JPH0328948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、洗浄剤、クリーナー、塗料、殺虫
剤、カビ取剤、殺菌剤、忌避剤、防徽剤、香料等
の薬液を塗布するための塗布具に関する。

従来の技術 従来、洗浄剤等の薬液の塗布具としては種々の
構造のものが提案されているが、例えばエアゾー
ルやハンドスプレータイプの塗布具は、均一塗布
が困難で塗りむらが生じ易いのみならず、液が飛
散するため、クリーナーのような強酸性、強アル
カリ性の液ではこれを取り扱う人体等に対して危
険性があり、塗料等では皮膚や衣服について落ち
にくい等の問題があり、更に塗布面積が広い場合
等ではその施工が困難で作業性が悪い欠点があつ
た。また例えば天然又は合成樹脂製のブラシ、ハ
ケ、不織布等を用いて塗布する形式のものは、天
井や壁等に塗布する場合、液ダレして床や作業者
の手指、衣服等を汚すことが多く、しかもすぐに
液切れして何回も液をつけねばならず、作業が非
衛生的、非能率的となる欠点があつた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、上記従来の塗布具に見られる問題を
一掃し、且つ塗布作業性を改善した高品質の塗布
具を安価に提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 即ち、本考案は、上部にポリエチレン製の支持
台６を具備する液押出し容器１と、上層部がポリ
エチレン連続発泡スポンジ２ａから、また下層部
がポリエチレン単独発泡スポンジ２ｂから構成さ
れていて、超音波溶着手段の適用で上記支持台６
に接着された接着部を有する塗布部２と、一端が
上記容器１内の底部に、他端が上記塗布部２の連
続発泡スポンジ２ａ内に開口された導液チユーブ
３とを、備えていることを特徴とする塗布具に係
わる。

本考案の塗布具は、上述の如き構造を有し、第
１図に示す状態で容器１を握持し押圧変形する
と、容器１内の圧力が高くなるので、内容液５は
この押圧変形につれチユーブ３の下端開口３ａか
らその内部を経て塗布部２に供給される。このよ
うにして容器１を握持する手で適宜押圧変形させ
塗布部２に内容液５を供給することにより、塗布
作業を継続でき、その押圧変形力を適宜調節する
ことにより、内容液５の適量を塗布部２に連続的
に供給でき、液ダレや液の飛散を伴うことなく、
塗布作業を能率的且つ衛生的に行ない得る。

本考案において容器１としては、胴部を握持し
た状態で押圧、変形又は解放、復元し得るような
ものであれば形状、構造は任意であり、例えば透
明のプラスチツク容器は内部を透視でき内容液量
を外部から確認できるので適当である。

容器１の上端に連設される塗布部２としては、
その構成部材として上層部のポリエチレン連続発
泡スポンジ２ａと下層部のポリエチレン単独発泡
スポンジ２ｂとを利用する。ポリエチレンは強酸
及び強アルカリに対して非常に安定で劣化や脆化
を起こさず、耐久性に優れ、長期に亙る使用が可
能である。上記塗布部２は第１図では、同一の大
きさの連続発泡スポンジ２ａとポリエチレン単独
発泡スポンジ２ｂとの２層からなつているが、各
層の大きさは同じである必要はなく、ポリエチレ
ン単独発泡スポンジ層を連続発泡スポンジ層より
大きくすることもできる。

本考案の塗布具はこの塗布部２を上記構成と
し、連続発泡スポンジ本来のクツシヨン性、即ち
腰の弱さを単独発泡スポンジにより補い、塗布作
業時の力の伝達を充分なものとしたことにより、
非処理対象面を傷つけることなく、平面と平面と
の境界部分等の狭い場所でも充分な弾力性をもつ
て薬液施工を可能とし、その使用感及び塗布作業
性を満足させる。

上記塗布部２の厚みは、用いられる薬液の種類
や得られる塗布具の用途等に応じて適宜決定さ
れ、特に限定されないが、通常の塗布具、例えば
カビ取り用、洗浄用乃至靴等のクリーナー等の場
合は、約５mm〜50mm程度とするのが適当であり、
その内連続発泡スポンジの厚さは約３〜30mmであ
るのが望ましい。

第１図に示された塗布部２は、そのポリエチレ
ン単独発泡スポンジ２ｂ側を支持台６を介して容
器１に固定されている。この支持台６は容器と一
体に成型したものであつてもよい。該支持台はこ
れが被塗布物に傷などを付けないようにその隅に
丸みをもたせ、またその周辺部分が弾力性を持た
せるために比較的薄く、中心部分が強度を持たせ
るために比較的厚くすることもできる。支持台６
はポリエチレン製であり例えばインジエクシヨン
法を適用して成形される。支持台６の厚さは、塗
布部２と同様に適宜決定されるが、通常約0.5〜
３mmとするのが適当である。塗布部２と支持台６
との接着は、超音波溶着手段の適用により行なわ
れ、これにより接着剤の適用が困難なポリエチレ
ン同士の接着であるに拘らず、大きな接着強度が
得られ、洗浄液などの薬液の使用に拘らず剥離の
問題がなくなる。この接着は線接着であつてもよ
い。

容器１に対する塗布部２の取り付け向きは、第
１図では水平であるが、この水平型に限らず、傾
斜型でも垂直型でもよい。

第１図においては、容器１内薬液を塗布部２に
供給する導液手段としてチユーブ３を利用してお
り、これとその下端開口３ａに備えられたおもり
４により、本考案塗布具の正立使用、倒立使用、
水平使用等の容器１の向きの如何に係わらず内容
液５を塗布部２に安定供給できる。

かくして本考案塗布具によれば、塗料、洗浄
剤、靴クリーナー、忌避剤、殺菌剤、殺虫剤、防
徽剤等の薬液を、良好な塗布作業性をもつて被処
理対象に塗布適用できる。殊に本考案塗布部は、
例えばこれを洗浄剤の塗布具として浴室等の清浄
に利用する場合、浴槽と床の境界線や壁の境界線
乃至境界点等の通常スボンジが届きにくく作業し
にくい境界部分をも非常に良好に洗浄できる利点
があり、この浴室を始めとして洗面所、台所、洗
面台、流し台、ガスレンジ等の細かい部分の洗浄
に極めて有効である。更に洗浄液などの薬剤と直
接接触する塗布部及びその支持台は、いずれも耐
薬品性のよいポリエチレンから構成されているの
で耐久性に優れると共に、超音波溶着手段の適用
で接着したので、強固に接着でき、材料費が安く
且つ成型容易なポリエチレン製であるに拘らず塗
布部が支持台より剥離する危険性もなく、高品質
の製品を安価に提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図であ
る。 図において１は容器、２は塗布部、３はチユー
ブ、４はおもり、５は薬液及び６は支持台を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部にポリエチレン製の支持台６を具備する液
   押出し容器１と、上層部がポリエチレン連続発泡
   スポンジ２ａから、また下層部がポリエチレン単
   独発泡スポンジ２ｂから構成されていて、超音波
   溶着手段の適用で上記支持台６に接着された接着
   部を有する塗布部２と、一端が上記容器１内の底
   部に、他端が上記塗布部２の連続発泡スポンジ２
   ａ内に開口された導液チユーブ３とを、備えてい
   ることを特徴とする塗布具。