JPH0323184Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、パルセータ裏面のポンプ作用により洗
浄水を循環させながら洗濯、すすぎ作業等を実行
する洗濯機に係り、特に循環する洗浄水を利用し
て洗剤を洗濯槽内に供給するよう構成した洗剤供
給装置に関するものである。

（従来技術とその問題点） 先ず、この種洗濯機の一例を第３図に従つて説
明すると、１は外槽、２は外槽１内に防振支持装
置３を以つて吊下支持した水槽、４は水槽２内に
内装した脱水槽兼用の洗濯槽、５は洗濯槽４の内
底部中央にあつて裏面にインペラー６を有するパ
ルセーター、７は洗濯槽４の内面に循環路カバー
８により縦設され下端の取水口９をパルセーター
５の裏面側に対向且つ上端の吐出口１０を洗濯槽
４上部に開口する循環路、１１は吐出口１０に設
けた袋状の糸屑フイルター、１２はモータ、１３
はモータ１２により洗濯槽４或いはパルセーター
５を適宜回転させるための駆動装置、１４は排水
弁装置であり、洗濯或いはすすぎ作業時パルセー
ター５裏面のインペラー６によるポンプ作用によ
つて洗濯槽４内の洗浄水を循環路７を通して循環
させることにより、洗浄水中に浮遊している糸屑
等を糸屑フイルター１１にて除去できるよう構成
されている。

ところで、この種洗濯機にあつては一般に、洗
濯槽４内に被洗濯物と洗剤を投入した後、スター
トスイツチをONすることにより、給水、洗濯等
の作業が順次実行されるようになつているが、今
仮に被洗濯物と洗剤を投入した状態で直ち運転せ
ず、タイマー等により所定時間待機した後運転を
開始させるようにした場合に、被洗濯物と洗剤と
が長い時間触れた状態で放置されることになり、
このような状況は洗剤中に含まれている漂白成分
等が被洗濯物に悪影響を及ぼす虞れがあつて、極
力避けることが望ましいものであつた。

然るに、この種洗濯機にあつては、パルセータ
ー５の回転により循環する洗浄水を利用して洗剤
を洗濯槽４内に供給することにより、上述の如き
不都合を解消するものが種々提案されているが、
その何れにあつても余り好ましいものではなかつ
た。例えば、循環路７の吐出口１０を二つに分割
して、一方の吐出口部に糸屑フイルター１１を設
け、他方の吐出口部に洗剤ケースを設けたもので
は、構造的に複雑で吐出口部が形状的に大きくな
るという問題があり、又循環路７中に洗剤収容部
を設けたものでは、やはり構造的に複雑となり、
その上洗剤が糸屑フイルター１１を通して洗濯槽
４内に供給される為に洗剤が溶けきれずに糸屑フ
イルター１１内に残存し、洗濯に有効に寄与でき
ない虞れがある。

（考案の目的） 本案はかかる点に鑑みてなされたもので、構造
的に簡単で形状的にもコンパクトになり、その上
洗剤を迅速かつ確実に供給できる洗剤供給装置を
提供するものである。

（実施例） 以下第１図及び第２図に示した本案の実施例に
ついて、第３図を参照しながら詳細に説明する。

１５は洗濯槽４の上端に取付けた環状のバラン
サーで、上部体１５ａと下部体１５ｂとを結合し
内部に適当量の液体を封入することにより構成す
成する。１６は循環路７の吐出口１０の両側に設
けた挿入溝で、下部体１５ｂと循環路カバー８の
上端に一体に延設した支持片１７とにより形成す
る。１８は糸屑フイルター１１を一体的に設けた
フイルター枠で、挿入溝１６にその上端より挿脱
自在に嵌挿することにより糸屑フイルター１１を
吐出口１０に着脱自在に設けており、フイルター
枠１８はその上端側において指掛け部１９を有す
る。２０は糸屑フイルター１１及びフイルター枠
１８を被うように設けた洗剤ケースで、洗濯槽４
の内面或いは循環路カバー８等にねじ等を以つて
取着され、側壁上部に適数個の流出口２１を有
し、又上端には洗剤を収容するための開口部２２
を有する。

上記洗剤ケース２０は合成樹脂の成型品よりな
り、その成型時に開口部２２を開閉するための蓋
２３をヒンジ部２４を介して一体に成形してい
る。而して、この蓋２３は常時閉状態に位置する
よう方向付けされて一体に成型されており、摘み
２３´を持つて開き、手を離すと上記方向付けに
より閉状態に復帰する。従つて、蓋２３を閉方向
に付勢するスプリング等を別途設ける必要がな
く、錆による問題も招くことがない。

又、蓋２３は閉状態において内方側に下がり傾
斜している。これは、第２図に示すように注水口
２５の下方に蓋２３が位置した状態で注水される
と、注水口２５からの水は蓋２３上に打ち当たる
ことになり、この時蓋２３が水平状態にあると水
が水槽２外に飛び散る欠点があり、この欠点の解
消を目的としている。即ち、蓋２３に打ち当たつ
た水が飛散するも、蓋２３の傾斜により洗濯槽４
内に入るようにしてある。

上記構成において、先ず洗濯の前作業として被
洗濯物を洗濯槽４内に投入し、次に第１図示のよ
うに蓋２３を開き洗剤２６を洗剤カツプ２７によ
り洗剤ケース２０内に収容する。この時、糸屑フ
イルター１１は洗剤２６により一方に押し付けら
れ折り畳まれることになる為、洗剤ケース２０は
糸屑フイルター１１を内包するもその内部空間を
洗剤２６の収容に有効に利用でき、特に大型化す
る必要はない。

そして、スタートスイツチをONして運転を開
始すると、先ず所定水位まで給水した後、パルセ
ーター５の回転により洗濯作業が開始される。パ
ルセーター５が回転すると、その裏面のインペラ
ー６のポンプ作用により洗浄水の一部は循環路７
内を流れ、第１図矢印のように吐出口１０から糸
屑フイルター１１を通して洗剤ケース２０内に流
れ込み、該ケース２０内の洗剤２６を併つて流出
口２１から洗濯槽４内に帰還する。このように、
パルセーター５の回転により循環する洗浄水によ
つて洗剤２６が供給され、しかもその供給は糸屑
フイルター１１による抵抗を受けることなく迅速
かつ確実に行なわれる。

一方、糸屑フイルター１１は洗剤２６が流出し
た後、洗剤ケース２０内にて充分に膨らみ、洗浄
水中に含まれる糸屑等を確実に補集でき、又作業
終了後においては蓋２３を開き開口部２２よりフ
イルター枠１８を引き抜くことにより容易に取外
せ、捕集した糸屑等を手軽に除去することができ
る。

さらに、上記実施例にあつては洗剤ケース２０
を糸屑フイルター１１を被うように取付けるだけ
の極めて簡単な構造であり、しかも吐出口を分割
して洗剤ケースと糸屑フイルターとを並設する従
来のものに比べ形状的にもコンパクトにまとめる
ことができる。

尚、本案は上記しかつ図面に示す実施例に限定
されるものではなく、糸屑フイルターの取付構
造、形状等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変形
して実施できること勿論である。

（考案の効果） 以上の如く本案の洗剤供給装置は、糸屑フイル
ターおよび洗剤ケースに対して共通の洗浄水の吐
出口を用いるようにしたから、構造的に簡単で形
状的にもコンパクトにまとめられ、しかも洗剤を
迅速かつ確実に供給することができ、実用上頗る
有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案洗剤供給装置の要部を示す断面
図、第２図は同糸屑フイルターを取除いた状態を
示す断面図、第３図は洗濯機の概略構成図であ
る。 ４……洗濯槽、５……パルセーター、６……イ
ンペラー、７……循環路、１０……吐出口、１１
……糸屑フイルター、２０……洗剤ケース、２６
……洗剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ パルセーター裏面のポンプ作用により洗浄水
   を循環させる循環路を洗濯槽に縦設し、この循
   環路の洗濯槽上部に開口する上端吐出口に糸屑
   フイルターを設けたものにおいて、上記洗濯槽
   の内面に糸屑フイルターを被うように洗剤ケー
   スを設け、循環路からの洗浄水を糸屑フイルタ
   ー及び洗剤ケース内部を順次通して洗濯槽内に
   帰還させるべく構成したことを特徴とする洗濯
   機の洗剤供給装置。 ２ 洗剤ケースは内部に洗剤を入れるための開口
   部を有し、この開口部より糸屑フイルターを着
   脱可能とすべく構成してなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の洗濯機の洗剤供給装置。