JPH0327308A - 根管充填材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は歯科治療に使用する根管充填材に関し、特にガ
ンタバーチャポイントと併用して使用される根管充填治
療に有効な根管充填材に関する。

〔従来技術及びその解決すべき課題〕

歯科治療において、歯髄炎、感染根管等の病的原因の治
療に際し、抜髄等により生じた空隙となった根管は、根
管充填材を充填する等の手段により治療されている． 従来の根管充填治療としては、根管充填材のみを根尖部
に緊密に充填する方法、ガンタバーチャポイントと根管
充填材を併用して根尖部に充填封鎖する方法が代表的な
ものである。

前者の方法に使用される根管充填材としては、水酸化カ
ルシウム系糊材が代表的なものとして知られており、ま
た後者の方法に使用される根管充填材としては酸化亜鉛
ユージノールセメントが代表的なものとして知られてい
る。

しかしながら、水酸化カルシウム系糊材を使用した場合
は充填した近傍においてｐＨが上がるため刺激性を伴う
問題点があった。一方、酸化亜鉛ユージノールセメント
を使用した場合は生体親和性がないという問題点があっ
た． また、最近では根管充填材として生体親和性のあるα−
リン酸三カルシウム粉末を使用する例もあるが、該根管
充填材は硬化液としてポリアクリル酸水溶液を使用して
いるため、これもｐＨを下げ、また操作性も不良である
等の問題点があった。

本発明者等は、このような現状に鑑み、前記問題点を解
消すべく根管充填材を鋭意検討した結果本発明に到った
ものである． 〔課題を解決するための手段〕 すなわち、本発明は、 （ｉ）α−リン酸三カルシウム粉末４０〜９８重量％と
第二リン酸カルシウム粉末２〜６０重量％とからなるリ
ン酸カルシウム系粉末１００重量部及びヨードホルム粉
末５〜３０重量部からなる粉剤ＣＰ）、 （　ｉｉ　）ポリアルキレングリコールの５〜１５重量
％水溶液からなる硬化液〔Ｌ〕 からなり、かつ〔Ｐ〕と〔Ｌ〕の重量比〔Ｐ〕／（Ｌｌ
が１．５〜２．５である根管充填材に関する．一般に根
管充填材に要求される性状としては以下のものがある。

（ｉ）ｔｌ管充填材の練和物は適当な動粘性があり、ガ
ソタパーチャポイントへのなじみが良く、付着しやすい
． （ｉｉ）根尖孔外に溢出した時、歯周組織を刺激せず、
吸収が速やかである。

（　ｉｉｉ　）適度な硬化時間をもち、作業時間がある
。

（　ｉｖ　）封鎖性に優れている． （ｖ）Ｘ線造影性を有する。

（　ｖｉ　）操作性が良い。

本発明の根管充填材は生体親和性があり、かつ前記要求
される性状、特に封鎖性に優れた画期的なものである． 以下、本発明を詳細に説明する。

本発明の根管充填材を構威する粉剤〔Ｐ〕は、α−リン
酸三カルシウム粉末、第二リン酸カルシウム粉末及びヨ
ードホルム粉末からなっている。

前記α−リン酸三カルシウムは公知の方法で製造するこ
とが出来、例えば次の方法により製造することができる
。

即ち、Ｔ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムとを
等モル量で均一に混合し、十分に乾燥させた後１０００
〜１４００℃、好ましくは１２５０℃前後で約１時間焼
戒し、得られる生或物を微粉砕して粒径１００μ麟以下
の微粉末とすることによって得ることができる。他の方
法としては、リン酸水素カルシウム三水和物と炭酸カル
シウムとを２対１のモル比で均一に混合した後、前記方
法とほぼ同一条件で焼或、粉砕して得ることもできる。

また、第二リン酸カルシウムは、公知の方法で製造する
ことが出来、市販されている．α−リン酸三カルシウム
と第二リン酸カルシウムの粉末の粒径は好ましくは２０
μ請以下である。

本発明で使用するリン酸カルシウム系粉末は、前記二種
類の粉末の混合物からなり、第二リン酸カルシウムの混
合割合は、リン酸カルシウム系粉末中２〜６０重量％が
よい。２重量％未満の場合には、封鎖性が不十分となり
、また圧縮強度が小さくなり、更に、凝固時間が３時間
以上となり長過ぎる。逆に６０重量％を越える場合には
、凝固時間が短くなり、操作性が悪くなる。

なお、前記二種類の粉末以外にその他のリン酸カルシウ
ム誘導体粉末、例えば第一リン酸カルシウム等を添加し
てもよい。

前記ヨードホルム粉末は、前記リン酸カルシウム系粉末
１００重量部に対し、５〜３０重量部、好ましくは１５
〜２５重量部である。ヨードホルム粉末の配合量が前記
範囲より少な過ぎると根管充填材のＸ線造影性が不足し
てくるとともにガッタパーチャポイントや根管壁との付
着性が悪くなるので好ましくない。一方、前記範囲より
過剰になると、相対的にリン酸カルシウム系粉末が少な
くなるため、根管充填材の硬化性が悪くなる．本発明に
使用する粉剤〔Ｐ〕は以上説明した通り前記リン酸カル
シウム系粉末とヨードホルム粉末とからなっているが、
更に必要に応じて硫酸バリウム粉末、塩基性炭酸ビスマ
ス粉末、シリカ粉末、アルくナ粉末、アバタイト粉末等
を配合してもよい． 本発明の根管充填材を構或する硬化液〔Ｌ〕はポリアル
キレングリコールの水溶液である．ポリアルキレングリ
コールはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コールあるいはこれらの共重合体が代表的なものとして
挙げられ、好ましくは非イオン性で、分子構造的には、
線状でエステル結合のないものであり、末端水酸基の一
部をエーテル結合したものでよい。また、ポリアルキレ
ングリコールは分子量が約２０００以上、動粘度が１０
重量％水溶液で１０〜１０００ｃＳｔ（２５℃）のもの
が、根管充填材の練和物の動粘性、操作性等がよいので
好ましい． ポリアルキレングリコールの水溶液濃度は５〜１５重量
％であり、水溶液濃度が前記範囲より小さいと、練和に
際し粘稠性がなくなり、作業性が悪くなる．一方、前記
範囲より大きいと練和硬化物の溶解性が大きくなり、強
度が低下する。

本発明に使用する硬化液（Ｌｌは、以上説明した通リポ
リアルキレングリコールの水溶液からなっているが、必
要に応じて塩化ナトリウム、塩化アンモニウムあるいは
カルシウムやマグネシウムの水溶性塩、更には増粘剤、
界面活性剤、防腐剤、抗菌剤等も少量添加することが可
能である。

本発明の根管充填材は以上説明した粉剤〔Ｐ〕と硬化液
〔Ｌ〕とからなり、それらを、〔Ｐ〕と〔Ｌ〕の重量比
〔Ｐ〕／　〔Ｌ〕が１．５〜２．５となる割合で練和し
、使用される．〔Ｐ〕／〔Ｌ〕比が１．　５未満である
と練和物の粘度が小さくなり、粘稠性のある練和物が得
られず、根管部への充填作業性が悪くなる．逆に２．５
を越えると練和しにくくなり、さらに練和物は粘稠性が
なく、ざらついた状態になる． 本発明の粉剤〔Ｐ〕と硬化液〔Ｌ〕とは使用直前に練和
し、使用に供される。

本発明の根管充填材の練和操作法は特に限定されず、従
来から歯科用セメントの分野で使用されている方法のい
ずれでも良く、例えばＪＩＳ−Ｔ−６６０２に規定され
るものを使用できる． 〔発明の効果〕 本発明の根管充填材は、化学的に歯の威分に近い、α−
リン酸三カルシウムを使用しているため生体適合性があ
り、またｐＨ７前後で中性付近にあるため刺激性もなく
、更に第二リン酸カルシウムを併用しているため根管充
填材として要求される性状、封鎖性や、ガッタパーチ中
ポイントへの付着性、操作性等に優れているので、根管
充填材として好適である。

以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。

実施例１〜３及び比較例ｌ〜４ 公知の方法によりＴ−ピロリン酸カルシウムと炭酸カル
シウムを等モル混合し、焼威してα−リン酸三カルシウ
ムを合威し、粉砕して４００メッシュの篩を通過させて
、所定の粒度のα−リン酸三カルシウム粉末を得た。

このようにして得られたα−リン酸三カルシウム粉末（
α一ＴＣＰという）を使用して第１表に示す他の粉末戒
分と混合し、ＪＩＳ−Ｔ−６６０２の方法に準拠して第
１表に示す硬化液と練和した（表中の数値は重量部を示
す）． かくして調製した練和物の操作性、ガフタパーチャポイ
ントへの付着性、Ｘ線造影性、封鎖性を調べ、その結果
を第１表下欄に示した。

また、別途前記粉剤と硬化液とを１分間均一に練和し、
該練和物を容器に入れ、その表面を平らにして濾紙をの
せ、練和開始１５０秒後に水を滴下し、濾紙を湿らせ、
密封２４時間放置後、フラット型ｐＨ電極（東亜電波工
業■製フラット型複合電極ＧＳＴ−５３１３Ｆ）を濾紙
に接触させ練和物の表面ｐｎを測定した。

第１表の試験結果より明らかの通り、本発明の根管充填
材は、ｐＨが中性付近であり、生体刺激性がきわめて小
さく、さらに操作性、ガッタパーチャポイントへの付着
性、Ｘｉ造影性、封鎖性もよく、根管充填材として好適
であった。

一方、粉剤中に、第二リン酸カルシウムの添加量の少な
い比較例１では封鎖性が不十分であった．またヨードホ
ルムの添加量の少ない比較例２ではｘｌ造影性が不良で
あった．また硬化液としてポリアクリル酸水溶液、ポリ
アクリル酸ナトリウム水溶液を使用した比較例３，４は
、いずれも封鎖性および操作性が不良であり、不適であ
った．注１）分子量約３０００の非イオン性ポリエチレ
ングリコール 注２）アクリル酸一イタコン酸共重合体（イタコン酸含
有量３５重量％） 注３）重合度２７００〜７５００　（和光純薬社製）注
４）練和物の操作性（練和時にＪＩＳ　Ｔ　６６０２標
準稠度の動粘性を有しているかどうか及び充填作業性が
よいかどうか等を総合時に判断した．） 注５）粉剤と硬化液とを１分間均一に練和し、練和開始
５分後のガシタパーチャポイントに対する付着性を調べ
た。

注６）２ｍ厚の硬化物ニ８０　ｋＶ　，　２００　ｖｂ
＾のＸ線を０．０２秒間照射し、Ｘ線フィルムを感光さ
せ調べた． 注７〉内径１ｆｉ、長さ１５醜のガラス管に、標準粉液
比にて室温で練和した材料を充填し、直ちに３７℃の恒
温槽内の０．６％ローダξン水溶液中に浸漬した。１日
経過後、色素溶液よりガラス管を取り出して、先端より
ガラス管内に浸透した色素の最長距離を計測した．距離
が１．０ｍｌ以下のものを○、１．　０　ｍから２．０
箇までの間のものを△、２．０ｆｉ以上のものをＸで示
した．

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 （ｉ）α−リン酸三カルシウム粉末４０〜９８重量％と
   第二リン酸カルシウム粉末２〜６０重量％とからなるリ
   ン酸カルシウム系粉末１００重量部及びヨードホルム粉
   末５〜３５重量部からなる粉剤〔Ｐ〕、及び （ｉｉ）ポリアルキレングリコールの５〜１５重量％水
   溶液からなる硬化液〔Ｌ〕、 からなり、かつ前記〔Ｐ〕と〔Ｌ〕の重量比〔Ｐ〕／〔
   Ｌ〕が１．５〜２．５である根管充填材。