JPH0328507Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子ビーム描画装置のステージ上へ
被描画材を装填したカセツトを順次ローデイング
およびアンローデイングさせるため、該カセツト
を出入可能に複数個収納しておくマガジンに関す
るものである。

前記のように被描画材を装填したカセツトは、
生産性、作業性等の関係から複数個をマガジンに
収納し、電子ビーム描画装置への装填およびプロ
セス室への運搬等をマガジン単位で行なつてい
る。従来、このマガジンへのカセツトの保持は、
マガジンに取付けられたスプリングを介したボー
ルによつてカセツトを押付けることによつて行な
われていた。このマガジンは真空中で使用され、
かつ誤つてカセツトに潤滑油が付着すると電子ビ
ームのチヤージアツプにつながるなどの理由によ
り、前記ボールに十分な潤滑作用を持たせること
ができず、カセツトの円滑な出入ができにくいと
共に微細な摩耗粉を生じてこれが描画を阻害する
などの欠点があつた。また前記スプリングとボー
ルによる保持は十分な潤滑ができないこと、また
大きな外力を与えるとカセツトが変形するおそれ
があることもあつて、弱い保持しかできず、この
ため保持されているつもりでマガジンを不用意に
傾斜させたり、衝撃を与えたりするとカセツトが
飛出してしまう欠点もあつた。

本考案は、前述したような点に鑑みなされたも
ので、マガジンを平らな作業テーブル上などに置
いてカセツトの出入を行なう場合は、マガジンの
カセツト出入用開口部側が高くなるように該マガ
ジンを比較的大きく傾斜させて特別な保持手段を
用いることなくカセツトが容易に飛出させないよ
うにし、さらに電子ビーム描画装置に所定の設置
姿勢でマガジンを設置した場合にはカセツトを所
定の収納位置に保持すると共にステージに対する
ローデイングおよびアンローデイングに悪影響を
及ぼすことのないようにマガジン内のカセツト収
納部を前記開口部側が若干高くなるように傾斜さ
せた電子ビーム描画装置用マガジンを提供するに
ある。

以下本考案の一実施例を示す第１図ないし第２
図について説明する。１はマガジンＭの本体で、
カセツト２を収納する複数の棚３を有し、前面
（第１図において正面、第２図において左側の面）
には、該カセツト２を出入するための開口部４を
有している。各棚３の左右端（第１図において）
寄りには上部が該棚３の上面より若干突出した複
数個のガイドローラ５が設けられ、カセツト２を
より円滑に出入させるようになつている。

前記マガジンＭは、本体１の下面に設けた設置
座６により図示しない電子ビーム描画装置のマガ
ジン載置台上に支持され、この設置座６が例えば
水平面上に位置するとき、マガジンＭが垂直など
の所定の設置姿勢をとるようになされている。こ
の設置座６に対し本体１の下端は下方へ突出し、
かつその前後の下端面１ａ，１ｂは、第２図に示
すように、前記設置座６に対して角度αだけ傾斜
し、この下端面１ａ，１ｂが水平面上に位置する
とき、前記棚３およびガイドローラ５などからな
るカセツト収納部のカセツト出入用開口部４の方
を高くする側へ本体１を傾斜させるようになつて
いる。

また、前記棚３およびガイドローラ５などから
なるカセツト収納部は、前記のようにマガジンＭ
が所定の設定姿勢にあるとき、第２図に示すよう
に水平面に対しカセツト出入用開口部４側が若干
高くなるように角度βだけ傾斜して設けられてい
る。

次いで、このマガジンＭの作用について説明す
る。カセツト２の出入などのためにマガジンＭを
水平な面の作業テーブル上等に置くと、本体１の
下端１ａ，１ｂが水平面上に位置するため、棚３
およびガイドローラ５などからなるカセツト収納
部は、角度αと角度βを加えた角度だけカセツト
出入用開口部４側が高くなるように傾斜する。そ
こで、該カセツト収納部内へ挿入されたカセツト
２は、該収納部の最も奥側に安定して位置し、前
記角度αを適宜な大きさに定めておくことによ
り、マガジンＭが作業中に多少傾斜してもカセツ
ト２が収納部内から飛出すことはない。また、こ
のようにマガジンＭを平らな面の作業テーブル上
などに置いた場合、設置座６は前記の平らな面に
は接触しないので、該設置座６が傷付けられた
り、摩耗することもない。このため、電子ビーム
描画装置に対するマガジンＭの設置精度を長期間
にわたつて保持することが可能となる。

他方、マガジンＭを電子ビーム描画装置のマガ
ジン載置台上に装填する場合は、設置座６により
マガジンＭを支持する。このとき棚３およびガイ
ドローラ５などからなるカセツト収納部は、カセ
ツト出入用開口部４側が角度βだけ高くなるよう
に傾斜する。この角度βは比較的小さな角度であ
るが、前記のように電子ビーム描画装置に装填さ
れたマガジンＭは上下動するのみであるため、こ
の比較的小さな角度βのみでカセツト２を収納部
内の最も奥側に保持しておくことができる。ま
た、この角度βは比較的小さいため、図示しない
描画用ステージに対するカセツト２のローデイン
グおよびアンローデイングには何らの不都合も及
ぼさない。

以上述べたように本考案によれば、カセツトは
特別な保持手段を用いることなく、マガジンの各
カセツト収納部内の所定位置に位置させておくこ
とができ、このためより簡単にカセツトの出入が
できると共にカセツトの出入に伴なう関係部品の
摩耗もほとんどない。また、該マガジンを平らな
作業テーブル上で取扱う際に多少傾斜させてもカ
セツトが飛出すこともなく、さらにマガジンを平
らな作業テーブルなどの上に置いて作業する場合
には、電子ビーム描画装置への取付位置基準とな
る設置座は非接触状態におかれるため、ほとんど
損耗することがなく、電子ビーム描画装置に対す
る設置精度を長期間にわたつて確保することがで
きるなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電子ビーム描画装置用マ
ガジンの一実施例を示す正面図、第２図は第１図
の右側面図である。 Ｍ……マガジン、１……本体、２……カセツ
ト、３……棚、４……カセツト出入用開口部、５
……ガイドローラ、６……設置座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被描画材を装填したカセツトをほぼ水平に保つ
   て複数個出入可能に収納するようにした電子ビー
   ム描画装置用マガジンにおいて、該マガジンを所
   定の設置姿勢に保つて電子ビーム描画装置のマガ
   ジン載置台に保持するため該マガジン載置台によ
   つて支持されるように位置して該マガジンに設け
   られた設置座と、同設置座より下方へ突出し水平
   面に対してマガジンのカセツト出入用開口部側を
   所定量高くするように傾斜していると共に前記マ
   ガジン載置台上の設置位置にあるとき該マガジン
   載置台と干渉しない位置に形成された下端部と、
   前記マガジンが前記マガジン載置台上の設置位置
   にあるとき前記開口部側の方が若干高くなるよう
   に傾斜して設けられたカセツト収納部とを具備す
   ることを特徴とする電子ビーム描画装置用マガジ
   ン。