JPH0328152Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主に電動駆動方式によるブラインド
のスラツドの開閉角度の変換などをさせるシヤフ
トの回動に用いられる手動兼用ギヤードモーター
に関するものである。

（従来の技術） 従来、電動駆動方式によるブラインドのスラツ
ドの開閉角度の変換などをさせるシヤフトの回動
には、モーターと手動の両方で操作できるように
した型のものが殆どである。この場合、シヤフト
にモーターを直結するとモーターの回転が早過ぎ
て構造的に難しくなるため、モーターの回転を落
とすため複数個のギヤーを組み合せた減速ギヤー
をモーターの回転軸に連結した所謂ギヤードモー
ターを使用し、クラツチを介してシヤフトに連結
している。手動でシヤフトを回動する機構は、ク
ラツチを介してシヤフトに連結されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のギヤードモーター、クラツチ、シヤフト
及び手動用操作棒の連結部などは、ブラインド上
部のヘツドボツクス内に収容されているのである
が、クラツチが附設されているためそれだけヘツ
ドボツクスが大きくなり、さらにシヤフトの回動
機構が複雑になつてどうしても原価上昇する欠点
があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、従来のこのような問題点に着目して
なされたものであつて、新たな技術的思想のもと
にギヤードモーターの構造を改良して、クラツチ
なしでも手動で負荷側からギヤードモーターを回
転可能にすることにより、その性能を著しく向上
せしめて上記問題点を解決することを目的として
いる。

本考案は、モーターの回転軸と該回転軸の軸芯
上に配設された動力取出軸との間に、該両軸に回
動可能に挾設された外筒体に固着された、前記軸
芯と平行な２個のギヤー軸に回転自在に嵌装され
た複数個のギヤーを、組み合せた減速ギヤーを配
設すると共に、前記動力取出軸に回動可能に嵌装
されたウオームギヤーを前記外筒体に固着したこ
とを特徴とする手動兼用ギヤードモーターであ
る。

（作用） 手動兼用ギヤードモーターは、モーターを回転
させると、複数段の減速ギヤーでモーターの回転
数を低減して動力取出軸を所望回転数で回転さ
せ、モーターを停止してウオームギヤーを介して
外筒体を回動させると、減速ギヤーを回動自在に
保持した２個のギヤー軸が回動するための回転軸
及び動力取出軸が回動する。

従来のギヤードモーターでは、モーターを停止
させて動力取出軸を回動させるには極めて大きな
トルクを必要（減速段数が多くなる程大きい）と
して、事実上回動させることが困難であるが、本
考案に係る手動兼用ギヤードモーターは上記の如
く小さなトルクでも動力取出軸を容易に回動させ
ることができる。そのためブラインドのスラツト
の開閉角度の変換などさせるシヤフトに用いると
きは、手動兼用ギヤードモーターをクラツチなし
に直接シヤフトに連結することが可能となり、回
転機構が簡単になり小形化される。

（実施例） 本考案を、一実施例を示す第１図〜第２図に基
づいて以下詳述する。１はモーター２の回転軸、
３は回転軸１と同一軸芯７上に配設された動力取
出軸、４は回転軸１と動力取出軸３との間で、両
端を両軸に回動可能に挾設された外筒体、５は外
筒体４の内部で両端を固着された、軸芯７に平行
な軸心を有するギヤー軸６，６′に回転自在に嵌
装された複数個のギヤーを組み合せた減速ギヤー
で、回転軸１に噛合してギヤー軸６に嵌装された
小歯車８₀、小歯車８₀に噛合しギヤー軸６′に嵌
装された第１大歯車９₁、大歯車９₁と一体に形成
された第１小歯車８₁と該小歯車８₁に噛合しギヤ
ー軸６に嵌装された第２大歯車９₂、以下同様に
第２〜第７大歯車９₂〜９₇に一体に形成された第
２〜第７小歯車８₂〜８₇と、該小歯車８₂〜８₇に
噛合し互いに他のギヤー軸６或６′に嵌装された
第３〜第８大歯車９₃〜９₈、及び第８大歯車９₈
と一体に形成され動力取出軸３に噛合する第８小
歯車８₈から形成されている。

１０は外筒体４の負荷側で動力取出軸３に回動
可能に嵌装され、外筒体４に固着されたウオーム
ギヤー、１１は外筒体４及び動力取出軸３が回動
可能な状態に、モーター２、外筒体４及び動力取
出軸３を収納した外框、１２は手動兼用ギヤード
モーターである。

このギヤードモーター１２は、モーター２に電
流を通すと、回転軸１が回転し減速ギヤー５を介
して所望の回転数で動力取出軸３を回転させ、モ
ーター２の回転を停止しウオームギヤー１０を適
宜な回動機構を介して回動させると、ウオームギ
ヤー１０と共に外筒体４及び外筒体４に固着され
た両ギヤー軸６，６′が回動し、それにつれて減
速ギヤー５も回動して動力取出軸３を回動させ
る。

次に手動兼用ギヤードモーター１２を、ブライ
ンドのスラツドの開閉角度を変換する目的に使用
した場合を第３図に基づき説明する。手動兼用ギ
ヤードモーター１２は、外筒体４、ウオームギヤ
ー１０、及び動力取出軸３の夫々が回動可能な状
態に、モーター２と動力取出軸３の所要箇所を基
台１３と保持枠１４を介してヘツドボツクス１５
内に固定収容され、モーター２を装備したギヤー
ドモーター１２の動力取出軸３に連結したシヤフ
ト１６に取付けられたプーリ１７の回転によりラ
ダコード１８が上下してスラツド１９の開閉角度
を変換するものである。またウオームギヤー１０
には、上下を固定金具２０で回動可能に保持され
該ギヤー１０と噛合する従動ギヤー２１に、ユニ
バーサルジヨイント２２を介して操作棒２３を連
結した手動装置が附設されている。

コントロールユニツトからの指令でモーター２
を正転或は逆転方向に駆動させて動力取出軸３を
介してシヤフト１６を回動させ、シヤフト１６と
連動するプーリー１７を介してラダコード１８を
上下させてスラツド１９の開閉角度を変換させ
る。又モーター２を停止させて手動装置の操作棒
２３を左・右方向に廻してウオームギヤー１０を
介して外筒体４を回動させ、モーター２を駆動し
た場合と同様にシヤフト１６を経てプーリー１７
を回動させてスラツド１９の開閉角度を変換させ
る。

この場合、ギヤードモーター１２の動力取出軸
３を、小さなトルクでウオームギヤー１０の回動
により回転させられるので、ブラインドのスラツ
ド１９の開閉角度変換をモーターと手動の両方で
操作できるようにするとき、ギヤードモーター１
２をシヤフト１６に従来のクラツチなしに直接連
結できるため、装置を簡素化して小形化できると
共に原価低減を計ることができる。

上記の一実施例において、減速ギヤー５は、２
個のギヤー軸６，６′に回転自在に嵌装された小
歯車８₀、第１〜第８小歯車８₁〜８₈、及び第１
〜第８大歯車９₁〜９₈で夫々を10段に噛合させて
構成したが、動力取出軸３の必要な回転数に応じ
て小歯車と大歯車の個数及び組み合せを適宜変え
ても良い。

（考案の効果） (1) 操作するシヤフトをモーターと手動の両方で
回動させるような装置に用いると、シヤフトに
直結できるため該装置の小形化を可能にすると
共に原価低減を計ることができる。

(2) 減速段数が多いにもかかわらず外筒体に２個
のギヤー軸を固定するように合理的な設計をし
ているので、極めて小形に形成できて、安価で
製作することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切欠した側面図、第２図はＡ−Ａ断面図、第３図
は使用方法を説明するための一部切欠した主要部
の正面図である。 １……回転軸、２……モーター、３……動力取
出軸、４……外筒体、５……減速ギヤー、６，
６′……ギヤー軸、７……軸芯、８₀，８₁，８₂〜
８₇，８₈……小歯車、９₁，９₂〜９₇，９₈……大
歯車、１０……ウオームギヤー、１２……手動兼
用ギヤードモーター。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ モーターの回転軸と該回転軸の軸芯上に配設
   された動力取出軸との間に、該両軸に回動可能
   に挾設された外筒体に固着された、前記軸芯と
   平行な２個のギヤー軸に回転自在に嵌装された
   複数個のギヤーを組み合せた減速ギヤーを配設
   すると共に、前記動力取出軸に回動可能に嵌装
   されたウオームギヤーを前記外筒体に固着した
   ことを特徴とする手動兼用ギヤードモーター。 ２ 大歯車に小歯車を一体に形成した歯車の複数
   個を並設された二個のギヤー軸に夫々回転自在
   に嵌装し、一方のギヤー軸の小歯車を他方のギ
   ヤー軸の大歯車に噛合させて、順次連設するこ
   とにより回転数を所要数に低減するように構成
   した減速ギヤーを備えたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の手動兼用ギヤ
   ードモーター。