JPH0327594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は布プレス機に於て、ボイラーで発生
したスチームを再加熱する装置に関し、特にドレ
ーン（水滴）の排出を可能にしたものに関するも
のである。

〔従来の技術〕

布プレス機に使用するスチームには、ボイラで
発生したスチームを再加熱して乾燥スチームにす
ることが仕上条件として求められている。

従来のスチーム加熱装置を第２図に基いて説明
する。

１は一端をボイラ２に接続し、途中に気水分離
のためのセパレータ３及びスチームの断続をする
噴射バルブ４を経て、加熱容器５に連通するスチ
ームパイプである。加熱容器５には内部を中空密
封した加熱室６が形成してあり、スチームパイプ
１を通じてボイラ２で発生したスチームを加熱室
６に送り込み可能としている。７は前記加熱容器
５に装着した発熱体（ヒータ）であり、加熱室６
を保温するもので、セパレータ３で一旦気水分離
されるものの、スチームの勢いにのつて通過した
霧状のドレーンを加熱室６にて再加熱することに
より、乾燥スチームを得るものであり、製品が汚
れないようにするものである。８は加熱容器５に
固定し加熱室６と布プレス部９とを連通するスチ
ームブローパイプであり、加熱室６にて再加熱さ
れたスチームを布プレス部９に送り出すものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、スチームパイプ１の噴射バルブ
４とセパレータ３との間にあるスチームは、プレ
ス部９の停止に対応してバルブ４が締まつている
と流動せず放熱のためにドレーン化する。この状
態でバルブ４を開けた時ドレーンは加熱室６で熱
せられるが、瞬間的なためにドレーン全部が再蒸
発することなく排出される場合があり、プレス機
にかけた製品を汚すことがあつた。

本考案は、上記問題点を解決するものであり、
放熱によりドレーン化したスチームがバルブ４を
通過しても、加熱室６内に入ることなく気水分離
し、このドレーンを加熱容器５から排出すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、発熱体により保温される中空内部
を密封して加熱室を形成した加熱容器と、一端を
ボイラに接続し、ボイラのスチームをセパレータ
から噴射バルブを経て加熱室内にて再加熱しブロ
ーパイプから噴射可能としたスチームパイプと、
前記噴射バルブの出力側のスチームパイプに装着
し、前記噴射バルブ開口時に前記セパレータと前
記噴射バルブの間にあるドレンをスチームの圧力
で射出導入可能にスチームの噴出方向に配置した
トラツプと、を備えたことを特徴とする布プレス
機のスチーム加熱装置を提案するものである。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図に基いて説明
する。１０は一端をボイラ２に接続し、中間にセ
パレータ３及び噴射バルブ４を設けて、加熱容器
５の密封した中空加熱室６を貫通させ、加熱室外
の他端にトラツプ１１を経て、排出パイプ１２と
接続したスチームパイプである。第１図から明ら
かなように、トラツプ１１が噴射バルブ４の出力
側のスチームパイプ１０に装着してスチームの噴
出方向に配置したものであり、噴射バルブ４開口
時に前記セパレータ３と噴射バルブ４の間にある
ドレンガスチームの圧力で射出された場合に、こ
れを一気にトラツプ内に導入可能にしたものであ
る。加熱室６内のスチームパイプ１０には、この
スチームパイプ１０の内外部に連通した複数の噴
射穴１２が配置してある。加熱室６内にはこのス
チームパイプ１０と略平行して貫通するようにボ
イラ２と接続して管内に常時スチームを流してい
る保温パイプ１４が配置され、この保温パイプ１
４に噴きつけるように噴射穴１３が開口してい
る。この保温パイプ１４により加熱室６を100℃
〜120℃程に保温可能としている。トラツプ１１
はドレーンが流入すると浮き部材が移動して開閉
弁が開く構造である。８は加熱容器５に固定して
加熱室６内のスチームを布プレス器のダミー１５
に給送するブローパイプである。

次に、作用を説明する。

ダミー１５に被プレス布を被せ、噴射パルブ４
を開けるとボイラ２から出たスチームは、スチー
ムパイプ１０内を流れてセパレータ３に導かれ、
ここで気水分離して噴射バルブ４を通過し、一気
に加熱容器５に送られる。

このとき、噴射パルブ４の手前にあるスチーム
が、すでに放熱によつてドレーン化されている場
合には、前記噴射バルブ４の開放によるボイラ２
からの圧力によつて加熱容器５内のスチームパイ
プ１０を通過して、一気にトラツプ１１に運ば
れ、トラツプ内の浮き部材の作用により開閉弁が
開き、スチームの圧力で排水パイプ１２に排水さ
れる。

スチームパイプ１０内の圧力が高まると、噴射
穴１３からスチームが保温パイプ１４に向けて噴
出するようになり、この噴出したスチームは保温
パイプ１４、および保温パイプ１４による高温の
雰囲気に触れて再度加熱され、スチーム中の微量
な水分は完全に蒸発し、ブローパイプ８を通じて
ダミー１５に供給され、プレス機の働きによつて
被プレス布は充分な温度でプレス仕上げされる。

なお、再加熱の熱源として上記実施例はスチー
ムを用いたが、これに限るものではなく、電気で
も再加熱可能ならばいずれを問わない。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のような構成、作用であり、
噴射バルブの出力側のスチームパイプに装着し、
噴射バルブ開口時にスチームの圧力で射出された
ドレンを導入可能にスチームの噴出方向に配置し
たので、噴射バルブを開放した時にスチームパイ
プを流れるドレーンを加熱室内に噴出させること
なく、外部に排水できるようになつた。これによ
り加熱室内のスチームを完全に再加熱して、乾燥
スチームとすることができ、被プレス布を汚すこ
となく完全なプレス仕上を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る再加熱装置の一実施例を
示す構成図、第２図は同従来例の構成図である。 ６……加熱室、１０……スチームパイプ、１１
……トラツプ、１３……噴射穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 発熱体により保温される中空内部を密封して加
   熱室を形成した加熱容器と、 一端をボイラに接続し、ボイラのスチームをセ
   パレータから噴射バルブを経て加熱室内にて再加
   熱しブローパイプから噴出可能としたスチームパ
   イプと、 前記噴射バルブの出力側のスチームパイプに装
   着し、前記噴射バルブ開口時に前記セパレータと
   前記噴射バルブの間にあるドレンをスチームの圧
   力で射出導入可能にスチームの噴出方向に配置し
   たトラツプと、 を備えたことを特徴とする布プレス機のスチーム
   加熱装置。