JPH03207631A - 繊維強化熱可塑性合成樹脂の成形方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は合或樹脂の或形方法に係り、特に繊維強化熱可
塑性合或樹脂のプリプレグ材シートを用いての加圧或形
方法に関するものである。

〔従来の技術〕

−１＝ 繊維強化合或樹脂は、単位重量当たりの剛性や機械的強
度である比剛性や比強度が金属材料に比べて優れ、また
、ある程度仕様に合わせた特性の材料を設計出来るので
、いわゆるテーラードマテリアルと呼ばれ、航空，宇宙
産業をはじめとし舟艇、船舶、自動車、スポーツ関連等
に急速に普及しつつある． 繊維強化合或樹脂は、従来は、熱硬化性合或樹脂ベース
として形威されていたが、最近は高性能の熱可塑性合成
樹脂が多く開発されたこともあって熱可塑性合成樹脂も
ベース樹脂として利用されるようになり、連続繊維に熱
可塑性合或樹脂を含浸させたシート状繊維強化熱可塑性
合成樹脂、すなわち、ＦＲＴＰシ一トが開発された．従
来のＦＲＴＰシ一トの戒形方法について第３図〜第６図
により説明する． ＦＲＴＰシ一トの戒形は第３図に示すようなホットプレ
ート或形装置により行われており，（ｌ）は型締用油圧
シリンダー、（２）は補強材，（３）は水冷却管（８）
の埋設された隔熱冷却板、（４）は断熱材、−２− （５）は水冷却管（７）及びカートリッジヒータ（６）
を埋設した加熱冷却板である。

したがって、この装置を用いての戒形は、加熱させた加
熱冷却板（４）に戒形用の型の下型及び上型を各々取り
付け、型締用油圧シリンダー（１）による所定圧力での
型締めにより行われ、戒形後加熱冷却板（４）を冷却し
成形品の取り出しを行う。

ＦＲＴＰシ一トとして、例えばＰＥＥＫ　（ポリエーテ
ル・エーテル・ケトン）樹脂をベース樹脂とし繊維が一
方向に配向したところの一方向プリプレグ材を用いての
戒形の場合は、第４図に示すように一方向ブリプレグシ
一ト（９）を所定の繊維配向が得られるよう各々方向を
定めて所定枚数積み重ね、この樹脂にはタック性がない
ので、エッジ部を電気とてで融着したり、或は、プレス
機で熱圧着したりして第５図に示すような積層材（１０
）を先ず或形する。

次いで、積層材（１０）を加熱炉で所定の或形温度、例
えばＰＥＥＫ樹脂の場合は４００℃程度に予熱した後、
第６図に示すように第３図の成形装置の加−３− 熱冷却板に装着され２００℃程度に加熱された金型（ｌ
１）の下型（１２）上に載せ、この積層材（１０）を油
圧シリンダー（１）の作用によって上型（１３）で２０
ｋｇｆ／ｄ前後の圧力で加圧して或形する． 〔発明が解決しようとする課題〕 前記したような従来の戒形方法において、先ず問題とな
るのは４００℃という高温に加熱された積層材を金型に
セットするための取り扱いである。

すなわち、積層材を加熱炉から取り出すと直ちに冷却が
始まるので数秒程度で速やかに金型にセットしなければ
ならないが、積層材は、前記したように高温に加熱され
ており、しかも変形し易く取扱が容易でないので、これ
は困難であった。

この結果、積層材を金型にセットする迄の時間が長くな
り、この間に冷却が進み、金型にセットされた積層材に
は外周部の温度が中心部の温度より低くなる温度のバラ
ツキが生じる。

金型にセットされた積層材が温度のバラツキを持つと材
料の部分的な賦形性のバラツキとなり、成形品にしわ、
よじれ、ボイドといったような種−４− 々の製品欠陥が発生し、機械的強度のバラッキの原因と
なった． また、ベース樹脂としてＰＥＥＫのような結晶性樹脂を
用いている場合には、材料の部分的冷却速度のバラツキ
は結晶化度のバラッキとなって、物理、化学両特性のバ
ラツキとなる。

本発明は，前記したような従来技術の欠点を解消し、し
わ、よじれ、，ボイドのような製品欠陥と結晶化度のバ
ラツキの発生を防ぐことのできるＦＲＴＰシ一トの戒形
方法を提供することを目的に創案されたものである。

〔課題を解決するための手段〕

すなわち本発明は、所定枚数の繊維強化熱可塑性合或樹
脂プリプレグ材シートを積層したシート状威形材を加熱
炉中に開口を介して対向し独立した圧力調節機能を持っ
て配備された二つの加圧室の対向する開口間に保持し、
通気性成形型を開口に臨んで配備した加圧室を低圧側と
して二つの加圧室間に圧力差を設けて加圧室内を加熱し
つつ加圧気体で加圧し成形材を成形型に倣って賦形する
−５− ことを特徴とする繊維強化熱可塑性合或樹脂の成形方法
である。

〔作　　用〕

本発明は前記したように構或され、加熱炉内に配備され
た対向する二つの加圧室の開口間にＦＲＴＰシートを保
持し、加熱しつつ加圧室間の圧力差に基づく加圧気体の
押圧力で成形を行うので、まず、加熱されたＦＲＴＰシ
一トを成形型にセットするために取り扱う必要がないの
で作業が容易であるとともに取り扱い時にシートが冷却
する心配がなく、さらに，シートの加圧が従来のプレス
の場合のように一方向から局部的に行われるのではなく
、上下両方向から全体的に均一に行われるので、しわ、
よじれ、ボイドといった或形条件に起因する製品欠陥が
生じることがない。

また、ＦＲＴＰシートの加熱及び戒形品の冷却は温度の
バラツキがなく全体的に均一に行われるので、ＰＥＥＫ
のような結晶性の合成樹脂の場合でも結晶化度がバラツ
キが生じることがなくなり、したがって、結晶化度に起
因する物性上のパラツ−６− キは生じない。

〔実施例〕

本発明の実施例について第１図及び第２図により説明す
る。

第１図において、（１４）は上加圧室、（１７）は下加
圧室で、両加圧室は開口を介して対向して加熱炉（図示
せず）中に配備されている。

上加圧室（１４）及び下加圧室（ｌ７）の各々に、室内
を加圧する圧搾空気を導入するための加圧口（１６）及
び（１９）が設けられており、下加圧室（１７）内には
、開口に臨んで石膏のような通気性材料で形威したり或
はキャビティに連通する通気孔を複数設けたりしてキャ
ビティ内の空気を型外に排出できるようにした通気性或
形型（２０）が、ガラスビーズ充填層のような通気性バ
ックアップ層（２１）によってバックアップして配備し
てある。

通気性型（２０）の下加圧室（１７）内への配備をガラ
スビーズのような球形材の充填による通気性のバックア
ップ層（２１）を介して行うのは、種々の大きさの型の
保持が容易で好都合であるからであり、一７ー 要は、成形型（２０）を下加圧室（１７）内に、キャビ
ティ内の空気を型外に容易に排出できるよう周囲を解放
し通気性を保った状態で配備することである。

（２８）は、上下加圧室（１４）　（１７）が配備され
た加熱炉外に設けられた差圧調節室であり、圧搾空気供
給管（２７）から送られて来た圧搾空気を、上加圧室（
１４）には圧力計（３０）の取り付けられた給気管（２
９）を介して加圧口（１６）に高圧空気を、下加圧室（
１７）には圧力計（３２）の取り付けられた給気管（３
１）を介して加圧口（１９）に低圧空気を送るように圧
力調節する。

なお、上下加圧室（１４）　（１７）の加圧には，成形
材の酸化を防ぐため圧搾空気に変えて加圧された不活性
ガスを用いても良い。

（２４）は、ＦＲＴＰのプリプレグ材シー｝−　（２５
）を所定枚数重ね合わせ上下両面から離型シ一ト（２６
）で挾んだシート上成形材で、このシート状成形材（２
４）は、上下の加圧室（１４）　（１７）の開口の周囲
に設けたフランジ部（１５）　（１８）の間に挾みボル
ト（２３）で締めて保持されている。

−８一 なお、離型シ一ト（２６）としては超塑性アルミニウム
、鉄等の展延性に富んだ金属板材やポリイミド樹脂のよ
うな耐熱性合成樹脂のシートが利用され、（２２）は通
気性バックアップ層（２１）としてのカラスビーズが給
気管（３１）に侵入するのを防ぐため加圧口（１９）内
に挿入されたフィルターである。

次に、成形の具体的条件について説明すると、プリプレ
グ材シート（２５）としては、ＰＥＥＫ樹脂をマトリッ
クス材とする炭素繊維プリプレグ材（化或ファイバーラ
イト社、ＡＰＣ−２、密度１．６ｐ／ａ＆、炭素繊維体
積分率６１％、樹脂含有率３２％）の厚さ０．１２５ｎ
＋ｍのシートを用い、このシートの織維配向を４５″ず
つずらしての４枚重ねを２組合計８枚重ねを、離型シ一
ト（２６）として厚さ０．８ｎｎの超塑性アルミニウム
シ一ト（スカイアルミ、Ａ７４７５）で挾み成形材シー
ト（２４）とし、上下の加圧室（１４）及び（１７）の
開口の間に保持した。

上下加圧室（ｌ４）及び（１７）を収納する加熱炉は、
或形する材料のベース樹脂であるＰＥＥＫ樹脂の成形温
度の４００℃に保たれているので、成形材シ−９一 一ト（２４）が４００℃に達した後に、上下加圧室（１
４）および（１７）に差圧調節室（２８）で圧力調節し
た圧搾空気を送り両室内を６　ｋｇ　ｆ　／ａｉＴの圧
力にまず調節し、その後、差圧調節室（２８）での圧搾
空気の圧力調節により、上加圧室（ｌ４）は、６　ｋｇ
　ｆ　／ｃ＋＃の圧力を保った状態とし、下加圧室（１
７）を．　４ｋｇｆ／ｃＪの圧力とし、上下の加圧室（
１４）　（１５）の間に２ｋｇｆ／ａｉの圧力差を設け
る。

この結果、成形材シート（２４）は、上方からは上加圧
室（１４）の空気圧によって６ｋｇｆ／ｃｄの圧力で加
圧され、下方からは通気性或形型（２０）のキャビティ
を介しての下加圧室（１７）による４ｋｇｆ／ａ＆の圧
力で加圧され、結果として、上下加圧室（１４）（１７
）間の圧力差である２ｋｇｆ／ｄの圧力で上方から加圧
されることとなる。

これにより、所定の或形温度に加熱されている成形材シ
ート（２４）は、通気性或形型（２０）のキャビティに
倣うよう徐々に変形して行き、この際、通気性成形型（
２０）が通気性を持っているので、キャビティ内の空気
は成形材シート（２４）の変形にとも−１０− なう押圧によって型外に排出されるので一層変形が進み
、最終的にはキャビティに密着し完全にキャビティに倣
って賦形される。

最後に、下加圧室（ｌ７）内を圧搾空気を抜き大気圧に
解放し、上加圧室（１４）から６ｋｇｆ／ａ｛の圧力で
前記したようにして賦形された成形材シート（２４）を
通気型（２０）のキャビティに押圧した状態を所定時間
保ち、第２図に示すような状態となって成形を終了する
。

このようにして威形が終了した後、ＰＥＥＫのような結
晶性樹脂をベースとしたプリプレグ材シートの戒形の場
合には、成形品を直ちに上下の加圧室（１４）　（１７
）の間から取り外し、榴脂の結晶化を防ぐために水冷等
によって急速に冷却する。

この場合、プリプレグ材シート（２５）を上下両面から
挾む離型シ一ト（２６）として超塑性アルミニウムシ一
トのような極めて可撓性に富んだ金属材を利用すると、
離型シ一ト（２６）がプリプレグ材シート（２５）に良
く密着して同時に変形して成形でき、しかも、或形終了
直後の４００℃と高温に加熱され一　１１　− た或形品を変形させることなく、水冷等のために取り扱
えて好都合である。

〔発明の効果〕

本発明は、前記したような構或及び作用のものであり、
所定の或形温度に均一に加熱された成形材シートの両面
からの加圧力に差を設けて押圧する風圧或形のために，
戒形品には、しわ、よじれ、といった外部的な欠陥は勿
論、ボイドのような内部的な欠陥の発生も重ね合わせた
プリプレグ材シート間の空気の排出が円滑に行われるた
めに殆ど認められなかった。

また、均一に加熱された或形品は金属材シートで両面か
ら保持されているので取り扱いによって変形せず、或形
終了直後に或形装置から取り出し水冷等の処理が行え、
ＰＥＥＫのような結晶性合或樹脂の成形の場合でも、戒
形品の冷却条件のバラツキによって結晶化度がばらつき
、物理及び化学的特性がばらつくのを防ぐ。

以上のように、本発明は、戒形上の欠陥を発生させない
ことは勿論、結晶化度のような合或樹脂の基礎的性状を
も均一に保たたせ、機械的強度とともに物理、化学の両
特性の良好な戒形品の得られる繊維強化熱可塑性合Ｉｌ
＆樹脂の成形方法を提供する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例を示し、第１図は戒
形前を、第２図は成形後を示す図で、第３図〜第６図は
従来例を示す図で、第３図はホットプレス成形装置を、
第４図はプリプレグ材シートを積層する状態を、第５図
は積層材を、第６図は戒形状態を示す図である。 （１４）・・・上加圧室、（１７）・・・下加圧室、（
２ｏ）・・・通気性或形型、（２４）・・・成形材シー
ト、（２５）・・・プリプレグ材シート，　（２６）・
・・離型シ一ト。 特開平３ ２０７６３１　（６） 第 ６ 図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　所定枚数の繊維強化熱可塑性合成樹脂プリプレグ材シ
   ートを積層したシート状成形材を加熱炉中に開口を介し
   て対向し独立した圧力調節機能を持って配備された二つ
   の加圧室の対向する開口間に保持し、通気性成形型を開
   口に臨んで配備した加圧室を低圧側として二つの加圧室
   間に圧力差を設けて加圧室内を加圧しつつ加圧気体で加
   圧し成形材を成形型に倣って賦形することを特徴とする
   繊維強化熱可塑性合成樹脂の成形方法。