JPH0324189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は医療用チユーブの閉鎖クランプに関す
る。さらに詳しくは血液やリンゲル液などの点滴
用チユーブ、尿バツクの排尿チユーブなどのチユ
ーブを随時閉鎖するために用いられるクランプに
関する。

［従来の技術］ 従来類似の閉鎖クランプとしては第７〜８図に
示されたものがある。その閉鎖クランプＢは、ポ
リプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチ
レンなどの合成樹脂製の板状体の本体５０にチユ
ーブＴを挿し通すための大径孔部５１と該チユー
ブＴを偏平に圧迫するための細長い溝孔部５２と
が連続して形成されている。（第７図参照）。

使用するときは第８図に示されているように、
大径孔部５１にチユーブＴを挿し通したのち、本
体５０を横へスライドさせてチユーブＴを溝孔部
５２へ強く押し込む。そうするとチユーブＴは溝
孔部５２で偏平に圧迫されて、チユーブＴ内の血
液や尿その他の液体の通過を阻止するようにな
る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで前記従来の閉鎖クランプＢにおいて
は、チユーブＴを溝孔部５２で挟んで閉鎖すると
きは、溝孔部５２は平行に拡がらず、その端部を
中心として中央部ほど大きく拡がる傾向がある。
またそのばあい、一般に同一箇所T₁を繰りかえ
し閉鎖するので、長期間使用するとチユーブＴの
閉鎖箇所部分T₁にヘタリが生じ、そのためクラ
ンプＢによるチユーブＴの締め付けが緩くなって
リークを生じるという問題がある。

また従来の閉鎖クランプＢはチユーブＴのロツ
トの違いによるチユーブの肉厚の変化に対応でき
ず、締付力が一定しないため、肉厚が小さすぎる
ばあいはリークを生じ、また肉厚が大きすぎるば
あいは、溝孔部５２にチユーブＴを押し込む操作
がやりにくくなり操作性が悪くなるという欠点を
有している。

本考案はかかる事情に鑑み、チユーブのロツト
の違いや、経時変化などによりチユーブの肉厚が
多少変化してもチユーブを確実に閉鎖することが
できる閉鎖クランプを提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の医療用チユーブの閉鎖クランプは、板
状体にチユーブを押し通すための大径孔部と該チ
ユーブを偏平に圧迫するための細長い溝孔部とが
連続して形成されたクランプであって、前記溝孔
部の長手方向に沿う前記大径孔部と本体端縁との
間の肉部および前記溝孔部と本体端縁との間の肉
部に、それぞれ前記大径孔部とスリツトを介して
連続する小孔および溝孔部とスリツトを介して連
続する小孔が形成された構成が採用されている。
なお、前記小孔が形成された肉部に、さらに前記
大径孔部とも溝孔部とも連続しない複数の第２の
小孔を形成するのが好ましい。さらに第２の小孔
は、前記溝孔部の長手方向と平行に数列形成する
のが好ましい。

［作用］ 本考案にあっては、前記大径孔部や溝孔部とス
リツトを介して連続している小孔によって本体の
両端部が弾力性を有するようになる。また曲げ撓
みの支点（本体の両端部）に隣接する小孔は比較
的変形が大きく、しかも溝孔部はほぼ平行なまま
拡幅する。そのため溝孔部の幅を従来品のものよ
り小さくしても、チユーブを挟んだときに充分
に、かつほぼ平行に拡幅されるので、チユーブに
ヘタリが生じがたく、またたとえチユーブにヘタ
リが生じても、従来品のものよりも溝孔部の幅が
小さく形成されているのでリークを生ずることが
ない。

［実施例］ つぎに本考案の実施例を説明する。

第１〜２図は本考案の一実施例にかかわる閉鎖
クランプＡの斜視図、第３図は同閉鎖クランプＡ
の平面図、第４図は第３図における−線断面
図、第５図は第３図における−線断面図、第
６図は閉鎖クランプＡの使用状態説明図である。

第３〜５図において、Ａは本考案の一実施例に
かかわる閉鎖クランプ、１は該閉鎖クランプＡの
板状体の本体である。該本体１はポリプロピレ
ン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ
アセタール、ナイロンなどの可撓性合成樹脂によ
り射出成形法などにより成形されている。本体１
はその長手方向に沿って一端部には大径孔部２が
形成され、それに連続して他端部にわたり溝孔部
３が形成されている。そして必要な強度を保つた
め、その外周には全周にわたってリブ１０が形成
されている。前記大径孔部２はチユーブを通すた
めに必要な直径を有し、図中上方を半円形に図中
下方をガイド部４で三角形状の空間に形成され、
全体として涙滴形の孔に形成されている。溝孔部
３はチユーブを偏平に圧迫しうる溝幅ｄを有して
おり、ほぼ平行な細長い溝に形成されている。な
お溝孔部３の他端部（図中下方）では、チユーブ
のスライドを規制するための、すなわち後述する
小孔８まで入り込まないように停止させるための
ストツパ５が形成されている。該ストツパ５は溝
孔部３の一側辺に形成された凸部であり溝孔部３
の他側辺には形成されたストツパ５に対応して凹
部が形成されている。

大径孔部２と本体１の端縁（図中上端縁）とな
るリブ１０との間には、溝孔部３の長手方向（本
実施例では本体１の長手方向に一致する）に沿う
小孔６，６ａが形成されている。該小孔６，６ａ
は長孔状の孔であって、前記溝孔部の長手方向と
直角な方向（すなわち本体１の幅方向）に５本並
列に形成されている。なお、中央の小孔６はスリ
ツト７によって前記大径孔部２と連続しており、
他の小孔６ａは大径孔部２と連続することなく第
２の小孔を構成している。また溝孔部３と本体１
の端縁（図中下端縁）となるリブ１０との間には
小孔８，８ａが形成されている。この小孔８，８
ａは前記小孔６，６ａと同形状であり、同様の形
態で５本形成されている。さらに中央の小孔８と
ストツパ５部の溝はスリツト９で連続しており、
他の小孔８ａは溝孔部と連続することなく第２の
小孔を構成している。

本実施例では以上のごとく、大径孔部２と本体
１端部との間の肉部および前記溝孔部３と本体１
端縁部との間の肉部がそれぞれ小孔６，８を形成
したことにより柔軟に撓む変形性が与えられてい
る。したがって溝孔部３の溝幅ｄは従来の類似の
閉鎖クランプ（第７図図示）の溝幅よりも若干小
さく形成されており、溝孔部３にチユーブＴが挿
入されたときは、溝孔部３が大径孔部２に近い側
もストツパ５に近い端部付近もほぼ均一に間隔が
広がるよう、前記肉部が変形する。しかして、そ
のように変形したとき溝孔部３内のチユーブＴは
全幅にわたってほぼ平行に圧迫されるので、チユ
ーブＴの内周面はどの部分も平均した力で密着せ
しめられる。したがって、従来のクランプよりも
柔軟かつ確実にチユーブを閉鎖することができ
る。

つぎに本実施例の閉鎖クランプＡの使用法を説
明する。第１図には閉鎖クランプＡの大径孔部２
にチユーブＴが挿し通された状態が示されてい
る。この操作は従来の閉鎖クランプＢと同様に行
いうる。

つぎに第２図に示されているように前記状態で
手でチユーブＴを保持して、閉鎖クランプＡを矢
印Ｘ方向へスライドさせれば、チユーブＴは溝孔
部３内に挟みこまれる。なおチユーブＴの端面が
ストツパ５に当たると、そこでスライド操作が停
止される。

以上のごとき操作で、チユーブＴの閉鎖が行な
われるが、その操作はチユーブＴの挿入、クラン
プ本体１のスライドという２操作だけのごく簡単
なものである。

第６図には、かかる閉鎖クランプＡの使用状態
が示されている。図中Ｃは尿バツグであり、かか
る尿バツグＣの排尿チユーブＴに閉鎖クランプＡ
が挿入されてチユーブＴが閉鎖されている。

叙上のごとく本実施例の閉鎖クランプＡにおい
ては、チユーブＴをほぼ平行に圧迫することがで
き、しかもそのように圧迫するときの溝孔部３の
溝幅の変化にも融通が効くので、肉厚が多少異な
るチユーブＴに対しても同一の閉鎖クランプで閉
鎖することができ、しかもチユーブにヘタリが生
じても締めつけが緩くならないのでリークを生ず
ることがない。さらに溝孔部３の溝幅がほぼ平行
に広がるので、チユーブＴを該溝孔部３へ挿入す
る操作も非常に楽になる。

［考案の効果］ 本考案においては、肉厚や直径が多少異なるチ
ユーブであっても同一の閉鎖クランプで確実に閉
鎖することができ、またチユーブにヘタリを生じ
てもリークを生ずることがなく、しかも閉鎖操作
を楽に行いうるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は本考案の一実施例にかかわる閉鎖
クランプＡの斜視図、第３図は同閉鎖クランプＡ
の平面図、第４図は第３図における−線断面
図、第５図は第３図における−線断面図、第
６図は閉鎖クランプＡの使用状態説明図、第７〜
８図は従来の閉鎖クランプの平面図および斜視図
である。 （図面の主要符号）１……本体、２……大径孔
部、３……溝孔部、５……ストツパ、６，８……
小孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 板状体の本体に、チユーブを挿し通すための
   大径孔部と該チユーブを偏平に圧迫するための
   細長い溝孔部とが連続して形成されたクランプ
   であって、前記溝孔部の長手方向に沿う前記大
   径孔部と本体端縁との間の肉部および前記溝孔
   部と本体端縁との間の肉部に、それぞれ前記大
   径孔部とスリツトを介して連続する小孔および
   溝孔部とスリツトを介して連続する小孔が形成
   されてなる医療用チユーブの閉鎖クランプ。 ２ 前記小孔が形成された肉部に、さらに前記大
   径孔部とも溝孔部とも連続しない複数の第２の
   小孔が形成されてなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の閉鎖クランプ。 ３ 前記第２の小孔が、前記溝孔部の長手方向と
   平行な長孔である実用新案登録請求の範囲第２
   項記載の閉鎖クランプ。