JPH03285263A - 鉛蓄電池用集電体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は鉛蓄電池用集電体に関するものである。

［従来の技術］ 従来の鉛蓄電池用集電体は、ｐｂ−ｓｂ系合金やＰｂ−
Ｃａ系合金等の鉛合金を用いて鋳造により製造されてお
り、従来は鉛の添加成分を工夫することにより集電体の
機械的強度及び電池特性を改善していた。例えばｓｂを
添加する目的は集電体の機械的強度を上げるためであり
、Ｐｂ−Ｃａ系合金はメンテナンスフリー化のために最
近ｐｂ−ｓｂ系合金に替わるものとして用いられている
。

また集電体に用いる鉛合金としては、Ｐｂ−Ｎａ系合金
や、Ｐｂ−Ａｓ系合金等も知られている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら従来のように、鉛合金の添加成分を変える
けでは、電池性能に大きな影響を与えずに大幅に集電体
の機械的強度を上げることはできなかった。例えばｐｂ
−ｓｂ系合金で作った集電体では、機械的強度はある程
度上がるものの、水素過電圧が低くなって、充電中の水
素及び酸素ガスの発生により電解液が減少しやすくなり
、定期的に補水が必要になる。これに対してＰｂ−Ｃａ
系合金で作った集電体では、ある程度の機械的強度を確
保して、水素過電圧を高くすることにより、補水の必要
性をなくしている。しかしながらＰｂＣａ系合金を用い
た集電体では、粒界腐蝕によって集電体が伸びるため、
活物質が脱落して寿命が短くなる問題がある。

本発明の目的は、電池性能に大きな影響を与えずに集電
体の機械的強度を高めることができる鉛蓄電池用集電体
を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するために、本発明においては鉛または
鉛合金からなる集電体の内部に補強構造体を構成するよ
うに導電性を有する繊維状物質を配置する。

繊維状物質は、鉛または鉛合金の内部に完全に埋め込ん
でもよいが、活物質層が形成される側の側面に繊維状物
質をエツチング処理等によってブラシ状に露出させるよ
うにしてもよい。このようにすれば活物質と集電体との
接合強度を高めることができ、集電体からの活物質の剥
がれまたは脱落を防止できる。

また請求項２の発明では、鉛からなる集電体の内部に織
布または不織布状の炭素繊維シートを補強構造体として
配置する。

［作　用コ 鉛または鉛合金からなる集電体の内部に補強構造体を構
成するように導電性を有する繊維状物質を配置すると、
繊維状物質と鉛または鉛合金とがからみあって集電体の
機械的強度が増加する。繊維状物質は導電性を有するた
め、集電体の電気抵抗を高くすることがなく、高率放電
の際に大きな電圧降下や発熱量の増加を生じさせること
がない。

本発明によれば、例えばｐｂ−ｓｂ系合金を使う場合に
、ｓｂの含有量を減らしても十分な機械的強度を得るこ
とができる。またＰｂ−Ｃａ系合金を使う場合でも、集
電体の延びを抑制できるため、活物質の脱落を抑制でき
る。

請求項２の発明では、ｐｂ−ｓｂ系合金やＰｂ−Ｃａ系
合金等の鉛合金を用いずに、いわゆる純鉛を使って集電
体を作る。補強構造体としては、織布または不織布状の
炭素繊維シートを用いる。

純鉛で作った集電体は、ｐｂ−ｓｂ系合金やＰｂ−Ｃａ
系合金と比べて、減液率、充放電サイクル寿命、自己放
電、耐腐蝕性等において優れている。

しかしながら純鉛で作った集電体の機械的強度は低く、
電池に加えられる振動によって容易に変形して、簡単に
活物質が脱落するため実用的ではなかった。本発明では
、織布または不織布状の炭素繊維シートを補強構造体と
して用いるため、純鉛で集電体を製造した場合でも集電
体の機械的強度を実用可能な範囲まで高めることができ
る。また織布または不織布状の炭素繊維シートは、重量
が軽いため、集電体の軽量化に効果がある。

［実施例］ 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。

第１図は本発明の集電体の一実施例の構造を示すための
説明図である。第１図において、１は補強構造体として
の不織布状の炭素繊維（カーボンファイバ）シートであ
り、２は鉛または鉛合金である。この集電体を作る場合
には、まず炭素繊維で作った不織布状の炭素繊維シート
を用意し、このシートを溶融した鉛または鉛合金の中に
浸漬して、炭素繊維シートに溶融した鉛または鉛合金を
含浸させる。その後炭素繊維シートを引き上げて、鉛ま
たは鉛合金を硬化させた後、打ち抜き加工、エツチング
法、エキスバンド法等によって所望の格子パターンを有
する集電体を形成する。この集電体を用いて極板を製造
する場合には、従来と同様に格子部に活物質材料を充填
して活物質層を形成すればよい。

なお集電体の活物質層が形成される側の表面に炭素繊維
をブラシ状に露出させる（炭素繊維の一部を表面に分散
して露出させる）場合には、エツチングによって集電体
の活物質が形成される側の表面層を部分的に除去すれば
よい。

また予め炭素繊維シートを所望の集電体の形状に形成し
ておいて、溶融した鉛または鉛合金中にシートを浸漬す
ることにより集電体を製造することもできる。

上記実施例においては、導電性を有す番繊維状物質とし
て不織布状の炭素繊維シートを用いたが、織布状の炭素
繊維シートを用いることもできる。

また炭素繊維シート以外でも、電気抵抗値が低く、耐酸
性を有する繊維状物質であれば補強構造体として利用で
きる。例えばＳｉＣウィスカーを導電性を有する繊維状
物質として用いることもできる。

次に本発明の集電体の効果を確認した試験について説明
する。試験に用いた集電体（以下集電体Ａと言う。）は
、第１図の構造を有しており、純鉛を用いて製造した厚
みが２ｍｒ５のものであった。

比較のために、公知の鋳造により製造したＰｂ−Ｃａ合
金からなる集電体（以下集電体Ｂと言う。）と、ｐｂ−
ｓｂ金合金らなる集電体（以下集電体Ｃと言う。）と、
純鉛のみからなる集電体（以下集電体りと言う。）とを
用意した。なお電池特性の測定は、上記各集電体に同じ
活物質材料を塗布して作った極板を用いて同一定格の試
験用電池を組み立てて行った。

第２図は引張強度試験の結果を示している。この試験結
果は、同じ枚数の試験用集電体について引張強度を行っ
た結果である。この結果から判るように純鉛だけからな
る集電体りでは、殆ど実用的な強度が得られないが、純
鉛を用いた場合でも本発明の集電体Ａになると、従来最
も機械的強度の強かったｐｂ−ｓｂ金合金らなる集電体
Ｃと同等またはそれ以上の強度が得られることが判る。

第３図は充放電サイクル試験の結果を示しており、放電
容量が寿命に相当する所定レベル以下になるまでの充放
電サイクルの回数を示している。

この結果から判るように、純鉛からなる本発明の集電体
Ａを用いた電池では、ｐｂ−ｓｂ金合金らなる集電体Ｂ
を用いた電池より寿命が長いことが判る。これは純鉛が
鉛合金に比べて腐蝕しにくいためである。

第４図は電解液の減液率の試験結果を示している。なお
第４図の結果は、最も減液率が高いＰｂ５ｂ合金からな
る集電体Ｃを用いた電池の減液量を１００％として示し
である。この結果から純鉛を用いることができれば、減
液量を最も少なくできることが判る。

第５図は高率放電（３Ｃ放電）特性の試験結果を示して
いる。第５図において破線Ｅは、従来品の平均的な特性
を示している。

上記第２図ないし第５図の試験結果は、純鉛を用いて本
発明の集電体を作った場合の試験結果であるが、本発明
は純鉛を使う場合に限定されるものではなく、鉛合金を
使う場合にも当然適用できる。

［発明の効果コ 請求項１の発明によれば、鉛または鉛合金からなる集電
体の内部に補強構造体を構成するように導電性を有する
繊維状物質を配置したので、従来の集電体と比べて集電
体の機械的強度を高くできる利点がある。

請求項２の発明によれば、純鉛を使い、補強構造体とし
て織布または不織布状の炭素繊維シートを用いるため、
従来の集電体と比べて機械的強度が高くしかも性能の優
れた集電体を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の集電体の一実施例の構造を示すための
説明図、第２図は引張強度試験の結果を示す線図、第３
図は充放電サイクル試験の結果を示す線図、第４図は電
解液の減液率の試験結果を示す線図、第５図は高率放電
（３Ｃ放電）特性の試験結果を示す線図である。 １・・・炭素繊維シート、２・・・鉛または鉛合金。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）鉛または鉛合金からなる集電体の内部に補強構造
   体を構成するように導電性を有する繊維状物質を配置し
   たことを特徴とする鉛蓄電池用集電体。
2. （２）鉛からなる集電体の内部に織布または不織布状の
   炭素繊維シートが補強構造体として配置されていること
   を特徴とする鉛蓄電池用集電体。