JPH032902Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 （産業上の利用分野） この考案は、貨幣投入により自動的に動作し、
撮影機の前に坐つた人を撮影し、現像処理をし
て、数分の短時間で写真を提供することのでき
る、インスタント写真、３分間写真、４分間写真
等と称せられる自動撮影機に使用する装置であつ
て、特に現像処理剤を入れた袋を感光材料に付属
させておき、撮影終了後、タブ紙を引出すと、カ
メラバツク（取枠）に装着されたロールに圧迫さ
れしごかれて破れる袋から現像処理剤がフイル
ム、印画紙に塗布されて、フイルムを現像し、そ
の画像を印画紙に転写して、短時間で写真を得る
ことのできる感光材料を使用する自動撮影機にお
いて、タブ紙の引出し機構を円滑に動作させるの
に有効に使用できる自動撮影機のタブ紙引出し装
置として利用できるものである。

（従来の技術） 現像処理剤を袋に入れて付属させておき、撮影
終了後、タブ紙を引出すと、カメラバツクに装置
されたロールに圧迫されて袋が破れ、現像処理剤
がフイルム、印画紙の重なつた間に流入し感光膜
の全面に塗布され、フイルムを現像し、像を印画
紙に転写して、数分間で写真が得られるインスタ
ント撮影用感光材料が市販されており、これを使
用するカメラも多数市販されている。

また、貨幣投入により始動して、カメラの前の
所定位置に坐つた人を、１枚で通常のフイルム、
印画紙の両作用をするリバーサルカラーペーパー
と呼ばれる特殊な印画紙に撮影し、これの現像処
理を自動的に行なつて数分間で人物の写真を作り
出すいわゆるインスタント自動撮影機が広く利用
されている。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案者は、このような自動撮影機に前述の現
像処理剤の付属する感光材料を使用する自動撮影
機を試作したが、その結果、次のような不都合が
あることを知つた。

前記の感光材料は、第６〜７図に略示するよう
に、露光窓１を設けたケース２内に、露光窓１を
塞ぐ遮光紙を外側に置き、その内方に１枚ずつ重
ねたフイルム、印画紙の組を複数組収容したもの
であつて、遮光紙に取付けた黒色のタブ紙（引出
し用のリード紙）３と、フイルム、印画紙の各組
に取付けた白色の薄いタブ紙４とがケース２の下
方に顔を出している。この感光材料を使用して一
般の撮影をするには、この感光材料を黒色および
白色の各タブ紙を外に顔出しさせて入れたケース
２を、カメラバツク５（第１〜２図）に入れる。
黒色のタブ紙は、カメラバツクの前方寄りに顔出
ししており、後方寄りには後述の緑色のタブ紙が
顔出しするようになつている。このカメラバツク
を専用カメラに装着し、先ず黒タブ紙３を引き抜
くと、露光窓１に第一組の感光材料のフイルムが
現われて撮影可能となり、同時に第一組用の白色
のタブ紙がカメラバツクから顔を出す。撮影を終
つたならば、この第一組用の白タブ紙４を引抜く
と、第一組の感光材料に取付けられた緑色のタブ
紙１６がカメラバツク５の後方寄りに顔を出し、
同時に第二組の感光材料の白タブ紙４がカメラバ
ツク５から顔を出す。

次にこの緑タブ紙１６を引出すと、カメラバツ
ク内に設けたロールにしごかれて現像処理剤の袋
が破れ、第一組のフイルム、印画紙が重なつたま
ま現像処理剤を塗布された状態で引出され、代つ
て第二組のフイルムが露光窓に現われて、第二回
の撮影が可能になる。

引出された第一組の感光材料は、少時間後に現
像処理が終了し、印画紙に画像が現われる。

このようにして、白タブ紙４、緑タブ紙１６を
順次引出して第二回以後の撮影を行なうことがで
きる。

白タブ紙４の端部４ａは少し折返され、第８図
に示すように、先行の黒タブ紙３および先行して
撮影されるべき感光材料の白タブ紙４に軽く貼着
されており、黒タブ紙３または白タブ紙４を引抜
くときに貼着が剥れて、他の白タブ紙より長く突
出し、カメラバツクの外に出るようにされてい
る。

この感光材料を使用してインスタント自動撮影
をする試作自動撮影機は、黒タブ紙、白タブ紙、
緑タブ紙を引抜くのに、第９図のように、ケース
２を装着したカメラバツク５に対して昇降できる
引出し機６内に、適時に矢印方向に回転させるこ
とのできるゴムの送りロール７，７ａと、カム８
および戻りばねに駆動されてロール７，７ａに交
互に弾力的に圧接したり離れたりするゴムの送り
ロール９とを間を開いて設け、引出し機６を次の
ように運動させてタブ紙を引出すように造られ
た。

(1) 先ず、引出し機６を上昇させて黒タブ紙３を
未だ回転せず間を開いたロール７，９の間隙に
入れ、次にカム８によりロール７，９を弾接さ
せて黒タブ紙３を挟持する。

(2) この状態で引出し機６を少し下降させた後、
送りロール７，７ａを回転させ、送りロール
７，９により黒タブ紙３を抜き取り、第一の白
タブ紙４をスリツトから下方に顔出しさせる。
これにより遮光紙が除かれ、第一組のフイルム
が露光窓１に顔を出して撮影可能となる。

(3) 撮影後、引出し機６を上昇させ、間を開いた
送りロール７，９の間隙に第一組の感光材料の
白タブ紙４を入れ、カム８により両ロール７，
９を近づけてこの白タブ紙を挟持させる。

(4) 引出し機６を少し下降させた後、送りロール
７，７ａを回転させて送りロール７，９により
第一組の白タブ紙４を下方へ送つて引抜く。こ
れにより第一組の緑タブ紙１６がカメラバツク
の後方寄り部から突出し、同時にスリツト１１
からは第二組用の白タブ紙が顔を出す。

(5) 引出し機６を上昇させて開いている送りロー
ル７ａ，９の間に、緑タブ紙１６を挿入し、ロ
ール７ａ，９を閉じる。

(6) 引出し機６を少し下降させ、送りロール７，
７ａを回転させ、送りロール７ａ，９により緑
タブ紙１６を下方へ送り、第一組の感光材料を
カメラから引出す。これによりフイルムの現
像、印画紙への転写が行なわれ、短時間後に写
真が得られる。

第一組のフイルム、印画紙が取出された後
は、第二組のフイルムが撮影可能状態になつて
いる。

(7) 以後、白タブ紙と緑タブ紙とを交互に引抜く
動作を繰返してケース２内に残つている感光材
料の撮影を順次行なう。

このようにして各タブ紙を引出し、感光材料を
取出す際に、次のような不都合を生じることが判
つた。

白タブ紙４は、薄い紙を使用し、第８図のよう
に折曲げられているため、黒タブ紙３、または先
行の白タブ紙４により引出された白タブ紙４は、
第１０図のような曲り癖がついており、温度、湿
度の関係でこれが著しく現われると、白タブ紙が
ロール７，９の間隙に入り難くなり、自動撮影機
の動作が円滑に行なわれなくなつてしまう。

送りロール７，７ａ，９の代りに、第４〜５図
のような挟み具１０を引出し機６により昇降させ
各タブ紙を引出すようにした機構によつても同様
の不工合を生じる。

ロ 考案の構成 （問題点を解決するための手段） この考案は、白タブ紙４の曲り癖を抑えて真直
にカメラバツク５から突出させるために、タブ紙
の移動方向に細長く真直な２個以上の抑え片を設
け、これに対応して送りロールまたは挟み具に、
抑え片を接触させないようにする逃げ溝を設けた
ものである。

（作用） 曲り癖のついた白タブ紙４は、真直な細長い抑
え片の間を通るときは、真直に矯正されており、
この状態で送りロールまたは挟み具の間隙に入る
から、この挿入が円滑になる。

送りロール、挟み具には抑え片に対する逃げ溝
を設けているから、送りロール等の作用も円滑に
なり、タブ紙を送る作用は阻害されない。

（実施例） 第１〜３図は、この考案の第一実施例を、第４
〜５図は、第二実施例を示す。

第一実施例は、感光材料を納めたケース２を装
着したカメラバツク５の、各タブおよび感光材料
を取出すために下部に設けたスリツト１１の前縁
に、タブ紙の引出し方向に細長い真直な抑え片１
２をその基部１２ａにより取付け、スリツト１１
の後縁に、抑え片１２の両側方に位置し送りロー
ル９の幅よりも間隔の広い真直な２個の抑え片１
３，１３を取付け、抑え片１２側にあつてタブ紙
を挟持する送りロール７に抑え片１２を接触させ
ないための逃げ溝１４を形成したものである。抑
え片１２，１３はリン青銅、ステンレス鋼等の薄
金属板やプラスチツクで製作できる。抑え片１
２，１３の間に入つて引出される白タブ紙４は両
抑え片１２，１３のため曲り癖を矯正されるか
ら、引出し機６が上昇して送りロール７，９の間
にタブ紙を挿入する際に、曲り癖のため挿入が不
工合になることがなくなる。送りロールの代りに
挟み具１０を使用する場合は、第４図のように、
挟み具１０の、抑え片１２がある側に切込み状の
溝１５を形成するから、挟み具の作用が抑え片の
ために阻害されることはない。

このように白タブ紙の曲り癖を矯正する抑え片
１２，１３を設けるから、送りロールまたは挟み
具によるタブ紙引出しの際の白タブ紙捕捉が円滑
に行なわれる。黒タブ紙に曲げ癖をつけてしまつ
たような場合にも有効である。

ハ 考案の効果 以上のように構成される本考案の自動撮影機の
タブ紙引出し装置は、曲り癖のできてしまう白タ
ブ紙等を、抑え片１２，１３で曲りを矯正するか
ら、送りロールまたは挟み具で確実に捕捉できる
ようになり、自動撮影機の動作を円滑にする効果
が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１〜５図はこの考案の実施例を示し、第１図
は抑え片を取付けたカメラバツクの正面図、第２
図は同バツクの右側面図、第３図は送りロールの
逃げ溝を略示する側面図、第４図は挟み具を使用
する場合の抑え片部の正面図、第５図はこれの側
面図、第６図以下は従来技術を示し、第６図は感
光紙を収めたケースの正面図、第７図はこれの右
側面図、第８図はタブ紙の結合状態を略示する側
面図、第９図はタブ紙引出し機を略示する側面
図、第１０図は白タブ紙の曲り癖を示す側面図で
ある。 １……露光窓、２……ケース、３……黒タブ
紙、４……白タブ紙、４ａ……端部、５……カメ
ラバツク、６……引出し機、７，７ａ……送りロ
ール、８……カム、９……送りロール、１０……
挟み具、１１……スリツト、１２……抑え片、１
２ａ……基部、１３……抑え片、１４，１５……
逃げ溝、１６……緑タブ紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 現像処理剤を入れた袋をそれぞれ付属させた複
   数の感光材料を収納するケース２をカメラバツク
   ５に取付け、このカメラバツクを自動撮影機に取
   付けて、カメラバツク５のスリツト１１から顔を
   出した、ケース２への光線入射を遮断する遮光紙
   引抜き用の黒色のタブ紙を先ずカメラバツクのス
   リツトから引抜いて、最初の感光材料を撮影可能
   状態にすると共に、最初の白色タブ紙をカメラバ
   ツクのスリツトから顔を出させ、撮影後、上記白
   色のタブ紙を引抜いて、最初の感光材料の現像処
   理及び取出し用の緑色のタブ紙をカメラバツクの
   後方寄り部から顔出しさせると同時に、第二回の
   動作に使用する白色タブ紙をスリツトから顔を出
   させ、次いで緑色のタブ紙をカメラバツクから引
   出して感光材料に付属の上記の袋をカメラバツク
   に設けたロールで圧迫し破つて現像処理剤を撮影
   済の感光膜に塗布しつつ撮影済感光材料を取出す
   動作を繰返す自動撮影機のタブ紙引出し装置であ
   つて、上記の黒色のタブ紙および白色のタブ紙を
   通すカメラバツク５のスリツト１１の縁の一方に
   引出し方向に細長い抑え片１２を取付け、縁の他
   方に送りロール７，９または挟み具１０の幅より
   広い間隔の別の真直な抑え片１３，１３を取付
   け、細長い抑え片１２の側に位置する送りロール
   ７または挟み具１０に細長い抑え片１２を接触さ
   せない逃げ溝１４，１５を形成した自動撮影機の
   タブ紙引出し装置。