短い経過時間Δt23.△tj4Δta
sの間の、時刻t3.ta、Lsにおいて上記トリガ信
号が次々と発せられているので、上記時刻t3以降、各
時刻L3+  F4.F5において上記継続性評価関数
g1及び忘却性評価関数fは逐次増大し、それぞれの時
刻毎に上記第2閾値C2,も逐次増大して決定される。
即ち、上記第2閾値C2,はトリガ発生毎に上記変化量
v1に対し甘く設定変更されるので、観測事象F1に係
る確信度CFIは経時的に増大し、1の値に落ち着く。
この場合、上記経過時間Δtasは経過時間ΔL21.
Δt34に対し比較的長いのでトリガ回数足し込み量Δ
nは減衰しているため(第6図)、時刻t、のトリガ累
積回数nは3.5の値になっている。
尚、時刻も、以降において、レベル計9の出力データB
の観測事象F1に係る変化量v1が当該第1閾値Ct、
より大きくなり、異常検出部14からトリガ信号が発せ
られなくなると、上記確信度CF!、は図中pで示す二
点鎖線の如く減衰して行く。これにより、観測事象F1
の経時的な変化挙動を知ることができる。
上記した具体例では観測事象F1に関して述べたが、上
記故障診断部16は他の観測事象F2〜F4についても
同様の各数学モデルを備えている。
ここでは、観測事象F2の各数学モデルを示す。
上記したように、観測事象F1は、δI (>o)とい
う変化量V、に対する事象判定用の閾値δ1を下回った
ものと考えられる。観測事象F2r出力信号が閾値を越
えている」は、センサからの生データや加工データ(変
化量、変化率等)を含む出力信号が各データの所定の閾
値を超えた事象を示している。そして、当該閾値が、例
えば観測事象F1の閾値δ□である場合には、上記観測
事象F1と関連することになるが、便宜上上記観測事象
F1とF2とは区別して考える。従って、上記閾値δ1
を越えているという観測事象F2の判定は観測事象F1
の変化量Vlの軸の正負を反転したものと考えられる。
そこで、上記観測事象F2に係る第2閾値C2□を決定
するための、当該第2閾値C2□の採択度を表す数学モ
デルの例を第11図に示す、この場合、トリガ信号が発
せられる毎に上記第2閾値C2tはその初期値C2□。
よりも観測事象F2に係る変化量v2の値を小さくする
ように移動する。即ち、上記第2閾値C2□は変化量V
tをより絞り込むために観測事象F2に係る第1閾値C
1zに向けて移動して決定される。以下、上記観測事象
F2に係る忘却性評価関数の足し込み量Δft、継続性
評価関数g、、トリガ回数足し込み量Δn、確信度CF
、をそれぞれ演算するための各数学モデルを第12図乃
至第15図に示す。この場合、上記(3)式は、式中の
C2、−1−C2,に、g+  (C2+a、 n)を
gt  (C2go、n)に、rt  (Δt、C2+
a、CI+ )をf2  (Δt、C2to、CI□)
にそれぞれ変更して適用され得る。
また、この場合忘却性評価関数ft′c)リミッタとし
では、次式が与えられる。
f2≧C1,−C2□。
上記したように、本実施例に係る故障診断装置1によれ
ば、各観測事象毎に観測事象の継続性及び経時的な減衰
性を反映した観測事象に係る出力データを評価するため
の数学モデルが設けられているので、偶発的な出力信号
或いはデータ欠損等のノイズデータを排除することがで
きる。また、上記観測事象の変化傾向を経時的に把握す
ることが可能となる。
更に、故障診断処理を実行するためのプログラムが機能
別にタスクとして分割されていること、記憶部20内の
知識ベースが操業条件別に分割されその時の操業条件に
応じて適用できること、あるいは上記数学モデルのパラ
メータとなる経過時間Δ1.)リガ累積回数nやその都
度決定された第2閾値C2,推論に適用された確信度C
FIをトリガ毎に格納すれば良いことから、センサがら
の生の出力データの全てを格納する必要がなくデータの
圧縮化が図れることのそれぞれにより、上記故障診断装
置1は、ストッパ式連続鋳造112からの時系列データ
を的確に把握することが可能で、それに基づいて応答性
の良い推論処理をオンラインリアルタイムに行うことが
できる。特に、観測事象毎の確信度をも用いて故障診断
を行うので、複雑な因果関係に基づく機器の故障をより
的確に検出することができる。
尚、上記実施例では、観測事象に係る出力データを評価
するための第2閾値の決定に際し、観測事象の継続性及
び経時的な減衰性を反映させたが、かならずしもこれら
の両者を一緒に反映させる必要はない。前者は継続的に
発生する事象を抽出する手段であるのに対し後者は逆に
偶発的な事象を無視するための手法で本来両者の相関は
希薄だからである。例えば、経時的な減衰性、即ちトリ
ガ発生時刻間の経過時間のみを反映させてもよい。
この場合、第3図を用いて説明すると、あるトリガ発生
時刻に上記第2閾値C2+を第1閾値C1゜に向けて移
動させ、時間経過とともに初期値C2,。
に向けて戻すように構成し、ある時刻における第2閾値
C2,の値を第7図の数学モデルに通用して確信度CF
、を演算することもできる。
又、観測事象の継続性のみを反映させる場合には、第3
図において、第2閾値C2,がトリガ発生毎に初期(i
c2+oから第1閾値C1,に向けて段階毎に移動し、
最終的に上記第1閾値C1,に収束するようにすればよ
い。ただし、前回のトリガ発生時から所定時間が経過し
た後にも次のトリガが発生しない場合、上記第2閾値C
2,は初期値C2+。にリセットされるように構成して
おくとよい。
尚、本実施例において、ノイズデータを排除すると共に
より的確な推論処理をオンラインリアルタイムに実行す
るように構成したが、当然ながらオフラインの推論処理
においても通用することができる。
〔発明の効果〕
第1の発明は、上記したように、センサあるいは制御部
からの出力信号を読み取り、該出力信号の観測事象を抽
出する観測事象抽出手段と、上記観測事象毎の所定の閾
値に基づき異常を検出する異常検出手段とを備え、上記
観測事象抽出手段及び上記異常検出手段からの出力デー
タを用いて故障診断を行う故障診断装置において、各観
測事象に係る出力データから当該観測事象の確信度を演
算する第1の確信度演算手段と、上記観測事象毎の確信
度を用いて故障診断を行う第1の故障診断手段とを具備
してなることを特徴とする故障診断装置であるから、上
記出力信号に関して抽出された観測事象の確信度を把握
することができる。それにより、8Mな因果関係に基づ
く機器の故障をより的確に検出することができる。
また、第2の発明は、上記したように、センサあるいは
制御部からの出力信号を読み取り、該出力信号の観測事
象を抽出する観測事象抽出手段と、上記観測事象毎の所
定の第1閾値に基づき異常を検出する異常検出手段とを
備え、上記観測事象抽出手段及び上記異常検出手段から
の出力データを用いて故障診断を行う故障診断装置にお
いて、上記異常検出手段からの出力データにより起動さ
れ、上記観測事象抽出手段により抽出された観測事象の
継続性及び/若しくは経時的な減衰性を反映させて、上
記第1閾値よりも出力データを更に絞り込むための第2
閾値を決定する第2閾値決定手段と、該第2閾値決定手
段により決定された第2閾値と上記観測事象に係る出力
データとに基づいて、当該観測事象の確信度を演算する
第2の確信度演算手段と、上記観測事象毎の確信度を用
いて故障診断を行う第2の故障診断手段とを具備してな
ることを特徴とする故障診断装置であるから、上記出力
信号から、例えばノイズデータを排除することが可能で
上記出力信号を時系列データとして的確に把握すること
ができる。それにより複雑な因果関係に基づく故障をよ
り一層的確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るストッパ式連続鋳造機
の故障診断装置を示す概略構成図、第2図は同ストッパ
式連続鋳造機の場面レベル制御の一例を示すブロック図
、第3図は上記故障診断装置の故障診断部にプログラム
として備えられ、観測事象データとしての変化量を評価
するための数学モデルの内第2閾値の採択度を示すグラ
フ、第4図は上記数学モデルの内忘却性評価関数の足し
込み量を示すグラフ、第5図は上記数学モデルの内継続
性評価関数を示すグラフ、第6図は上記数学モデルの内
トリガ回数足し込み量を示すグラフ、第7図は上記数学
モデルの内当該観測事象に係る確信度を演算するための
グラフ、第8図は上記故障診断装置のメインルーチンと
しての処理手順を示すフローチャート、第9図は第8図
の故障診断ステップ(S5)における処理手順を示すフ
ローチャート、第10図は上記ストッパ式連続鋳造機の
故障診断装置におけるトリガ挙動、観測事象データ、当
該観測事象に係る確信度を時系列的にそれぞれ示す状態
説明図、第11図は観測事象「出力信号が閾値を越えて
いる」に係る変化量を評価するだめの数学モデルの内第
2閾値の採択度を示すグラフ、第12図は第11図で述
べた数学モデルの内忘却性評価関数の足し込み量を示す
グラフ、第13図は第11図で述べた数学モデルの内継
続性評価関数を示すグラフ、第14図は第11図で述べ
た数学モデルの内トリガ回数足し込み量を示すグラフ、
第15図は第11図で述べた数学モデルの内当該観測事
象に係る確信度を演夏するためのグラフ、第16図は上
記ストッパ式連続鋳造機のセンサから出力された出力信
号の時系列的変化を示すグラフ、第17図(a)は観測
事象「出力信号の変化量が0である(安定し過ぎ)」に
係る変化量においてデータ欠損が生じた場合を示すグラ
フ、同図(ロ)は同図(a)の変化量に係る出力信号を
出力するセンサに故障が生じた場合を示すグラフである
。 〔符号の説明〕 l・・・故障診断装置   9・・・レベル計13・・
・制御部     14・・・異常検出部16・・・故
障診断部 17・・・観測事象抽出部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)センサあるいは制御部からの出力信号を読み取り
    、該出力信号の観測事象を抽出する観測事象抽出手段と
    、上記観測事象毎の所定の閾値に基づき異常を検出する
    異常検出手段とを備え、上記観測事象抽出手段及び上記
    異常検出手段からの出力データを用いて故障診断を行う
    故障診断装置において、 各観測事象に係る出力データから当該観測 事象の確信度を演算する第1の確信度演算手段と、 上記観測事象毎の確信度を用いて故障診断 を行う第1の故障診断手段とを具備してなることを特徴
    とする故障診断装置。
  2. (2)センサあるいは制御部からの出力信号を読み取り
    、該出力信号の観測事象を抽出する観測事象抽出手段と
    、上記観測事象毎の所定の第1閾値に基づき異常を検出
    する異常検出手段とを備え、上記観測事象抽出手段及び
    上記異常検出手段からの出力データを用いて故障診断を
    行う故障診断装置において、 上記異常検出手段からの出力データにより 起動され、上記観測事象抽出手段により抽出された観測
    事象の継続性及び/若しくは経時的な減衰性を反映させ
    て、上記第1閾値よりも出力データを更に絞り込むため
    の第2閾値を決定する第2閾値決定手段と、 該第2閾値決定手段により決定された第2 閾値と上記観測事象に係る出力データとに基づいて、当
    該観測事象の確信度を演算する第2の確信度演算手段と
    、 上記観測事象毎の確信度を用いて故障診断 を行う第2の故障診断手段とを具備してなることを特徴
    とする故障診断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017109279A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 富士通株式会社 処理装置、処理方法及び処理プログラム
WO2021186597A1 (ja) * 2020-03-18 2021-09-23 日本電気株式会社 信号分析装置、信号分析方法、および記録媒体

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