JPH0323092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、釣糸を任意の方向へ矯正したり、或
いは捩れた釣糸を真つ直ぐに矯正したりすること
のできる釣糸捩れ矯正器に存する。

（従来の技術） 従来、海、河川、湖沼等で魚釣りを楽しむ場
合、魚の種類或いは釣場（ポイント）によつて仕
掛けが異なつていた。

例えば、鮎の友釣りの場合、生きている鮎を鼻
環を介して道糸に繋ぎ、次いでその囮鮎の尻鰭部
分に針を打ち（尻掛かり）、更に、その延長上の
針素に空針を下向きに仕掛けて泳がせ（針素仕掛
け）、そこに闘争して誘い寄つてくる鮎を掛け釣
りしていた。

また、囮鮎は、尻鰭部分に打つ針の位置によつ
て旋回の仕方が異なるもので、例えば、尻鮎の右
側に針を掛けると鮎は左へ旋回し、他方、尻鮎の
左側に掛けると右へ旋回するもので、釣場によつ
て泳がせる方向を変えたいときは、左右二種類の
ものを用意していた。

また、底釣りのような道糸から横方向に枝素を
張り出す仕掛けの場合、魚の引き力、或いは釣れ
た魚の旋回等によつて、枝素が所謂パーマネント
状に捩れてしまうことが多々あつた。

（考案が解決しようとする問題点） このような従来の仕掛け中、前述した鮎の友釣
りにあつては、上記したように、尻鰭部分に打つ
針の位置によつて旋回の仕方が異なるものである
から、左右二種類のものを用意しなければなら
ず、また、下向きに仕掛けた前記空針の向きが変
化すると、鮎が全く掛らなくなり、仕掛けや空針
の向きを矯正するのに余儀無くされていた。

また、道糸から枝素を張り出す仕掛けの場合に
あつては、枝素に一旦、前述したようなパーマネ
ント状の捩れが生じてしまうと、その釣場に適し
た適宜長さの枝素が得られず、しかもそれが道糸
に絡むことも相俟つて、魚が全く釣れなくなつて
いた。そのため、その都度、新たな仕掛けと取換
えなければならず、不経済でもあつた。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、簡単な作業で、釣糸を任意の方向に
曲げたり、或いは捩れた釣糸を真つ直ぐに矯正す
ることのできる釣糸捩れ矯正器を提供することを
目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上述の如き従来の問題点を解決し所期の目的を
達成するため本考案の構成は、ライター本体と、
該ライター本体の燃焼部上方に配設された支持基
板と、該支持基板の上面に立ち上がらせ、かつ、
少なくとも一方が他方に対向して移動自在に支持
された一対の狭持体と、該両狭持体を互いに圧接
内方へ押圧させるスプリングとを備えてなる釣糸
捩れ矯正器に存する。

（作用） このように構成される釣糸捩れ矯正器は、ライ
ター本体と、該ライター本体の燃焼部上方に配設
された支持基板と、該支持基板の上面に立ち上が
らせ、かつ、少なくとも一方が他方に対向して移
動自在に支持された一対の狭持体と、該両狭持体
を互いに圧接内方へ押圧させるスプリングとを備
えたことによつて、ライターを着火させて、該燃
焼部の上方に配設させた前記支持基板及び一対の
狭持体を熱した後、スプリングで互いに圧接内方
へ押圧させてなる一対の狭持体間に釣糸を狭着し
て摺動させれば、簡単に釣糸を任意の方向へ曲げ
たり、或いは捩れた釣糸は真つ直に矯正される。

（実施例） 次に、本考案の実施の一例を図面を参照しなが
ら説明する。

図中Ａは、本考案に係る釣糸捩れ矯正器であ
り、この釣糸捩れ矯正器Ａは、ライター本体１
と、該ライター本体１の燃焼部２上方に配設され
た支持基板３と、該支持基板３の上面に立ち上が
らせ、かつ、一方が他方に対向して移動自在に支
持された一対の狭持体４，４と、該狭持体４，４
を互いに圧接内方へ押圧するスプリング５，５と
から構成されている。

また、ライター本体１の上端には、風防６の炎
口７に向けてガス噴出ノズル８が突出されて燃焼
部２を形成し、弁操作レバー９により引き出し方
向に動作されることによつて、弁が開かれガスが
噴出されるようになつている。

更に、着火操作子１０を押し下げることによつ
て圧電ユニツトの動作部（図示せず）が押し下げ
られ、端子が弁操作レバー９の後端の操作部（図
示せず）に接触し、弁操作レバー９が支軸を中心
にして回動され、弁を開く方向に動作された後、
高電圧が発生し、ノズルと放電電極との間で火花
放電がなされ、着火されるようにしている。

また、ライター本体１の両側部には、上下方向
に沿う長溝１ａを凹設し、該長溝１ａに摺動自在
に嵌合されてライター本体１の上方へ突出可能な
風防カバー１１が装着されている。

そして、該風防カバー１１の上端には、該上方
開口縁上に載置される矩形板状の支持基板３が舌
片３ａ，３ａを介して回動自在に軸着されてい
る。この支持基板３は、熱伝導の良い金属体から
なるもので、その上面に一対の狭持体４，４が互
いに対向した状態で立ち上がらせて装着されてお
り、該狭持体４，４には、その立上り壁に伸縮調
整自在に突設された調整支軸５ａ，５ａにスプリ
ング５，５が挿通されて圧接内方へ押圧されてい
る。この調整手段であらゆる釣糸の太さ（号数）
にも多様でき、また釣糸の捩れ具合によつて、狭
持力を自由に調節できるようになつている。

尚、本考案の釣糸捩れ矯正器Ａは、本実施例に
限定されるものではなく、例えば、圧電式ライタ
ーに限らず、ヤスリ石を用いたライターを用いて
も良く、また、風防カバーを用いずとも、直接に
ライターの風防へ矯正手段を設けても良い。

（考案の効果） 本考案は上述の如く構成され、ライター本体
と、該ライター本体の燃焼部上方に配設された支
持基板と、該支持基板の上面に立ち上がらせ、か
つ、少なくとも一方が他方に対向して移動自在に
支持された一対の狭持体と、該両狭持体を互いに
圧接内方へ押圧させるスプリングとを備えたこと
によつて、ライターを着火させて、該燃焼部の上
方に配設させた前記支持基板及び一対の狭持体を
熱した後、スプリングで互いに圧接内方へ押圧さ
せてなる一対の狭持体間に釣糸を狭着して摺動さ
せれば、簡単に釣糸を任意の方向へ曲げたり、或
いは捩れた釣糸を真つ直に矯正できることとな
り、その都度、新たな仕掛けと取換えなくても、
そのまま何度でも簡単に矯正して使用できるので
経済的であると共に、取換え若しくは仕掛け作業
等の手間が省け、釣人にとつて便利な釣糸捩れ矯
正器を提供できることとなつた。

また、構成も単純であるため、大量生産に適
し、価格も低廉なものとして需要者に供給するこ
とができるものとなつている。

このように本考案は優れた利点を有しているも
ので、本考案を実施することはその実益的価値が
甚だ大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施の一例を示すもので、第１
図は本考案に係る釣糸捩れ矯正器の正面図、第２
図は風防カバーを伸ばした状態の同一部縦断正面
図、第３図は矯正体の斜視図、第４図は同縦断面
図である。 １……ライター本体、２……燃焼部、３……支
持基板、４……狭持体、５……スプリング、６…
…風防、７……炎口、８……ガス噴出ノズル、９
……弁操作レバー、１０……着火操作子、１１…
…風防カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ライター本体と、該ライター本体の燃焼部上方
   に配設された支持基板と、該支持基板の上面に立
   ち上がらせ、かつ、少なくとも一方が他方に対向
   して移動自在に支持された一対の狭持体と、該両
   狭持体を互いに圧接内方へ押圧させるスプリング
   とを備えてなる釣糸捩れ矯正器。