JPH0321995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は用紙とその両側に設けた砂状摩擦ロー
ラ等で送つて、これと直角方向に移動する筆記具
にて作図される自動製図機の用紙送り装置に関す
るものである。

従来この種の用紙送り装置は第１図に示す如
く、用紙１をその下面に設けた砂状摩擦ローラ２
と、上面両端部に設けた２個の押えローラ３との
間に介挿し、一方の砂状摩擦ローラ２の駆動によ
つて用紙１を矢印方向もしくはこれと反対方向に
送りながら、用紙１の上面をその送り方向と直角
に移動する筆記具４にて作図するものが実施され
ている。

然るに上記の構成では筆記具４が上記一方の砂
状摩擦ローラ２の軸心に対してその真上位置を用
紙１の送りと直角方向に移動した場合には砂状摩
擦ローラ２の外周表面が粗いため、筆記具４にて
用紙１に作図することが困難である。

そこで、上記筆記具４を破線にて示す位置即
ち、上記砂状摩擦ローラ２の軸心に対してその真
上位置より用紙１の進行と反対方向に位置をずら
して用紙１に作図することが考えられる。然るに
上記の場合には、用紙１が図示矢印方向と反対に
進行すると、筆記具４の押圧力によつてその押圧
点より上記砂状摩擦ローラ２の反対側の用紙１の
進行速度がその反対側の用紙１の進行速度より低
下するため、筆記具４と砂状摩擦ローラ２および
押えローラ３との間の用紙１がたるみを生じた
り、破けたりして用紙１を送ることが困難になる
場合がある。

本考案は上記の欠点を除去し、砂状摩擦ローラ
の軸心に対してその真上位置より用紙の進行方向
あるいはこれと反対側にずらした位置で筆記具を
押圧しても、用紙がたるんだり破けたりしない用
紙送り機構を提供することにある。

本考案は上記の目的を達成するため、用紙の進
行方向前部および後部の位置にそれぞれ用紙の前
部および後部の両端をはさんで送るための砂状摩
擦ローラと押えローラとからなる一対のローラ部
を有し、該一対のローラ部をそれぞれ駆動させる
モータを有し、上記用紙の進行方向に応じて用紙
の進行方向前部側の一対のローラ部のモータのみ
を駆動させるモータ駆動切換手段を有し、上記二
対のローラ部間の筆記具対向位置に負圧を利用し
た用紙吸着機構を有し、用紙を用紙吸着手段に密
着させながら送るように構成したものである。

以下第２図および第３図により本考案を具体的
に説明する。

第２図は本考案の一実施例を示す斜視図、第３
図は第２図の縦断面図である。同図において５は
用紙、６は筆記具を示す。また７ａ，７ｂは２個
の砂状摩擦ローラにして間隔をおいて平行に配置
している。８ａ，８ｂは４個の押えローラにして
夫々上記用紙５の両端部を介して砂状摩擦ローラ
７ａ，７ｂに対接して一対のローラ部を形成して
いる。９ａ，９ｂは２個の正逆両用モータにし
て、夫々上記２個の砂状摩擦ローラ７ａ，７ｂに
接続しかつ切換装置（図示せず）に接続してい
る。この切換装置は今用紙５を第２図に示す矢印
方向に送る場合には図の前方側のモータ９ａを駆
動させ用紙５を上記と反対方向に送る場合には図
の後方側のモータ９ｂを駆動させる如く形成され
ている。１０は上記二対のローラ部間に配置され
た用紙吸着機構にして、箱形状をしたケース１１
内に密閉された空気室１２を形成し、この空気室
１２とケース１１の上面即ち作図ベース面１３と
を接続する如く、用紙５の進行方向にそうて複数
個の空気穴１４を形成し、かつ上記空気室１２と
ケース１１の下面とを接続する如く中心部に貫通
穴１５を穿設し、この貫通穴１５内にフアン１６
を内臓している。

上記の構成であるから、用紙５を第２図に示す
矢印方向に送るため切換機構により図の前方側の
モータ９ａを駆動すると、一方の砂状摩擦ローラ
７ａが回転するので、上記一方の砂状摩擦ローラ
７ａと一方の押えローラ８ｂとの間を用紙５が矢
印方向に送られる。なおこのとき図の後方側の砂
状摩擦ローラ７ｂと、押えローラ８ｂは用紙５の
進行に伴つてこれと同一速度で回転する。またフ
アン６が回転すると、空気室１２内の空気が外部
に排出されて空気室１２内が負圧になるのでこの
負圧力により空気穴１４を介して作図ベース面１
３上に用紙５を密着させながら送る。この状態で
筆記具６が用紙５を押圧しながら用紙５の進行と
直角方向に移動して用紙５に作図する。

上記のように本考案においては用紙５がその進
行方向前方側の一対のローラ部によつて引張られ
るように送られ、かつ用紙吸着機構１０によつて
作図ベース面１３上に密着されながら送られるの
で、筆記具６がたとえ用紙５を押圧したとして
も、用紙５は従来のようにたるみを生じたり破け
たりすることなく円滑に送ることができ、かつた
とえ筆圧力の弱い筆記具６たとえばフエルトペン
等を使用しても用紙５に作図することができ、か
つたとえ用紙５の端部が何れか一方の押えローラ
８ａもしくは８ｂより外れたとしても筆記具６で
用紙５に作図することができる。

したがつて本考案は自動製図機の性能を向上し
かつ適用範囲の拡大をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動製図機の用紙送り装置を示
す斜視図、第２図は本考案の一実施例を示す斜視
図、第３図は第２図の縦断面図である。 １，５……用紙、２，７ａ，７ｂ……砂状摩擦
ローラ、３，８ａ，８ｂ……押えローラ、４，６
……筆記具、９ａ，９ｂ……駆動モータ、１０…
…用紙吸着機構、１１……ケース、１２……空気
室、１３……作図ベース面、１４……空気穴、１
５……貫通穴、１６……フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 用紙をその両側に設けた砂状摩擦ローラ等で送
   つて、これと直角方向に移動する筆記具にて作図
   する自動製図機の用紙送り装置において、上記用
   紙の進行方向前部および後部の位置にそれぞれ用
   紙の前部および後部の両端をはさんで送るための
   砂状摩擦ローラと押えローラとよりなる一対のロ
   ーラ部を有し、該各一対のローラ部をそれぞれ駆
   動させるモータを有し、上記用紙の進行方向に応
   じて該用紙の進行方向前部側の砂状摩擦ローラの
   モータのみを駆動させるモータ駆動切換手段を有
   し、上記二対のローラ部間の上記筆記具の対向位
   置に負圧を利用した用紙吸着機構を有し、用紙を
   吸着されながら送るように構成したことを特徴と
   する自動製図機の用紙送り装置。